Top > 魚類/甲殻類/水生生物 > 海水魚/熱帯魚
本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
メバルは群れで行動している魚であり、一か所で釣れると同じ場所でどんどん釣れるという特徴のある魚です。
ポピュラーな魚として、海水魚を扱うペットショップでも比較的入手しやすいです。
さらには安価で購入が可能なので、海水魚飼育の入門編としても知られている魚です。
水族館 などでもよく見かける魚であり、食用としても流通しているため、私たちの生活に非常に馴染み深い魚になります。
早速、次の項目よりメバルの特徴や歴史、飼育について紹介させていただきます。
こちらの記事を参考にメバルに興味を持っていただければ幸いです。
メバルはヨーロッパの個体を元にキュヴィエが記載したアカメバルと、シーボルトが日本からオランダに持ち帰った2種類がいます。
このシーボルトが持ち帰った個体を元にシュレーゲルが記載したクロメバルが種として認められてきました。
しかし、1935年に松原喜代松がメバルは1種類であると主張したことから、アカメバルの学名がメバルの学名として採用されました。
さらには、1985年に陳楽才がメバルは数種類に分かれると主張し、1988年にシロメバルという新たな種類を追加しました。
後のDNA鑑定の結果、メバルは3種類に分類できることが発表され、アカメバル・クロメバル・シロメバルの3種類に分かれます。
日本で属に「メバル」と呼ばれているのはアカメバルのことであり、他の2種類は近縁種とされていることが多いです。
しかし地域によっては混同して3種類をひとくくりにメバルと呼んでおり、細かい分類はされていません。
メバルは日本の岩礁域に生息する海水魚で、北海道から九州の沿岸にかけて生息しています。
朝鮮半島南部に至る海域にも生息しており、海藻の多い地域に群れを成しています。
成長すると30センチ前後になり、カサゴよりも幅が薄く、体高が高いのが特徴です。
体色は黒褐色で、黒い縞模様があり瞳と口が大きい魚です。
遊泳範囲はそこまで広くはありませんが、海面付近をボバリングするように立ち泳ぎしている姿が確認できます。
食性は肉食性であり小魚や貝類、甲殻類などを捕食します。
飼育下では雑食性に転じることも多く、人工飼料でも問題なく食いつきますが、ゴカイや冷凍クリルといった肉食性のエサも併用して与えると良いでしょう。
メバルの名称は大きな目から来ており「目張る」という意味があります。
春告げ魚とも呼ばれており、日本では季語としても親しまれています。
寿命は10年前後であり、成長スピードは緩やかな魚です。
ペットショップ等では1000円前後で購入可能で、ワンサイズ大きな個体を選ぶようにしましょう。
また、ヒレや身体に傷がなく、エサに食いつきが良い個体を選ぶと後々の給餌が楽になります。
海水魚飼育に必要なものを用意していただければ問題はありませんが、メバルは低温な地域の魚です。
高温に弱く、27℃前後の水温でも弱ってしまうことがありますので、水温が上がらないように温度管理を細かく行う必要があります。
メバルの飼育をする際に用意しておくと便利なアイテムを紹介させていただきます。
メバルは成長スピードがゆっくりしてる魚であり、単独飼育であれば60センチの 水槽 で終生飼育が可能です。
しかし、メバルは群れで泳ぐことを好む魚ですので、複数の飼育を検討した場合、90センチ以上の水槽が推奨されます。
さらにメバルは警戒心が強く神経質な面がありますので、水槽内には隠れ処を設置するようにしましょう。
海藻の生い茂る環境を好む傾向にありますので、水槽内に海藻を設置してあげるとメバルが落ち着けるでしょう。
メバルは肉食魚になりますので、動物性たんぱく質の人工飼料を与えるようにしましょう。
また、メバルは警戒心が強く、人工飼料に餌付くまで時間がかかる場合があります。
隠れ処を用意して、メバルが安心してエサを食べられる環境を整えてあげましょう。
また、同種同士で混泳させている場合、縄張り争いでエサの取り合いになる場合があるので、数か所にエサを撒くなど対策をしましょう。
1日2回食べきれる量のエサを与えるようにして、残したエサは取り除いてください。
メバルは水を汚しやすいので、水質悪化に注意するようにしてくださいね。
さらに人工飼料のみでは栄養バランスが偏りますので、画像のような赤虫や冷凍クリルなども併用して与えてください。
赤虫は与えすぎると水を汚しやすくなりますので、量は調節しましょう。
メバルは群れて泳ぐ魚ですので、同種同士の混泳も可能です。
しかし、限られた水槽の中ですと縄張り争いがおこって喧嘩してしまうことがあり、注意が必要です。
水槽のスペースに合わせて少なめに混泳させるようにしましょう。
また、複数の隠れ家を設置して、いじめられている個体が避難できるように配慮します。
メバルは肉食魚のため、口に入るサイズの魚でしたら飲み込んでしまうことがあるため、他種との混泳には注意が必要です。
甲殻類や貝類はメバルの好物ですので、混泳はできません。
海水魚の混泳は相性のバランスが重要になりますので、様子を見ながら混泳水槽を作りましょう。
メバルは海藻が多く生えた岩礁域を好む魚ですので、水槽内にも海藻を設置してあげるとストレス少なく生活することができます。
また、避難場所や休憩スペースとしても海藻を利用することが可能です。
注意点としては、生の海藻を使用する場合は、 水草 同様に徐々に腐敗して水を汚す要因になりますので、定期的に交換しましょう。
さらに海藻を使用する場合には、混泳させる魚によっては海藻を食い散らかしてしまうこともあるため、様子を見て使用しましょう。
メバルは導入する際に、水合わせがうまくいかないと白点病にかかってしまうことがあります。
トリートメントは入念に行い、手早く水合わせをするのがポイントです。
①水道水にカルキ抜きを入れて、人工海水の元を入れて海水を用意します。
②洗った水槽を天日干しして、乾かしたら同じく洗ったアクセサリー類を設置します。
③砂利を設置する場合にはサンゴ砂などの細かい粒子の物がおすすめです。
④水槽内に水が泡立たないように静かに水を入れていきます。
⑤海藻を設置する場合には、水槽の3分の1まで水を入れてから設置しましょう。
⑥ヒーター、ろ過装置を起動させて4週間から2か月弱空回しして水を循環させます。
⑦水槽内に酸素を循環させることによりバクテリアが発生してフィルターに定着しますので水が安定します。
⑧水質が安定したら入手したメバルを袋ごと水槽に1時間つけておきます。
⑨水温を合わせたら、袋の水を少量捨てて、水槽の水を少し足して40分程なじませます。
➉⑨を2~3回繰り返して水質を合わせたら、メバルのみを水槽に移して水合わせが完了です。
メバルを導入した当日はエサを抜いて胃腸への負担をなくして、環境に慣れさせるに静かに見守りましょう。
メバルは水温23℃前後、水質ph8.0前後に設定すると馴染みやすくなります。
さらにはメバルのヒレは棘上になっていますので、ケガをしないように取り扱いには注意しましょう。
一般的に丈夫な分類に入るメバルは、よほどのことがない限りは病気にかかりくくい海水魚です。
しかし、高温に弱く水質が悪化すると体調を崩す場合があります。
こちらではメバルがかかりやすい症状を紹介いたしますので、メバル飼育の参考にしていただければ幸いです。
もともと持っている白点虫という寄生虫が異常に繁殖することで起こる病気です。
水質の悪化やストレスから身体の免疫が落ちると白点虫が繁殖してしまい、衰弱してしまいます。
主な症状は食欲減退、元気喪失、またエラなどに感染した場合は呼吸困難になります。
症状が重篤化すると、神経症状を起こして暴れるように泳いだり、身体を水槽にこすりつけたりする様子がみられます。
その他、身体の表面に白点上の模様がみられるようになります。
初期の場合は、水温を上げて様子を見るのが有効的ですが薬浴などにより治療を行います。
海藻を設置した水槽の場合、薬液が海藻にとって有害な場合もありますので確認してから使用するようにしましょう。
水質の悪化や混泳相手との喧嘩により傷ができるとそこから菌が感染してしまい、皮膚が炎症してしまう症状です。
必要に応じて水替えをし、傷ついた個体を隔離して様子を見ます。
重症化すると内臓まで菌が回ってしまい、やがては衰弱死してしまう場合もあります。
ヒレなどが欠損してしまった場合は、すみやかに個体を隔離して経過観察する必要があります。
メバルは比較的低温の海域に生息する魚ですので、夏場の温度の上がる時期には特に注意が必要です。
水温が適温でないとたちまち弱ってしまい、そのまま拒食に陥り死んでしまうことがあります。
底の方でじっと動かなくなったり、体色が黒く変色している場合にはストレスがかかっていることがあります。
水温をチェックして、必要に応じて冷却ファンなどを使用しましょう。
夏場だけでなく、梅雨時期にも温度が変化しやすいので、注意が必要です。
原産国 : 日本近海、朝鮮半島南部
値段 : 1000円前後
寿命 : 10年前後
体長 : 30センチ前後
特徴 : メバルの名前は出っ張った目から来ており、「目張る」と呼ばれています。春告げ魚としても知られており、ポピュラーな魚です。
性格 : 丈夫で飼育は容易ですが、警戒心が強く大きな物音などが苦手ですので、静かな環境で飼育しましょう。
かかりやすい病気 : 白点病、細菌感染症等
注意点 : 鰭が棘状になっており、刺さりやすいので取り扱いの際には怪我をしないように注意してください。高温に弱いので、夏場は温度管理をしっかりしましょう。
釣り人にも人気の高いメバルについてご紹介させていただきました。
日本の海域でよく見かけるメバルは、食材としても観賞魚としても、需要のある身近な魚です。
海水魚飼育をしてみたい方にもおすすめの魚であり、丈夫な点も魅力的です。
また、成長スピードがゆるやかなので長期で飼育を楽しむことのできる海水魚です。
こちらを参考にしていただき、メバルの飼育に是非とも挑戦してみてください。
公開日 : 2018/01/04