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犬は一般的に、体が小さいほど長生きする傾向があります。
中でもチワワは寿命が長いことで知られていて、その平均寿命は12~16年ほどと言われています。
また、近年はドッグフードや動物医療の発達により、犬の平均寿命は年々伸びています。
もちろんチワワも例外ではなく、平均寿命を超えて18歳まで生きることも珍しくなくなっています。
チワワの寿命について考えていくにあたって、まずはチワワと人間の年齢を比較してみましょう。
諸説ありますが、チワワの年齢を人間の歳に換算すると、おおよそ下記の通りになると言われています。
チワワの年齢→人間の年齢
チワワは生後2年まで急激に成長し、それ以降は1年ごとに人間に換算して4歳分の年を取っていきます。
彼らが私たちの4倍速く年を重ねていくことを忘れずに、1日1日を大切に過ごしたいですね。
世界で最も長生きしたチワワは、一体何歳まで生きたのでしょうか。
ギネス記録によると、最も長寿なチワワはアメリカで暮らしていた 「Megabyte」 です。
Megabyte は1993年11月に生まれ、20年と265日生きたと記録されています。
しかし、SNS上でも20歳に迫る、もしくは20歳を超えたご長寿チワワを見かけることも多くなりました。
もしかすると、日本からギネス記録を超えるチワワが誕生する日もそう遠くはないかもしれません。
チワワの寿命を伸ばすために私たちにはどんなことができるのでしょうか。
この項目では、チワワを長生きさせるためのポイントを説明していきます。
全ての項目を極端に気にする必要はありませんが、愛犬のためにも少しずつ良い環境を作っていってあげてください。
一番大切なことは、チワワを信頼できるブリーダーやペットショップから迎えることです。
動物には 「遺伝病」(遺伝性疾患) と呼ばれる、親から子へと伝わってしまう病気があります。
特定の病気になりやすい遺伝子を持って生まれると、健康的な生活を送っていても、何かのきっかけで(あるいは突然)その病気を発症してしまう可能性が高くなってしまいます。
遺伝病は検査でわかるものが多く、また親の組み合わせによって防げるものも少なくありません。
多くのブリーダーは遺伝病が起こらないように、細心の注意を払ったブリーディングを行っています。
しかし、チワワは人気があるため、金儲けのためにただ繁殖させれば良いと考える悪質なブリーダーもいるのが現状です。
大切な愛犬と1日でも長く一緒にいるためには、まずはお迎えする場所をきちんと選ぶことが大切です。
ペットを治療するにあたり、飼い主と獣医師の相性は非常に大切です。
また、獣医師によって得意な動物や分野も異なるため、健康診断や予防接種などの機会を通じて、その動物病院や獣医師が信頼できるかチェックしておくことをおすすめします。
長くペットブームが続き、犬や猫の飼育頭数が増え続けている日本には、動物病院が多数存在します。
ただ、残念ながら中にはろくに診療や治療もせず、高額な費用だけを請求する悪質な動物病院もあることを覚えておいてください。
また、人間と違って動物の治療にかかる費用は明確な基準がなく、全て病院の判断に一任されています。
そのため、同じ病気や症状であっても、かかる費用は動物病院によって大きく異なることも覚えておくと良いでしょう。
※合わせて読みたい: 動物病院のかかり方、準備、注意点、医療費の目安など
食事はチワワの体を作り、健康状態にも大きな影響を与える大切な要素です。
ドッグフードは総合栄養食と記載されている信頼できるメーカーのもの、かつなるべく添加物が少ないものを選びましょう。
また、ドッグフードには子犬用、成犬用、シニア用など多くの種類があります。
年齢によって必要とする栄養やカロリーが異なるため、年齢や状態に合わせたドッグフードを与え、状況に応じてフードを切り替えていきましょう。
そして、肥満は万病の元になるため、太りすぎないよう注意することも大切です。
特にチワワは体が小さく胃も小さいため、おやつのあげすぎには気を付けましょう。
※合わせて読みたい: 安心・安全なおすすめドッグフード24選!犬の餌やりの方法や注意点も解説!
チワワは長時間の運動を必要とする犬種ではありませんが、心身共に健康でいるためには適度な運動が欠かせません。
適度に運動すると筋肉が刺激され、筋力が保たれることで関節や骨にかかる負担を減らせます。
また外の空気や音、においなどの良い刺激に触れると気分転換やストレス発散にもなります。
散歩は1日2回、1回20~30分を目安にチワワの様子を見ながら時間や距離を調整してあげてください。
※合わせて読みたい: 犬の散歩の方法とコツ!犬の散歩は何時にどれくらいの距離が適切?
チワワに限らず犬は汗腺が少ないため、体から熱を逃がすことが苦手で暑さに弱い傾向があります。
夏は熱中症にならないように、適切にエアコンを使用し、暑い時間の散歩は避けましょう。
また、チワワはメキシコ出身であるうえ、体が小さいことから寒さにも弱い犬種です。
冬場は風邪を引かないように暖房や毛布などを活用し、必要に応じて洋服を着せてあげてください。
室温の目安は冬も夏も20-25度で管理しましょう。
寒い時期は人よりも低い位置で活動していますので、床暖房や電気カーペットなどの暖房器具が適しています。
空気自体を温めることも大切なので、エアコンは必ず使用しましょう。
加温による乾燥は良くないので、加湿も実施して湿度は40-60度あたりになると最適です。
人間と同じく、チワワにとってもストレスは万病の元です。
チワワが過ごす部屋には、以下の条件が揃った落ち着ける場所を確保してあげてください。
日頃から愛犬の目線で生活環境を見て、ストレスが少ない環境を作ることが大切です。
また、チワワは飼い主のことを一途に思う、とても忠実で愛情深い性格です。
その分飼い主と離れると強いストレスを感じるため、なるべく1匹にしないようにしてください。
留守番をさせる時間が長いことが解っているのであれば、最初から2匹で迎えるのも1つの手です。
その他、日頃から何が苦手なのか、どんなことにストレスを感じるのか知っておくことも大切です。
そのストレスの原因が取り除けるものであれば取り除き、取り除けないのであれば少しでも軽減できるように工夫してあげてください。
チワワの寿命を伸ばすためのポイントを知った後は、チワワに多い病気やケガをご紹介します。
それぞれの病気やケガの症状や原因を知り、早期発見・早期治療ができるようにしておきましょう。
チワワの原因(死因)として多いのが、僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)です。
これは心臓の左心房と左心室の間の弁(僧帽弁)がきちんと閉まらなくなり、血液が逆流する病気です。
その結果全身の血流が悪くなってしまい、以下のような症状が現れ、最終的には呼吸困難になってしまいます。
僧帽弁閉鎖不全症は僧帽弁の変形が原因で、加齢と共に発症しやすい後天性の病気です。
実は歯石や歯周病から細菌が弁に付着することが大きな悪化要因になっています。
高齢になる前に、歯石の除去や歯根膿瘍を起こしているなら抜歯を行うことが大切です。
咳が多い、または運動した後に息苦しそうにしているといった様子が見られたら、心臓病を疑った方が良いかもしれません。
チワワの骨、特に前足の骨は細く非常に折れやすいことで知られています。
彼らは抱っこしている時に床に落とした、階段や家具から飛び降りたといったちょっとしたことで骨が折れてしまいます。
もしチワワに以下のような症状が見られたら、骨折をしている可能性があるため、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
思ったように歩けなくなると運動不足になり、ストレスや肥満に繋がります。
結果的に寿命を縮める原因となるため、骨折をしないように配慮してあげてください。
膝蓋骨脱臼は膝にある「膝蓋骨」という骨が、本来の位置から外れてしまった状態のことを指します。
症状としては以下のようなものが知られています。
原因は先天性のものであることが多いと考えられていますが、肥満による関節への負担や滑りやすい床で生活していることなど、後天的な理由によって発症することもあります。
症状が軽いうちは気づきにくい症状ですが、悪化してしまうと歩けなくなってしまう可能性があります。
早期に発見できるように、予防接種や健康診断の際に膝の状態もチェックしてもらうと良いでしょう。
水頭症はチワワやポメラニアンなどの、頭が大きい小型犬で発症しやすいとされている病気です。
脳にある脳室という隙間に液体(脳脊髄液)が溜まり、脳が圧迫されて様々な症状が起こります。
症状は下記のように様々なものがあり、中にはしつけが上手くいかないことで気付く飼い主もいるようです。
軽傷のうちはほとんど症状が出ないものの、重症化すると昏睡状態になってしまうこともあります。
原因は先天性のものが多いものの、分娩時に頭に衝撃を受けたことが原因となることもあります。
予防することが難しい病気ですが、水頭症が疑われる症状が見られた動物病院を受診することをおすすめします。
気管虚脱は空気の通り道である気管が潰れてしまい、呼吸が苦しくなる病気です。
小型犬に多く見られる病気で、シニアになると増える傾向にありますが、若いうちに発症することもあります。
健康的な気管は軟骨で囲まれていて、本来はホースのような形状をしています。
しかし、軟骨がなんらかの原因で潰れてしまうと空気が上手く通れなくなり、以下のような症状が現れます。
原因は遺伝的な要因が強いものの、後天的な原因として首輪を強く引っ張ること、興奮しすぎ、吠えすぎ、肥満なども発症する要因になっているのではないかと考えられています。
チワワの寿命や、寿命を伸ばすためのコツを解説しました。
愛犬の健康を守り、1日でも長く生きてもらうためには、日々様子を観察することが大切です。
なぜなら動物は言葉が通じないうえ、本能的に体調不良や怪我を隠そうとする性質があるからです。
「いつもと何かが違う」 と感じたら、気のせいだと思わずにすぐ対策をしてあげてください。
嬉しいことに年々研究が進み、犬の寿命はここ数十年で飛躍的に伸びています。
しかし、人間と比べてしまうと、どうしても犬の一生はあっという間に終わってしまいます。
もしチワワと一緒に暮らし始めたら、1日1日一緒に過ごせる時間を大切に、たくさんの愛情を注いであげてください。
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/10/18
公開日 : 2020/10/09