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ノーリッチ・テリアの特徴は成犬でも体高が25cm程度、体重が5kg程度というコンパクトな体つきです。
彼らは数多く存在する テリア の中でも、最小犬種の1つだといわれています。
その被毛は硬めのワイヤーコートで、首の周りには長くて粗いラフ(たてがみのような毛)が生えます。
耳がピンと立っていて先端が尖っている点、表情が豊かな点も彼らの特徴といえます。
足は短いもののしっかりとしていて力強く、全体的にずんぐりとした愛らしい体型をしています。
かつては断尾をする習慣がありましたが、現在は動物愛護の観点から断尾をしないことが多いようです。
ノーリッチ・テリアは少なくとも1800年代から、ネズミ捕りの犬として活躍していました。
ノーリッチ・テリアの祖先は、イングランド東部の農村地帯で誕生したといわれています。
彼らは当初さまざまなテリアの血を引いていましたが、少しずつ血統が洗練されていったようです。
そんな彼らは1870~1880年頃、イギリスのケンブリッジ大学の学生の間で人気のある犬種でした。
そうというのも、学生の間でネズミ捕りが流行し、その相棒としてノーリッチ・テリアが重宝されたのです。
彼らは粗食に耐える上、体が小さくて寮の一室でも飼えることから、ノーフォーク・テリアとともに多くの学生に飼育されていました。
その後1914年にイギリスからアメリカに渡った彼らは、猟犬としても使われるようになりました。
ワイヤーのような被毛で悪天候に耐え、小さく力強い体でどこまでも獲物を追いかける彼らは、キツネやアナグマ狩りの良きパートナーとして一躍大人気になりました。
彼らは1930年代に、イギリスとアメリカのケネルクラブで正式な犬種として認められました。
陽気な性格と愛らしい見た目を兼ね備えたノーリッチ・テリアたちは、今や世界中で愛される犬種となっています。
イギリス生まれの小型テリアには、 「ノーリッチ・テリア」 と 「 ノーフォーク・テリア 」 の2種がいます。
非常に見た目が似ている両者ですが、違いはどこにあるのでしょうか?
実は両者に違いはほとんどなく、具体的に違うのは耳の形だけです。
ノーリッチ・テリアの耳は立っていて(立ち耳)、ノーフォーク・テリアの耳は中ほどから垂れています(たれ耳)。
両者は外見が似ているだけでなく、血縁的にも関係が深いためもとは同じ犬種として扱われていました。
その後、彼らはブリーダーたちの働きかけにより、イギリスでは1964年、アメリカでは1979年になってようやく別の犬種として認めらました。
ノーリッチ・テリアの大きさは性別を問わず、体高は25cmほど、体重は5kgほどです。
見た目は非常にコンパクトですが、骨太で筋肉質な体つきをしています。
ノーリッチ・テリアのカラーはレッド(赤色)、ウィートン、ブラック&タン(黒色)、グリズルが認められています。
ドッグショーへの出場を目指す場合は、白色(ホワイト)の斑があると望ましくないとされています。
ノーリッチ・テリアは明るくて活発、好奇心旺盛で遊び好きな性格をしています。
また自信に溢れていますがケンカ好きではなく、穏やかさと勇敢さのバランスが取れています。
子どもや他の犬にも優しく接しますが、見知らぬ人に対しては警戒心を抱いて吠えることもあります。
諸説ありますが、ノーリッチ・テリアの寿命は12~15年ほどだといわれています。
一般的に犬の平均的な寿命は10~14歳程度です。
そこから考えると、ノーリッチ・テリアはやや長生きする傾向があるといえます。
英名:Norwich Terrier
別名:ノリッジ・テリア
原産国:イギリス
サイズ:小型犬
グループ:3G・テリア
大きさ:
体高・25cmほど
体重・5kgほど
寿命:12~15年
次にノーリッチ・テリアをおすすめしたい人、ノーリッチ・テリアとの暮らしに向いている人について説明していきます。
ノーリッチ・テリアは飼い主に対する愛情が深く、また飼い主と遊ぶことに喜びを見出す犬種です。
彼らは走り回ることや何かを追いかけること、泳ぐことが大好きで必要とする運動量も多い傾向にあります。
そんなノーリッチ・テリアは、犬と一緒にたくさん遊びたい方に向く犬種といえます。
ノーリッチ・テリアの被毛はワイヤーコートなので、比較的手入れに手間がかかりません。
ダブルコートなのでそれなりに抜け毛はありますが、基本的に週に1~2回しっかりとしたブラッシングをすれば被毛と皮膚の健康を保てます。
そんなノーリッチ・テリアは、手入れがしやすい犬を飼いたい方におすすめの犬種といえます。
ノーリッチ・テリアは明るくて活発、かつ愛情深くて子どもに寛容な傾向がある犬種です。
小さな子供にも友好的に接してくれることから、ノーリッチ・テリアは子どもがいる方にもおすすめの犬種といえます。
次の項目では、ノーリッチ・テリアのお迎え方法や価格について見ていきましょう。
ノーリッチ・テリアは、ブリーダーもしくはペットショップから購入できます。
ただし国内において、ノーリッチ・テリアのブリーディングを行っているブリーダーは多くありません。
ノーリッチ・テリアを飼いたい場合は、まずブリーダー(犬舎)を探して問い合わせると良いでしょう。
ごく稀に事情があって里親を探している方も見受けられるため、里親募集サイトを確認してみても良いかもしれません。
ノーリッチ・テリアは 、1頭あたり35万円程度で販売されています。
極端に安価な個体の場合、他のテリア(ケアーンテリアなど)との雑種である可能性があります。
特に子犬のうちは他のテリアとの見分けがつきにくいため、ノーリッチ・テリアは必ず信頼のおけるブリーダーやショップから迎えてください。
次の項目では、ノーリッチ・テリアの飼い方とそのポイントについて説明していきます。
ノーリッチ・テリアには年齢や状態に合わせた、品質の良い総合栄養食のドッグフードを与えましょう。
彼らは特に体が小さいため、体重が増えると関節や内臓などに大きな負荷がかかってしまいます。
必要以上に太らせることがないように、フードは毎回量ってから与えることが大切です。
与えるフードの種類や量について悩んだ時は、ブリーダーや動物病院に相談することをおすすめします。
ノーリッチ・テリアのブラッシングは、週に1~2回程度行いましょう。
彼らの被毛は悪天候にも耐えられる頑丈なオーバーコートと、暑さや寒さから身を守る柔らかいアンダーコートの2重構造(ダブルコート)になっています。
ブラッシングをする際はオーバーコートだけでなく、アンダーコートもしっかりとケアしましょう。
ノーリッチ・テリアの毛は古くなると色が白くなり、他の部分から浮いたように見えます。
「死毛」と呼ばれるこの毛を見つけたら、指で軽くつまんで引き抜いてください。
死毛が残っていると新しい毛が生えなくなってしまうこともあるので、定期的に取り除きましょう。
なお、ノーリッチ・テリアならではの外見を保ちたい場合は、「プラッキング」が必要となります。
プラッキングとは被毛を間引いて取り除き、被毛を美しく保つトリミング方法です。
トリミングナイフがあれば自宅でもできるケアですが、プラッキングをする際はナイフの刃を皮膚に強く当てないように気を付けてください。
死毛の除去やプラッキングが上手くできない場合は、トリマーに依頼すると良いでしょう。
ノーリッチ・テリア の被毛や皮膚を衛生的に保つため、月に1回はシャンプーをしましょう。
シャンプーは必ず犬専用のものを使用し、皮膚や毛にシャンプーが残らないように十分すすぎましょう。
せっかくシャンプーをしても刺激が強い人間用のシャンプーを使ったり、皮膚や毛にシャンプーが残ったりすると逆に皮膚病を引き起こす原因になってしまいます。
もともと猟犬である ノーリッチ・テリア の心身を健康に保つためには、多くの運動が必要です。
散歩は最低でも1日2回、30分程度連れていく必要があります。
そうとはいえ、それだけでは彼らが必要とする運動量は満たせません。
休日にはドッグランで走らせる、あるいはプールで泳がせるなど思いきり運動できる場所に連れて行ってあげると良いでしょう。
その際覚えておいて欲しいのが、ノーリッチ・テリアには「何かを追いかけたい」という強い欲求(本能)があるということです。
小動物などを見つけると興奮して周りが見えなくなり、そのまま迷子になる可能性があります。
運動をさせる際はドッグランやフェンスで囲まれた敷地など、安全な所でリードを外してください。
ノーリッチ・テリアは賢く物覚えが良いことから、しつけがしやすいといわれています。
彼らは“気が強い傾向にある”といわれるテリアの1種です。
しかしネズミ捕りやキツネ狩りの際に他の犬たちと一緒に行動することが多かったため、比較的気の強さは抑えられているといわれています。
純粋な愛玩犬と比べるとやや頑固な部分はありますが、じっくりと向き合えば飼い主の期待に応えてくれるはずです。
どうしてもしつけが上手くいかない時は、プロの訓練士の力を借りても良いでしょう。
ノーリッチ・テリアは基本的に健康的で丈夫な犬種で、遺伝的な疾患は多くありません。
とはいえ遺伝病が全くないという訳ではなく、遺伝病としては 股関節異形成、膝蓋骨脱臼、てんかん などが起きる可能性があるとことが知られています。
遺伝病は遺伝病の検査と正しいブリーディングをすれば、避けられる可能性が高いものです。
遺伝病の要因を持った個体を避けるためには、信頼のおけるブリーダーから購入することがなにより大切です。
ノーリッチ・テリアの歯は、歯垢や歯石が付きやすい傾向にあるといわれています。
歯のケアをせずに歯垢や歯石が溜まり続けると、歯周病を発症する可能性が高まります。
そして歯周病になると、口の中だけなく心臓や肝臓などの臓器にもダメージを与えてさまざまな病気を引き起こします。
歯周病を避けるためには、早いうちから歯磨きの習慣を付けることが大切です。
歯磨きのやり方がわからない場合は、かかりつけの動物病院や各所で行われている歯磨き教室で教えてもらうと良いでしょう。
一度こびりついてしまった歯石は、自宅のケアではそう簡単に取り切れません。
口腔内の健康を維持するためにも、定期的に歯科検診と歯のケアを受けることをおすすめします。
イギリス生まれの犬種、 「ノーリッチ・テリア」 について説明してきました。
小さな体にたくさんのエネルギーが詰まったノーリッチ・テリアが元気で明るく、非常に愛情深い家庭犬向きの犬種であることが伝わったでしょうか。
日本国内においてはノーリッチ・テリアよりノーフォーク・テリアの飼育数の方が多く、純血犬種の登録や保護を行っている愛犬団体・ジャパンケネルクラブの2019年(1月~12月)犬種別犬籍登録頭数ではノーリッチ・テリアは34頭(142犬種中86位)、ノーフォーク・テリアは262頭(142犬種中39位)の新規登録が行われています。
もしノーリッチ・テリアを自宅に迎えたら、家族の一員としてたくさんの愛情を注いであげてください。
賢くて明るい性格のノーリッチ・テリアは、注いだ分以上の愛情を返してくれることでしょう。
最終更新日 : 2021/03/31
公開日 : 2020/08/11