本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
ヤマネの姿を見れば、おそらく多くの方が ハムスター や リス に似ていると思われるかもしれません。
顔つきは一見ハムスターに良く似ていますが、ネズミやハムスターとの大きな違いはフサフサの長い尻尾。
ネズミやハムスターは尻尾が短く毛がないのが特徴ですが、ヤマネはフサフサの長い尻尾と背中に一本黒い筋があるのが見分けるポイントです。
日本に生息するヤマネは絶滅の危機に晒された危急種で、1975年に国の天然記念物に指定されました。
冬眠生活が長いことや夜行性ということもあり、生息する森の中でも滅多に出会うことのできない、貴重な動物なのです。
日本の動物園では唯一、上野動物園で飼育されていますが、夜行性のため起きている姿を滅多にお見かけすることができません。
また、日本には2,000万年前からヤマネの生息が確認されていることから「生きた化石」と呼ばれています。
学名:Glirulus japonicus
和名:ヤマネまたはニホンヤマネ
英名:Japanese dormouse
分類:哺乳鋼 ネズミ目 ヤマネ科 ヤマネ属 ヤマネ
体長:6.8~8.4㎝
尾長:4.4~5.4㎝
体重:約14~23g(※冬眠時は40gほどに増加する個体もあり)
寿命:野生下では平均4~5年。飼育下では最長9年。
ヤマネの前脚の指は4本、後脚の指は5本。
爪はカギ爪で、木にぶら下がりやすいようになっています。
また、足の裏には肉球があり、滑り止めの役割も果たします。
体の横に四肢があり、木にぶら下がりながら移動することができます。
大きな特徴と言えば、長さ約5㎝ほどのフサフサの尻尾。
これは木の上を移動する際に、バランスをとるのに役立っています。
尻尾の毛は長く、1本が2cmほどもあります。
背中の毛色は淡褐色で、真ん中に暗褐色の縦縞が入っているのも特徴です。
ヤマネは夜行性です。
昼間は寝ていて、夜になると起きだし餌を食べたり、活発に動き回ります。
特徴的なのはその移動の方法です。
地面に対して平行に伸びた木の枝を移動する際は、体を枝の下にして、ぶらさがるような形で移動をするのです。
そのために、前述の通り、かぎ爪になっていて、木をしっかりとつかむことができるわけです。
ヤマネは冬眠する生き物です。
冬場は木の空洞や落ち葉、地中で体を丸めて冬眠します。
冬眠中は体温が0℃近くまで下がり、脈拍や呼吸の数も減り仮死状態になります。
ヨーロッパではおよそ5,000万年前、日本ではおよそ2,000万年前の地層からヤマネの化石が発見されています。
公益財団法人キープ協会「やまねミュージアム」館長・ヤマネ博士の話によると、ヤマネは恐竜が絶滅した後のおよそ5,000万年前から地球に存在していたといいます。
5,000万年前といえば恐竜やアンモナイト、海生爬虫類が絶滅した後、哺乳類と鳥類が繁栄した新生代の第三紀に出現したことが分かります。
ヤマネは人類よりはるか昔に繁栄した生き物であることがお分かりでしょう。
古代からその容姿と生態を変えないヤマネは「生きた化石」と呼ばれています。
おー、これが古代ローマでヤマネを飼育していた壷だそうです。中がちゃんと飼育用の構造になってる! https://t.co/YvgemWldiZ pic.twitter.com/S613hrCbSm
— 河島思朗 (@vdgatta) July 9, 2017
イタリア料理の歴史ノートには、古代ローマ時代の貴族が珍味を楽しむ美食ぶりが記録されています。
クジャクやツルなどの鳥類とともに、可愛らしいオオヤマネも食肉として用いられていました。
ヤマネを専用の壺に入れて飼育し、木の実を大量に食べさせ太らせてから調理していたようです。
主に前菜や蜂蜜とケシの種子に漬けたデザートとして日常的に食されていたと言います。
日本に生息するニホンヤマネの祖先は、日本がまだ大陸と陸続きだったおよそ500万年前の外来種であると考えられています。
大陸に存在するヤマネとは数千年前に分岐したと推定されており、ニホンヤマネは日本独自の固有性を誇り他の種とは異なることが分かります。
日本では、古くから冬に木を切ると冬眠中のニホンヤマネが出現することから、林業に携わる人々はニホンヤマネを山の守り神として大切にしてきました。
秋田県北部のマタギたちの間には、小玉鼠 (コダマネズミ)という妖怪の言い伝えがあります。
この妖怪はヤマネに似ており、山中で人間に出会うと立ち止まって見る間に体を膨らませ、轟音とともに自爆させると伝えられています。
小玉鼠の行動をマタギたちは山の神の怒りや警告として恐れたようです。
また、実在するヤマネが幻獣の小玉鼠の正体だという説もあり、冬眠中のヤマネを掘り起こしたマタギが、その罪悪感から祟りがあると考え、この伝承に繋がったとする説もあるようです。
これらの話から、ニホンヤマネはとても日本人にとって身近な存在であったことが分かります。
イギリスからロシアにかけて生息するヨーロッパヤマネは、ルイス・キャロルの童話「不思議の国のアリス」に登場するキャラクター「眠りネズミ」として名を馳せました。
英語の「眠りネズミ」( dormouse) はヤマネを意味し、ネズミではなくヤマネと翻訳される書もあります。
「眠りネズミ」のキャラクターは、ルイス・キャロルと親交のあったダンテ・ゲイブリエル・ロセッティのペットで、テーブルの上で眠り込むフクロネズミ(オポッサム)をモデルにしているという説があります。
ヤマネの冬眠が長いことから「眠りネズミ」というキャラクター名が作られたようです。
「不思議の国のアリス」の「狂ったお茶会」の中で、「三月ウサギ」 と「帽子屋」 に乱暴にティーポットに詰め込まれる「眠りネズミ」のシーンが有名ですね。
実は英国のヴィクトリア朝では、使い古したティーポットに干し草を入れてヤマネを飼ったり、ティーポットに入れたヤマネをプレゼントする習慣があったのだそう。
童話の世界とは真逆で、ヴィクトリア朝の人々にヤマネが愛されていたことがお分かりでしょう。
日本で一般的に「ヤマネ」と呼ばれるものは、正式には「ニホンヤマネ」と呼ばれる品種で、日本だけに生息するヤマネです。
森林伐採などで生息地が年々減少しているため、国の天然記念物に指定されている野生動物です。
ニホンヤマネは特別な施設でない限りは飼育できないため、一般の方が飼育に携わることはできません。
飼育どころか触れることさえ許可されていないことを忘れないでくださいね。
野生のニホンヤマネは近年では本州・四国・九州などの限られた地域の森林や岩場などに生息しています。
例えば、生息地付近の家の敷地内でヤマネの姿を見かけたとしても、安易にヤマネを捕獲したり巣箱や餌を仕掛ける行為は違法です。
誤って捕獲した場合は、捕獲した場所または近い木に、ヤマネを捕獲した箱を括り付けるか箱ごと設置しましょう。
さらに、箱に枝を差し込んでおくとヤマネが箱から出やすくなります。
ヤマネは夜行性のため、動きが鈍い日中に森に放すと天敵に狙われやすいため要注意。
動きが活発な夕方以降に森に放しに行きましょう。
野生のヤマネがひょっこり姿を現した時は、驚かさないようにそっと見守ることが大切です。
オオヤマネ・モリヤマネ・メガネヤマネ・アフリカヤマネ・コビトヤマネ・ヨーロッパヤマネ・ホソオヤマネ・サバクヤマネなどおよそ30種が現存しており、ヨーロッパ、ロシア、アフリカ、中央アジア、中国、日本の森林や岩場などに広く分布しています。
主に西ヨーロッパに生息するヤマネの中ではもっとも大きな種です。
古代ローマ時代、オオヤマネは美味な肉として用いられていたことが知られており、現在でもスロバニアでは郷土料理として使われているようです。
体長:約13~19㎝
尾長:約11~15㎝
体重:約70~180g
主にスペイン南部、イタリアからドイツ、ヨーロッパ西部にかけて分布しています。
目の周りから耳にかけて黒色の眼鏡模様の紋が特徴となっています。
体長:約11~17.5㎝
尾長:約10~13.5㎝
体重:約60~140g
主にヨーロッパ中部に生息するヤマネの種。
オオヤマネと比べて体が非常に小さく、全身フサフサとした長毛に覆われているのが特徴です。
ペットとして飼育されることもあります。
体長:約6㎝
尾長:約4㎝
体重:18~34g
日本だけに生息するニホンヤマネと、ヨーロッパやアジアに生息するヤマネは種類が異なります。
品種によっては飼育が許可されている種もあり、日本に流通されているヤマネは主にアフリカヤマネ、ヨーロッパヤマネ、モリヤマネ、メガネヤマネを海外から輸入したもので、ペットショップや専門店などで稀に販売されています。
日本でペットとして飼育されているヤマネの中で、最もポピュラーで飼育しやすいアフリカヤマネについて解説します。
学名:Graphiurus murinus
生息地:アフリカ
体長:約7~10㎝
尾長:約4~5㎝
体重:約15~25g
寿命:平均5~6年
生態販売価格:1万円程度
アフリカヤマネは小さなリスのような外観で、海外では別名「マイクロリス」と呼ばれることもあります。
体長はおよそ7~10㎝程度で、体長と同じ長さの尻尾があります。
体毛は背面が茶褐色または灰褐色で腹面は淡い色をしています。
アフリカヤマネは夜行性で、夜になると活発に動き回ります。
臆病な性格のため、手の平に乗せたり過度に触れることはアフリカヤマネに大きなストレスを与えることになってしまいます。
赤ちゃんの頃から飼育すると、飼い主の手から直接エサを食べたり、手乗りになる個体もいるようです。
飼い主として、アフリカヤマネの臆病な性格を十分に理解することが大切です。
ペットとして迎えた時は個体に恐怖やストレスを与えないように静かに見守り、じっくりと時間をかけて信頼関係を深めていくことが必要です。
根気よくお世話をしていくことで徐々に慣れて行く過程は、ヤマネの飼い主だけが味わうことの出来る感動と喜びの体験です。
アフリカヤマネを飼育するのに必要な飼育用品をご紹介します。
ヤマネも小動物の一種類なので、ハムスターと同様、床材と給水器、給餌器などが必要です。
アフリカヤマネはペットとしてメジャーな動物ではありませんので、残念ながら専用ケージは市販されていません。
基本的にハムスターや小動物用のケージで飼育できます。
赤ちゃんから飼育する場合は非常に体が小さいため、ケージの隙間から逃げてしまう恐れがあり得るため、適度なサイズの水槽やプラスチックケースでの飼育がおすすめです。
水槽やプレスチックケースで飼育する場合は、風通しが悪いというデメリットがありますが、上部の蓋から脱走を避けるために隙間のないようにしっかりと蓋をしましょう。
非常に小さい個体で動作がすばしっこいため、脱出をしないように充分な注意が必要です。
最適なケージとしておすすめなのは、 チンチラ や フェレット 用の網目の細かく高さがあるケージ。
これなら体が小さくすばしっこいヤマネの脱走対策にもなるはずです。
参考価格:12,535円(税抜)
メーカー名:SANKO
サイズ(幅奥行高さ): 62×50.5×78cm
重量:7.6kg
生産国:日本
給水器は深めの小皿タイプのものにすると誤ってヤマネが入ってしまったり、ひっくり返してしまう可能性があります。
ケージ内に水がこぼれると衛生的にも良くないので。ケージに取り付けるタイプの給水器がおすすめです。
毎日、新鮮なお水に取り替えることが必要ですので、長期保存ができない天然水より水道水を使用しましょう。
参考価格:850円(税込)
メーカー名:マルカン
サイズ:W80xD80xH200mm
重量:70g
生産国:中国
エサ入れは、陶器の物がおすすめです。
プラスチック製だとヤマネが齧ってしまったり、誤って食べてしまう可能性もあります。
また傷ができやすく、そこから雑菌が繁殖するということもあるので、ヤマネの健康のためにも、衛生管理のためにも陶器製を選びましょう。
参考価格:980円(税抜)
メーカー名:SANKO
サイズ(幅奥行高さ):12.3×12.3×7.5cm
重量:260g
生産国:中国
野生のヤマネは、たくさんの木々の間を広範囲に移動する生き物です。
そのため運動量が多いですが、ケージ飼いではどうしても運動不足に陥りがちです。
ストレス解消や運動不足、肥満防止のためにも、回し車で運動をさせてあげましょう。
夜行性なので、回し車に乗るのも夜がほとんどです。
騒音の少ないタイプの回し車を選ぶと、深夜でも音が気になりません。
参考価格:1,010円(税抜)
メーカー名:SANKO
サイズ(幅奥行高さ):15.5×9.5×17.5cm
重量:240g
生産国:中国
木の穴に苔や木の皮を入れて巣を作り、寝床にしている野生のヤマネ。
飼育下でも同様に、巣となるものを用意してあげる必要があります。
デグーやリスなど、小動物の巣箱を置いてあげると、床材を巣箱の中に運んでマイホームを作ります。
参考価格:1,234円(税抜)
メーカー名:SANKO
サイズ(幅奥行高さ):20×15×12cm
重量:422g
床材は非常に重要な飼育用品のひとつです。
排泄物を処理しやすく掃除が楽な素材を選びましょう。
広葉樹のチップや牧草、ペットシーツなどがおすすめです。
参考価格:2,999円(税込)
メーカー名:SANKO
内容量:6㎏
野生のアフリカヤマネは、主に木の実や種子、果物、鳥の卵、昆虫など、さまざまなものを食料としています。
基本的に雑食ですので、飼育下の場合はハムスターや小動物用の小粒タイプのミックスフードを主食として与えましょう。
副食として、リスや小鳥用のひまわりの種、果物(リンゴやブルーベリーなど)、野菜、ゆで卵、ボイルした鶏ささみ肉を小さくカットしたものをバランスよく与えます。
その他、肉食小動物用のフードを与えるのも良いでしょう。
参考価格:934円(税抜)
メーカー名:イースター
内容量:400g
生産国:日本
なお、おやつとしてミルワームや コオロギ など動物性タンパク質として与えると喜んで食べます。
いずれも栄養価が高いので、与えすぎると肥満になってしまいます。
肥満は様々な疾患を引き起こしてしまいますので、あくまでもおやつとして時々与えるくらいで良いでしょう。
参考価格:254円(税抜)
メーカー名:カワイ
内容量:10g
果物や野菜は新鮮でみずみずしいものを与えましょう。
アフリカヤマネは夜行性なので、日中はほとんど寝ています。
明るい日中は、ケージのお掃除や餌を交換することは止めましょう。
臆病な性格のヤマネに過度なストレスを与えることになりますし、餌を長時間放置しておくことになり兼ねません。
ヤマネが起きる時間に合わせ、フードや新鮮な果物、野菜を与えることで生ものの腐敗を防ぐことができます。
できるだけ多くの食品を与えることが食欲不振を防ぎ、健康的なバランスを保つ秘訣となります。
したがって、毎日、主食のフード、種子、果物、野菜、タンパク質を摂取することをおすすめします。
新鮮なお水を毎日交換することも忘れないでくださいね。
ヤマネは気温15℃以下になると冬眠の準備をはじめます。
5℃以下になると完全に冬眠してしまう習性があるため、冬の季節は室温25℃前後に保つ必要があります。
また、30℃以上になると熱中症を引き起こす危険性もあります。
したがって、温度管理には充分気をつけてあげなければなりません。
冬場はパネルヒーターや保温球などを使い、ケージの室内温度を25℃を目安に保温することが必要となります。
夏場は風通しの良い場所にケージを設置し、ハムスターやうさぎ、モルモット用の保冷用品(天然石ボードやアルミボードなど)をケージの床に敷いてあげたり、エアコンで室内温度を調節するなどして暑さ対策を万全にしてあげましょう。
参考価格:4,094円(税抜)
メーカー名:SANKO
サイズ:24×24cm
生産国:日本
主に風邪から併発する下痢、真菌性皮膚炎、腫瘍、鼓腸症、骨折などが挙げられます。
ヤマネを飼育している方が多くはないため、ペットとして飼育する際のヤマネの病気の情報は明らかになってはいません。
ヤマネの体調を毎日チェックし、バランスの良い餌と適度な運動をさせることが必要です。
ケージや給水器、飼育アイテムをこまめに掃除し、巣の中に貯め込んだミルワームや野菜や果物などを取り除きましょう。
食べ残したミルワームからダニが湧くというケースもあるようです。
糞尿で汚れた床材や巣材は定期的に新しいものに変えることをおすすめします。
ヤマネは警戒心が強くすばしっこいため、脱出しようとするヤマネに力加減が分からず強く押さえたりすると、骨折や尻尾が抜けたりすることがあり得ます。
誤ってケガなどさせないように優しく手の平で包んであげてくださいね。
ヤマネをペットとしてお迎えする前に、エキゾチックアニマル診察可能の動物病院を事前に調べておきましょう。
ほんの少しでも異変を感じた時は、早めに動物病院で受診することをおすすめします。
野生のヤマネの生態として、非常に長い期間「冬眠」することが特徴として挙げられます。
リスやハムスター、モグラやハリネズミなどネズミ目に属するものも冬眠しますが、大抵は暖かくなると活発に行動開始します。
しかし、ヤマネの場合は1年のうちなんと6ヶ月以上も冬眠していると言います。
この生態は海外に生息するヤマネの種に限らず、ニホンヤマネにも見られる生態です。
冬眠から目覚めるためには1時間ほどかかり、その間、0℃ほどの体温は36℃近くまで急上昇。
ヤマネの心拍数は急激に上がり、ゆっくりと目覚めた後は、春先の大好物の花粉などを食べて完全に冬眠から覚めるます。
目覚めるとすぐ繁殖シーズンになります。
オスは人間の耳には聴こえない超音波の鳴き声でメスにアプローチをして交尾をするのです。
このように、ヤマネは寒い冬を越す時、体温を下げることによって、消費エネルギーと代謝率を低下させ、貯め込んだ脂肪を少しずつ消費しながら温かい春になるまで冬眠をして生き延びる習性があります。
春の訪れとともに勢いよく体温を上昇させ、餌を食べてから生殖活動がはじまります。
ヤマネは夏の後半に出産し、冬眠するまでの3ヶ月間で寒い冬を乗り切れるように脂肪を蓄えなくてはなりません。
子どもを産んだヤマネの母親は、冬になる前に大量な木の実を必要としますが、十分な餌がないと子どもは死んでしまいます。
初めての冬を越す子どものために必死になって食料を貯め込むヤマネのお母さんの母性は強いですね。
しかし、近年になり冬場に限らず夏の間も地中で眠っているオオヤマネがいたことが分かりました。
ウィーン大学獣医学科の研究者たちの報告によると、繁殖活動をせずに、なんと11ヶ月以上も地中で眠り続けたヤマネの存在が明らかになっています。
野生のヤマネが主食とするブナの実が不作だったために、繁殖活動より地中で休眠する方を選んだのではないかと研究者が言及しています。
木の実が不作の年は敢えて交尾をせずに、地中の穴の中でエネルギーを蓄えながら外敵から身を守っているのかもしれませんね。
ヤマネの長い休眠は、生き残るための戦略なのかもしれません。
「不思議の国のアリス」の中に登場する「眠りネズミ」と呼ばれるキャラクターが、実はヤマネだった...という根拠が良く分かりますね。
なお、ヤマネの冬眠の最長記録は、実験的に太らせたフクロヤマネが367日という世界記録を残しています。
学名:Glirulus japonicus
和名:ヤマネまたはニホンヤマネ
英名:Japanese dormouse
分類:哺乳鋼 ネズミ目 ヤマネ科 ヤマネ属 ヤマネ種
体長:6.8~8.4㎝
尾長:4.4~5.4㎝
寿命:野生下では平均4~5年。飼育下では最長9年。
品種:オオヤマネ・モリヤマネ・メガネヤマネ・アフリカヤマネ・コビトヤマネ・ヨーロッパヤマネ・ホソオヤマネ・サバクヤマネなどおよそ30種が現存。
生息地:ヨーロッパ、ロシア、アフリカ、中央アジア、中国、日本の森林や岩場などに広く分布。
特徴:
・前脚の指は4本、後脚の指は5本あり、爪はカギ爪で足の裏には肉球がある。
・長さ約5㎝ほどのフサフサの尻尾を持つ。
・背中の毛色は淡褐色で真ん中に暗褐色の縦縞がある。
・体の横に四肢があり、しっかりと木にぶら下がりながら移動ができる。
習性:
・夜行性のため昼間は寝て夜になると餌を食べ活発に動き回る。
・逆さになって移動する。
・冬場は木の空洞や落ち葉、地中で体を丸めて冬眠する。
・冬眠中は体温が0℃近くまで下がり、脈拍や呼吸の数も減り仮死状態になる。
性格:臆病で警戒心が強い。
学名:Graphiurus murinus
和名:アフリカヤマネ
生息地:アフリカ
体長:約7~10㎝
尾長:約4~5㎝
体重:約15~25g
寿命:平均5~6年
販売価格:1万円程度
特徴:
・体長と同じ位のフサフサの長い尻尾を持つ。
・体毛は背面が茶褐色または灰褐色で腹面は淡い色。
習性
・夜行性のため昼間は眠り夜になると活発に行動する。
・気温5℃以下になると完全に冬眠する。
性格:
・臆病で警戒心が強い。
・赤ちゃんの頃から飼育すれば手乗りになる個体もあり。
飼育下での食性:
・基本的に雑食。
・ひまわりの種、果物、野菜、ゆで卵、ボイルした鶏ささみ肉など。
・ミルワームやコオロギなど動物性たんぱく質を好む。
注意すべき点:
・体が非常に小さいため脱走防止対策を万全にする。
・室温25℃前後に保つこと。
ヤマネは人類よりはるか昔から存在していた「生きた化石」と呼ばれるほど貴重な動物であることがお分かりでしょうか。
ニホンヤマネは日本固有の種であり、天然記念物に指定されるほど希少な種です。
そんな野生のニホンヤマネが国内で発見されたニュースが報じられると、国民の私たちにとっても喜ばしい限りですね。
ペットとして飼育可能なアフリカヤマネは、他の小動物に比べてメジャーではないため飼育情報は限られてはいますが、SNSなどを見ればヤマネの魅力に嵌る方が多いことが分かります。
ハムスターと同じフードや飼育用品があれば飼育可能なため、生態価格を含め、初期費用や維持費などの観点から見てもコストがかからないようです。
さらに夜行性のため、帰宅してからお世話をすれば良いので一人暮らしの方におすすめなペットです。
最終更新日 : 2021/04/26
公開日 : 2017/09/13