本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
ボロニーズ最大の特徴は、綿毛のようにふわふわと広がる白くて長い被毛です。
やや縮れているその毛は非常に柔らかい手触りで、抜け毛も臭いも少ないという特徴があります。
彼らの体は頭から尻尾、足先まで全身が毛で覆われていますが、体や足は非常に細く華奢です。
また、耳は垂れていて目と鼻は黒くて丸く、体長と体高がほぼ同じで正方形のような体型をしています。
実はボロニーズの祖先については、現在も詳しいことはわかっていません。
ただ、遅くとも11~12世紀頃には、すでにイタリアで飼育されていたことはわかっています。
彼らは見た目が愛らしいのはもちろん、抜け毛や臭いが少ないこと、穏やかな性格をしていること、そして動きに気品があることから、貴族の抱き犬として大いにもてはやさました。
そんなボロニーズは “ビション・グループ”(※) と呼ばれる、ふわふわの被毛を持つ愛玩犬の1種です。
ビション・グループの犬たちは見た目や性質が近いことから、同じ祖先を持っているのではないかと推測されています。
(※) ビション・グループ… ビション・フリーゼ 、 マルチーズ 、ローシェン、ハバニーズ、コトン・ド・テュレアール、ボロニーズなどを含む犬種のグループのこと。
ビション・タイプの犬たちはその愛らしい見た目から、貴族や王族などの富裕層を魅了してきました。
なんと古代エジプトのファラオの墓から、ビション・タイプと思われる小さな白い犬のミイラが発見されているそうです。
ボロニーズも例にもれず、フランスのポンパドゥール夫人やロシアのエカチェリーナ2世(女帝)、オーストリアのマリア・テレジア女帝といった著名な貴族たちに飼育されていたことで知られていています。
イタリアのメディチ家もボロニーズの愛好家で、ブリーダーとして繁殖した個体を貴族への贈り物にしていたという逸話も残っています。
貴族たちに愛されたボロニーズは第二次世界大戦以降になり、ようやく一般市民にも広まりました。
そして現在は、その愛らしさと飼いやすさから、多くの国で愛されています。
なお、ボロニーズという名前は北イタリアの都市 「ボローニャ」 が由来となっています。
ボロニーズとビション・フリーゼは同じビション・グループの犬であり、見た目も似ています。
この2種の大きな違いは、原産国と大きさにあります。
ビション・フリーゼはフランスとベルギー出身で、大きさは体高が30cm以下、体重は6kg前後です。
また、2種とも素直で従順な性格ですが、ビション・フリーゼはボロニーズより活発で友好的な傾向が強いようです。
ボロニーズの体高はオスで27~30cmほど、メスで25~28cmほどです。
体重は2.5~4kgほどで、オスの方が若干大きくなります。
ボロニーズのカラーは、ピュア・ホワイト1色のみが認められています。
ただし、稀に被毛に斑点やシェード (※) が入ることがあります。
斑点やシェードがあるとドッグショーに出場できませんが、ペットとして飼う分には全く問題ありません。
(※) シェード…毛の根元~中ほど、中ほど~先端の色に濃淡があること。
ボロニーズは素直で従順、人好きですが控えめでややシャイな性格をしています。
知らない人に対してはやや人見知りをしますが、飼い主とその家族に対しては親密な関係を築きます。
無駄吠えは少ないものの、怖いと感じると吠えることがあるようです。
諸説ありますが、ボロニーズの寿命は12~14年ほどだといわれています。
一般的に犬の平均的な寿命は、10~14歳程度だといわれています。
そこから考えると、ボロニーズは平均的~やや長生きする犬種だと考えられます。
英名:Bolognese
別名:ビション・ボロニーズ、ビション・ボロネーゼ、ボロネーゼ
原産国:イタリア
サイズ:小型犬
グループ:9G(愛玩犬)
大きさ:
体高・オスで27~30cmほど、メスで25~28cmほど
体重・2.5~4kgほど
寿命:12~14年ほど
次にボロニーズをおすすめしたい人、ボロニーズとの暮らしに向いている人について説明していきます。
ボロニーズの被毛は抜け毛が少ないものの、絡んで毛玉になりやすい性質があります。
そのため、ボロニーズには毎日のブラッシングやコーミングが欠かせません。
また、よだれや涙で口回りや目の周りが汚れやすいので、こまめに拭う必要もあります。
そんなボロニーズはこまめにブラッシングが出来て、手入れを苦に思わない方に向く犬種だといえます。
ボロニーズは抜け毛が少なく、低アレルゲンのため犬アレルギーでも飼えると考えられています。
そんなボロニーズは、抜け毛やアレルギーが気になる方に向く犬種だといえます。
ただ、低アレルゲンとはいえ、アレルゲンが全くということはありません。
犬アレルギーがある方がボロニーズの飼育を検討する場合は、必ずかかりつけの医師に相談してください。
ボロニーズは愛玩犬として、人と一緒に暮らすことを目的として作られた犬種です。
人が好きで人と過ごすことに喜びを感じる彼らは、1匹にされることを好みません。
彼らは長時間1匹で過ごすと寂しさや不安から、 「分離不安症候群」 を引き起こす可能性があります。
そんなボロニーズは家を留守にする時間が少なく、一緒に過ごす時間が長い方に向く犬種だといえます。
なお、家を空ける時間が長くてもボロニーズを飼いたい方は、多頭飼いを検討すると良いかもしれません。
ボロニーズは他の犬や動物に対しても寛容なので、多頭飼いしやすいといわれています。
次の項目では、ボロニーズのお迎え方法や価格について見ていきましょう。
ボロニーズはブリーダー、もしくはペットショップから購入できます。
しかし、マルチーズやビション・フリーゼのように、よくショップの店頭にいるとは限りません。
ボロニーズを迎える際はあらかじめブリーダーやペットショップと相談し、子犬が産まれたら連絡してもらうと良いでしょう。
また、ブリーダーから保護された個体や、飼いきれなくなった個体が里親を募集していることがあります。
里親募集サイトを見てみると、そういった背景があるボロニーズに出会えるかもしれません。
ボロニーズは1匹あたり、27万前後で販売されているようです。
国内にブリーダーが数件存在することから、価格はある程度安定しています。
次の項目では、ボロニーズの飼い方とそのポイントについて説明していきます。
ボロニーズの主食には、質の良い総合栄養食のドライフードを与えると良いでしょう。
フードは年齢や状態に合わせて、子犬用(パピー)や成犬用、シニア用などに切り替えます。
彼らは体が小さく胃も小さいので、1度にたくさんの物を食べることができません。
フードはなるべく粒が小さめの物を選び、1日2回に分けて与えると良いでしょう。
与えるフードの種類や量について悩んだ時は、ブリーダーや動物病院に相談することをおすすめします。
ボロニーズの被毛はシングルコートで、抜け毛はほとんど気になりません。
しかし、そのふわふわの毛は絡みやすく毛玉ができやすいため、毎日ブラッシングをする必要があります。
ただしブラッシングをしすぎると逆に絡んでしまうこともあるので、日々のお手入れの中でちょうど良いところを見極めることも大切です。
なお、日々の手入れが楽になるように、被毛を全体的に短くカットする方もいます。
ボロニーズの美しい被毛を維持するために、月に1回はシャンプーをしましょう。
ボロニーズは生涯毛が伸びつつけることから、定期的にトリミングする必要があります。
トリミングの頻度も大体1カ月に1回程度が目安であることから、自宅でシャンプーをせず全てトリマーに任せる方も多いようです。
ボロニーズの散歩は1日2回、1回20~30分程度すれば十分だといわれています。
彼らはそこまで運動量が必要な犬種ではありませんが、散歩をすることでさまざまな刺激が得られるため、できるだけ外に連れて行ってあげてください。
運動量が足りないと思ったら、室内で遊ばせると良いでしょう。
彼らはおもちゃ(ボールなど)を使って遊ぶのはもちろん、新しい芸(トリック)を覚えることも楽しんでくれます。
ボロニーズは飼い主に対して従順、かつ賢いためしつけの難易度は低いといわれています。
ただし少々飽きっぽい部分があるので、しつけをする際は飽きさせないように工夫すると良いでしょう。
ボロニーズは穏やかな性格をしているため、しつけの際は褒めて伸ばすことが大切です。
決して暴力を振るったり、大声をあげたりしてはいけません。
ボロニーズのカットには、トイプードルやビション・フリーゼと同じくさまざまなスタイルがあります。
全体を丸く整えるのはもちろん、テディベアカットやトップノット(ちょんまげ)にしたり、一部の毛を伸ばして三つ編みにしたり、あえて毛を伸ばしてみたりと多くのスタイルが楽しめます。
カットにおいて見た目を重視するのか、手入れの手間を重視するかは飼い主次第です。
なお、ボロニーズはやや珍しい犬種なので、トリミングの経験が無いトリマーも少なくないようです。
トリミングサロンに行く際は、事前にボロニーズのカットができるか確認しておくと良いでしょう。
ボロニーズは比較的体が丈夫で、基本的に病気にかかりづらいといわれています。
しかし 「白内障」 などの目の病気、 「 膝蓋骨脱臼」 、 「外耳炎」 や 「アレルギー性皮膚炎」 などにはかかりやすい傾向があるとされています。
中でも小型犬に良く見られる「膝蓋骨脱臼」は、後ろ足の関節が本来の位置からずれたり外れたりする関節病です。
もしボロニーズが後ろ足を妙に気にしている、階段を上りたがらないといった様子を見せたら、すぐに動物病院に連れていきましょう。
いずれにしても、犬の病気は早期に発見・治療をすることが大切です。
定期的に健康診断に行くのはもちろん、日々犬の様子を良く観察し、“いつもと違う”と感じたらすぐに動物病院に相談しましょう。
シングルコートの被毛を持つボロニーズは、比較的暑さに強いといわれています。
しかし、原産国であるイタリアとは違う、湿気が多く蒸し暑い日本の暑さは得意ではありません。
熱中症を避けるためにも、夏場はエアコンを活用すると良いでしょう。
また、シングルコートであることから、ボロニーズは寒さに弱いです。
気温が下がってきたら暖房や毛布などを活用し、体温が下がらないように配慮してあげましょう。
洋服を着せても構いませんが、洋服を着ると毛玉が増えてしまうことがあるため注意が必要です。
イタリア生まれの小型犬、 「ボロニーズ」 について説明してきました。
貴族に愛されてきたボロニーズは見た目が愛らしいのはもちろん、物静かで人好きな性格の犬種だということが伝わったでしょうか。
彼らは低アレルゲンの犬種として注目を浴びていますが、日本における飼育頭数はまだ多くありません。
純血犬種の登録や保護を行っている愛犬団体・ジャパンケネルクラブにおける2019年(1月~12月)の新規犬種別犬籍登録頭数は、142犬種中55位、146頭となっています。
なお、彼らを自宅に迎える際は、以下2点を家族の間で良く話し合うことをおすすめします。
十分な準備と覚悟を持って迎えれば、ボロニーズは素晴らしい家族の一員になってくれることでしょう。
最終更新日 : 2021/04/05
公開日 : 2020/07/27