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ラサ・アプソの特徴は、絹のような美しく長い被毛と、気品や優雅さが感じられる体つきと歩き方です。
彼らは小型犬に分類されますが、 チワワ や プードル などと比べると体つきは筋肉質で頑丈です。
またその顔つきは特徴的で、いわゆる“鼻ぺちゃ”でマズル(鼻)はやや短く、耳はたれ耳です。
最大の特徴であるやや硬めの被毛は、ダブルコートで長くて量が多く、生涯に渡って伸び続けます。
彼らはこのたっぷりとした被毛のおかげで、チベットの高地の寒さの中でも暮らせたと言われています。
なお、ラサ・アプソにはこの長い被毛を頭から尻尾まで真ん中で分け、左右に流す伝統的なスタイルが存在します。
ラサ・アプソはチベットで生まれた、非常に古い歴史を持っている愛玩犬です。
彼らにはなんと2000年もの歴史があり、遺伝的に他の犬種よりオオカミに近いと考えられています。
そんなラサ・アプソはチベットにおいて、 “幸福を招く魔よけの犬” と呼ばれ大切にされてきました。
高貴で神聖な存在とされていた彼らは、なんと代々チベット仏教の統率者であるダライ・ラマによって中国の皇帝への贈り物として献上されていたそうです。
彼らは魔よけだけでなく、その鋭い感覚で不審者を発見して知らせるという役目も担っていました。
しかし一般市民が飼育できる犬種ではなく、かつてはラマ教の寺院や宮殿において、僧侶やごく限られた貴族だけが飼える犬だったといわれています。
そんなラサ・アプソは長くチベットの国外へ出ることも、その存在が知られることもありませんでした。
1920年以降にチベットと諸外国が交流を持つようになって、ようやくその存在が国外に知られるようになったのです。
そして、チベットを訪れたイギリス人が珍しく愛らしい犬たちを気に入り、自国へ連れて帰りました。
その後イギリスやアメリカで盛んにブリーディングが行われ、現在も多くのラサ・アプソがショー・ドッグとして活躍しています。
なお、名前にある「ラサ」は、チベットの首都・ラサが由来だとされています。
「アプソ」はチベット語で“山羊に似ている”もしくは“長毛”という意味の単語、あるいは“良く吠える(長毛の)ライオンに似た犬という意味の言葉”アプソ・セン・カイ(キュイ)が元になったのではないかと考えられています。
ラサ・アプソは愛玩犬として日本でも人気が高い犬種、 「 シー・ズー 」 の先祖犬だと言われています。
チベットから中国へ贈られたラサ・アプソは、宮廷で飼育されていた「 ペキニーズ 」と交配されました。
そして誕生した犬は中国で最も高貴な動物である“獅子”に似ているとして、獅子狗(シー・ズー・クウ)と名付けられました。
中国で最も高貴な動物である獅子の名前を持つシー・ズーは、かの西太后も飼っていたそうです。
そんな経緯があるラサ・アプソとシー・ズーは良く似ていますが、実は外見も性格も異なります。
外見的にはシー・ズーの方がより鼻(マズル)が短くて、菊の花のような顔だといわれています。
性格的にはラサ・アプソの方がより神経質で、良く吠える傾向にあります。
ラサ・アプソの体高はオスで25.4cmほど、メスはこれよりもやや小さめです。
体重は性別を問わず、5.4~8.16kgほどです。
ラサ・アプソのカラーは、ゴールデン、サンディ、ハニー、ダーク・グリズル、スレート、スモーク、パーティ・カラー、ブラック、ホワイト、ブラウンが認められています。
どのカラーにも優劣はなく、等しく評価されます。
ラサ・アプソは陽気ですが自尊心が高く、落ち着いた性格をしています。
家族に対しては陽気で明るく接しますが、常に家族の中心に居たがります。
また神経質な部分もあり、特に見知らぬ人に対しては無関心もしくは用心深く接します。
愛らしい見た目をしている彼らですが、気質的には服従性が低く人の指示を聞かないことで知られる「アフガン・ハウンド」に似ているとも言われることがあります。
諸説ありますが、ラサ・アプソの寿命は12~15年ほどだといわれています。
比較的健康的で病気になりにくく、長生きする傾向にあるようです。
英名:Lhasa Apso
原産国:チベット
サイズ:小型犬
グループ:9G・愛玩犬
大きさ:体高・オスで25.4cmほど(メスはやや小さめ)
体重・5.4~8.16Kgほど
寿命:12~15年ほど
次にラサ・アプソをおすすめしたい人、ラサ・アプソとの暮らしに向いている人について説明していきます。
ラサ・アプソの長く美しい被毛は量が多く、もつれやすい傾向にあります。
そのため、基本的に毎日ブラッシングをする必要があり、手入れにはたくさんの時間と手間がかかります。
そんなラサ・アプソは、被毛の手入れが苦にならない方に向く犬種だといえます。
ラサ・アプソはシー・ズーと似ていますが、性格的にはより甘さや愛らしさが少ないとされています。
愛玩犬ですが凛としていてプライドが高く、やや野性味を残している傾向が強いようです。
そんなラサ・アプソは少しプライドが高い犬を飼いたい、という方に向く犬種だといえます。
ラサ・アプソにはやや神経質な面があり、ちょっとしたことに反応して良く吠えます。
吠え癖はしつけである程度は緩和できますが、鳴き声が鋭くて良く響くため、集合住宅では近所迷惑になってしまうかもしれません。
そんなラサ・アプソは、犬が吠えても問題がない環境の方に向く犬種だといえます。
次の項目では、ラサ・アプソのお迎え方法や価格について見ていきましょう。
ラサ・アプソは、ブリーダーから購入することができます。
しかし、ラサ・アプソは国内においては希少で、ペットショップではほぼその姿を見かけない犬種です。
お迎えを検討している方は事前にブリーダーを探し、譲渡・販売できる子犬がいるか、今後ブリーディングの予定があるか問い合わせておきましょう。
なお一部のショップでは、プードルやシー・ズーとのミックス犬が販売されていることもあります。
すぐにお迎したい方や血統や色にこだわりたい方は、海外ブリーダーからの購入を考えるのも手です。
とはいえ動物を輸入する際は英語が必要になるのはもちろん、多くの法律をクリアする必要があります。
自力で輸入の手続きをすることが難しい場合は、動物の輸出入に強いブリーダーや動物商の力を借りると良いでしょう。
ラサ・アプソの価格は、 1 頭あたり20~30万円ほどのようです。
2012年頃は10万円程度で流通していましたが、年々飼育頭数が減っていて価格も上昇しているようです。
現在国内ではブリーダーがほぼいないため、血統によってはさらに値段が高くなる可能性もあります。
次の項目ではラサ・アプソの飼い方と、そのポイントについて説明していきます。
ラサ・アプソの主食には、品質の良い総合栄養食のドッグフードを与えましょう。
彼らの長く厚い被毛の美しさを維持するためには、良質なたんぱく質が必要不可欠です。
与えるフードの種類や量について悩んだ時は、ブリーダーや動物病院に相談すると良いでしょう。
ラサ・アプソのブラッシングは、基本的に毎日行いましょう。
彼らの美しい被毛を維持するためには、日頃のブラッシングが非常に大切です。
なぜなら毎日ブラッシングをしないと毛がもつれて毛玉ができたり、通気性が悪くなったりしてしまうからです。
毛がもつれて毛玉ができてしまうと、ブラッシングやトリミングをする際に時間がかかってしまいます。
毛玉の量が多くなりすぎてしまうと、せっかく伸ばした被毛を刈り込まざるを得ない状況になるかもしれません。
お手入れには金属製のコームやピンブラシなど、複数の道具を使い分けると良いでしょう。
可能であればプロのトリマーに聞き、上手なお手入れ方法や使いやすい道具などを教えてもらうと良いです。
なお、被毛の手入れは日頃のブラッシングに加え、定期的な被毛のカットが必要になります。
トリミングサロンに行く際は、ラサ・アプソのトリミングができるかどうか確認するようにしてください。
ラサ・アプソ のシャンプーは、月に2回(2週間に1回)を目安に行いましょう。
シャンプーが皮膚に残ると刺激となり、皮膚炎などの原因になるため、すすぎはしっかりと行ってください。
また、シャンプーの後にコンディショナーを使い、仕上げにグルーミングスプレーを使うと、毎日の被毛のケアが楽になります。
ラサ・アプソ の散歩は 1 回30分程度、1日2回行くと良いでしょう。
ラサ・アプソは多くの運動量を必要とする犬種ではありませんが、散歩や運動を好む傾向にあります。
日頃の散歩に加えて、室内や庭で運動させると良いです。
散歩は運動不足やストレスの解消になるのはもちろん、コミュニケーションを取る時間にもなります。
日々の散歩を通じてコミュニケーションを取り、しっかりと信頼関係を築いていきましょう。
ラサ・アプソは賢いものの、自尊心が高く頑固な面があることからしつけが簡単とは言えません。
彼らは同じことを繰り返し行うことを好まず、また自分が納得出来ないことに対しては非常に頑固です。
そのため、何かを教える際は根気強く、じっくりとしつける必要があります。
どうしてもしつけが上手くいかない時は、プロの訓練士の力を借りることをおすすめします。
ラサ・アプソは、一般的に丈夫で健康的な犬種だとされています。
ただし皮膚疾患にかかりやすい傾向があるため、ブラッシングを始めとした被毛のケアはこまめに行いましょう。
遺伝病としては「 進行性網膜萎縮(PRA)」「股関節形成不全」「チェリーアイ」 などが知られています。
ただ、多くのブリーダーは遺伝病が起こらないように配慮して、ブリーディングを行っています。
これらの病気を避けるためには、信頼のおけるブリーダーから子犬を迎えることが大切です。
ラサ・アプソは日本国内では珍しい犬種であることから、飼育に関する情報が多くありません。
そのため何か情報を得たいと思った時は、外国語のホームページや書籍を確認する必要があるかもしれません。
もし可能であれば、ラサ・アプソのブリーダーやラサ・アプソを飼っている仲間を探しておきましょう。
ホームページや書籍から得られる情報も大切ですが、同じ犬種を飼育している人だからこそわかる知識や経験は何物にも代えられない物です。
チベット生まれの犬種、 「ラサ・アプソ」 について説明してきました。
ラサ・アプソは被毛のケアに手間がかかること、また一般的な愛玩犬よりやや飼いにくい傾向にあることが伝わったでしょうか。
ラサ・アプソは海外ではショードッグとして活躍していますが、国内での飼育数は多くありません。
純血犬種の登録や保護を行っている愛犬団体・ジャパンケネルクラブの2019年(1月~12月)犬種別犬籍登録頭数を見てみると、ラサ・アプソは12頭(142犬種中102位)の新規登録が行われています。
1999年には136頭登録されていましたが、どうやら年々新規登録数が減少しているようです。
もしラサ・アプソと一緒に暮らすことになったら、毎日しっかりと被毛のケアをしてあげてください。
たっぷりと愛情と被毛のケアを受けたラサ・アプソは、美しく家族に対して愛情深い素晴らしい家族の一員となってくれることでしょう。
最終更新日 : 2021/03/26
公開日 : 2020/09/25