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日本人にとっては実感が湧きづらいと思いますが、ラクダと人間は深い関わりがあります。
ラクダの生息している地域では、ラクダは「砂漠の船」、「神様からの贈り物」と呼ばれているほど恩恵を受けています。
シルクロードの3つの道のうち、最も距離が短くよく利用されたオアシス・ルートは、ラクダの利用があって初めて開拓したルートです。
シルクロードを越えるキャラバンは何十頭ものラクダによって構成され、大航海時代までの間は東西交易の主力となっていました。
ラクダが物流のカギを握っていました。
日本には江戸時代(1821年)に船に乗って長崎に連れてこられました。
ラクダを使った興行は日本中で人気を博し、人気の動物になっていました。
江戸では巨大で鈍間(のろま)なものを「らくだ」と呼ぶことが流行した程、身近な存在になっていたそうです。
歌川国安が、「駱駝之図」でラクダを絵に残しています。
ラクダはモンゴルからアフリカ北東部にかけて生息しています。
気候としては、砂漠気候やステップ気候のエリアです。
ヒトコブラクダは西アジア原産のラクダでインドやイラン、アフリカ大陸に生息しています。
フタコブラクダは中央アジア原産のラクダでトルコやイラン、モンゴルに住んでいます。
ラクダには2種類のラクダがいます。
それがヒトコブラクダとフタコブラクダです。
名前の通りコブの数が違うことが1番の特徴です。
それぞれの種類を解説していきます。
背中のコブが1つのラクダです。
体長は3m、体重は300~600kg程で、背中にはひとつのコブを持っています。
紀元前3000年程前から、既にアラビア半島やソマリアなどで、乳や肉をとるために家畜化され、野生のヒトコブラクダは絶滅していると言われています。
一応オーストラリアのヒトコブラクダはいますが、これは家畜のヒトコブラクダが逃げ出して二次的に野生化した個体です。
また、2001年には中国の奥地にて1000頭のヒトコブラクダが発見されました。
これらも家畜のヒトコブラクダが2次的に野生化したものと考えられています。
オーストラリアと中国には広大な砂漠があるため、人間が持ち込んだラクダが繁殖したと考えられています。
飼育下では、40年程生きます。
コブが2つあるのがはっきりと分かります。
体長は2.5~3m、体重は350~650kg程です。
紀元前1800年頃から家畜化されていたと考えられています。
飼育下では20~40年程生きます。
ラクダはキャメル色の体色をしており、首と脚が細長く、コブがあることが特徴的です。
砂漠という過酷な環境でも砂や砂塵から身を守ることができます。
眉毛は太く、長いまつ毛は2列に生えています。
耳も周りに毛がしっかり生えていて守られています。
鼻は鼻の内側にも毛が生えている上に、ラクダは鼻の穴を自由に開閉できます。
体力に関しては、持久力や耐久力に優れており、重い荷物を乗せて長距離を移動するときなどに重宝されています。
時速40kmのスピードで走ることができ、短距離であれば時速60kmのスピードで走ります。
ラクダは砂漠での荷物の運搬目的で昔から重宝されてきました。
また、他にも乳や肉、被毛も人間に重宝されています。
過酷な砂漠で生きるラクダのミルクは、栄養価が高く雑菌が少ない事でも知られています。
イスラム圏において古来乳用動物として飼育されてきたものはラクダ、ヒツジ、 ヤギ です。
ラクダはヒツジやヤギに比べて授乳期間が長い(約13か月)上に乳生産量も一日5リットル以上と非常に多く、アラブにおいては、ヒツジやヤギの乳搾りが女性の仕事とされたのに対し、ラクダの乳搾りは男性の仕事とされていた程です。
ラクダ乳は主にそのまま飲用されたが、発酵させてヨーグルトにもされていました。
ラクダ乳はウシやヒツジ、ヤギの乳と脂肪の構造が異なり、脂肪を分離することがやや困難で、さらにヤギやヒツジの乳のほうが脂肪の含有量も多いため、バターやチーズといった乳製品は主にヒツジやヤギから作られていました。
しかし、ラクダ乳からバターやチーズを作ることも難しいが可能であり、その希少性ゆえに高級品として高く評価されています。
近年、栄養価の高いラクダ乳は見直される傾向にあり、ヨーグルトやアイスクリームなどのラクダミルク製品を製造する会社も設立されています。
ラクダのミルクで作られたチョコレートはドバイ土産としても有名で、現地には牛乳の代わりにラクダミルクを使う街のカフェもあるほどです。
ラクダの蹄(ひづめ)は小さく、指は2本で、5本あったうちの中指と薬指が残ったものであると考えられています。
退化した蹄に代わり、脚の裏は皮膚組織が膨らんでクッション状に発達しています。
これは歩行時に地面に対する圧力を分散させて、脚が砂にめり込まないようにするための構造です。
砂地においては、蹄よりもこちらの構造が適しているためです。
ちなみに、ラクダは「側対歩」とよばれる歩き方(右前足と右後足、左前足と左後足がペアになる)をします。
エネルギー効率に優れた歩き方なのですが、左右の揺れが激しいので乗っている人がラクダ酔いになる原因にもなっています。
鳴き声はウシとヒツジを混ぜたような鳴き声です。
声量が大きく、叫ぶように鳴きます。
ラクダは、体高1.8~2.1m、体長1.8~3.4m、体重360~690kg程です。
オスとメスで分けると、オスが体長2.2~3.4m、体重400~690kg、メスが体長1.8~2m、体重360~540kg程です。
ラクダの特徴といえば背中にある大きなコブのイメージがあると思います。
コブの重さは30kgですが、大きいコブだと50kgや100kgにも達することもあります。
このコブには脂肪が詰まっており、食べ物を食べられない期間が続くと小さくなっていきます。
つまり、活動のエネルギーを蓄えているという訳です。
脂肪には水素が含まれているので脂肪を燃焼させることによってわずかですが水分を得ることもできます。
ラクダは背中のコブに蓄えている脂肪のおかげで、水分や食べ物を摂取しなくても2~3ヶ月は生活できます。
ただ、広大な砂漠をキャラバンする(砂漠を旅すること)時などには、コブがしぼんで曲がって垂れてしまうことがあります。
これはコブの中の栄養を使い果たしてしまったためで、水分や栄養を補給すると元に戻ります。
ラクダのコブはエネルギーを蓄えるだけでなく、断熱材として働き、汗をほとんどかかないラクダの体温が日射によって上昇しすぎるのを防ぐ役割も持っています。
日射による背中からの熱の流入を妨げつつ、背中以外の体表からの放熱を促しています。
出生時にこぶは無く、背中の将来こぶになる部分は皮膚がたるんでいて、脂肪を蓄える袋だけがある状態で生まれてきます。
ラクダについてコブには水が入っているという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
これは、ラクダが長期間乾燥に耐えることができることから誤って推測された情報です。
ウシやヤギ、ヒツジなどでも見られますが、ラクダはよく口をモゴモゴさせています。
これは「反芻」という動作で、ラクダは栄養価の低い植物を食べていても生活できるように胃が進化している反芻動物です。
植物などの食べ物を口で良く噛み、飲み込んで胃の中で部分的に消化します。
その後、胃から口に戻して、再び口でよく噛むことをくり返します。
なぜ、反芻をする必要があるのかというと、主食としている植物は、セルロースと呼ばれる細胞壁で覆われているため、なかなか消化することができません。
そのため、消化の悪い草などをを栄養として吸収できるよう、何度もすり潰す必要があります。
反芻を行う動物は基本的に胃が4つに分かれていますが、ラクダの胃は第3と第4の胃の区別がほとんどないという特徴があります。
ラクダは自分の体温を荒れ程度自由に変化させることができます。
ラクダの体温は基本的に36℃前後ですが、外気温に合わせて体温を34~42℃まで自由に変化させることができます。
なぜこのようなことをするのかというと、外気温との体温の差を減らす事で、水分の消費を抑えているためです。
ほとんど汗をかかないので水分はかなり節約でき、何日も水を飲まなくても生きることができます。
そして、水を飲むときは1回に80ℓ~135ℓも飲みます。
その水は血液中に吸収され、大量の水分を含んだ血液が循環する仕組みです。
ラクダ以外の哺乳類では、血液中に水分が多すぎるとその水が赤血球中に浸透し、その圧力で赤血球が破裂してしまう(溶血)が、ラクダでは水分を吸収して2倍にも膨れ上がっても破裂しません。
また、人間を含めた多くの動物は体内に毒素が溜まると死んでしまうため、尿を輩出します。
しかし、ラクダは特殊な腎臓機能を持っているので尿をろ過し、リサイクルして利用しています。
尿の濃度は海水の2倍・血液の10倍と濃く、排出される尿の量も1日で1ℓ程とかなり少なめです。
人間は体重の10%の水分が失われると命に関わりますが、ラクダは体重の40%の水分が失われてもいきることができます。
その代わりラクダに水を与えるときは莫大な量の水が必要になります。
このようにラクダは砂漠という過酷な環境に適合した体をしています。
逆に湿潤な気候ではラクダは生きていけません。
ラクダは湿潤環境に多く発生する疫病に対して抵抗力がありません。
また、足が湿地帯を移動するようにできていず、足を傷めることが多いからです。
ラクダの寿命は30年程です。
ラクダは歯を見ることで年齢を把握することができます。
7~10歳までに歯が22本の乳歯から34本の永久歯に生え変わり、それ以降はすり減っていっていきます。
歯がすり減りすぎると、充分にエサを食べることができなくなり、命を落とします。
それが大体30年程と言われています。
もちろん生活環境によって差はあります。
野生のラクダは主に葉っぱや草を食べています。
食べ物が少ない砂漠において、ラクダはサボテンも食べます。
トゲのあるサボテンを食べてもラクダの口はゴムのようになっていてケガをしないようになっています。
一方、動物園のラクダは干し草や木の葉、にんじんやいもなどの野菜、パンやペレットなどを食べます。
のんびりしているように見えるラクダですが、先にも述べたように足はとても速いです。
ラクダを飼育する中東の諸国においては、ヒトコブラクダのレースである競駝(けいだ)が盛んに行われています。
特にアラブ首長国連邦などアラビア半島の諸国においては非常に盛んであり、競馬のように、性別、年齢別でレースが行われる程です。
レース距離は5~10kmと、競馬に比べると長距離で、遊牧民の流れをくむ湾岸諸国においてはラクダレースは最も格の高いスポーツとされています。
ド
バイにおいては冬季である1月から3月にかけてラクダレースが盛んに開催され、地元民のみならず観光客も多くおとずれる人気のイベントです。
また、ラクダ同士を闘わせるラクダ相撲という競技もあり、主にトルコで行われています。
原産国 : 西アジア、中央アジア
毛色 : キャメル色
寿命 : 30年程
体重 : 360~690kg
体高 : 1.8~2.1m
特徴 : コブ、長い首と脚
のんびりしているように見えるラクダ。
しかし、砂漠で生きていくための驚きのスペックがたくさんあります。
この記事でラクダに少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
最終更新日 : 2021/04/13
公開日 : 2017/09/16