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プレコはペットショップの 熱帯魚 コーナーで見かける観賞魚の一種で、水槽についている苔を食べてお掃除をしてくれる役割も担っています。
値段も手ごろな価格で入手できるため、初心者でも飼育しやすく、よく水槽に張り付いている姿が確認できます。
プレコの口元は発達しており、吸盤のように吸い付いてエサカスや苔を食べてくれます。
食事に貪欲なので、混泳して死んだ魚の遺体などを食べてしまうことも。
そんなプレコはどのような特徴を持ち、どのような飼育環境で飼うのがベストなのでしょうか?
今回はプレコの飼育方法、人気のプレコも併せて紹介させていただきます。
プレコはナマズの仲間であり、プレコという名称は観賞魚としての総称で事実上の和名として使用されています。
大きさは種類によって様々で、10センチ以下の小型のものから1メートルを超える大型のものまで存在します。
鎧のように固くザラザラとしたサメ肌に似た鱗が特徴で、岩などに張り付くために吸盤状の口を持っています。
オスは背びれが発達しやすく、種類によっては固く棘のように成長するので、取り扱いの際に怪我をしないように気をつけてください。
形は流線型の形をしていて、主に水底で生活をしており、周囲の明暗によって瞳の形状が変化します。
この瞳はギリシャ文字のオメガを反対にした形に似ていることから「オメガアイ」と呼ばれております。
プレコ種の主な生息地域は南米のアマゾンであり、南アメリカの熱帯域に生息しています。
適応環境は種類によって様々で、強い水流がある渓谷のような場所から下流の弱い流れの場所にも生息していて、いたるところで姿を確認できます。
寿命は小型のものは5年前後と短いですが、大型のものになると20年以上生きる長命の種類も存在します。
身体が大きければ大きいほど、丈夫で病気にもなりにくく長命です。
しかし身体が大きくなるにつれて性格も獰猛なものが多くなり、混泳させられる魚の種類も限られてきます。
流木などについた苔などを好んで食べて掃除してくれますが、アクリルの水槽での飼育はプレコの歯で傷ついたり、観賞用の 水草 が食べられてしまうなどの問題もあります。
混泳させる魚については アロワナ や ディスカス などの体表面積が大きい魚などはプレコになめられて衰弱してしまうことがあるので混泳は避けましょう。
身体の模様やヒレの色合いなどで価値が変わり、種類によって値段も様々です。
一番ペットとして流通しているセルフィンプレコは400円前後と安価で入手できますが、独特の色合いと形状からマニアに人気の高いロイヤルプレコなどは数万円で取引されています。
ペットとしてプレコを飼うには、どのような飼育環境が良いのでしょうか?
こちらではプレコの飼育についてご紹介させていただき、あると便利なアイテムなども併せてご紹介させていただきます。
プレコ飼育の参考にしていただければ幸いです。
プレコは飼育する種類によって水槽の大きさが変わってきますが、大型のプレコを飼育する場合には90センチ以上の水槽が良いでしょう。
また、小型のプレコを飼育する場合にも混泳させる魚の数を考えると最低でも60センチ以上の水槽が望ましいです。
プレコは自然界では水中酸素が豊富な水流の場所に生息しているため、水槽内で酸欠にならないように、エアレーションや水流が発生するろ過フィルターを使用するのが望ましいです。
食欲旺盛で常に餌を探して水底を移動しているので排泄物も多く、水が汚れやすいという側面があります。
そのため、小型のろ過装置ではフィルターの消耗が激しく、水質が悪化しやすいので大型の上部フィルターがおすすめです。
こちらのろ過装置の場合、フィルターのみでなく別売りの活性炭なども内部に入れることにより浄化作用をパワーアップさせることが可能なので、飼育しているプレコの大きさによって浄化作用を変更して対応できます。
プレコは苔とり用として飼われていることが多く、雑食性のため混泳している魚のエサでも食べますが、エサカスや苔のみですと栄養失調になる場合があります。
長生きしてもらい、大きく成長するためにはプレコ用の沈下性のエサを与えましょう。
肉食性の強い魚なので赤虫や冷凍クリルなども好んで食べますが、与えすぎは水を汚す原因にもなるので量は調節が必要です。
プレコは少量のエサを時間をかけて食べるので、量はそんなに必要ありません。
大きさにもよりますが、10センチ以上の個体には一日一回3~4粒を目安に与え、小型のうちは粒を細かくして食べやすい大きさにして与えます。
プレコは熱帯のアマゾンに生息する魚ですので、温度管理が必要な熱帯魚になります。
適温は23℃~28℃に設定してヒーター、温度計をセットして水温を一定に保ちます。
また、ヒーターにはカバーをつけるようにして、プレコがヒーターをかじっても火傷しないように対策します。
水質は弱酸性から中性を目安に準備し、phは6.5~7.0の間で水を作ると良いでしょう。
カルキ抜きした水を水槽に入れて、フィルター・ヒーターを魚を入れる前に起動させて一晩から二日間置くことによって水質が安定します。
これは酸素が水槽内を循環することによってバクテリアが発生し、フィルターに定着して水が落ちつくからです。
水が完成したら購入してきたプレコを袋ごと水槽に1時間入れて水温を合わせます。
次に袋の水を少量捨てて、水槽の水を同量入れて40分ほど置きます。
これを2~3回繰り返して水質を同じにして、水合わせを完了したらプレコのみを水槽に移してくださいね。
残った袋の水は水質が悪化する要因になるので捨てましょう。
水合わせをしないで一気に水槽に移してしまうとプレコの負担になってしまい、ショックで最悪死んでしまうことがあるので水合わせは行いましょう。
プレコは観賞魚の中では大変丈夫ですが、病気にかかって死んでしまうこともあります。
こちらでプレコのかかりやすい病気を紹介させていただきます。
どちらの病もプレコのかかりやすい代表的な病気になります。
主な原因は水温の急激な上昇、低下や水質の悪化・栄養失調などによるプレコ自身の免疫力の低下があげられます。
白点病は白点虫という寄生虫によって引き起こされる病気で、もともとプレコの身体にいる寄生虫の一つですが、免疫が低下することにより異常繁殖して発症します。
白い点が身体全体に表れ、食欲不振、細菌による二次感染を起こし感染した魚は衰弱してしまいます。
エラなどに感染すると呼吸困難状態になり身体をこすりつけて暴れたり、苦しそうにエラを動かします。
感染力が高く、一匹に感染するとたちまち他の魚にも伝染します。
水カビ病は主に水の腐敗によりカビが発生して、魚の身体に綿埃のような白いもやがかかります。
放っておくと表面が壊死しはじめて、菌が身体中にまわってしまい衰弱して死に足ります。
およそ感染から1週間ほどで死んでしまうほど進行が早く、早急な対応が必要な病気です。
食欲不振、元気がない、身体が赤くただれるなどの症状がみられます。
白点病用の治療薬を使用して薬浴をして、改善を図ります。
この時に水温を30℃まであげて魚の代謝を上げるサポートを併せてすると良いでしょう。
また苦しそうにエラを動かしている場合にはエアレーションを追加して呼吸の補助をします。
2週間ほど薬浴を続けて、症状が緩和してきたら、徐々に薬液の濃度を薄くして元の状態に戻します。
同じく水カビ病用治療薬を使用して薬浴し、感染力も高く進行も早いので水槽全体を薬浴しましょう。
水質の悪化がみられる場合には水替えも同時に行います。
水温を30℃まであげて様子をみましょう。
プレコは身体の面積が大きいものは水生寄生虫に寄生される場合があります。
中には目に見える寄生虫もいるため気づいたら重症化する前に取り除いてあげましょう。
イカリムシやチョウといった名の寄生虫が寄生する場合があり、主に食欲不振や痩せこけてしまうなどの症状がみられます。
放置していると水槽内で寄生虫が繁殖してしまい、複数に寄生されて衰弱死してしまう危険があります。
まずは水替えを行い駆虫薬を水槽にいれて寄生虫を殺します。
駆虫薬は成虫のみに効き目があるので、孵化した幼虫も退治するのに2週間は薬浴を継続させましょう。
身体についた成虫はピンセットなどでとりのぞきます。
この時にプレコが暴れて身体を傷つけたり、ヒレの棘で飼い主が怪我をしないように気を付けてくださいね。
プレコはストレスを受けると拒食になりやすく、そのまま弱ってエサを食べられなくなり餓死してしまうことがあります。
大切なプレコを死なせないように毎日の給餌の際の観察が大事になります。
プレコが拒食になっている原因を突き止めます。
エサカスや苔のみでは栄養が足りずに衰弱しやすくなります。
プレコ用のエサを与えて十分な栄養補給をさせましょう。
また、環境の変化や同種同士のケンカがないかをチェックして、孤立している個体がいれば隔離して他の魚から保護しましょう。
水質の悪化も拒食の原因になるので、必要に応じて水替えをしてあげると良いです。
ペットショップで売られているプレコの中でも人気の種類を紹介します。
それぞれに特徴や大きさも異なるので、自分にあったお気に入りのプレコを探してみてください。
ペットショップで最も流通しているプレコで網目模様のきれいなプレコです。
背びれはその名の通り帆のように立派な形をしており見た目も美しく成長します。
丈夫で飼いやすく、安価なこともあり安易に掃除要因として熱帯魚と混泳させがちですが、成長すると1メートル前後にもなる大型のプレコです。
ペットショップでは5センチ前後の幼体が販売されていますが、雑食性の気質が強く、貪欲にエサを食べるので成長スピードも早いです。
また、大きくなると気性も荒くなり、他の魚をしつこく追い回して身体をなめてしまい弱らせてしまう困った一面もあります。
寿命も15年~20年と長命なので飼育には広い水槽と最後まで飼い続けるという覚悟が必要なプレコです。
近年では飼いきれなくなった巨大なプレコが河川に捨てられ、日本古来の魚を捕食してしまう外来魚としても取り上げられています。
その特徴的な形状と眼からプレコ飼育を専門にする人々に人気のプレコです。
値段も高額で5000円前後から大きさによっては数万円で売られています。
縦じまのラインが美しく、どこか愛嬌のある顔をしており見ている人を和ませてくれる魅力を持ったプレコです。
こちらのロイヤルプレコもセルフィンプレコほどではありませんが、60センチ以上の大型に成長するプレコです。
飼育には広い水槽が必要であり、こちらも寿命が15年前後と長命なため、長期の飼育を視野に入れて飼育する必要があります。
灰褐色の表面にオレンジ色のドット模様の美しいプレコです。
背びれと胸びれにはオレンジのエッジのラインが入り見た目の派手さから人気のあるプレコです。
成長すると25センチ前後になり、プレコの中では中型になります。
病気になりやすくストレスに弱い一面があるので混泳は慎重に選んだほうが良い種類のプレコです。
値段は2000円~7000円前後と幅広く、大きさによって決まります。
寿命は5年~8年前後であり、大切に育てれば10年以上生きる個体もいます。
横縞が美しいプレコで、黒色の身体にゴールドのラインが入ったきらびやかなプレコです。
成長しても12センチ前後とそこまで大きくならない点も人気の理由の一つです。
ペットショップでは3000円前後で販売されています。
小型のプレコのため、同サイズの魚との混泳は可能であり、より充実した アクアリウム を作ることができます。
身体が小さい分移動や環境の変化に対するストレスを受けやすく、最初の水合わせは慎重に行う必要がある種類のプレコです。
環境にさえ慣れてしまえば、丈夫で飼育しやすく流木などを設置するとそこを隠れ家にして身体を休めます。
プレコの仲間では最小であり、形状も他のプレコと異なり、背びれはそこまで発達しません。
小型で温和な性格から人気のプレコ種で小さな熱帯魚との混泳も可能です。
成長しても5センチ前後にしかならず、価格も400円前後で購入でき、初心者にも始めやすいプレコです。
しかし、小型な分抵抗力が弱く病気になりやすいという一面があり、温度管理などは慎重に行う必要があります。
また、他の魚から攻撃対象にされることも多く、流木などの隠れ家の設置は必須です。
生息地 : 南米のアマゾン川周辺
値段 : 400円~数万円
寿命 : 3年~20年前後
全長 : 3センチ~1メートル弱
特徴 : 吸盤上の口で水槽の苔を食べてくれますが、アクリル製の水槽は歯で傷つく可能性があります。雑食性で体の大きいプレコほど性格が荒くなります。
性格 : 縄張り意識が強く、隠れ家を設置していないと同種同士でケンカすることがあります。気性も荒いほうなので、混泳している魚をなめて衰弱させてしまう場合があります。
かかりやすい病気 : 白点病、寄生虫症等
注意点 : プレコは大型に成長する場合があり、飼う種類によっては長期の飼育も検討しなければなりません。飼いきれなくなった個体が川に遺棄されて生態系を乱す外来種として問題になっており、最後まで飼う覚悟が必要です。
プレコについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
プレコはお掃除屋さんとしても優秀な魚ですが、形や性格がそれぞれにあり奥の深い魚です。
丈夫な分、小さいうちから立派に育つまで成長過程を楽しめる魚でもあります。
模様や豊富な分混泳させる魚によっては色鮮やかな水槽をつくることができます。
最終更新日 : 2021/04/26
公開日 : 2017/09/01