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ネベロングは ロシアンブルー とアンゴラなどをブリーディングして生まれた、長毛種の猫です。
そんなネベロング最大の特徴は、美しくて長いブルーの被毛です。
被毛はセミロングのダブルコートで、首の周りにはラフと呼ばれる長い毛が生えます。
しっぽの毛は体の毛より長く、よりふさふさとしてゴージャスな見た目を演出します。
これらのネベロングらしい特徴的な被毛は、生後2年ほどで全身に生え揃います。
目は顔の割に大きく、色はロシアンブルーに近い黄緑色~緑色(グリーン)です。
耳もやや大きめで、耳の後ろにはふさふさとした飾り毛が生えます。
ネベロングのもう1つの大きな特徴としては、その性格が挙げられます。
性格的には穏やかで愛情深いものの、ルーチンを好み変化を嫌う性質が強いとされています。
なお、ネベロングという名前は、ドイツ語でかすみや霧を意味する単語 「nebel」 が元になっています。
柔らかく絹のような光沢のある、その特徴的な被毛と神秘的な見た目にぴったりの名前といえます。
また、ネベロングの始まりである2匹の猫、「ジークフリート」と「ブリュンヒルデ」が登場する叙事詩“ニーベルンゲンの歌”もその名前の由来になっているといわれています。
ネベロングの歴史は長いブルーの被毛を持つ2匹の猫、「ジークフリート」と「ブリュンヒルデ」から始まりました。
1984年、アメリカのある家庭で黒い短毛種のメスと黒い長毛種のオスの間に3匹の子猫が生まれました。
そのうち1匹の子猫は、不思議なことにブルーに輝くセミロングの被毛をまとって生まれてきたのです。
このオスの子猫はジークフリートと名付けられ、ネベロングの始まりの猫となりました。
翌1985年、ジークフリートの母猫は他のオス猫との間に6匹の子猫をもうけました。
うち1匹はジークフリートと同じく、ブルーに輝くセミロングの被毛をまとって生まれてきたのです。
このジークフリートにそっくりのメスの子猫は、ブリュンヒルデと名付けられました。
2匹の飼い主は青く美しい被毛を持つ、この猫たちの美しさと優しい性格に感動を覚えました。
そして、この美しい猫を繁殖させたいと考え、遺伝学者と協力しブリーディングに取り組みました。
その結果、長毛のロシアンブルーともいえる新しい猫種、ネベロングが誕生したのです。
ネベロングは体や足首が長く、すらっとした体型をした中型の猫です。
体重は3~5kgほどで、オスの方がやや大きい傾向にあります。
ネベロングのカラーは1色、ブルーのみが認められています。
ブルーの毛の下に、シルバーの色合い(シルバーティッピング)が入ることがあります。
ネベロングは穏やかで愛情深く、控えめで物静かな性格の猫です。
物静かな性格で人間に対する忠誠心が強く、献身的な傾向が強いといわれています。
ネベロングは人間との関わりの中で、少しずつ愛情と信頼を積み重ねていきます。
日々の暮らしの中で信頼関係を築ければ、愛情を注いだ分だけきちんと返してくれるはずです。
なお、性格と同じく鳴き声も小さく控えめで、ほとんど鳴かない個体も多いようです。
諸説ありますが、ネベロングの寿命は15~18年ほどだといわれています。
ネベロングは長寿な傾向があり、18年以上生きる個体も少なくないようです。
なお、一般的な猫の寿命は10~15年ほどといわれています。
英名:Nebelung
原産国:アメリカ
ボディタイプ:セミフォーリン
公認団体:GCCF・TICA
大きさ:3~5kg
寿命:15~18年ほど
ここまではネベロングの歴史や特徴、性格について説明してきました。
次にネベロングをおすすめしたい人、ネベロングとの暮らしに向いている人について説明していきます。
ネベロングは習慣化された日常を好み、イレギュラーな事態を嫌う傾向が強いとされています。
また警戒心も強く、知らない人が訪ねてくると家具の下に隠れてしまうことが多いです。
そして、遠くから客人を警戒しつつ観察し、危険がないと判断できるまで決してその場から出てこないという徹底した警戒心を見せてきます。
そんなネベロングは環境の変化が少なく、静かで落ち着いた環境を用意できる方に向く猫といえます。
ネベロングはごく少数の、限られた人間と密接な関係を築きたがる猫です。
一度信頼関係を築くと後を追いかけて膝に乗りたがり、お腹を出して撫でられたがるなどべったりと甘えてくる姿が見られます。
そんなネベロングは、猫と密接でべったりとした関係を築きたい方に向く猫といえます。
愛情深く献身的な性格のネベロングは、1匹で過ごすことが得意ではありません。
そんなネベロングは、家を空けることが少ない方に向く猫ともいえます。
もし長時間留守番をさせなければならない場合は、猫や犬などと一緒に多頭飼いすると良いでしょう。
ただし、動物同士にも相性があるため、同居できるかどうかは飼い主が慎重に見極めてください。
ここまでの説明では、ネベロングとの生活に向いている人について見てきました。
次の項目では、ネベロングのお迎え方法や価格をご紹介します。
残念ながら、国内でネベロングを扱っているブリーダーはほぼ見当たりません。
ネベロングを購入したい場合は、海外ブリーダーからの輸入も視野に入れた方が良いかもしれません。
どうしても情報がない場合は、ロシアンブルーのブリーダーに問い合わせてみても良いでしょう。
ネベロングの具体的な価格は不明です。
ネベロングはまだ希少な存在であり、かつ国内ではほとんどその姿を見かけません。
なお、アメリカにおいては1匹あたり6~12万円程度で販売されています。
海外から動物を輸入する場合は、輸入にかかる費用として動物の値段とは別に20万円程度を用意しておきましょう。
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— The cat breed nerd (@dragofelid) June 14, 2020
ここまではネベロングのお迎え方法について説明してきました。
次の項目では、ネベロングの飼い方とそのポイントをご紹介します。
美しい被毛を維持するためにも、たんぱく質が十分に含まれた品質の良いフードを与えましょう。
また、肥満は万病の元になるため、過食に注意することも大切です。
少し手間がかかりますが、フードは毎回必ず量ってから与えるようにしてください。
おやつは猫用として販売されている、食塩や添加物が少ないものをたまに与える程度にしておきましょう。
抜け毛を取り除き、皮膚の血流をよくするために週に2~3回ブラッシングを行いましょう。
ネベロングは長毛種ですが、比較的ブラッシングの手間がかかりにくい毛質をしているようです。
しかし、ブラッシングを怠ると毛玉ができてしまうため、定期的にブラッシングをする必要があります。
被毛の美しさと皮膚を清潔に保つために、月に1~2回程度シャンプーをしましょう。
適度にシャンプーを行うことで、ブラッシングでは取り切れない抜け毛を効率的に取り除けます。
ネベロングは控えめな性格ですが、身体を動かすことを好みます。
部屋にはキャットタワーや登り棒などを設置し、自由に遊べる環境を作ってあげてください。
遊びに誘うと最初はそっけない態度をとることもありますが、気分が乗ってくると喜んでくれることでしょう。
ネベロングは飼い主に対して深い愛情を持つため、しつけの難易度は高くありません。
ただし神経質な部分があり、トイレが汚れていると粗相をすることが多いようです。
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ネベロングは比較的体が丈夫だといわれていて、特有のなりやすい病気は報告されていません。
しかし、長毛種であることを考えると、 「毛球症」 になりやすい可能性が高いと考えられます。
毛球症はグルーミングの時に毛を飲み込み、その毛が消化器官の中で固まった状態を指します。
飲み込んだ毛はフェルト状になって消化されず、消化器官の中に留まり続けて食欲不振や嘔吐などの原因になります。
毛球症を予防するためには定期的にブラッシングをして、抜け毛を取り除くことが大切です。
なるべく早いうちからブラッシングを習慣化し、最低でも週に2~3回、換毛期には毎日ブラッシングをすると良いでしょう。
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— The cat breed nerd (@dragofelid) June 15, 2020
ネベロングは繊細で愛情深く、ごく少数の人に深い愛情を見せる猫です。
やや内弁慶なところがあるので、可能な限り生活する環境を変化させないようにしてあげてください。
また神経質な部分もあるので、トイレや食器などは常に清潔に保つようにしましょう。
フードの些細な変化でも食欲が落ちることがあるため、フードの保管方法にも注意してください。
長毛のロシアンブルー、 「ネベロング」 について説明してきました。
ネベロングは世界的にも数が少なく、まだまだ珍しい猫の1つです。
日本国内ではごくまれにその姿を見かけるものの、名前すら知らないという方が多いことでしょう。
しかし、実際にネベロングの姿を見ると、その青く輝く美しい被毛の虜になってしまうかもしれません。
もしネベロングを自宅に迎えたら、静かで落ち着いた環境でじっくりと向き合ってあげてください。
そして猫と密接に関わり、深い信頼関係で結ばれる生活を楽しんでください。
公開日 : 2020/07/01