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コラットは何世紀も前から原産地であるタイで大切にされてきた猫です。
タイではシ・サワットと呼ばれ、幸運をもたらす猫として広く知られています。
コラットは猫の中でも特に起源が古いと言われている、タイ原産の猫です。
タイ王国の北東部、コラット地方で生まれたことからこの名前が付けられたとされています。
コラットはアユタヤ王朝(1351年〜1767年)時代の「The Cat Book Poems(猫の詩)」という書物中に記述や絵が見られることから、12〜16世紀頃にはすでに飼育されていたのではないかと考えられています。
コラットは古くから幸運のシンボルと考えられ、飼い主に豊作と富をもたらすと言われてきました。
タイでは新郎新婦の繁栄を願い、結婚式で2匹のコラットを送る風習があります。
そういった背景から、ほとんどタイの国外に持ち出されたり販売されたりすることがなく、コラットは長い間「知る人ぞ知る」ネコでした。
西洋ではじめてその姿が記録されたのはロンドンで、なんと1896年のことでした。
その後、1959年にアメリカに来たナラとダーラという名前の2匹のコラットが基礎となり、ペット用のコラットが少しずつ世界中に広がっていくことになりました。
そうとはいえ、現在も希少な猫種であることに変わりはなく、まだまだ広く流通しているとは言えません。
コラットの平均的な体重は2.5〜5kg程です。
中型でコンパクトな体つきですが、筋肉質なのでずっしりと重く感じられます。
コラットの毛色はブルーで毛の先端がシルバーになっている、シルバーブルーが基本のカラーです。
全身が濃淡のない同じ色であり、基本的には模様がありません。
ときおり斑点や灰色の縞模様が入っている個体もいて、模様は成長するにつれて大きくなっていきます。
模様が入っている個体は規定上キャットショーに出ることができませんが、家庭で飼育する分には全く問題ありません。
コラットの特徴はシルバーに輝く美しい被毛と、ぺリドットグリーンの目です。
シルバーの被毛は雨雲の色、ペリドットグリーンの瞳は稲穂の新芽の色であることから豊作と幸福のシンボルとされてきたそうです。
コラットの目は大きくて丸く、まるで宝石のように光り輝きます。
若いコラットは茶色〜黄色の目をしていますが、2〜4歳になると目の色がコラットらしいペリドットグリーンへと変化していきます。
また、頭が丸やくさび形ではなく、 ハート形 になっているのも特徴です。
コラットはとても賢く、飼い主の注目を自分に集める能力が高いと言われています。
相手をしてあげないとすねてしまい、遊んでくれるまで機嫌を直さない…といったような策士な一面を持っています。
そんなマイペースなコラットですが、家族に対しては優しくて、とても愛情深い性格です。
包容力が高いことから、子どもの扱いも上手な子が多いようです。
その反面、繊細な性質も強く、ちょっとしたことで驚いてしまうことがあります。
コラットの近くで大きな音を立てることや、乱暴な扱いをすることはしてはいけません。
コラットも他の猫と同じく、十分な運動が必要です。
繊細で物静かなコラットですが、意外と活発に動くという一面も持っています。
運動不足にならないようになるべく遊んであげる他、自発的に運動できるようにキャットタワーや各種おもちゃを用意した方が良いでしょう。
コラットの寿命は15年程です。
比較的丈夫で長寿な猫であると言われています。
英名:Korat
別名:シ・サワット
原産国:タイ
大きさ:2.5〜4.5Kg程
寿命:15年以上
ここまでコラットの歴史や生態を見てきました。
こちらの項目では実際にコラットを飼うために必要な情報を解説します。
コラットは希少な猫であり、国内での飼育頭数は多くありません。
ペットショップではなかなかお目にかかれない猫種であると考えた方が良いでしょう。
コラットを飼う時はブリーダーから購入することをおすすめします。
コラットは15万円程度で販売されています。
流通数、ブリーダーともに少ないことからやや高価になる傾向があります。
ここまでコラットの歴史や性質について解説してきました。
ここからは実際にコラットを飼うために、事前に押さえておきたいポイントを解説します。
成長や体の大きさに合わせて、適切なエサを選んであげてください。
ついエサやおやつをあげたくなってしまいますが、太りすぎないように注意してくださいね。
※合わせて読みたい: 安心・安全なキャットフードはどれ?猫の餌の与え方や注意点とおすすめキャットフードランキング!
コラットは短毛種であり、被毛が体に密着していています。
アンダーコートがないシングルコートのため抜け毛は多くはありませんが、スキンシップを兼ねて 週に1回程度ブラッシング してあげると良いでしょう。
※合わせて読みたい: 猫のブラッシングの効果と、ブラシの種類やブラッシングの方法を解説
コラットは非常に賢いため、しつけをすることが可能です。
しかし、とてもプライドが高いことから、叱ると逆効果になってしまう可能性があります。
叱ることよりほめることを重視すると良いでしょう。
※合わせて読みたい: 猫のしつけ〜猫の習性を理解して、トイレ・爪とぎ・甘噛み・登り癖をしつけてみよう〜
ここまでコラットの生態や飼うためのポイントを解説してきました。
ここからはコラットと一緒に生活するために、実際にどんなものが必要なのかをご紹介します。
コラットは繊細な一面があることから、ケージのような安心できる場所を作ってあげると良いでしょう。
ケージをタオルやブランケットなどで覆ってあげると、より良い隠れ家になります。
多少触っても動かない、しっかりしたものを用意してあげましょう。
食べづらそうな場合には、少し高さがあるものを使ってみてください。
猫用のトイレを用意しましょう。
色々な種類がありますが、まずは置き場所(サイズ)や好みを重視して選ぶと良いです。
物静かなコラットですが、意外と活発で 若いうちは特に運動量が多い 傾向にあります。
キャットタワーを設置して、しっかりと上下運動ができる環境を作ってあげると良いでしょう。
コラットは、飼い主に構ってもらえないとすねてしまうことがあります。
遊びのパターンを増やし、飽きさせないために、色々なおもちゃを用意しておくと良いでしょう。
コラットは比較的丈夫な猫であり、猫種として発症しやすい特有の病気はありません。
しかし、猫が一般的にかかりやすい、膀胱炎や腎不全には十分気を付ける必要があります。
また、コラットをお迎えする上で、1点だけ注意して欲しいことがあります。
コラットは猫種特有の遺伝性疾患、リソソーム蓄積症(ライソゾーム病)を発症することがあります。
リソソーム蓄積症は有効な治療手段がなく、発症するとほとんどの場合で若いうちに死亡してしまう恐ろしい疾患です。
リソソーム蓄積症をはじめとした遺伝性疾患は、飼育環境が原因で発症するものではなく、特定の遺伝子を持っていて、かつ特定の条件に当てはまると発症するものです。
その遺伝子や条件がわかっているものが多く、正しいブリーディングをすれば防げるものがほとんどです。
遺伝性疾患を持った個体を避けるためには、しっかりと信頼の置けるブリーダーから動物を迎えてください。
ほとんどのブリーダーは遺伝性疾患を避けるようにブリーディングをしますが、どんどん産ませて売ればそれでいいと考えている悪徳ブリーダーも少なからず存在しています。
コラットはとても賢く、活発な反面プライドが高くて繊細な気質を持った猫です。
そして、飼い主の意識を自分に集めたがる、コミュニケーションを好む性質が強いことでも知られています。
こういった性質から考えると、一人暮らしや外出する機会が多くて1匹で留守番をさせる時間が長い方には向かないかもしれません。
コラットが寂しがらないように、環境が許すならば猫を複数飼いするのも良いでしょう。
繊細でプライドが高いけれど、とても愛情深い猫であるコラット。
作家の向田邦子さんが旅行先のタイで一目ぼれして、連れて帰ってきたという逸話があるほど魅力的なネコです。
人間とコミュニケーションを取ることが好きで優しいコラットは、素敵な家族の一員となってくれることでしょう。
もしかしたら伝承通り、家族に幸せをもたらしてくれるかもしれません。
公開日 : 2019/06/07