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猫が仰向けになっている様子をヘソ天と呼ぶことがあります。
これは言葉通り、おへそがあるおなか側を天井に向けて寝ているので、そう呼ばれているのです。
猫はいつでもヘソ天をするというわけではありません。
どのようなときに猫は仰向けになっているのでしょうか。
猫が仰向けになって寝ているときは、安全な環境にいるときです。
危険な場所や、緊張するような環境ではヘソ天にはなりません。
猫のヘソ天には、その場所が猫にとって危害を加えられる心配がない場所であり、猫が安心した気持ちのときに見せる行動です。
猫がヘソ天になっている姿を見せるときは、その人のことを信頼しているという証でもあります。
飼い主さんのことを信頼していなければ、猫がお腹を見せることはないでしょう。
信頼している証ではありますが、犬とは違って飼い主さんに服従をしているという意味ではありません。
猫がお腹を見せるのは、あなたのことをお腹を見せてもいいくらい信用していますよという意味です。
猫がリラックスしてのんびりした気持ちになっているときにお腹を見せて、体を伸ばして寝ることがあります。
警戒心を解いて、ゆったりした気持ちでなければ、ヘソ天で長くなって寝るようなことはありません。
甘えている気持ちのときも、お腹を見せて仰向けになることがあります。
猫は子猫のときに、仰向けになって手足をバタバタさせたりすることで母猫に甘えます。
そうすると、母猫が子猫をなめて可愛がってあげるのです。
また、子猫を転がしてお尻を舐めで排尿を促してあげることもあります。
お腹を見せてコロンコロンと転がるような様子を見せるときは、飼い主さんに甘えたい気持ちになっているのです。
筆者の愛猫は、筆者が帰宅するとお腹を見せてコロンコロンと転がり、帰ってきて嬉しいと表現してくれます。
猫はかまって欲しいときにお腹を見せて、クネクネしたりコロンコロンと転がったりして飼い主さんの注意をひこうとすることがあります。
特に普段からヘソ天をする様子をかわいいと褒めそやしていたりすると、余計にそのような仕草をして飼い主さんにかまって欲しいという気持ちを表現することがあるようです。
猫は相手に警戒心を解いて欲しいときに仰向けになることがあるようです。
筆者は保護活動をしており、たくさんの子猫を保護しているのですが、大人の猫たちがお腹を見せてコロンコロンと転がり子猫に大丈夫だよとアピールすることがあります。
また、筆者の愛猫は叱られると走ってきて筆者の前に回り込み、仰向けになって体をクネクネして許してもらおう、かまってもらおうとします。
そうすると筆者はつい可愛くて許してしまうのですが、厳しい顔をしている筆者に対して「やめて欲しい」という意思表示なのでしょう。
筆者が日ごろからヘソ天をする猫をかわいいと言っているので、余計にそういう行動をとるのかもしれません。
猫がお腹を見せて仰向けで寝るときは気温が高いときです。
寒いときは丸まって寝ることが多いので、へそ天で寝る様子が見られるときは夏であることが多いでしょう。
猫の快適に感じる気温は25~28℃と言われています。
暑いと感じない25℃くらいでも快適な温度であるため、気持ちよくてヘソ天になることがありますが、やはり28℃以上の気温になると体温を逃がそうとして仰向けになることが多いようです。
ヘソ天になっている猫が可愛くてつい触ってしまったところ、猫に怒られてしまったという経験がある人もいるのではないでしょうか。
お腹を見せて気を許しているように見えるのに、なぜ猫はお腹を触られると怒るのでしょうか。
猫にとってお腹は急所です。
お腹側には背中側と違い骨がなく、皮膚や脂肪の下にはすぐに内臓が詰まっています。
内臓を守ってくれる骨はお腹側にはないので、攻撃されれば即命取りになってしまいますね。
そのため、猫はお腹に触られるのを嫌うのです。
たとえどんなに信頼している飼い主さんであったとしても、飼い主さんがお腹に攻撃をしないと分かっていたとしても、お腹を触られるのは生理的に嫌な行為なので、反射的に引っかいたり、噛んだりしてしまう子が少なくありません。
仰向けになって可愛く寝ていたり、クネクネしていたりする様子を見ると、人間的には「触って欲しいのかな?」と思ってしまいますが、猫としては触って欲しくてそうしているのではありません。
猫があおむけになる理由で解説したとおり、甘える気持ちであったり、リラックスしている状態であったりはするのですが、触って欲しいとは思っていないという点が重要なポイントです。
猫ちゃんのお腹に不用意に触るのはやめた方が良いでしょう。
筆者はたくさんの猫の面倒を見ていて、中にはお腹に触られるのが平気な子や、お腹をなでられるのが好きな子もいます。
しかし、筆者が観察したところでは、お腹を触られても平気な子は1割程度ほどしかいないように感じます。
ほとんどの猫ちゃんはお腹に触られるのが苦手なのだということを理解しておきましょう。
猫を人間の赤ちゃんのように仰向けで抱っこするというのはあまりおすすめできません。
そもそも仰向けの状態というのは、猫にとっては通常の姿勢ではないからです。
暑かったり、気持ちが良かったり、安心しているときにときどき見せる姿勢であり、その不安定な姿勢で抱っこされると猫は不安になってしまいます。
抱っこが好きな猫ちゃんであっても、仰向けで抱っこされることは好きではない子が多いでしょう。
抱っこはただでさえ不安定なのに、仰向けで抱っこされることはさらに不安な気持ちが増してしまいます。
猫にとってお腹は急所であるので、信頼している飼い主さんであっても、やはりお腹を無防備にさらすことには抵抗を感じる子が多いです。
猫の正しい抱っこの仕方は、猫の脇の下部分に腕を入れてホールドし、もう片方でお尻の部分や足を支えて不安定な姿勢にならないようにします。
仰向けで抱っこされても平気な子も稀にいますが、仰向けで抱っこは猫の抱っこの方法としてはあまりよくはありませんし、おすすめしません。
猫を仰向けの状態で抱っこすることはおすすめしませんが、猫が膝に乗ってきたときに、自ら仰向けになることがあります。
それは猫が自分から進んでとっている姿勢であり、「気持ちがいいな」とか飼い主さんに「甘えたいな」という気持ちの表れであるので、そのときはしたいようにさせてあげると良いでしょう。
だからといって、お腹に触られることに慣れていない猫ちゃんは、触られると怒ってしまう場合があるので気をつけてくださいね。
子猫のときは警戒心が薄く、仰向けになって母猫に可愛がってもらったり、兄弟で重なり合って遊んだりすることが多いので、仰向けになることに対して成猫ほどの抵抗感がありません。
そのため、よく子猫がヘソ天になって寝ている様子を見ることができますし、ごく幼い頃にはおなかを触られることにも抵抗感が薄いようです。
※合わせて読みたい: 子猫の飼い方マニュアル。子猫の食事やケアの仕方、飼育にかかる費用、注意点
おおらかな性格で警戒心が薄い子はヘソ天になりやすいようです。
筆者の保護している子は、病院に連れて行ったときにでさえ診察台の上で仰向けになり、看護師さん達に可愛がられていました。
病院はほとんどの猫が恐怖を感じる場所であり、このような場所でへそ天をする子は本当に珍しいのですが、警戒心が薄すぎるため、外で暮らすのは危険な子であるともいえます。
臆病で警戒心が強い子はめったにヘソ天をしません。
猫が仰向けで寝るということは自分の急所をさらすという行為です。
猫の性格もそれぞれでかなり違いますので、フレンドリーな子もいれば、警戒心が強い子もいます。
警戒心が強い子は、お腹を見せるという行為自体が生理的に嫌なので、信頼している飼い主さんの前であってもへそ天の姿勢を取らないことが多いでしょう。
前述した通り、猫はお腹に触られるのが苦手な子が多いです。
不用意に触ってしまうと、猫は反射的に自分の身を守ろうとして引っかいたり、かみ付いたりしてしまうことがあります。
本気でかんだり引っかいたりしなくても、触って欲しくないという意思表示のためにそのような行動をすることもあります。
猫ちゃんが嫌だと思っていることはしないようにしましょう。
無理強いをすると嫌われる原因になってしまいます。
猫ちゃんが仰向けになっているときは、お腹を観察する絶好のチャンスです。
普段はなかなかお腹を観察することができないので、猫ちゃんが機嫌よくお腹を見せているときに素早く観察するようにしましょう。
脱毛したり、炎症を起こしたりしているところがないか、ささっとチェックしてみるといいですね。
仰向けになっていると猫ニキビも発見しやすいです。
猫は具合が悪いときは仰向けになったりしないものですが、本当に具合が悪くてうつぶせになる力もないときは、仰向けではありませんが横倒しになってしまうことがあります。
一見するとリラックスしているように見えるのですが、これはもう、うつぶせになる力がないときにする姿勢です。
病気が進んで体力が奪われているときに見られる姿勢なので、もし持病等があり、このような姿勢をとっていて元気がないというときは、重症化しているかもしれません。
たいていの子はお腹を触られるのが嫌いですが、中には徐々にお腹に触れられることに慣れることができる猫ちゃんもいます。
お腹に触れられるのに慣れてもらうためには、少しずつ触ってお腹に触られることへの抵抗感を減らし、お腹を触られても怖いことが起きないのだと理解してもらうようにします。
へそ天をしている状態のところを、いきなりお腹を触ったりしないようにしてください。
まず、わき腹を触られるのに慣れてもらうことからはじめます。
猫がのんびりと横になっているときに、わき腹を優しくなでてあげます。
お腹を触られるのに抵抗がある子は、わき腹でも嫌がることがあるのでその場合は無理強いしないでください。
猫が気持ちよさそうな様子を見せたら、続けても大丈夫です。
わき腹を触られることに慣れてきたら、少しずつお腹の方もなでるようにしていきます。
お腹をなでられるのが気持ちいいと感じると、噛んだり引っかいたりせずにお腹をなでさせてくれるようになります。
ただし、猫とは気まぐれなところがある動物なので、気持ちよさそうにしていても突然、嫌になることもあります。
その場合はすぐにやめてあげてくださいね。
また、徐々に慣れてもらおうと思っても全く慣れてくれない子もいますから、そういう子には無理にしないようにしましょう。
なでさせてくれるようになったらラッキーくらいに思って試してみてください。
これまで解説してきた通り、へそ天は可愛らしいものですが、猫ちゃん側としては触って欲しいと思っているわけではないことがほとんどです。
その猫ちゃんの気持ちを理解してあげて、愛猫がへそ天をしているときは言葉をかけて可愛がってあげるようにし、いやがる子は無理に触ったりしないようにするといいですね。
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公開日 : 2020/01/28