本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
兄弟犬「オーストラリアン・スタンピー・テイル・キャトル・ドック」
オーストラリアン・キャトル・ドッグの特徴は、コンパクトでバランスの取れた頑丈な体つきです。
彼らの体は非常に筋肉質で、敏捷性と強さ、持久力に優れています。
被毛は短毛のダブルコートで、オーバーコートは粗く、アンダーコートは適度に密集して生えています。
彼らはこの被毛のおかげで悪天候にも強く、屋外での作業にも耐えられます。
また、ブルー・マールのコリーの血を引いていることから、被毛が独特な色合いであることも特徴の1つといえるでしょう。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは、オーストラリアで牛を追うために生まれた作業犬です。
彼らの祖先はオーストラリアに移住した、イギリス人が連れていた牧羊犬です。
しかし、イギリス生まれの牧羊犬には気温が高く、乾燥したオーストラリア内陸での作業は困難でした。
そのため、移住者たちは高温と乾燥に強く、スタミナがある牧畜犬を育成する必要に迫られたのです。
オーストラリアン・キャトル・ドッグのブリーディングではスムース・コリーやオーストラリアの野生犬・ディンゴ、オーストラリアン・ケルピー、 ダルメシアン 、 ブル・テリア など多くの犬種が使われました。
その結果、驚異的なスタミナを持ち、無駄吠えすることなく黙々と作業をこなす作業犬が完成しました。
そんな彼らは言うことを聞かない牛の踵(ヒール)を軽く噛んで驚かせ、まとめる能力を持っています。
牛は驚くと後ろ蹴りをしますが、彼らはその敏捷性を生かし、地面に伏せて上手に蹴りを避けます。
この能力を持つ犬のことを 「ヒーラー」 と呼び、別名“オーストラリアン・ヒーラー”や“ブルー・ヒーラー”とも呼ばれる彼らは、今も昔もオーストラリアの牛肉産業にとって欠かせない存在として活躍しています。
長く作業犬として愛されてきた彼らでしたが、いつしかドッグショーにも出場するようになりました。
そしてペットとして飼われることも増え、アメリカやイギリスでは年々飼育頭数が増加しています。
なお、彼らはオーストラリアの映画 「マッドマックス2」 に登場したことでも知られています。
作中では名前がありませんでしたが、主人公・マックスの相棒として活躍するその姿に胸を打たれた方も多いことでしょう。
オーストラリアン・キャトル・ドッグには 「オーストラリアン・スタンピー・テイル・キャトル・ドッグ」 (愛称・スタンピー)という兄弟犬がいます。
この2犬種はともに牧畜犬として育成され、ブリーディングに共通の犬種が使われたことから外見が似ていますが、尾の長さが異なります。
オーストラリアン・スタンピー・テイル・キャトル・ドッグは、生まれつき尻尾が短い短尾種です。
オーストラリアン・キャトル・ドッグよりややしつけがしにくいものの脚が長く、体力や落ち着きという面ではより優れているといわれています。
オーストラリアン・キャトル・ドッグの体高はオスで46~51cm、メスで43~48cmほどです。
体重は性別を問わず18~21kgほどで、中型犬に分類されます。
オーストラリアン・キャトル・ドッグのカラーはブルー(あるいはブルーの斑、ブルーの小斑)、もしくはレッド(レッドの小斑)が認められています。
生まれたての子犬の被毛は白く、成長するに従ってブルーやレッドの被毛が現れます。
ブルーとレッドで気質が違うと考える人もいますが、実際にはカラーによる気質の違いはありません。
なお、海外ではブルーの個体を 「ブルー・ヒーラー」 、レッドの個体を 「レッド・ヒーラー」 と呼ぶこともあります。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは自立心が強くて忍耐強く、頑固な性格をしています。
彼らは非常に忠誠心が強く、飼い主だと認めた人間に対しては愛情深く忠実です。
その一方で人見知りをする傾向が強く、飼い主以外の人間や犬に対しては疑い深く、強い警戒心を持ちます。
諸説ありますが、オーストラリアン・キャトル・ドッグの寿命は12~16年ほどだといわれています。
なお、オーストラリアで暮らしていた「ブルーイー」という個体は、なんと29年と5ヶ月も生きたそうです。
世界で最も長生きした犬としてギネスワールドレコーズの記録に認定されていますが、犬種として長生きする傾向があるという訳ではありません。
英名:Australian Cattle Dog
別名:ブルー・ヒーラー、クイーンズランド・ヒーラー、ホールズ・ヒーラーなど
原産国:オーストラリア
サイズ:中型犬
グループ:1G・牧羊犬、牧畜犬
大きさ:
体高・オスで46~51cm、メスで43~48cmほど
体重・18~21kgほど
寿命:12~16年
次にオーストラリアン・キャトル・ドッグをおすすめしたい人、オーストラリアン・キャトル・ドッグとの暮らしに向いている人について説明していきます。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは非常にアクティブで、必要な運動量が多い犬種です。
運動不足が続くと欲求不満になってしまい、問題行動を起こす可能性があります。
そんな彼らの運動欲求を満たすためにはフリスビーやアジリティ、オビディエンスなどの飼い主と犬が一緒に楽しめるドッグスポーツに挑戦すると良いでしょう。
そんなオーストラリアン・キャトル・ドッグは、犬と一緒に運動を楽しみたい方におすすめの犬種といえます。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは飼い主に対して、強い忠誠心を持つ犬種です。
しかし、牛を追うことを仕事にしていた彼らは気が強く、また強い自立心や独立心を持っています。
また、非常に頭が良いことからやみくもに叱ったり体罰を与えたりする、あるいは一貫性のないしつけをすると信頼を失い、言うことを聞いてくれなくなる可能性があります。
そんなオーストラリアン・キャトル・ドッグは、犬の飼育経験が豊富な方に向く犬種といえます。
次の項目では、オーストラリアン・キャトル・ドッグのお迎え方法や価格をご紹介します。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは、ブリーダーから購入できます。
彼らは国内においては希少な犬種で、ペットショップではほぼその姿を見かけません。
お迎えを検討している方は事前にブリーダーを探し、子犬がいるか、また今後ブリーディングの予定があるか問い合わせておきましょう。
なかなか販売中の個体に巡り合えない場合は、海外ブリーダーからの輸入を考えるのも1つの手です。
自力での輸入が難しい場合は、動物の輸出入に強い動物商やブリーダーの力を借りると良いでしょう。
また、何か事情があり(アレルギーや飼育放棄など)、里親を探している個体がいるかもしれません。
オーストラリアン・キャトル・ドッグのお迎えを検討している方は、里親募集サイトをチェックしてみても良いかもしれません。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは、1頭あたり 20 ~30万円程度で販売されているようです。
国内では希少な犬種であることから、カラーや性別、年齢や血統によって値段が大幅に上下する可能性があります。
次の項目ではオーストラリアン・キャトル・ドッグの飼い方と、そのポイントについて説明していきます。
オーストラリアン・キャトル・ドッグには、品質の良い総合栄養食のドッグフードを与えましょう。
ドッグフードは品質が重要ですが、犬の年齢や状態に合わせて適切に変更することも同じくらい大切です。
与えるフードの種類や量について悩んだ時は、ブリーダーや動物病院に相談すると良いでしょう。
オーストラリアン・キャトル・ドッグのブラッシングは、週に1回程度行いましょう。
彼らの被毛はダブルコートで、抜け毛の量は普通からやや多めです。
特に換毛期になると良く毛が抜けるため、換毛期はブラッシングの頻度を上げると良いでしょう。
また、定期的に爪の長さもチェックして、伸びていると感じたら爪切りをしてください。
オーストラリアン・キャトル・ドッグ の シャンプー は、月に1回程度行いましょう。
彼らの被毛は汚れが付きにくく、臭い(体臭)も少ないものの運動量が多いため何かと汚れがちです。
体の一部が汚れてしまった場合は、固く絞った濡れタオルで拭うと良いでしょう。
オーストラリアン・キャトル・ドッグ の散歩は最低でも 1 日2回、1回1時間以上行きましょう。
ただ歩くだけの散歩では必要な運動量を満たせないため、駆け足や自由運動も取り入れてください。
日頃からなるべく運動をさせるのはもちろん、休日にはドッグランやプールなどに連れて行って思いきり運動させましょう。
なお、一説には彼らの運動欲求を満たすためには、1日4時間以上運動させる必要があるといわれています。
あまりにも元気が良すぎるために、家具や壁などをことごとく破壊されてしまったという飼い主も少なくないということを覚えておいた方が良いでしょう。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは賢いものの、頑固で自立心が強いためしつけは簡単とはいえません。
そうとはいえ、彼らは飼い主をリーダーだと認めれば強い忠誠心を見せてくれます。
リーダーと認めてもらうためには、毅然とした態度でしつけに臨む必要があることを覚えておきましょう。
どうしてもしつけが上手くいかない時は、プロの訓練士の力を借りることをおすすめします。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは一般的に丈夫で、健康的な犬種だといわれています。
起こりやすい遺伝病としては 股関節形成不全、進行性網膜萎縮症、先天性難聴、白内障 などが知られています。
ただ、多くのブリーダーはこれらの遺伝病が起こらないように親犬の遺伝子検査を行い、また細心の注意を払ったブリーディングを行っています。
先天性の病気を防ぐためには、信頼のおけるブリーダーから子犬を迎えることが大切です。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは膨大な運動量を必要とする犬種です。
海外では保護施設から引き取ったにも関わらず、そのパワフルさに付いていけずに飼いきれなくなってしまい、再び手放してしまう方が少なくないそうです。
オーストラリアン・キャトル・ドッグを迎える際は、毎日運動の時間を確保できるか良く考えてください。
本記事ではオーストラリア生まれの犬種 「オーストラリアン・キャトル・ドッグ」 について説明してきました。
オーストラリアン・キャトル・ドッグは愛らしい見た目をしているものの、犬の飼育初心者には勧められないこと、そして誰にでも飼える犬種ではないことが伝わったでしょうか。
彼らは日本においては希少な存在ですが、熱心な愛好家がいる犬種でもあります。
純血犬種の登録や保護を行っている愛犬団体・ジャパンケネルクラブの2019年(1月~12月)犬種別犬籍登録頭数では、オーストラリアン・キャトル・ドッグは10頭(142犬種中108位)の新規登録が行われています。
もしオーストラリアン・キャトル・ドッグと暮らすことになったら、毎日たっぷり運動させてください。
しっかりとしつけを受け、たっぷりと体を動かした彼らは、素晴らしい家族の一員になってくれることでしょう。
最終更新日 : 2021/03/26
公開日 : 2020/09/16