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ホーランドロップの特徴や性格を知る上で、まずは歴史について簡単に確認しておきましょう。
「ホーランド・ロップ(英語名:Holland Lop)」は、ウサギ目ウサギ科アナウサギ属。
ホーランド(=オランダ)の垂れ耳種という意味を持ちます。
原産国はオランダで、ペット用に交配され、20世紀の半ばに誕生しました。
オランダのうさぎブリーダー「アドリアン・ド・コック」氏が、垂れ耳のミニウサギを作りたいという願いのもと、大型の垂れ耳うさぎである「フレンチロップ」と小型の「 ネザーランドドワーフ 」を掛け合わせ、そこから生まれた子を交配させていくことで生まれたと言われています。
その後、1980年代に「アメリカンラビットブリーダーズ協会(ARBA)」に公認されました。
なお、ホーランドロップは垂れ耳うさぎ(ロップ種)の中で最も小さいことから「ミニ・ロップ (英語名:Mini Lop)」とも呼ばれます。
ホーランドロップの見た目のトレードマークと言えば、やはり愛らしい垂れた耳ですよね。
耳は、他のロップ種と比べると厚みがあり短いのも特徴です。
また、頭頂部に「クラウン」と呼ばれる、二つのコブのようにも見える太めの帯状の毛が生えています。
足が太く短く、がっしりとした筋肉質な体格で、顔も体型も丸っこいのが印象的です。
ロップイヤー系の中で最小と言われる、ホーランドロップ。
オス・メスともに、体長は30~35cm、体高は10~14cmほどです。
平均的なホーランドロップの体重は、1.5〜2.0kg程度です。
個体によっては1.3kg程度と小柄であったり、2.3kg以上とやや大きめだったりすることもあります。
1.8〜2.0kgになる子も多いですが、「1.8kg以上は肥満」という説もあるため、太り気味になっていないか、健康状態が悪くないか不安な場合には、獣医師さんに確認してもらうと安心でしょう。
ホーランドロップは、ペット用と生み出された品種なこともあり、うさぎの中でも比較的飼いやすいと言われます。
ネザーランドドワーフと比べると警戒心が強くはなく、撫でてもらうことが好きな子も多く、飼い主に懐いて後ろをついて来るなどの傾向もあります。
欧米では「アニマルセラピー」に使用されることもあるほど人慣れしており、優しい性格であまり攻撃的ではないことでも知られています。
うさぎとたくさんコミュニケーションをとりたい・抱っこして遊びたい方には、適した品種と言えるでしょう。
ただ、もちろん個体差はあるため、おとなしい性格の子もいれば、好奇心旺盛でわんぱくな子、自分から飼い主にどんどん甘えてくる子など多種多様です。
ホーランドロップをお迎えする際の個体の値段は、ペットショップか、専門店・ブリーダー経営店かによって相場が異なります。
ペットショップでの販売価格は、およそ2~4万円ほどです。
人気の品種であることから、たいていの場合うさぎを扱うペットショップでは出会うことができるでしょう。
うさぎ専門店・うさぎのブリーダーさんから購入する場合には、約5〜11万円で販売されていることが多いです。
安いショップや、成長してきた個体であれば、1〜4万円で譲ってくれることもあります。
血統書や健康診断書などを発行してくれる場合も多く、親うさぎの健康状態の記録も残っている可能性が高いため、今後の健康対策もしやすいと考えられます。
※合わせて読みたい: ブリーダーからうさぎを譲り受ける際のメリット・見極め方・注意点
うさぎの里親を募集している団体からホーランドロップを引き取る場合、基本的に個体の値段は無料です。
ただし、条件は非常に細かく、またきちんと良好な環境で飼育できているか報告の義務が発生する場合もあるため、ご自身がしっかりとした里親になれるかどうか熟慮した方が良いでしょう。
※合わせて読みたい: うさぎの里親になるには?うさぎを里親として譲り受ける方法と注意点
ホーランドロップのカラーバリエーションは30種以上と言われており、比較的好みの色の子を探しやすいでしょう。
日本では、特に人気があるのは明るい毛色の子で、オレンジの子が非常に多いようです。
また、ブロークンオレンジ(白ベースに、まだらのオレンジ柄がある)や チンチラ のような濃いグレーの子も店頭でよく見られます。
なお、成長中にやや明るくなるなど、毛色が変化することもあります。
ホーランドロップは、毛玉や耳の病気にならないよう注意してあげることが肝心です。
また、うさぎ全般に言えることですが、かじる習慣や温度についても配慮してあげましょう。
ホーランドロップは短毛種ではあるものの、毛皮が分厚いという特徴があります。
さらに、年に4回ほど大きな換毛期もあります。
うさぎは、犬や猫と異なり嘔吐することができません。
毛玉を飲み込むと「毛球症」になってしまう恐れがあります。
週に1度を目安にブラッシングを行い、毛を手入れしてあげてください。
抱っこが好きな子も多いので、グルーミングはしやすいでしょう。
また、耳が垂れているこから、通気性が悪くなりがちな耳が病気にかかりやすい傾向があります。
そのため、耳チェックもこまめに行ってあげましょう。
耳の奥までいじるのはNGで、逆に外耳炎になってしまいます。
※合わせて読みたい: ウサギの換毛期はいつからいつまで?牧草・ペレットの量など健康対策はどうすれば良い?
ホーランドロップに限らず、うさぎは本能的に物をかじる癖があります。
家の壁紙・柱・木製ドアなどに気をつけることはもちろんのこと、ケーブル・電気コードなどをかじると関電の恐れがあるため、部屋の中で散歩をさせる際には、くれぐれも目を離さず注意してあげてください。
うさぎの歯は一生伸び続けるものです。
繊維質をたくさん含む牧草・チモシーを常に食べ放題の状態にしてあげましょう。
咀嚼することによって歯が適度に削られていくため、歯の伸び過ぎなどの病気を防止できます。
チモシーをメインにするためには、おやつは最小限で、ペレットもあげ過ぎないようにしましょう。
うさぎは気温差(特に夏の暑さ)が苦手のため、一年中エアコンで温度調節を行うことも大切です。
室温は18~24℃前後を保つよう心がけてください。
ホーランドロップは足を伸ばして寝るのが好きな子が多いです。
できるだけ、伸び伸びと寝られるスペースを用意してあげましょう。
体重も2kg近くなる子が多いので、ケージの横幅は60~80cmくらいは欲しいところです。
80cm幅の方がケージ内でゆったりと過ごしてもらえますが、部屋が狭く60cm程度の幅の物しか置けない場合には、ケージ内のレイアウトを工夫し、なるべく広々と使えるようにしてあげましょう。
※合わせて読みたい: うさぎを飼うのに最適なケージとは?うさぎの飼育ケージの選び方とおすすめ商品!
ホーランドロップの平均寿命は7~10年で、最長で13~15年という記録もあります。
うさぎのメスは5歳前後から卵巣と子宮癌がとても多くなりますので、長寿を目指すなら必ず避妊手術を受けるようにしましょう。
どのような子をお迎えしても、たった一つの大切な命であることは共通する事実です。
うさぎの飼育本を2冊以上は読んで、間違った飼い方で短命にすることは避けるようにしましょう。
今回ご紹介した体重・飼育環境などに注意してあげながら、ご家族の一員となったホーランドロップをぜひ長生きさせてあげてくださいね。
※合わせて読みたい: うさぎの飼い方解説!値段、選び方、種類、餌、しつけ、エサについて
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2023/11/09
公開日 : 2019/12/20