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ムクドリは日本全国にいる分布している鳥で、北海道から九州までは留鳥(年間を通して同じ場所にいる移動をしない鳥)または漂鳥(夏に山地で繁殖し、寒い時期には平地に移動して越冬する鳥)、沖縄は冬鳥(日本で越冬し北国で繁殖をする渡り鳥)としています。
平地から山地までおり、田園地帯や林、市街地でも見ることがあります。
人が集まる都会でも見ることがあり、街路樹やビルをねぐらにしていることが多くなってきています。
外敵に襲われる危険が少ないため、このような場所もねぐらにするようになったのでしょう。
そして、秋〜冬の非繁殖期は群れを作ることが多く、数千羽で群れを作り集団ねぐらを作ることもあるため、鳴き声による騒音やふんによる被害が出ており、社会問題になっています。
ムクドリの特徴をまとめています。
ずんぐりむっくりとした体型をしています。
全体的に黒色をしていますが、腰と顔に白色が混ざっています。
くちばしと足は黄色で、くちばしの付け根と口内は青黒色です。
メスはオスより羽の色の黒味が少ない場合が多いです。
特に頭部が違う場合が多く、色以外の違いで羽毛の先端が丸くなっています。
しかし、ムクドリは個体差が大きいので雌雄判別は難しいでしょう。
幼鳥は成鳥より羽の色が淡く、全体的に褐色を帯びています。
同様に、くちばしや足の色も成鳥より色が薄めです。
口内の色はオレンジ色になっています。
ムクドリは椋(むく)の木に集まり、椋の木の実を好んで食べているという特徴から、ムクドリ(椋鳥)という名前になりました。
しかし、実際はミミズやヤマモモなど様々な種類のものを食べます。
全長約25cmほどのムクドリは「ものさし鳥」としても有名です。
「ものさし鳥」とは野鳥観察の時に役立つ鳥で、野鳥の大きさを見分ける基準にする鳥のことをいいます。
同じ様に「ものさし鳥」と言われている鳥は スズメ やハシブトガラスなどがおり、どの鳥も身近で有名な鳥です。
中国やモンゴルなど、東アジアに分布しています。
日本ではほぼ全国に分布しています。
ムクドリの鳴き声を聞いたことがありますか?
おそらく、聞いたことがないと思っている人でも、普段生活しているうちにいつの間にか聞いていることもあると思います。
「キュル」「ギュ」という鳴き方をしています。
一羽で鳴いていても甲高い鳴き声で耳につくかと思いますが、そこまでは騒音に感じないと思います。
しかし、大群で鳴いていると相当なボリュームになります。
そのため、騒音被害を出していることもあるのです。
食性は雑食です。
動・植物質のいろいろなものを食べます。
河原ではミミズや虫をとり、樹上では果実や木の実を食べています。
特に植物の種子や虫の幼虫などを好んで食べる傾向があります。
ムクドリは一夫一妻で繁殖します。
求愛行動をする時は、オスが上を向いて羽毛を膨らませながら白い腰をメスに見せます。
木に空いている穴に枯れ草や羽を集めて巣を作ります。
他にも、家の戸袋のや壁の間など、人がすぐ近くにいるような場所にも巣を作ります。
学名:Sturnus cineraceus
分類:鳥綱 スズメ目 ムクドリ科 ムクドリ属
和名:ムクドリ(椋鳥)
英名:White-cheeked Starling
全長:約25cmほど
翼開長:約40cmほど
見た目(成鳥):
ずんぐりむっくりとした体型
全体的に黒色、腰と顔に白色
くちばしと足は黄色、くちばしの付け根と口内は青黒色
見た目(幼鳥):
成鳥より羽の色が淡く、全体的に褐色を帯びている
くちばしや足の色も成鳥より色が薄め
口内の色はオレンジ色
雌雄判別:
メスはオスより羽の色の黒味が少ない(特に頭)
頭頂部の羽毛の先端が丸い
分布:
東アジア
日本国内:北海道から九州までは留鳥または漂鳥、沖縄は冬鳥
鳴き声:「キュル」「ギュ」
食性:雑食性
繁殖:一夫一妻制
巣:枯れ草や羽を集めて営巣
ムクドリは鳥獣保護法で「狩猟鳥獣」として定められている為、「狩猟免許を持っている方」が「限られたエリアと期間」においてのみ狩猟及び飼育が可能です。
ただし、都道府県によっては「狩猟鳥獣」に当てはまっていても、狩猟及び飼育が禁止されていることもあります。
まずはお住まいの県や市区町村の役所などに確認をしてみましょう。
もし、ムクドリが怪我をして動けないような状況ならば保護が必要です。
ムクドリを保護した場合の対応は以下になります。
各都道府県ごとに野生鳥獣担当機関がありますので、発見した場所にある機関に連絡をとり、指示を仰ぐようにしましょう。
鳥を保護したら紙袋や小さな箱のようなものに入れます。
暴れてしまうといけないので、なるべく羽をたたんでかがみこんだ時の大きさ程度の箱に入れるようにしましょう。
なるべく安静にさせてあげるのが好ましいので、箱の中を暗くして、物音がしないような静かな場所に置くようにした方が良いです。
次に、鳥を保温をします。
どの動物でも体調が悪い時は保温するのが基本です。
だいたい25~30℃で保温をしましょう。
保温するには箱にカイロを貼ったり、箱の隣に湯たんぽを置いておくと簡単にできます。
そして、気を付けなければいけないことが、エサや水を保護したムクドリに与えないことです。
ムクドリが入った箱にエサや水を一緒に入れておくと、ムクドリが汚れてしまい逆に体力が奪われてしまう場合があります。
また、無理に飲ませたり食べさせたりしても、うまく飲み込むことができずに暴れて体調をさらに悪化させてしまう可能性もあります。
むやみな対処はせずに、状態次第で動物病院に連れて行くようにしましょう。
動物病院でも野鳥の診察は行っていない場合が多いので、動物病院に確認をとってから行くことをおすすめします。
ムクドリに限らず、野鳥を保護する時には気を付けなければならないことがあります。
それは、むやみに保護をしないことです。
野鳥が道端で動かなかったり、雛が道路に落ちていたら助けてあげなければと思うかもしれません。
しかし、すぐに助けない方が良いこともあります。
野鳥は少し休憩したら動けるようになるかもしれませんし、雛は巣立ってからすぐ上手に飛べるわけではないので、練習をしているだけかもしれません。
それに人が手を出してしまうと、自然に帰ることができなくなってしまう場合があります。
むやみに保護しようとせずに、少し様子を見て状況を確認してから保護するようにしましょう。
ムクドリは基本的に飼育できませんが、近くで観察することはできます。
ムクドリは樹洞に巣を作り、人が身近にいる場所でも巣を作るので、巣箱を利用しやすい鳥です。
自宅に生えている木に鳥用の巣箱を設置し、エサを置いてあげればムクドリが巣箱を利用してくれるかもしれません。
手作りで巣箱を作る場合、巣箱の大きさの目安は下記の通りです。
スギやヒノキの板を使って作りましょう。
巣箱を作り木にかけたら、あとは遠くから見守るようにします。
頻繁に巣箱を覗いてしまうと、ムクドリが警戒して巣箱に来てくれなくなるかもしれません。
もし巣箱を使ってくれるようになったとしても、巣箱の中を覗かずに見守るようにしましょう。
ムクドリには複数の種類があります。
同じ種類でも違いは多くあるので、ムクドリとの違いに着目しながら紹介します。
夏鳥(夏に日本で繁殖し、南国で越冬する)として本州中部以北に渡来します。
全長20cmほどで、ムクドリより少し小さめです。
ムクドリを白っぽくしたような見た目をしています。
だいぶ分かりやすく雌雄で見た目が異なります。
メスは背が灰褐色、お腹が白色です。
それに対し、オスは胸から脇が青灰色がかっており、羽に光沢があります。
さらに、頬は暗めの赤褐色をしているので、全体的にメスより派手な色合いをしています。
違いは多くありますが、ムクドリの群れに入っていることもあります。
鳴き方はムクドリに似ていますが、少し優しめに「キュルキュル」と鳴きます。
学名:Sturnus philippensis
分類:鳥綱 スズメ目 ムクドリ科 ムクドリ属
和名:コムクドリ(小椋鳥)
英名:Chestnut-cheeked Starling
全長:約20cmほど
鳴き声:「キュルキュル」
全長が約20cmほどでムクドリより小さめです。
旅鳥で、主に日本海側の離島や南西諸島で観察することができます。
見た目がムクドリとだいぶ異なり、ずんぐりむっくりとしたムクドリと比べて、シベリアムクドリはだいぶスラッとした体型をしています。
色合い的にもムクドリよりコムクドリの方が似ています。
学名:Agropsar sturninus
分類:鳥綱 スズメ目 ムクドリ科 ムクドリ属
和名:シベリアムクドリ
英名:Daurian Starling
全長:約20cmほど
全長25cmほどでムクドリとだいたい同じ大きさです。
数少ないですが、近年は増加傾向にあり、冬鳥または旅鳥として日本海側の離島や西南日本から南西諸島で観察されます。
南西諸島以外でも局地的に迷鳥としての記録もあります。
見た目は全体的に青みが強い灰褐色をしており、メスはオスより褐色味があります。
基本群れで行動する鳥で、色合いがムクドリとは全く異なりますが、ムクドリと一緒に行動をしているときがあります。
食性は雑食で、毎年渡来している先島諸島ではイチジク属やビワの実などを好んで食べています。
学名:Sturnus sericeus
分類:鳥綱 スズメ目 ムクドリ科 ムクドリ属
和名:ギンムクドリ(銀椋鳥)
英名:Red-billed Starling
全長:約25cmほど
全長は20cm〜25cmほどで、ムクドリより小柄か同じくらいの大きさをしています。
冬鳥で、南西諸島や西日本以南で観測されます。
体全体の色は茶褐色で、頭と翼、尾が黒がかってます。
学名:Sturnus roseus
分類:鳥綱 スズメ目 ムクドリ科 ムクドリ属
和名:バライロムクドリ(薔薇色椋鳥)
英名:Rosy Starling
全長:約20cm〜25cmほど
全長20cmほどでムクドリより少し小さめです。
全国で観察された記録がありますが、主に九州方面の西南日本に渡来します。
大群で越冬をしますが、日本のホシムクドリはムクドリの群中に小群でいることが多いです。
地上で採餌し、寝るときもムクドリと一緒に行動するため、1日のほとんどをムクドリと一緒に行動しています。
見た目はムクドリより派手目で、全体的に黒色で各羽に白斑があります。
この白斑が星のように散らばっているため、「ホシムクドリ」という名前になりました。
学名:Sturnus vulgaris
分類:鳥綱 スズメ目 ムクドリ科 ムクドリ属
和名:ホシムクドリ(星椋鳥)
英名:Common Starling
全長:約20cmほど
全長20cmほどで、ムクドリより小さめです。
旅鳥または冬鳥として本州以南で極稀に観察されます。
主に九州南部から南西諸島にいます。
オスの見た目は頭部から背中、腹にかけて灰褐色で、胸からの下面は白色です。
翼は先端が黒く、大雨覆全体が白色です。
目は虹彩が水色をしています。
メスの見た目でオスと異なる部分は、大雨覆が灰褐色で白い部分があっても狭めになっています。
頭部は灰色味が少なく、褐色がかっています。
ムクドリとは生活の仕方が異なり、樹上性で地上を歩き回ることはほとんどしません。
しかし、ムクドリの群れに交じっていることがあります。
学名:Sturnus sinensis
分類:鳥綱 スズメ目 ムクドリ科 ムクドリ属
和名:カラムクドリ(唐椋鳥)
英名:White-shouldered Starling
全長:約20cmほど
ムクドリのような野鳥はペットとして飼育することはできませんが、保護することになることがもしかしたら出てくるかもしれません。
その際に本記事が少しでもお役立ちできたら幸いです。
また、ムクドリにも種類はたくさんいますので、機会があれば是非バードウォッチングに出向いてみてくださいね。
公開日 : 2018/07/24