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体長に関しては、野生ではオスが20~76.6mm、メスが22~48mmです。
飼育個体では最大で、オスが89mm、メスが58mmの記録があります。
オスはアゴに大きな内歯1対と、先端に小歯1対があります。
アゴは太く内側に湾曲した大アゴを持っています。
全身黒色ですが、やや黒褐色を帯びることもあります。
オオクワガタは北海道から九州まで、ほぼ全国に生息しています。
かつては山梨県韮崎市周辺、大阪北部の能勢周辺、北部九州の筑後川周辺はオオクワガタの3大産地と言われていました。
しかし、その後全国各地でオオクワガタを発見したという報告が挙げられ、日本各地に生息していることが認められるようになりました。
またブリーダーなどにより、今では入手がしやすくなっています。
性格は穏やかで臆病です。
危険を感じるとすぐに木の洞に隠れてしまいます。
飛ぶこともめったにありません。
また、多少ちょっかいを出しても怒って攻撃してくることもありません。
他のクワガタ同様、夜行性です。
木の樹液をエサとしているため、樹液が出るクヌギ、アベマキ、ナラ類、カシ類、ニレ類、ヤナギ類の大木に集まってきます。
昼間はそれらの大木の洞に隠れています。
夏にはオスがナワバリとしている大木の洞にメスが訪れ、交尾をした後、受精したメスは大木の立ち枯れなどに移動してその木の中に産卵します。
9月末から10月になると、越冬態勢に入り、5月頃まで越冬します。
国産のクワガタの中で1番長生きするのはオオクワガタです。
他のクワガタは長くても1年ですが、オオクワガタは3年以上は生きます。
最長では7年生きた例もあります。
国産オオクワガタの価格はかなりバラつきがあります。
成虫の場合、価格を決める要因としては、 サイズ、血統、B品 かどうかといったことが挙げられます。
これらを総合的に考慮して価格が決定されます。
特にサイズが価格に大きく影響します。
オオクワガタに限らず、カブトムシやクワガタに共通していることです。
サイズ1つで2000円代になることもあれば、3万円を超えたりもします。
血統もサイズに関係してきます。
より大きいサイズの親を持つ個体であれば値段が上がります。
値段が上がる要素はサイズがほとんどと言っても過言ではありません。
一方で値段が下がる要素もあります。
それがB品かどうかということです。
B品とは、何かと言うと、欠陥があるかということです。
生き物に対して欠陥があるという表現は適切ではありませんが、一般的に値下がりの原因となりやすい点を具体的に紹介していきます。
羽パカとは飛ぼうとしていない普通の状態でも羽が開いていて完全に閉じることができない状態のことです。
見栄えが良くないことから価格が下がる要因となります。
言葉の通り、足が欠けている状態のことを指します。
特に後ろ足が欠けている場合は値段が下がります。
後ろ足が欠けると交尾ができなくなり、繁殖ができなくなるからです。
これも言葉の通りアゴが欠けている状態を指します。
特にメスの場合、値段が下がってしまいます。
メスはアゴが欠けてしまうとマットの中に潜りづらくなり、産卵が難しくなるからです。
これも繁殖に影響が出るという点で、値段が下がります。
このような個体がB品と呼ばれ、価格が下がります。
一方、幼虫の価格は500~1000円未満で販売されていることが多いです。
幼虫は何で価格が変わるかと言うと完全に血統です。
なぜかと言うと、幼虫の段階ではサイズは判断できないからです。
両親が大きいサイズの個体なら高いといった具合です。
オオクワガタは最近では全体的に値段は下がっています。
かつてクワガタブームが始まったばかりの頃、オオクワガタは高値で取り引きされていました。
安い個体でもオスメスのペアで1組20万円程もしたそうです。
価格の高いペアでは1組1000万円で販売されていたこともあるそうです。
当時はオオクワガタがとても希少で価値があったこと、飼育方法や飼育用品、情報とグッズが確立されていなかったことも大きな要因です。
国産のオオクワガタ以外にも世界にはオオクワガタが存在しています。
ここでは代表的な世界のオオクワガタを紹介していきます。
オオクワガタのそれぞれの種は目立って大きな違いはありません。
サイズやアゴの形が微妙に違う種ばかりです。
性格や生態もほとんど差はありません。
オオクワガタの中では最大の大きさを誇ります。
体長はオスが32.7~95mm、メスは32~54.5mmです。
体の横幅が広く、アゴの湾曲も大きいことが特徴です。
ラオス、ベトナム北部、ミャンマー、インド北東部、中国南部(雲南省、海南省)、台湾に生息しています。
寿命は羽化後3~4年です。
【新入り】
— Pitoroid(ぴとー)௵ (@CAO313) July 6, 2019
ホペイオオクワガタ/2019国内CB/♂♀♀
数年前にオオクワガタを殖やしていた時期があったので復活´•౪•`
6月に羽化をした個体だから後食を確認したら1回越冬させようかと。
アルキデスヒラタクワガタのフォルムが好きだけど短命なので比較的長寿で国産に近いホペイにしてみました👌🏽 pic.twitter.com/cDkasDjONd
国産オオクワガタはこのホペイオオクワガタの亜種です。
中国大陸と日本が分離して以来、お互いがそれぞれの土地で進化を遂げ、現在の中国に生息しているホペイオオクワガタと国産オオクワガタになっていると言われています。
体長はオスが21~82.7mm、メスが22~54mmです。
日本のオオクワガタよりサイズが大きく、アゴの湾曲も大きいとされていますが、違いが分からない個体も多くいます。
ホペイオオクワガタの中でも大型の個体は、アゴの主歯と内歯が重なっているタイプもいます。
これは日本のオオクワガタには見られない特徴です。
生息地は中国、朝鮮半島、日本(国産オオクワガタはホペイオオクワガタの亜種であるため)です。
寿命は羽化後2~5年です。
体長はオスが33.8~92mm、メスが31~48mmです。
オオクワガタの種の中で、最も重厚な体型です。
縦にも横にもサイズが大きく、厚みがあります。
体色は光沢のある黒色です。
アゴのつけ根近くに眼上突起と呼ばれる突起があるのですが、アンタエウスオオクワガタは他のオオクワガタに比べて、眼上突起が目立ちにくいです。
また、アゴのつけ根の裏側にオレンジ色の毛束があることが特徴です。
中国南部、インド北部、ネパール、ブータン、シッキム、ミャンマー、タイ北部、ラオス、ベトナム北部、マレー半島など、東南アジアの広い地域にわたって生息しています。
熱帯、亜熱帯地域に生息しているため、越冬しません。
しかし、熱帯、亜熱帯地域とは言え、生息しているのは標高1000m以上の森林地帯ですので暑さには弱いです。
日本の夏に常温飼育は困難です。
寿命は羽化後2~3年程です。
学名ではグランディスオオクワガタの亜種となっています。
しかし、遺伝子的には日本のオオクワガタに近い種です。
体長はオスが37.7~78.3mm、メスが34.9~47.5mmです。
国産オオクワガタよりも体の横幅が広く、アゴは短いです。
名前の通り、台湾に生息しています。
寿命は羽化後3~4年です。
体長はオスが34~84mm、メスが33~48mmです。
細くて鋭いアゴを持っています。
オオクワガタと言うより、コクワガタを大きくしたような外見をしていることが特徴です。
他のオオクワガタと違い、気性は荒いです。
台湾に生息しています。
個体数が減少しているため、タイワンオオクワガタ同様、保護の対象となっています。
寿命は羽化後2年~2年半程です。
このページではオオクワガタの飼育方法を見ていきます。
基本的に日本のクワガタの飼育方法はどの種も大まかにはほとんど同じです。
まずは用意する物から見ていきましょう。
飼育ケースは市販の物で構いませんん。
サイズはMサイズ以上であれば、中に木やエサを入れたりしても狭くなることはないでしょう。
オオクワガタのサイズを考慮して飼育ケースは選びましょう。
マットも市販のクワガタ用のマットで構いません。
繁殖などを目的としないのであれば、クワガタ用でなくても問題ありません。
マットはガス抜きをして加水して使用します。
ガス抜きとはマットが発酵したときに生じるガスを抜くことです。
袋に入っていたマットを飼育ケースに入れる前に、新聞紙などの上に広げたり、よく混ぜてマット全体をしっかり空気に触れさせてから飼育ケースに入れましょう。
霧吹きなどで少し水分を含ませてから成虫が潜ることができるぐらいの深さを敷いてあげましょう。
止まり木はオオクワガタの休憩場所にもなります。
また、オオクワガタが転倒しにくくなったり、転倒したときに起き上がるための足場となります。
本来、土の上よりも木の上を歩くため、飼育ケース内にも止まり木は入れてあげましょう。
また、オオクワガタに限らず、カブトムシやクワガタは転倒したとき簡単に起き上がれません。
踏ん張りの効く足場を捉えることができずに、転倒したままじたばたしていると体力を消耗しすぎて、最悪の場合、死に至ります。
できることなら大きな止まり木を用意しましょう。
エサ皿としての穴が空いた止まり木がよく売られているのでそれを使いましょう。
エサを直接マットに置くと、オオクワガタがひっくり返したりしてマットが汚れてしまいます。
エサもごく普通の昆虫ゼリーで問題ありません。
昆虫ゼリー以外ではバナナ、リンゴ、スイカなどの果物をカブトムシやクワガタのエサにしている人もいます。
しかし1番はゼリーを与えることがおすすめです。
果物よりもゼリーの方が栄養が豊富だからです。
特にスイカは、水分が多く栄養は少ないです。
また、ゼリーの方がケージ内を汚しにくく、コバエも湧きにくいです。
昆虫ゼリーは基本的には価格や特徴によって好みの物を選んで大丈夫です。
これから繁殖させようと考えているのであれば、高タンパク質の物を与えることをおすすめします。
霧吹きはマットや飼育ケース内の湿度を保つために必要です。
マットが少し湿っている状態が理想的です。
湿りすぎているとダニが湧きやすくなりますし、乾燥しすぎているとオオクワガタが弱ってしまいます。
また、昼は霧吹きで加湿しても蒸発しやすいので、朝晩に加湿することをおすすめします。
オオクワガタを飼育する上で注意すべき点を説明していきます。
温度管理に関しては、 理想は25℃前後です。
夏は28℃を超えることがないように気をつけましょう。
30℃を超えると危険です。
カブトムシやクワガタは夏の昆虫であることから、暑さに強いと思われがちです。
しかし、実際は暑さには強くありません。
暑い昼間は、涼しい木の洞で体を休めて、活動するのは涼しくなる夜になってからです。
夏は、直射日光の当たらない場所に飼育ケースを置いてあげましょう。
冬は室内で飼育している場合はそれほど温度に気を遣う必要はありません。
温度が15℃を切ってくると越冬をします。
ただ、冬も観察できるようにしておきたいのであれば、15℃以上は保つようにしておきましょう。
湿度に関しては、マットが少し湿っているという状態を常にキープするようにしましょう。
気をつけないといけないことは、夏は飼育ケース内が蒸れ過ぎないように、冬はマットが乾燥しすぎないようにすることです。
冬は特に乾燥しやすいのでこまめに霧吹きで加湿しましょう。
繁殖時を除いて、基本的に複数飼いはやめましょう。
特にオス同士だとケンカしてしまいます。
オスとメスならば問題はありませんが、できる限り1匹ずつ飼育しましょう。
このページではオオクワガタの繁殖方法を紹介していきます。
近年はオオクワガタの繁殖は比較的容易だと言われています。
ぜひチャレンジしてみてください。
交尾をさせるのは安定して20℃以上の温度を保つことができる暖かい時期にさせましょう。
交尾させるオオクワガタは羽化してから成熟したペアが良いです。
羽化してからしばらくの間はエサをあまり食べません。
個体差はありますが、1ヵ月程するとエサをたくさん食べ始めます。
これを「後食」と言います。
後食をしたら、交尾させることが可能です。
後食していない未成熟なペアだと交尾できません。
羽化後3年が経過した寿命の近い個体や、あまり元気のない個体は避けた方が良いでしょう。
また個体価格のところで説明したように体に欠陥があると繁殖に差し支えることがあります。
足欠けとアゴ欠けしている個体はペアとして選ばないようにしましょう。
交尾、産卵は体力を大きく消費します。
ペアリングをする1週間前からオス、メス共にタンパク質が豊富な高タンパクゼリーを与えるようにしましょう。
特にメスは産卵時にタンパク質を必要とするため、しっかりタンパク質を補給しておきましょう。
交尾の方法は2種類あります。
オスとメスを1匹ずつ同じ飼育ケースで飼育し、自然に交尾をするのを待つ方法です。
健康な成熟した個体であれば1週間程同居させていれば交尾は完了しています。
自然交尾法でも充分交尾はしますが、確実に交尾したことを確認したい場合は、強制交尾法という方法もあります。
これはより確実に交尾をさせる方法です。
飼育ケースにマットを浅めに敷いて、隠れる場所をなくします。
そこにメスの背中にオスが乗りかかるような体勢になるようにペアをセットします。
そうすると交尾をするので交尾をしたことを確認できます。
クワガタは一般的に材産みとマット産みの2種類の産卵方法があります。
朽木の中に卵を産むかマットの中に産むかの違いです。
オオクワガタは材産みなので、材産みの準備をする必要があります。
産卵するために産卵用の朽木が必要になります。
産卵木を用意します。
できるだけ太くて硬すぎない産卵木を選びましょう。
クワガタ用の産卵木は販売されているのでそれを購入することをおすすめします。
1度の産卵に産卵木は2、3本用意しましょう。
産卵木を用意したら産卵のための下準備をします。
まず、購入したばかりの産卵木は乾燥しているため、加水する必要があります。
産卵木が入る程度の大きさに水を張り、産卵木をしばらく水につけ、しっかり加水しましょう。
しっかり加水したら、産卵木を水から出して、日陰で半日ほど乾かして水を切りましょう。
次に産卵木の樹皮を綺麗に剥がしましょう。
そのとき産卵木に傷や穴を空け、メスが産卵しやすいようにしておきます。
産卵には飼育ケースや衣装ケースを使うのがおすすめです。
まず、ガス抜き、加水をしたマットをケースに5cm程、しっかり固めながら敷き詰めます。
次に産卵木をセットし、産卵木が2/3程埋まるようにマットを固めながら敷き詰めます。
その後、産卵木が少し顔を出す程度に固めずにふんわりとマットを敷きましょう。
マットを敷き終わったら、止まり木とエサをセットすれば産卵の準備は完了です。
交尾が終わったメスを産卵セットへ入れます。
産卵期間は半月から1ヵ月程なので、その間は静かなところへ置いてあげましょう。
エサ切れとマットの乾燥には注意してください。
孵化した幼虫はそのまま放置しておいても朽木やマットを食べて成長しますが、より良い個体を育てるために回収して1匹1匹別々に飼育する必要があります。
産後1ヵ月程のタイミングで割り出しして回収しましょう。
あまりにも早すぎると小さすぎて発見できなかったり、潰してしまう恐れがあるからです。
交尾の終わったメスを産卵セットへ入れてから、2ヵ月程したら割り出しのタイミングです。
産卵木を取り出し、産卵木の繊維に沿って少しずつ丁寧に剥がしていきましょう。
マイナスドライバーを使うと剥がしやすいです。
食痕など、幼虫の手がかりがあれば、その付近に幼虫がいるはずなので慎重に剝ぎましょう。
割り出しの時に幼虫を傷つけてしまうと死んでしまうケースが多いです。
割り出しを終えると1匹1匹別々に飼育していきましょう。
菌糸ビンでの飼育がおすすめです。
マット飼育や材飼育もありますが、 菌糸飼育が1番幼虫期間が短く済む上に大きくなりやすいです。
また、成虫になるまで、数回ビンを取り換えるだけで良いので飼育の手間もあまりかかりません。
取り換えはオスが3~4回、メスが2~3回程です。
そもそも菌糸ビンとは何かというと、キノコ菌が培養されたオガ粉(クヌギ・ブナ・コナラなど)を専用のボトルに入れた物です。
キノコ菌により分解されたオガ粉を食べ幼虫が栄養を吸収し易く大きく成長します。
オオクワガタは「オオヒラタケ」、「ヒラタケ」の菌糸ビンがよく使われます。
どちらでもよく育ちますが、 成虫になるまで一貫して同じ物を使うようにしましょう。
菌糸ビンのサイズは様々あります。
オオクワガタは500cc(オスの初令期~2令期、メス)、800cc(オスの2~3令期、大型のメス)、1400cc(大型のオス)がよく使われます。
オスとメスの判別は幼虫は3令期ぐらいまで成長しないと難しいです。
3令期になるとオスの方が明らかに大きくなります。
また、メスはお尻の表面に黄色い斑紋が見えるようになります。
それらを総合的に考慮して判別する必要があります。
幼虫の大きさ、食べるスピードによって菌糸ビンを取り換えます。
幼虫が食べ進むと菌糸ビンの側面に茶色い食痕が見えます。
全体の7~8割を食べたら交換の目安です。
もちろん外からほとんど変化がなくても中はたくさん食べていることもあるのであくまで目安です。
食べるスピードには個体差があるのでよく観察しましょう。
また、菌糸ビンの菌は生きていますのでどんどん劣化してきます。
劣化の早さは飼育温度などの環境によっても変わってきます。
あまり食べてないようでも大体2~3ヶ月に1回ぐらいで取り換えましょう。
蛹になる準備を始めると、体色が黄色くなり、蛹室という蛹になるための空間をつくりはじめます。
蛹室をつくりはじめたら菌糸ビンの取り換えはやめましょう。
蛹室を壊してしまうと綺麗に羽化できなくなります。
そのため、ビンを動かしたりせず、静かに置いておきましょう。
蛹になると1ヵ月程で、成虫になります。
羽化して成虫になっても、体がまだ充分に固まっていないため、しばらくは蛹室でじっとしています。
羽化してから1ヵ月はそのままにしておきましょう。
そのうち、自分から外へ出てきます。
外へ出てきてしばらくすると後食します。
そうなると完全に成虫として成熟完了です。
かつては黒いダイヤと呼ばれたオオクワガタも近年では身近な存在になっています。
ぜひ飼育だけでなく、繁殖にもチャレンジしてみてください。
最終更新日 : 2023/11/08
公開日 : 2016/12/07