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ケープハイラックスは、別名ロックハイラックスとも呼ばれる、その名前が示す通り岩場で暮らしている動物です。
野生では最大80匹程にもなる、大きな群れを作って暮らしています。
かわいい顔をしていますが、上あごにはまるでゾウのような1対の大きな牙があり、咬まれるとかなり痛い思いをします。
アフリカ中部~南部、サハラ砂漠以南の岩場に生息しています。
体長は40~50cm程、体重は2.5~5kg程です。
ケープハイラックスは「チチチ」「ピピピ」といった、小鳥のような声で鳴きます。
完全な草食性の動物です。
草や果実、花など様々なものを食べています。
一見 モルモット や ウサギ のようですが、足にひづめに似た平爪をもった原始的な「イワダヌキ目」の動物です。
体は小さいものの、遺伝子的に一番近い動物はゾウであるとされています。
また、ケープハイラックスはほ乳類ですが、体温調節の機能が発達していません。
外気温に合わせて体温が下がってしまうため、群れの仲間とくっついて日向ぼっこをして体をあたためる習性があります。
繁殖期は生息している地域により異なりますが、雨期に出産することが多いようです。
妊娠期間は6~8か月程、通常は1回のお産で2~4頭の子どもを産みます。
オスメスとも16か月程度で性成熟し、繁殖することができるようになります。
分類:哺乳綱 イワダヌキ目 イワダヌキ科 ハイラックス属
和名:岩狸
学名:Procavia capensis
英名:Cape Hyrax、Rock hyrax、Rock badger、Rock rabbit
分布:アフリカ中部~南部、サハラ砂漠以南の岩場
大きさ:
体長:40~50cm程
体重:2.5~5kg
鳴き声:「チチチ」「ピピピ」など
食性:植物食
繁殖:
性成熟:メスメスとも16か月ほど
妊娠期間:6~8か月ほど
産子数:通常2~4頭
寿命:10年程
ケープハイラックスはペットとして飼うことは不可能ではありません。
しかし、一般的なペットショップでは販売されておらず、ペットとしての飼育方法が確立してないのが現状です。
何より、ハイラックスを診察できる獣医は多くないと考えられることから、安易な気持ちで飼育することはすすめられません。
ただ、実際にケープハイラックスをペットにする場合、どのようなものが必要になるのか見ていきましょう。
十数年前はペットショップで見かけることもあったそうですが、現在はほとんどその姿を見ることはありません。
しかし、輸入が禁じられている訳ではないため、海外の動物を扱うペットショップや動物商に問い合わせると相談に乗ってくれるかもしれません。
一般的に販売されている動物ではないため、時価・言い値であると考えた方が良いでしょう。
以前筆者が飼育員として勤めていた時に動物商の方に聞いたところ、参考価格は30~50万程度とのことでした。
ケープハイラックスを入手することができたら、次は飼育に必要なアイテムを揃えましょう。
飼育していくうちに色々と必要なものが出てくると思いますが、最低限これらのアイテムは揃えておきたいところです。
ケープハイラックスの主食は草です。
動物園では牧草(チモシー)の他、ニンジン、サツマイモ、キャベツやコマツナなどを与えていました。
甘いニンジンやサツマイモは喜んで食べますが、カロリーが高いため牧草や青草をメインに与えるようにしましょう。
犬や猫用の物で十分です。
ひっくり返しにくい形のもの、底が滑りにくくなっているものを選ぶと使いやすいです。
野生のケープハイラックスは岩の隙間や穴の中で暮らしています。
体を完全に隠して、安心できる場所を用意してあげましょう。
動物園では木材を使った手作りのもの、U字溝(U字になっているコンクリートブロック)をひっくり返したものなどが使われています。
ケープハイラックスは体温調節が苦手なので、1か所常に暖かい場所(ホットスポット)を作っておきましょう。
寒いと感じたら、自分で移動して暖をとれるようにしてあげてください。
ケープハイラックスは極端な暑さも得意ではないため、夏場は涼しい場所を用意してあげましょう。
冬場はホットスポットを用意するほか、隠れ家に藁などの敷材を入れてあげると良いでしょう。
体温調節が苦手なケープハイラックスは、太陽光を浴びて体温を調節する習性があります。
特に冬場はその傾向が強くなるため、十分日向ぼっこができるスペースと時間を確保してあげてください。
その他にも、ケープハイラックスを診察できる獣医を探しておくことも重要です。
モルモットやウサギに似ていても、彼らはゾウに近い動物であり、その治療は一筋縄ではいきません。
病気やケガをした時の症例も多くはないため、ケープハイラックスについて知識や経験がある獣医でないと十分な治療ができないと考えられます。
また、ケープハイラックスは垂直の壁でも難なく登ってしまう、忍者のような運動能力を持っています。
逃げ出さないように壁にネズミ返しをつける、天井にネットを張るなど外に逃がさないような工夫が必須です。
ケープハイラックスをペットにすることは不可能ではありませんが、ペットとしての飼育方法が確立していない動物を飼うのはとても大変なことです。
まずは動物園に行き、ケープハイラックスをじっくり観察してみてください。
ズーラシアで初めて!ケープハイラックスの赤ちゃんが誕生(*^ω^*)6月17日にテテが2頭、続いて6月20日にリーラが3頭の赤ちゃんを出産しました。現在、展示場に慣れる練習を行っています♬ pic.twitter.com/c4XkCi2WrI
— よこはま動物園ズーラシア≪公式≫ (@zoorasia424) July 7, 2016
珍しい動物を多く飼育しているズーラシアでは、ケープハイラックスも飼育展示されています。
ケープハイラックス舎は入口からかなり遠い場所にありますが、群れで過ごす様子は見ていて微笑ましいですよ。
住所:横浜市旭区上白根町1175-1
マップ: Googleマップ
電話番号:045-959-1000
入園料:
一般 800円
中人・高校生 300円
小・中学生 200円
小学生未満 無料
開園時間:9:30~16:30
休園日:火曜日(祝祭日の場合は開園、翌日休園)
公式ホームページ: よこはま動物園ズーラシア
最近のちびラックス続き。
— 広島市安佐動物公園【公式】 (@asa_zoo) February 25, 2019
葉っぱや果物もたべるようにはなりましたが、しばらくは授乳している様子もご覧いただけます。後ろでうらやましそうに見ていますね~
ちなみにお乳をあげている母親の名前は「マイケル」って言います。(雌です) #ASAZOO #ハイラックス #ちびラックス pic.twitter.com/uLgCOHoyOX
広島県にある安佐動物公園でも、ケープハイラックスの群れが飼育されています。
よく繁殖しているため、タイミングが良ければ小さなハイラックスが見られるかもしれません。
住所:広島市安佐北区安佐町大字動物園
マップ: Googleマップ
電話番号:082-838-1111
入園料:
大人 (18歳以上65歳未満) 510円
大人 (65歳以上) 170円
小人(高校生まで) 170円
中学生以下 無料
開園時間:9時~16時30分
休園日:木曜日(祝祭日の場合は開園)、12月29日~12月31日
公式ホームページ: 安佐動物公園
ちょっと地味であまり目立たないケープハイラックスですが、実はゾウの親戚で忍者のような身体能力をもった面白い動物であることが伝わったでしょうか。
動物園で見かけたら、ぜひじっくりとその様子を観察してみてくださいね。
最終更新日 : 2022/05/18
公開日 : 2019/03/06