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アルパカといえば、常に口をもぐもぐさせて、のんびりとしているイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
羊のような毛に覆われている動物ですが、実は羊ではなく南アメリカ大陸原産の ラクダ の仲間です。
性格は臆病なのに好奇心旺盛、基本的に人間に対して攻撃をしてくることはありません。
アルパカは家畜の1種として、主にアンデス山脈でその上質の毛を取るために飼育されています。
アンデスの先住民たちは、標高4,000mを超える高原で1年中アルパカを放牧しています。
アルパカの毛はアンデス山脈の厳しい寒さに耐えるために、非常に細くて柔らかいのに、強く保温性が高いのが特徴です。
非常に質が良く、衣類やじゅうたん、マフラーなど、さまざまなものに加工され世界中で愛用されています。
衣類やじゅうたんに仕立てた時には、しわや毛玉ができにくいという利点もあります。
野生下にアルパカは存在しません。
家畜として主に南アメリカ大陸のペルー南部、ボリビア、アルゼンチンで飼育されています。
アメリカやヨーロッパ、ニュージーランド、日本などで幅広く飼育されるようになったアルパカですが、最近はペットとして飼う人もいらっしゃいます。
アルパカの原種には諸説があり「同じラクダ科の動物ビクーニャやグアナコを家畜化した」という説、「現在では絶滅してしまった他のラクダ科動物がもとになっている」という説もあり、その由来ははっきりしません。
体長は150cm~175cm程、体重は50Kg~70Kgほどです。
人間の大人くらいの大きさがあります。
アルパカは「フーン」「フェー」といった声で鳴きます。
大きな体から出ているとは思えない、なんとも可愛らしい鳴き声をしています。
完全な草食性の動物です。
アンデス山脈で暮らすアルパカたちは、草や苔を食べて暮らしています。
日本の牧場や動物園では牧草やヘイキューブ、草食動物用のペレットなどを与えています。
筆者勤めていた動物園では、1日にチモシー(牧草)を300g、ヘイキューブを200g、ペレットを600gを2回に分けて与えていました。
春から夏にかけては野草を刈り取って、新鮮な青草としてあげるのも良いでしょう。
ウシの仲間に属するアルパカは、口に入れた食べ物を一度胃に入れて吐き戻し、再度かみ砕いてから飲み込む「反芻」という行動をとります。
そのため、特に何も食べていない時間でも口をもぐもぐと動かしています。
アルパカはウシの角やウマの脚力のような、敵と戦う武器を持っていません。
臆病なのに戦う武器を持たない、そんなアルパカの唯一の防御手段が「ツバを吐いて威嚇すること」です。
胃の中で発酵した食べ物とヨダレの臭いが合わさったツバ(吐しゃ物)は、非常に強烈な臭いがします。
間近で吹きかけられると熱い上にとても臭く、悲惨な目に合います。
そうとはいえ、よほど嫌なことがあったり身の危険を感じたりしなければ、ツバを吐いてくることはありません。
また、ツバを吐く前には耳を後ろに下げて独特の表情をするため、慣れてくると避けられるようになります。
決まった繁殖期はなく、1年を通して繁殖することが可能です。
妊娠期間はおおよそ11か月で、通常は1回のお産で1頭の子どもを産みます。
メスは生後1年ほど、オスは生後3年程で性成熟し繁殖することができるようになります。
分類:哺乳綱 鯨偶蹄目(偶蹄目・ウシ目) ラクダ科 ビクーニャ属
和名:羊駱駝
学名:Vicugna pacos
英名:alpaca
分布:南アメリカ大陸(主にペルー南部)
大きさ:
体長 150cm~175cmほど
体重 50Kg~70Kgほど
鳴き声:「フーン」「フェー」など
食性:植物食
繁殖:
性成熟 メス1年ほど、オス3年ほど
妊娠期間 11か月ほど
産子数 通常1頭
寿命:15~20年ほど
牧場や動物園にいるイメージが強いアルパカですが、飼育に必要なものを揃えることができれば日本でもペットとして飼うことができます。
海外ではハリウッド女優が自宅で飼っていたり、誕生日にアルパカをプレゼントされた少年がインスタグラムで人気になったりと、じわじわとアルパカを飼う人が増えているようです。
しかし、アルパカを購入しペットにするためには、多くの費用と手間がかかります。
アルパカは一般的なペットショップでは取り扱われていません。
購入したい場合は、アルパカを繁殖させている牧場に問い合わせをしてみると良いでしょう。
ちなみに、「那須アルパカ牧場」ではアルパカの販売も行っています。
毛色や毛並みによって価格が変わるそうですが、アメリカでの平均価格は驚きの250万円とされています。
一般的に妊娠・繁殖できるメスの方が値段が高く、オスの方が安い傾向にあります。
また、アルパカは本来群れで暮らすので、1頭で暮らすことに向かない動物であることも忘れてはいけません。
可能であれば同時に2頭以上のアルパカをお迎えしてあげてください。
アルパカを売ってくれる牧場が見つかり、買う費用が工面できても準備はそれだけでは終わりません。
彼らが健康的に暮らすためには、最低限下記の飼育用品が必要となります。
アルパカのエサは主に牧草と草食動物用ペレットです。
牧草は手に入りやすいチモシーをメインにすると良いでしょう。
「食性」の欄でも触れましたが、アルパカは牧草やペレットを合わせて1Kgほどの餌を食べます。
牧草やペレットは飼料の問屋から牧場や競走馬用など、業務用のものを購入できると費用を抑えることができます。
※ペレットや牧草の種類によっては、1日に与える量が大幅に異なる可能性があります。
アルパカを購入する際には、必ず今までどのような餌をどのくらいの量、どのくらいの頻度で食べていたのか確認してください。
そして、可能な限り今までの食生活に合わせるようにしてあげてください。
また、アルパカのような草食動物はどうしてもミネラルが不足しがちになるため、「鉱塩」というブロック状の塩も用意してあげてください。
アルパカはあまり食事をするときのお行儀が良くないため、エサ入れや水入れが軽いとひっくり返してしまう恐れがあります。
ある程度大きくて重たい、ひっくり返しにくいものを用意すると良いでしょう。
毛が伸びてくると牧草や敷材を巻き込んで汚れてしまったり、毛がからまったりします。
定期的にブラッシングをしてキレイな状態を保ってあげましょう。
無口(むくち)とは、馬や牛、そしてアルパカを飼育する時に使う道具です。
頭に無口をつけると動物の誘導やコントロールが簡単になり、リードをつけて散歩をすることもできるようになります。
首輪でも良いのですが、首輪は引っ張ると思いがけず抜けてしまう恐れがあり、また強い力がかかるとアルパカも苦しい思いをしてしまいます。
無口はきちんとつければ抜けてしまうことはなく、また力がかかる部分が分散されるのでのアルパカにとっても負担になりにくいです。
アルパカを外で散歩させることを考えている方は、ぜひ無口とリードを用意してください。
アルパカは年に1回、暑さ対策を兼ねて毛刈りをする必要があります。
もこもこの毛に守られた地肌はデリケート、うまく毛刈りをしないと血が出てしまうこともあります。
毛刈りをする時は、ヒツジやアルパカ専用のバリカンを使うと良いでしょう。
動物の蹄は人間の爪と同じく、少しずつ伸びるものです。
走り回るようなスペースがあれば自然と削れて行きますが、自宅で飼う場合はなかなかそうもいきません。
蹄が伸びすぎると歩き方が変になって体に負担がかかったり、歩くのを嫌がって太ってしまったりと良いことがありません。
アルパカは頻繁に削蹄をする必要はありませんが、いざという時のために道具を用意しておくと安心です。
寝床に敷くためのわらやおがくずも必要です。
特に冷え込む冬場は敷材を多めにして、暖をとれるようにしてあげましょう。
アルパカは大人になると、人間の大人と同じくらいの体長・体重になります。
つまり、その大きさのアルパカを飼えるだけの、広い飼育スペースが必要になります。
日差しを遮ることができる厩舎(きゅうしゃ・小屋のこと)と、運動できるスペースを用意してあげられるとベストです。
アルパカは寒さに強く、暑さに弱い動物です。
特に日本特有の「湿度が高いじめじめとした暑さ」を非常に苦手としています。
梅雨入りする前に必ず毛刈りを行い、あまりにも暑い時はエアコンをきかせた部屋にいれる、水浴びをさせるなど、暑さ対策を念入りに行ってください。
上質の毛を身にまとったアルパカは体に熱がこもりやすく、暑さ対策をしないと熱中症を起こして倒れてしまう可能性があります。
人間と同じく熱中症は命にかかわることがあり、大変危険な症状です。
これだけの飼育用品を用意した上、さらに「アルパカを診察できる獣医さん」を探しておく必要があります。
一般的なペットではないアルパカは、ほとんどの動物病院で診察を断られるものと考えておいてください。
アルパカを購入した場所でかかりつけの獣医さんを聞いておくか、あるいは家畜に強い獣医を探してアルパカの診察ができるか問い合わせをしてみると良いでしょう。
アルパカは一生毛が伸び続けるため、1年に2.5~4Kg程度の毛が取れます。
毛色や毛質にもよりますが、その毛は高級品として販売することができます。
アルパカ毛のカラーはなんと25色もあるそうですが、染めることができる白色の人気が高いようです。
毛を上手に販売することができたら、アルパカの餌や病院代の費用を工面できるかもしれません。
アルパカをペットにしたいと考えている方は、アルパカにふれあえる牧場に行って実際に彼らと触れ合ってみてください。
可愛らしい見た目をしている反面、意外と大きいその姿に驚いてしまうかもしれません。
Posted by 那須アルパカ牧場 on Saturday, October 27, 2018
那須高原に広がる広大な敷地の中に、300頭ものアルパカが暮らす日本最大級のアルパカ牧場です。
見渡す限りの広大な土地の中で、のんびりと過ごすたくさんのアルパカたちに癒されること請け合いです。
アルパカとふれあったり、アルパカの子どもと散歩や記念撮影をすることができます。
クラレのCMに出演しているのは、那須アルパカ牧場のアルパカたちです。
住所:栃木県那須郡那須町大字大島1389-2
マップ: Googleマップ
電話番号:0287-77-1197
入園料:
大人(大学生以上) 800円
シニア(60歳以上) 700円
中高生 600円
子ども 400円
開園時間:
平日 10:00~16:30
土日祝 10:00~17:00
休園日:木曜日(祝祭日の場合は開園)
公式ホームページ: 那須アルパカ牧場
昨年の10/14に生まれた赤ちゃんアルパカの「あさひ」は、2/14で4か月になります☆いろいろな事を経験しながら好奇心旺盛に成長中!今日は春の味覚の菜の花をちょっぴり味見してみました♡「マザーファームツアー」ですくすく成長する「あさひ」に会いに来て下さいね♪ https://t.co/yzefOq8qoY pic.twitter.com/KK7mG480Jl
— マザー牧場 (@motherfarm) February 12, 2019
千葉県の鹿野山にある、植物や動物にたっぷり触れることができる観光牧場です。
牧場内をガイドが案内してくれる「マザーファームツアー」に参加すれば、アルパカにエサやりをすることができます。
アルパカ以外にも牛、馬、羊、山羊など色々な動物と触れ合うことができます。
住所:千葉県富津市田倉940−3
マップ: Googleマップ
電話番号:0439-37-3211
入園料:
大人(中学生以上) 1,500円
小人(4歳~小学6年生) 800円
開園時間:
2月~11月
土日祝 9:00~17:00
平日 9:30~16:30
12月~1月
土日祝 9:30~16:00
平日 10:00~16:00
休園日:公式ホームページの「営業時間・スケジュール」に記載
公式ホームページ: マザー牧場
ホワイトタイガーで有名な東武動物公園にもアルパカがいます。
アルパカ牧場と比べると頭数は少ないものの、関東圏内でアルパカに会うことができるのは嬉しいですね。
涼しい時期にはどうぶつパレードやアニマルステージに出演して、来園者を楽しませてくれます。
住所:埼玉県南埼玉郡宮代町須賀110
マップ: Googleマップ
電話番号:0480-93-1200
入園料:
大人(中学生以上) 1,700円
小人(3才以上) 700円
シニア(60才以上) 1,000円
※入園料のみ、遊園地やプールは別料金
開園時間:公式ホームページの「営業時間カレンダー」に記載
休園日:公式ホームページの「営業時間カレンダー」に記載
公式ホームページ: 東武動物公園
先程チャッピーに弟が生まれました〜🥰⭐️💕🍀😊❤️🎈 #八ヶ岳アルパカ牧場 #アルパカ #ベビー pic.twitter.com/9euYDWkDV2
— 八ヶ岳アルパカ牧場 (@yatz_alpacafarm) February 19, 2019
日本百名山の一つ、八ヶ岳にあるアルパカ牧場です。
アルパカたちとふれあい体験はもちろん、エサやりや散歩体験が大人気です。
毎週土曜日はアルパカのショーが行われています。
住所:長野県諏訪郡富士見町立沢5613
マップ: Googleマップ
電話番号:0266-75-2554
入園料:
大人(中学生以上) 500円
小人 300円
4歳以下は無料
開園時間:10:00〜16:00 ※8月は17:00まで
休園日:基本は火曜日休園、公式ホームページの「営業時間・スケジュール」に記載
公式ホームページ: 八ヶ岳アルパカ牧場
※冬季は完全休園となりますが、休園中は横谷温泉旅館にて「横谷峡アルパカ広場」が開園します。
住所:諏訪郡茅野市北山5513
マップ: Googleマップ
電話番号:0266-67-2080
公式ホームページ: 横谷峡アルパカ広場
新潟県の山古志村にあるアルパカ牧場です。
中越地震で被災してしまい、復興を目指している時にアメリカ・コロラド州のアルパカ牧場オーナーがアルパカを寄付してくれたのが牧場の始まりだそうです。
アルパカとのふれあいは無料で、エサを買ってあげることもできますよ。
住所:新潟県長岡市山古志竹沢乙284
マップ: Googleマップ
電話番号:
山古志アルパカ村牧場・0258-59-2062
山古志観光協会・0258-59-2343
入園料:無料
開園時間:9:00〜18:00(5月~11月の間)
休園日:雪解け~降雪期の間(おおよそ12月~4月の間)は休園
公式ホームページ: 山古志アルパカ牧場
費用面から考えてもなかなか自宅で飼うことが難しいアルパカですが、アルパカをペットにすること自体は全くの夢物語というわけではありません。
「どうしても自宅でアルパカを飼いたい!」という強い意志をお持ちの方は、まずアルパカ貯金を始めてみてはいかがでしょうか。
公開日 : 2019/03/01