本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
犬は本来、お肉が主食の肉食獣です。
そんな犬がキウイフルーツを食べても大丈夫なのでしょうか。
犬は肉以外のものを食べることができる雑食性を持ち合わせていますし、キウイフルーツの栄養素には犬の健康を害するようなものは入っていませんので、犬はキウイを食べても大丈夫です。
キウイには様々な健康に良い栄養素が含まれていて、人間の健康を維持するための食べ物として注目されていますが、犬にとってもそれらの栄養素は効果的です。
ただし、犬は雑食をするといっても人間ほどの雑食をするわけではなく、肉が主食であるためフルーツを消化することは得意ではありません。
そのため、犬にキウイを与える際には適量を守るなど注意する必要があります。
犬は甘い味がするものを好む傾向があるので、甘い味がするキウイを好きなワンちゃんは珍しくないでしょう。
ただ、犬の大好物といえばやはり「肉」なので、必ずしもすべての犬がキウイを好んで食べるわけではありません。
筆者の愛犬3匹のうち、キウイを好んで食べるのは1匹のみで、他の2匹は見向きもしません。
キウイは必ずしも犬が食べなければならない食べ物ではありません。
キウイが好きか嫌いかは個体差が激しいので、好きな場合のみ適量をあげると良いでしょう。
キウイフルーツには様々な健康に効果的な栄養素が含まれていて、それらは犬の健康にも効果が期待できます。
キウイにはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは免疫力の強化を期待できる栄養分です。
犬はビタミンCを体内で作ることができるため、特に与えなくても良いとされていますが、老犬はビタミンCが足りなくなる傾向があるとされています。
そのため、老犬がビタミンCを補給するという意味では最適なおやつと言えるでしょう。
最近は黄色いゴールデンキウイもスーパーでよく見かけるようになりましたが、ゴールデンキウイはビタミンCの含有量がグリーンキウイの約2倍も多いとされています。
ゴールデンキウイで効率的にビタミンCを補ってあげても良いですね。
キウイに含まれるビタミンEは、血流を良くする働きがあります。
血液は体の各機関に栄養を届け、また不要になった老廃物などを運びだす役割をするので、血流が良くなるということは老化防止に繋がります。
キウイにはビタミンAも含まれています。
ビタミンAは眼や皮膚を正常に保つ働きがあり、欠乏すると皮膚疾患や眼疾患を発症する可能性があります。
ただし、過剰に摂取することもいいことではなく、ビタミンAの過剰摂取は関節の異常を引き起こすこともあります。
与え方を守って犬にキウイあげる分には、ビタミンAの過剰摂取を心配する必要はないでしょう。
キウイには水溶性植物繊維も含まれています。
食物繊維は便を柔らかくして、排便を助ける効果があります。
キウイの整腸作用は人間に効果があることが知られていますが、犬の腸の調子を整える効果も期待できます。
キウイに含まれている豊富なカリウムは、体内の余分な水分や塩分を排出する働きがあります。
キウイにはルテインも含まれています。
ルテインは視力の維持や目を健康に保つために効果的な栄養素です。
犬の目のためのサプリメントにもルテインが含まれていることがあります。
キウイにはアクチニジンという消化酵素が含まれています。
消化酵素はたんぱく質の分解を助け、消化吸収を良くしてくれる働きがあります。
ただ、アクチニジンは胃酸に弱いので、空腹時にキウイを食べても効果は期待できないでしょう。
消化酵素の働きを期待するのであれば、食事と一緒に摂る、もしくは食後に食べさせるようにした方が良いですね。
犬はキウイフルーツを食べることができますが、本来の主食となるものではありませんので、与え方には注意が必要です。
キウイは甘い味がしますので、たくさん食べたがるワンちゃんもいるかもしれませんが、与える量には注意が必要です。
キウイは食物繊維が豊富で消化を助ける働きがありますが、犬は本来は肉食が中心であるために、大量の食物繊維を消化することは得意ではありません。
適量以上の量を与えると、下痢や嘔吐を招く恐れがあるので注意してください。
キウイにはシュウ酸が含まれています。
シュウ酸は取りすぎると尿路結石をはじめ、体内に結石ができる原因になることがあります。
特にオス犬の場合は尿道に結石ができてしまって、おしっこが出なくなると命に関わる場合もあるので注意が必要です。
正しい与え方で、適量を与える分には心配する必要はないでしょう。
結石ができたことがあるワンちゃんは、また結石ができやすい傾向がありますので、キウイは与えない方が良いです。
ドライ・キウイやキウイ・ジャムなど、キウイの加工品もありますが、そのような加工品は基本的には犬には与えないようにしましょう。
それらを犬が食べたからといって、すぐさま体に影響するということはないと思われますが、加工品には大抵の場合、砂糖が加えられています。
犬は甘いものを好むために砂糖が加えられている食べ物を好むのですが、肥満の原因になるので与えない方が良いです。
キウイは生のままで十分おいしいので、犬には加工品のキウイフルーツは与えないようにしましょう。
病気の犬は薬を飲んだり、食事制限をしたりしなくてはなりません。
キウイを適量食べる分には、健康な犬の健康を害するものは含まれていないのですが、薬の効果を阻害したりせっかく療養食を食べている効果を台無しにしたりしてしまう可能性もあります。
犬が病気で薬の服用や食事制限をしている場合は、キウイを犬に食べさせてもいいか獣医に確認してから与えるようにしましょう。
犬への上手なキウイの与え方をご紹介します。
キウイは必ずしも犬に与えなければならない食べ物というわけではありません。
キウイは優れた栄養分を持つ果物ですが、品質の良い総合栄養食を与えられている犬は、特に余分な栄養を与える必要はありません。
食事のトッピングやおやつのバリエーションとしてときどき、適量を与えるようにしましょう。
中くらいのキウイ1個の重さは皮つきで約100g、皮を取り除くと80g程度です。
人間が食べる場合は1日に1~2個程度ですね。
1日に犬に与えても良いキウイの量は皮を取り除いた状態で、以下の通りとなります。
5mm幅に切った一切れを約10gとすると、以下を上限として与えれば安全にキウイを食べることができるでしょう。
皮を食べてしまったからといって体に害があるわけではありませんが、キウイの皮は毛が生えていて口ざわりも悪く、消化にも良くないので、取り除いて実の部分だけを与えるようにしましょう。
犬は食べものをあまり噛まずに丸呑みすることが多いです。
犬にキウイを与える際は、たとえ丸飲みしても喉に詰まってしまわないように小さく切って与えてください。
もしワンちゃんがキウイを大好きだった場合、キウイを放置しておくとかじって食べてしまう可能性もあります。
自分でかじって食べた場合、食道に引っかかってしまう可能性もありますので、キウイが大好きなワンちゃんがいるお宅では保管の仕方にも充分注意しましょう。
犬に与えることができる果物の中には加熱した方が消化が良くなるものや、犬が好んで食べてくれるようになるものもありますが、キウイは生で与えた方が良いでしょう。
その理由は、キウイに含まれる酵素は熱に弱いので、加熱処理された物は酵素の働きを期待できなくなるからです。
ヨーグルトが好きなワンちゃんは多いですね。
ヨーグルトは栄養的にも犬の健康に効果的な食べ物です。
筆者はキウイをヨーグルトと一緒にあげることもあります。
キウイを細切れにしてヨーグルトと一緒に与えると、キウイだけであれば口にしない犬も食べることがあります。
ただし、ヨーグルトに入れたキウイは時間がたつと苦くなります。
これはキウイに含まれる消化酵素アクチニジンがヨーグルトのタンパク質と反応してしまうからです。
入れてすぐであれば大丈夫ですので、ワンちゃんにあげる直前にキウイをヨーグルトに入れてください。
キウイは犬に害があるものは含まれておらず、栄養的にも優れているので、ワンちゃんが好むのであればトッピングやおやつのバリエーションとして与えると良いですね。
犬もおいしいものが好きですし、同じものばかり食べていると飽きてしまうこともあります。
基本の総合栄養食のドッグフードは変えなくても、トッピングで変化を付けると喜んで食べてくれますよ。
そういうときにキウイを上手に活用すると良いでしょう。
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/06/15
公開日 : 2019/02/22