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キースホンドの特徴は、 タヌキ や ポメラニアン のようにも見える丸っこい体型と豊かな被毛です。
被毛の生え方も特徴的で、首の周りには長くて厚みあるラフ(※)が生えます。
大腿部(お尻から後ろ足)にはズボンをはいているように見える特徴的な毛が生え、くるりと巻きあがった尻尾にはさらに長くたっぷりとした毛が生えています。
(※ライオンのたてがみや襟巻のような毛のこと)
また、目の周りにメガネのようにも見える、白っぽいマーキングが入るのも大きな特徴です。
耳は小さくて先端が尖っていて、非常に表情が豊かな点も特徴といえるかもしれません。
そんなキースホンドは、別名 「ウルフスピッツ」 と呼ばれることもあります。
犬の中にはキツネ狩りのために作られた「フォックスハウンド」のように、特定の動物を狩るために作られ、その名前を付けられた犬種が一部存在します。
しかし、キースホンドはオオカミ狩りに使われた歴史はなく、またオオカミの血も引いていません。
被毛の色合いがオオカミに似ていることから、この別名が付けられたようです。
なお、冒頭でポメラニアンに似ていると書きましたが、実際にキースホンドとポメラニアンとの血縁関係は比較的近いところにあるようです。
キースホンドは数百年の長きに渡り、オランダ人に愛されてきた歴史ある犬種です。
彼らは「ダッチ・バージ・ドッグ」(オランダのはしけの犬)と呼ばれ、もともと運河(ライン川)を行き来する、はしけ(小舟)や農場の番犬として活躍していました。
その起源はおそらく北極、または亜北極ではないかと考えられています。
キースホンドは飼い主に対しては忠実で愛情深く、非常に活発な性質を持った犬種です。
ただ、見知らぬ人間や不審な物に対する警戒心が強く、守るべきものを与えられると全力で守ろうとする性質から、番犬として非常に頼れる存在だったようです。
その後、彼らは18世紀のオランダの王党派に対抗する「愛国党」の象徴となりました。
愛国党のリーダー・ケースという男性が、キースホンドを“気取らない人民の犬”として党のシンボルにしたのです。
政治的な象徴となったキースホンドたちは、当時多くの写真や漫画に登場しています。
そんなキースホンドは1900年頃になり、オランダからイギリスに紹介されました。
そして1926年にイギリスのケネルクラブで、1930年にはアメリカのケネルクラブで正式な犬種として認められました。
その愛らしい見た目と性質で人気者となった彼らは、世界中に広がっていったのです。
キースホンドの体高はオスで45cmほど、メスで43cmほどです。
その体型は体高と体長がほぼ等しい、スクエア型(正方形)になっています。
体重は性別を問わず15~20kgほどですが、被毛が多いので少し大きめに見えるかもしれません。
キースホンドのカラーは、1色のみが認められています。
彼らのカラーは毛先が黒いシルバーグレーで、耳とマズルが黒色(ブラック)です。
目の周りにはメガネのように見える、はっきりとしたマーキング(スペクタクルズ)が入ります。
キースホンドは活発で優しく、注意深い性格をしています。
飼い主に対する忠誠心と愛情が深い反面、見知らぬ人に対する警戒心や不信感が強い傾向にあります。
攻撃的な性格ではありませんが、不信感を抱いた相手には警戒心を露にします。
諸説ありますが、キースホンドの寿命は12~15年ほどだといわれています。
一般的に犬の平均的な寿命は10~14歳程度だといわれています。
そこから考えると、キースホンドはやや長生きする傾向があるといえます。
英名:Keeshond
別名:ウルフスピッツ
原産国:オランダ
サイズ:中型犬
グループ:5G・原始的な犬・スピッツ
大きさ:
体高・オスで45cmほど、メスで43cmほど
体重・15~20kgほど
寿命:12~15年
次にキースホンドをおすすめしたい人、キースホンドとの暮らしに向いている人について説明していきます。
キースホンドは愛情深く飼い主に従順で、感受性が高い傾向にあります。
飼い主が大好きで人間の気持ちを察してくれる彼らは、愛情をかけた分だけ愛情を返してくれます。
そんなキースホンドは、犬を外と一緒に過ごす時間が長い方におすすめの犬種といえます。
もともと船の番犬として働いていたキースホンドは、知らない人に対する警戒心が強い犬種です。
怪しいと感じものがあれば吠えたり態度で示したりして、飼い主に教えてくれることでしょう。
そんなキースホンドは、番犬を飼いたい方に向く犬種といえます。
キースホンドは警戒心が強いものの、根は明るく優しい性格をしています。
そのため一度警戒心を解けば、他の動物ともすぐに仲良くなれるといわれています。
そんなキースホンドは、犬を多頭飼いしたい方にもおすすめの犬種といえます。
次の項目では、キースホンドのお迎え方法や価格について見ていきましょう。
キースホンドはブリーダーから購入できます。
数は多くないものの、国内にキースホンドのブリーディングを行っているブリーダーがいるようです。
キースホンドを飼いたい方は、ブリーダーを探して問い合わせを行いましょう。
ただし、キースホンドは国内ではやや希少な犬種のため、常に子犬がいるとは限りません。
問い合わせの際は子犬がいるかどうか、またブリーディングの予定があるかどうか確認すると良いでしょう。
理想のキースホンドに出会えない場合は、海外ブリーダーからの輸入を検討するのも1つの手です。
動物の輸入は簡単なことではありませんが、興味がある方は動物の輸出入に強いブリーダーや動物商に問い合わせてみても良いかもしれません。
なお、国内では希少な存在である彼らですが、稀にペットショップでその姿を見かけることもあります。
事情があって里親を探す方がいる可能性もあるので、里親募集サイトを確認してみても良いでしょう。
キースホンドは 、1頭あたり40万前後で販売されています。
ただし国内ではほとんど見かけない貴重な犬であることから、この価格は概算となります。
カラーや性別、年齢や血統によって価格が大幅に異なる可能性がある点に注意してください。
次の項目では、キースホンドの飼い方とそのポイントについて説明していきます。
キースホンドには年齢や状態に合わせた、品質の良い総合栄養食のドッグフードを与えましょう。
彼らはもともと川周辺で働いていた歴史があるためか、魚主体の食事にも適しているといわれています。
与えるフードの種類や量について悩んだ時は、ブリーダーや動物病院に相談することをおすすめします。
キースホンドの被毛は長毛のダブルコートで、もつれやすく毛玉になりやすい性質があります。
彼らの被毛を美しく保つために、ブラッシングは週に3~4回以上行いましょう。
可能であれば毎日ブラッシングをして、週に1~2回は特に念入りにブラシをかけるのがベストです。
また彼らの毛は伸び続けるため、4~6週間に1回はトリミングをする必要があります。
仕上がりを気にする場合は、キースホンドのトリミングができるトリミングサロンに依頼してください。
特に仕上がりを気にしない場合は、バリカンなどを使って自分でトリミングすると良いでしょう。
キースホンドの被毛や皮膚を衛生的に保つため、定期的にシャンプーをしましょう。
彼らは体臭が少なめなので、シャンプーは月に1回程度行えば十分です。
逆にシャンプーをしすぎると必要な皮脂まで落ちてしまい、皮膚に余計なダメージを与えてしまいます。
部分的に汚れが気になる場合は、固く絞ったタオルやペット用ウェットティッシュで拭いてあげると良いでしょう。
キースホンドは非常に活発で、運動が好きな犬種です。
日頃の運動としては、1回30分程度の散歩を1日2回行うと良いでしょう。
通常の散歩に加え、休日にはドッグランなどに連れて行って思いきり走らせてあげてください。
また彼らは飼い主が大好きなので、飼い主と一緒に遊ぶことも好みます。
飼い主と犬が一緒に楽しめる、アジリティなどのドッグスポーツに挑戦しても良いですね。
キースホンドは賢く飼い主に従順なため、しつけがしやすいといわれています。
ただし感受性が強くて物覚えは良い反面、退屈だと感じると飽きてしまうこともあります。
トレーニングを行う際は単調にならないように、楽しみながら行うようにしてください。
また、もともと警戒心が強い傾向にあることから、社会化トレーニングをすることをおすすめします。
自宅に子犬を迎えたら早いうちから多くの人や犬に会わせて、良い刺激を受けさせてあげてください。
どうしてもしつけが上手くいかない時は、プロの訓練士の力を借りると良いでしょう。
キースホンドは非常に丈夫で、病気になりにくい犬種だといわれています。
ただし、適切なブリーディングが行われていない場合、 先天性心疾患(心臓疾患)、甲状腺機能低下症、進行性網膜萎縮、てんかん などの遺伝病が起こることで知られています。
キースホンドは国内においては非常に希少で、迎えること自体が難しい犬種です。
しかし、子犬を見つけたからといって、すぐに購入することはおすすめしません。
信頼のおけるブリーダーかどうか見極めるためにも、疑問に思っていることがあれば全て質問してみると良いでしょう。
愛犬と1日でも長く一緒に過ごすためには、遺伝病を避けるだけでなく日頃の健康管理も大切です。
早めにかかりつけの動物病院を作り、定期的に健康診断を受ける習慣を付けてください。
恐らく北極や亜北極がルーツだろうといわれているキースホンドは、分厚く長い被毛を持っています。
そのため寒さに強く、暑さに弱いということを覚えておいてください。
夏場は適切にエアコンを使用する、暑い時間帯の散歩は避けるなど、熱中症にならないように配慮してあげることが大切です。
オランダ生まれの犬種、 「キースホンド」 について説明してきました。
日本ではなかなか見かけないキースホンドですが、見た目が愛らしいだけではなく、家族に対する忠誠心や愛情が深い家庭犬向きの犬種であることが伝わったでしょうか。
キースホンドは国内では珍しく、ペットショップではほとんどその姿を見かけない希少な犬種です。
実際に国内でキースホンドを飼育している人は非常に少なく、純血犬種の登録や保護を行っている愛犬団体・ジャパンケネルクラブの犬種別犬籍登録頭数では2019年(1月~12月)に7頭の新規登録があるのみになっています。(142犬種中118位)
もしキースホンドを自宅に迎えたら、家族一丸となって愛情を注いであげてください。
飼い主の愛情を一身に受けたキースホンドは、美しくて愛情深い、素晴らしい家族の一員となってくれることでしょう。
最終更新日 : 2021/04/01
公開日 : 2020/08/07