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※サムネイルはイメージ画像です。「ニホンカワウソ」ではありません。
ニホンカワウソについて:二ホンカワウソの絶滅から言えること。
ニホンカワウソは カワウソ の一種で、かつては日本に多く生息していました。
しかし、1979年以降は目撃情報がなく、2012年には絶滅種に指定され、日本においては絶滅したと考えられています。
古くからニホンカワウソは私たち日本人に身近な存在であり、1964年には国の天然記念物に指定されました。
翌1965年には特別天然記念物にも指定され、 愛媛県 の県獣としても知られる存在でした。
そんな人々と密接な関係を持っていたニホンカワウソですが、森林伐採による住処の減少と、高度経済成長による街の都会化等によりその姿を消すことになりました。
では、それ以前のニホンカワウソはどのような暮らしをしていたのでしょうか?
早速、ニホンカワウソの歴史、生態や特徴などをご紹介していきます。
ニホンカワウソは現在でいう狸のように身近な存在であり、河童伝説の原型にもなった獣ともいわれています。
カワウソそのものも日本の伝承や民話に多く登場し、広くはアイヌの伝承にも「エマサン」という名前で登場するほどポピュラーな動物でした。
また、江戸時代の「料理物語」には食用として扱われていたニホンカワウソの記述があります。
ニホンカワウソは次第に、その保温性の高い毛皮や肺結核の薬となる肝臓目当てに、乱獲までされるようになりました。
明治から昭和初期にかけて乱獲が進み、1906年には 北海道 で年間891頭ものニホンカワウソがその犠牲になりました。
行き過ぎた乱獲により、ニホンカワウソは徐々にその数を減らし、1918年には乱獲数も年間7頭まで落ち込みました。
そして、1928年に日本全国で狩猟禁止になりましたが、その時点で生息数は激減していたのです。
続けて、1954年には紀伊半島と愛媛県の瀬戸内海から宇和島にかけての沿岸部、 高知県 南西部の沿岸部などに生息するのみとなっていました。
さらには、農薬使用や排水による河川の水質悪化、ニホンカワウソの生息周辺の開発により、減少に拍車がかかりほとんど姿を見ることはなくなりました。
残ったわずかな個体群も猟師だけが知っている存在になり、細々と密漁されたことによりついには絶滅に追い込まれるのです。
最後にその姿を目撃されたのは1986年に死体が発見されており、それ以降は住処の確認を得ることはできませんでした。
また、1993年にフンと食べ残しの痕跡が新荘川の支流で発見されましたが、他の動物によるものとの見方が強く、ニホンカワウソの存在までは解明されませんでした。
現在も樺太南端部の能登呂半島にはカワウソが生息していますが、ニホンカワウソとは別種と考えられています。
日本の河川の中下流域や砂浜や磯などの沿岸部に単独で生息しており、魚類やテナガエビ、 カエル などを捕食する肉食性の動物です。
行動域が広く、生活の拠点である「泊り場」と呼ばれる仮の住処を複数所有しており、そこを渡り歩き仮狩りをして暮らしていました。
縄張り宣言のために岩や草むらの上などの目立つ場所にフンをする習性があり、縄張りを守っていました。
繁殖期は春から初夏にかけてで、水中で交尾を行い約63日の妊娠期間を得て2~5頭の子供を出産、翌年の同時期には子供たちは独立したと考えられています。
体長はおよそ65センチ~82センチ前後で体重は11キロ程、外見はユーラシアカワウソとほぼ一緒で差異はないです。
しかし、頭蓋骨の形状に特徴があり、目を水面から出して警戒できるように、目と鼻孔はやや上向きについていました。
さらには毛皮の機能が優秀であり、毛皮は二重構造で水中に入っても表面の毛が中の毛を覆い水の侵入を防ぎ、保温性に優れた作りになっていたのです。
その結果、先述したように良質な毛皮目的に乱獲の対象となり、ついには絶滅という悲劇を迎える要因になってしまいました。
二ホンカワウソはその数が減少する一方で、特に保護されることもなくついには絶滅という道をたどってしまいました。
昭和まで生息していた哺乳類が絶滅種に指定されたのは初めてのことであり、愛媛県では絶滅危惧種の指定のまま残されています。
その後も四国を中心にニホンカワウソの目撃情報が相次いで報告されており、一部の専門家でもその生存が疑問視されています。
1989年には高知県の須崎市でニホンカワウソとみられる3枚の写真が撮影されており、1996年には土佐清水市で足跡が目撃されています。
2000年代に入ってからも高知県周辺を中心に目撃情報が変わらずに報告されてます。
最近の一番新しい報告によると、琉球大学が対馬にて撮影した映像にカワウソと思われる生物が映っており話題となりました。
日本国内で野生のカワウソが目撃されたのは実に38年ぶりで、島内には少なくとも2匹のカワウソがいることが確認されています。
しかし、糞からはユーラシアカワウソのDNAが検出されていて、ニホンカワウソではないとの見方が強まっています。
現在ペットとして多く飼育されている コツメカワウソ は人にも良く慣れ、大変愛らし存在として多くのメディアでも取り上げられています。
時代が変われば、人と動物のかかわり方も大きく変化を見せて、今やカワウソは愛玩動物としての要素が大きくなってきました。
ニホンカワウソはまだ物資が充実していなかった江戸時代より食用として人に捕食され、その毛皮は貴重な衣服としての捕獲対象でした。
その有能な保温性に目を付けた人々の売買の対象になり、乱獲が進み、ついには高度経済成長によって住処を減少させることになったのです。
ニホンカワウソが数を減らしていた時点では保護意識はまだそこまで強くなく、密漁も密かに続けられていました。
そのため、ニホンカワウソの絶滅は私たち人の勝手な都合が原因といっても過言ではありません。
現在はその過去の歴史を反省して、野生動物を保護する動きが世界中でも活発になってきています。
ニホンカワウソのような悲劇を起こさないためにも、一時の感情でペットとして迎え入れるのではなく、覚悟をもって熟考したいものですね。
現在、世界に分布しているカワウソも決してその数は多いとは言えず、絶滅の危機に瀕している種類のカワウソは多く存在します。
それら野生動物の環境を人の都合により壊さないように取り組むことこそ、ニホンカワウソの絶滅から学ぶべきことではないでしょうか?
上記のようなカワウソが置かれている状況を理解した上でで、カワウソについて学ぼうとしたりすることはとても有意義なことです。
また、実際に現存するカワウソの生態を知ることにより、ペットとして迎え入れるかどうかを検討する大きな材料にもなります。
見た目も表情も可愛らしいカワウソは見ているだけで癒されますよね。
こちらの項目ではカワウソに出会えるおすすめの 水族館 を紹介いたします。
神奈川県 は 横浜市 にある水族館と遊園地の複合施設で非常にたくさんの海・川の生き物に会うことができます。
施設内容も充実しており、一日を通して楽しむことができる施設です。
一躍有名になった「カワウソと握手ができる水族館」としても有名な水族館で、画像のように非常に愛らしい手に触れることが可能です。
園内の状況によって、イベント内容は変動しますので、お出かけの際には事前に確認するのが良いでしょう。
営業:8時30分~21時30分(土日祝~22時30分)季節・施設により異なる
休業:冬期臨時休あり
その他:年中無休
所在地:〒236-0006 神奈川県横浜市金沢区八景島
神奈川県にある水族館で、コツメカワウソは園内のアイドルになっています。
無邪気な姿が観察でいるほか、大変人なれをしているので、より至近距離によって来てくれるところが人気です。
園内には他にもペンギンなども多数いて、コツメカワウソの握手イベントも開催していますよ。
園内は広々としており、散策することにより良い運動にもなります。
こちらのコツメカワウソは寝顔もとっても可愛らしいです。
営業時間:9:00~17:00 季節により変更あり
休園日:1月第二月曜日の翌日から4日間
所在地:〒238-0225 神奈川県三浦市三崎町小網代1082
電話番号:046-880-0151
石川県 にある水族館で、コツメカワウソの他、ジンベイザメ等も見ることが可能な水族館です。
エサやりを通してコツメカワウソと触れ合うことができるのが人気。
工夫を凝らした水槽が多く、より自然な状態で魚を観察することも可能です。
このように穴から手を出すカワウソは愛嬌があって癒されますよね。
非常に近い位置からカワウソの姿を観察することができ、さらにはエサを捕食している様子も見ることが可能です。
営業時間:
3月20日~11月30日
9:00~17:00 ※入館は16:30まで
12月1日~3月19日
9:00~16:30 ※入館は16:00まで
※12月29日~31日は休館
所在地:〒926-0216 石川県七尾市能登島曲町
電話番号:0767-84-1271
かつて日本の固有種であったニホンカワウソについてご紹介させていただきました。
時代の流れとともに動物保護の動きが強まっている昨今ですが、毛皮目的の密漁やペットとしての不法な売買は後を絶ちません。
見た目がいくらかわいい動物であろうとも基本的には野性動物であり、私たちとはちょうど良い距離で付き合っていくのが理想です。
行き過ぎた干渉や人の身勝手な都合で、苦しい状況に追いやられる野生動物を少しでも減らせるように日々考えていきたいものです。
また、現在も多くの目撃情報が存在することからニホンカワウソの生存はささやかれてきました。
現段階ではまだ都市伝説のようなものですが、どこかでひっそりとニホンカワウソが生存してくれていたなら素敵ですよね。
こちらの記事を参考にニホンカワウソや動物に興味を持っていただけたら幸いです。
最終更新日 : 2020/12/08
公開日 : 2017/11/08