Top > 魚類/甲殻類/水生生物 > 海水魚/熱帯魚
本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
エンゼルフィッシュについて:ペットショップで見かける定番品種
エンゼルフィッシュは 熱帯魚 コーナーでも人気の種類であり、 アクアリウム をしている方にとっては一度は飼育してみたい熱帯魚です。
熱帯魚ということで、もちろん温度管理の必要な魚になりますが飼育環境はどのような状態が良いのでしょうか?
こちらではエンゼルフィッシュの特徴を紹介させていただいた後、推奨する飼育環境、気を付けたい病気などをご紹介いたします。
ペットショップにて売られているエンゼルフィッシュの種類についても紹介させていただきますので、こちらを参考に飼育を検討してみてくださいね。
主に熱帯魚の飼育が盛んになったのは19世紀後半のことでした。
南アフリカのアマゾン川を訪れたヨーロッパ人により、エンゼルフィッシュはネオンテトラなどと一緒にイギリスなどに持ち帰られました。
その見た目の美しさから人気を博し、アクアリウムでの飼育が一般的に普及したのは1851年のロンドンで開かれた博覧会でした。
ヨーロッパを中心に熱帯魚飼育に必要な照明やヒーターなどの先駆けとなるのもが作られ、さらにアクアリウムは市民の生活に浸透していきます。
日本で本格的に熱帯魚の飼育がスタートしたのは第二次世界大戦後のことで、当時は魚用のヒーターなどの発達も遅く、飼育の継続が難しい状況でした。
その中でも熱帯魚飼育に関心を持った数名の飼育者が、自然環境の再現に尽力し設備が整っていったのです。
1980年代になるとたびたびTVドラマなどのインテリアとしてアクアリウムが採用されたことからペットとしての広がりを見せていきます。
当時はエンゼルフィッシュはもちろんのこと、 ネオンテトラ でさえ貴重であり販売価格は高額でした。
90年代に入りようやく品種改良なども自国で盛んになり、金魚飼育と同じように熱帯魚の飼育も一般的になりました。
エンゼルフィッシュは南アフリカのアマゾン川流域、アフリカ大陸の河川に生息している淡水の熱帯魚です。
最大の特徴は木の葉のような身体であり、尾びれが長く発達しており縦長の体型をしています。
成長すると15センチ前後に成長して比較的大きめになり、水槽内ではよく目立ちます。
大きなヒレでゆったりと泳ぐさまが天使にたとえられて「エンゼルフィッシュ」という呼称になりました。
水流の弱い 水草 の豊富な場所を好み、動きは比較的ゆっくりで水草や流木の陰に留まっていることが多いです。
シクリッドに分類されており、縄張り意識が強い面もありますが、他のシクリッド種と比べると温和な方で他の種類との混泳も可能です。
しかし、シクリッドはもともと縄張り意識が強く、攻撃敵的になりやすいので、混泳には工夫が必要です。
寿命、価格は種類により多少のバラつきがありますが、おおよそ5年前後の寿命です。
価格に関しては一般的に出回っているエンゼルフィッシュであれば1,000円~2,000円前後で購入できます。
珍しい種類や、現地からの輸入もの、大きさの大きい物に関しては割高になる傾向にあります。
中には数万円する個体もおり、自分好みのエンゼルフィッシュと予算を検討して購入するのが望ましいでしょう。
一般的に熱帯魚を飼育するうえで必要なアイテムをそろえていただければ問題はありまん。
しかし、こちらではエンゼルフィッシュの飼育にあたってあると便利なものなどをご紹介いたします。
エンゼルフィッシュはある程度複数で飼育する熱帯魚です。
成長するとセンチ前後とある程度の大きさまで育つこと、複数飼育することを考えた場合最低でも60センチ以上の水槽が望ましいです。
理想の飼育数は60センチの水槽にエンゼルフィッシュを2~3匹です。
水草などの生い茂る環境を好むため、隠れ家やレイアウトのことの考慮すると余裕がある水槽選びをするのが良いでしょう。
上記でも紹介した通り、縄張り意識が強い魚になるので狭すぎる水槽はストレスの原因となり、突然死や喧嘩の原因にもなります。
エンゼルフィッシュのみの飼育の場合は砂利を敷かずにタンクレスにして水草を敷き詰めると繁殖もしやすいです。
砂底を作る場合には、縦長の身体を傷つけないように細かい目のものがおすすめです。
浄化作用のある砂利を選ぶと後々の水槽の維持も楽になります。
エサは肉食性が強く、人工のエサでも問題なく食べますが赤虫やイトミミズ、冷凍クリルといった生エサを好んで食べます。
エンゼルフィッシュは口が小さいので口のサイズに合わせた小粒のエサを与えましょう。
1日に2回食べきれる量のエサを与え、残ったエサは水質悪化の原因になるので取り除きます。
縄張り争いに負けてしまい、エサを食べられない個体がいた場合にはエサの給餌場所を2か所に増やしたり、時間をずらすなどして対策します。
攻撃されているような場合には隔離して保護するのが良いでしょう。
エンゼルフィッシュの混泳は大きさをそろえる必要があり、可能であれば同種同士での混泳が1番ベストでしょう。
しかし、水草や隠れ家を多く設置することで小さい熱帯魚たちが分散して逃げるので、ネオンテトラなどの魚とも混泳できます。
ネオンテトラなどとの混泳の際には、数を多めに飼育して常に群れを作れるようにすると襲われにくくなります。
エンゼルフィッシュ同士の混泳でも各個体が縄張りをきちんと形成できるように隠れ家や流木などをうまく配置するのがコツです。
エンゼルフィッシュを飼う際、ろ過装置は水流が強くない消音タイプのものが良いでしょう。
エンゼルフィッシュは強い水流が苦手であり、また強いエアレーションにもストレスを感じます。
しかし、身体が大きい分水が汚れるスピードも早いので、しっかりと浄化作用のある上部フィルターや底面フィルターを使用するのがおススメです。
また観賞用のライトはLEDタイプのものがおススメです。カラフルなエンゼルフィッシュの身体をきれいに光が反射し、とても見ごたえのある水槽になります。
お好みで色が変えられるタイプのライトですとさらに観賞の幅も広がり楽しいです。
さらにはLEDライトの場合白熱電球と違い、熱をあまり発しないのも大きな利点の一つです。
熱が強すぎると水槽内の温度が変化しやすくなり魚の負担になります。
また、経済的な面でもLEDライトは省エネの商品が多く展開しており、寿命も長いです。
飼育可能なスペース、予算や好みに合わせて自分だけのアクアリウムを完成させてくださいね。
エンゼルフィッシュは臆病な面があるので手早く静かに水合わせを行いましょう。
最低でもお迎えした日はエサを抜き、胃腸に負担をかけないようにして環境にならします。
その後、元気に泳いでいるようなら少量づつエサを与えていきます。
こちらではエンゼルフィッシュがかかりやすい病気について紹介させていただきます。
あくまでも参考にしていただき、もし飼育しているエンゼルフィッシュに異常があった場合は早急に専門医に診てもらいましょう。
白点虫は魚の身体に普段からいる寄生虫ですが、何らかの要因で異常繁殖を起こすと白点病を発症します。
症状は身体が全体的に白っぽくなり白点の模様が確認できます。
重症化して、エラにも寄生すると呼吸困難を起こし、急死する場合があります。
食欲不振、衰弱、二次感染による身体の発疹、エラを苦しそうに動かす、狂ったように泳ぐなどの症状がみられます。
原因として挙げられるのは水質の悪化、水温の上昇、ストレスや喧嘩などにより生じた傷から免疫が下がり感染するといったものがあります。
白点病は放置すると広がる病気ですので、発症した個体を隔離する必要があります。
治療薬による薬浴、食塩浴などの治療方法があります。
その名の通り尾やヒレが溶けて壊死してきてしまう病気です。
壊死した部分から菌が全身に回ってしまい衰弱死してしまう場合もあります。
最大の症状は尾などが壊死してくる点ですが、元気がない、食欲不振、水面に浮いてきてしまい反転するなどがみられます。
原因としては水質の悪化が最も多く、水替え、薬浴や食塩浴をして治療をします。
発症した個体は発見した段階で隔離することをお勧めします。
非常時の隔離用に小型の水槽や予備のエアレーションなどを前もって準備しておくとスムーズに対応できますね。
エロモナス菌という病原菌が原因で起こる病気です。
鱗の下に菌が入り、鱗が反り返って松かさのようにみえることからこの名前がつきました。
一度発病すると完治は難しく1週間ほどで死に至るケースが多い病気です。
このエロモナス菌は他にも感染した部位により、腹水がたまる、目が出っ張ってくる(ポップアイ)、穴あき病など多くの病気を引き起こします。
原因として挙げられるのはやはり水質の汚れであり、砂底にたまった汚れが掃除などによりまいがって水面に浮上してくると魚に取り付きます。
主な治療は薬浴ですが、上記の通り完治しにくく発症させないことが最大の予防になります。
定期的に水槽内を掃除して清潔に保ち、給餌の際に出たエサの残しはすぐに取り除く習慣をつけましょう。
こちらの項目では飼育しているエンゼルフィッシュとして人気の種類をご紹介いたします。
ポピュラーでペットショップでよく見かける種類を中心に紹介いたします。
エンゼルフィッシュの中でもマニアに人気の高い種類で、エンゼルフィッシュの中でも上級者向けになります。
水質は酸性を好み、肌が荒れやすいため、常に清潔な水を循環させておく高機能のろ過装置が必要です。
成長すると非常に体高が高くなり立派に成長し、美しい縦じま模様が見る人の目を惹きつけます。
水温は28℃~30℃とやや高めの水温を好みます。
高さが45cm以上ある水槽での飼育が望ましいです。
販売価格は大きさにもよりますが、3,000円前後で入手できます。
3色を基調とするエンゼルフィッシュで成長すると体高が高くなります。
個体により模様の出方も異なり、好みの個体を選びやすい種類でもあります。
砂底は敷かないほうが繁殖には向いており、コリドラスやプレコなどの底性の魚とも相性が良いエンゼルフィッシュです。
水質は弱酸性を好み、水温はやや高めの28℃前後が適温です。
錦鯉のような模様が入っていることから別名「コイエンゼルフィッシュ」などとも呼ばれています。
販売価格は500円前後で入手できます。
エンゼルフィッシュのアルビノ種で白い身体が特徴です。
他のエンゼルフィッシュに比べて視力が弱い傾向にあり、エサを見つけられないことがあります。
エサ を複数の場所に落とす、慣れるまでは口元に持っていくなどの工夫が必要です。
水質などには特に制限はなく、水合わせさえしっかり行えれば適応環境は幅広い種類です。
エンゼルフィッシュの中では丈夫で飼いやすい種類でもあり人気があります。
しかし、アルビノ種は突然変異により生まれる個体であり、繁殖が難しい点から他のエンゼルフィッシュに比べるとやや入手しづらいという点があります。
販売価格は1,000円前後になります。
エンゼルフィッシュの中でも最もポピュラーで安価で入手できるエンゼルフィッシュです。
黄色みがかった身体とうっすら入るバンドが特徴です。
体高も高めに成長し、見ごたえも十分ある種類ですので、初心者でも導入しやすい種類になります。
水質は弱酸性を好み、水温は26℃~30℃の間が良いでしょう。
ペットショップでの販売価格は500円前後になります。
生息地 : 南アフリカアマゾン川流域の流れのゆるやかな河川
値段 : 500円前後~数万円
種類 : アルタムエンゼルフィッシュ、ゴールドエンゼルフィッシュ等
寿命 : 5年程度
体高 : 最大30センチ前後前
特徴 : 縦長の落ち葉のように薄い身体
性格 : シクリッド種の中では温和なほうだが、縄張り意識が強く水草、隠れ家の設置は必須。
かかりやすい病気 : 白点病、尾ぐされ病等
注意点 : 混泳させる際には小型の熱帯魚は多めに入れ、群れを作らせて、同種同士での混泳は大きさを揃えて2匹以上で飼育することです。同種を対での飼育することはどちらか一方を倒すまで激しい喧嘩をしてしまうので複数飼育することにより分散させましょう。
エンゼルフィッシュの飼育について紹介させていただきました。
熱帯魚であるエンゼルフィッシュは冬場の低温も、夏場の高温も苦手な熱帯魚です。
ヒーターやクーラーをうまくとりれて長生きしてもらい立派な個体に育てたいですね。
優雅に水槽の中を泳ぐエンゼルフィッシュは飼育しがいのある熱帯魚といえるのではないでしょうか?
みなさんの充実したアクアアリウム作りの参考にしていただければ幸いです。
最終更新日 : 2020/12/24
公開日 : 2017/09/13