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カケスは、日本国内でも広い範囲で観察することができる野鳥の1種です。
カラス の仲間で、木の実をメインに、様々な物を食べて暮らす雑食性の動物です。
カケスはしわがれた「ジェー」という独特な鳴き声をしていますが、とても鳴きまねが得意です。
ノスリやトビ、 ネコ の鳴き声だけでなく、人の話し声も上手にまねします。
木の上に枝を集めて巣を懸ける(かける)ことから「カケス」と呼ばれるようになったようです。
ちなみに、秋になるとドングリを集める習性があることから、古くは「カシドリ(樫鳥)」とも呼ばれていたようです。
ヨーロッパからアジアにかけ、広い範囲に生息しています。
日本では屋久島(鹿児島県)以北に生息し、繁殖しています。
カケスは全長33cm程、体重120~150g程の大きさです。
翼を広げると50cmほど、身近な動物で考えると ハト くらいの大きさです。
カケスは「ジェーイ」「ジェージェー」としわがれた特徴的な声で鳴きます。
学名の「 Garrulus 」はラテン語で“おしゃべりな”という意味です。
また、英語では Eurasian jay と呼ばれ、「 jay 」はこの鳴き声が由来であるとされています。
カケスは昆虫や果実種子や木の芽など、様々な物を食べています。
時には小鳥の雛や卵を食べることもある、雑食性の動物です。
シイやカシ、ブナなどのドングリが好物で、秋になるとこれらのドングリを集めて貯蔵する習性があります。
食べ物が少ない冬場は、貯蔵したドングリを食べて暮らしています。
カケスが食べきれなかった、隠して忘れてしまったドングリは、春になると芽吹き、やがて大きな木へと成長していきます。
カケスの特徴は紫色がかった美しい体の色と、黒色と青色の縞模様が入った羽根です。
頭とお腹が白くて目の周りは黒く、雌雄共に一度見ると忘れられない不思議な色合いをしています。
カケスは4月の下旬頃に5個程度の卵を産みます。
16~17日程で孵化した雛は、19日程で巣立ちます。
カケスの寿命は17年程といわれています。
ただし、野生動物は寿命を調べることが難しいため、あくまで目安と考えた方が良いでしょう。
カケスは約30もの亜種が存在すると言われています。
ここでは日本国内で生息・繁殖している3亜種を紹介します。
屋久島(鹿児島県)以北の平地や山地に生息しています。
他の鳥や動物の鳴き声を真似することが得意で、人の声を真似することもできます。
北海道にのみ生息している、カケスの亜種です。
カケスと異なり頭の色が赤褐色をしているため、簡単に見分けることができます。
「瑠璃」という名前の通り、頭と風切羽、尾羽が美しい瑠璃色をしているカケスの仲間です。
日本の奄美諸島にしか生息していていない珍しい動物で、天然記念物に指定されています。
分類:鳥綱 スズメ目 カラス科 カケス属
和名:懸巣
学名:Garrulus glandarius
英名:Eurasian jay
分布:ヨーロッパからアジア、日本
大きさ:
全長:約33cm
体重:約120~150g
鳴き声:「ジェーイ」「ジェージェー」
食性:雑食
繁殖:
性成熟:詳細不明
抱卵期間:16~17日程
産卵数:約5個
寿命:17年程度
日本国内において、カケスをペットとして飼うことは困難です。
カケスだけでなく、日本国内に生息している動物の多くは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護法)により、捕獲や飼育が禁止されています。
そのため、基本的には捕獲、飼育することはできません。
ただし雛を拾う、怪我をした成鳥を拾って育てるという場面に遭遇することはあるかもしれません。
カケスは野生動物であり、法律によって販売したり譲渡したりすることが禁止されています。
販売が禁止されていることから、具体的な価格は不明です。
カケスを入手したい場合は、野生の個体を捕獲するしかありません。
鳥獣保護法により保護されている動物たちは、環境大臣もしくは都道府県知事の許可を得れば捕獲することができます。
しかし、学術研究目的や動物による農作物被害の防止目的など、具体的な目的がなければまず許可が下りることはないでしょう。
稀に巣から落ちて戻れなくなった雛や、交通事故などで飛べなくなった成鳥を保護して飼育している方がいらっしゃるようです。
なお、カケスをはじめ野生動物を保護する場合は、必ず都道府県の野生鳥獣担当の機関に連絡し、その旨を伝えてください。
善意で野生動物を保護したとしても、連絡を怠っただけで違法な捕獲・密猟とみなされてしまう可能性があります。
基本的には飼育することができないカケスですが、飼育するとしたらどのような物が必要になるでしょうか。
飼育された例が少ないため、実際は手さぐりをしながら飼育することになると思われます。
雑食性のため野鳥や小型~中型鳥用の餌、ミルワームなど様々なものを与えてみてください。
栄養が偏らないように動物質のもの、植物質のものをバランスよく与えた方が良いでしょう。
秋になったらドングリを拾ってきてあげると、喜んで食べてくれるでしょう。
足の指で器用にドングリを抑え、中身を食べるカケス本来の食事方法を見ることができるかもしれません。
ペット用の鳥と同じく、カケスにも十分な飲み水が必要です。
カケスの状態に合わせて鳥かごにひっかけるタイプにするか、お皿などの容器にするか選んでください。
カケスはハトくらいの大きさがあるため、中型~大型の鳥用のかごを用意しましょう。
なるべく大きいものを用意してあげた方が運動できて、ストレスが溜まりにくいと考えられます。
昔はカケスの卵を取ってきて、雛をかえして育てていた人もいるようです。
雛から育てると人に慣れ、人の声をよく真似るようになりビー玉などで遊ぶ姿が見られるそうですが、今同じことをやると法律で罰せられてしまうので注意してください。
カケスは身近な野鳥である反面警戒心が強く、近くで観察することが難しい動物です。
保護された個体が飼育されていることがあるため、カケスを観察してみたい方はぜひ動物園に行ってみてください。
世界三大珍獣であるコビトカバやアジアゾウを飼育している、いしかわ動物園。
保護されて野生に戻すことができなかったカケスが「水鳥たちの池」で飼育されています。
お食事タイムでは直接餌やりをすることもできます。
住所:石川県能美市徳山町600番地
マップ: Googleマップ
電話番号:0761-51-8500
入園料:
一般 830円
3歳以上中学生以下 410円
開園時間:
9:00~17:00(4月1日~10月31日まで)
9:00~16:30(11月1日~3月31日まで)
休園日:火曜日(祝祭日の場合は営業)
公式ホームページ: いしかわ動物園
鹿児島県にある平川動物公園では、ルリカケスが飼育されています。
ルリカケスは国の天然記念物に指定されているだけでなく、鹿児島県の県鳥でもあります。
住所:鹿児島県鹿児島市平川町5669-1
マップ: Googleマップ
電話番号:099-261-2326
入園料:
一般(高校生以上) 500円
小・中学生 100円
開園時間:9:30~16:30
休園日:12月29日~1月1日のみ
公式ホームページ: 平川動物公園
カラスなのに黒くない、キレイな模様を持った鳴きまね名人のカケス。
数が少ないわけではありませんが、法律上飼育することはできず、また飼育している動物園も少ないため、見たいと思ってもすぐに見ることが難しい動物といっても良いかもしれません。
運良く野生のカケスを見かけたら、ぜひ静かに観察してみてくださいね。
最終更新日 : 2020/11/04
公開日 : 2019/04/09