Top > 魚類/甲殻類/水生生物 > 淡水魚
本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
メダカの産卵時期は、水温と日照時間によって左右されます。
そのため、メダカの産卵は一般的に春から夏にかけて行われることが多いです。
卵が産まれるためには繁殖活動をしなければなりませんが、繁殖活動が始まる水温は18度くらいからとされています。
産卵が可能な水温は20度くらいからと言われていますが、 メダカの産卵のための適正な水温は25度~28度 ですので、出来る限りこの水温に近づけることが産卵を促すことになるでしょう。
水温がこの温度になるのは春から夏にかけてなので、この時期がメダカの産卵時期となるのです。
水温だけではメダカの産卵条件は満たされません。
もう一つの大切な条件は「日照時間」です。
メダカが産卵にするのに日必要な日照時間は、 1日13~14時間ほど。
日照時間が12時間以上になるのは春から夏にかけてであるため、この時期がメダカの産卵に必要な日照時間が確保されている季節です。
自然界では春から夏にかけての季節が産卵時期にあたりますが、「水温」と「日照時間」はメダカの産卵にとって重要な条件なので、これが満たされれば春から夏に限らず産卵が可能になります。
だからといって日照時間を長くすればいいかというとそうではなく、適正な日照でなければなりません。
人工飼育する場合は、夜にはきちんと照明を落として暗くなる時間を確保し、自然界で生きるのと同じような環境を作ってあげることが必要です。
交尾し産卵するにはオスとメスのメダカが必要です。
オスとメスの1匹ずつでもペアになって交尾ができれば産卵は可能ですが、メダカも生き物ですから当然相性があり、必ずしも思ったとおりのペアになるとは限りません。
そのため、 確実に産卵を促したい場合はオスとメス、合わせて10匹くらいを水槽で飼育すると良いでしょう。
エサや水温などの環境を整え、メダカの健康状態に問題がなければ、メスは毎日のように20個~30個ほどの卵を産み、お腹の部分に抱いています。
メダカは午前中(明け方)に産卵するとされていますので、交尾も午前中に行われます。
オスのメダカがメスの体の下をくるくる回る求愛行動をとり、メスのメダカが受け入れるとオスはメスを尾びれと背びれで抱いて、メスが抱えている卵に受精させるのです。
受精してしばらく経った後、メスはお腹に抱えていた卵を水草に産み付けます。
水草 はマツモ、アナカリス、カバンボ、ホテイアオイなどですが、人口の産卵床にも産み付けられます。
産み付ける場所がなくて、雌のメダカが卵を抱えたままだと、ほとんどの卵が他のメダカに食べられてしまうので気を付けましょう。
メダカの卵は大人のメダカに食べられてしまうことが多いです。
大人のメダカは卵だけではなく、メダカの稚魚も食べてしまうことから、無事に卵を孵化させ成長させるためには、産み付けられた卵は別な水槽に隔離しましょう。
卵が産み付けられた水草や産卵床をそっと移動させてください。
産卵したメスが数時間ほど卵をお腹にくっつけているのですが、このメスを捕獲して別の水槽に移し、水草などに産み付けさせても良いでしょう。
ただし、捕獲の際はメダカを傷つけたりしないように十分注意してください。
1匹のメスのお腹に卵が付いていることに気が付いたら、他のメスが水草などに卵を付けていることも考えられるため確認してみてください。
卵を発見したらすぐに隔離しましょう。
卵の孵化、稚魚の生存する確率をあげるためには卵の隔離は大切です。
卵を付けたメスを捕獲して隔離したときは、そのメスが卵を水草などにくっつけ終わったら、親は速やかに元の水槽に戻してください。
メダカにとって卵や稚魚はエサにしか見えないと言われているので、たとえ母親であっても卵を食べてしまいます。
隔離する別の水槽は元の水槽と同じ水を使用しましょう。
水質や水温の変化は親メダカにも卵にとってもストレスですし、時には死んでしまう場合もあります。
ヒーターを使っている場合は特に注意が必要です。
メダカが産卵し、無事卵を孵化させるには飼育環境を整えてあげる必要があります。
そのためには水質や水温のほか、水槽内に入れてあげる必要があるものもあります。
どのような環境を作ればメダカの卵がうまく孵化するかをご紹介します。
メダカが卵を産み付けるための場所が必要なのですが、水草では「ホテイアオイ」が最も一般的に手入れやすい水草で、メダカとの相性も良いとされています。
ホームセンターなどでも100円程度で手に入れることができますし、紫色の花が咲くので観賞用としても楽しめます。
ホテイアオイは南アフリカ原産の水草。
丈夫で繁殖力が強いために増えすぎて、今では害草としても知られています。
そのため、安易にその辺の水辺に捨てたりはしないように気を付けてください。
また、水草には他の生き物がくっついていることがあり、気が付いたら見慣れない植物や貝類などが繁殖しているといったこともあります。
卵を確実に採卵したい場合は、産卵床を使用するのもおすすめです。
おすすめの産卵床は「シュロ皮」と呼ばれるもので、メダカの養殖場などではこれが使われることが多いようです。
シュロ皮は「色が茶色なので卵を見つけやすい」、「洗浄などの扱いが楽」という利点があります。
シュロ(棕櫚)とはヤシ科の常緑高木です。
シュロ皮はホームセンターなどではあまり販売されていないですが、魚類専門店などで手に入れることができます。
メダカ用のシュロ皮があるため、専用のものを購入すると良いでしょう。
参考価格:539円(税込)
内容量:20g
数量:20枚程度
メダカの卵を隔離する容器は小型のプラスチックの水槽(容器)など、あまり大きなものでなくて大丈夫です。
水は水面から空気中の酸素が溶けこむため、容器の2㎝くらいの水量にしましょう。
水深が浅く、水面の面積が広いほうがより酸素を取り込むことができるためです。
酸素の量が十分でないと卵が死んでしまいます。
水温は25度くらいをキープするようにしてください。
有精卵ではない卵や傷んでいた卵などには白いカビが生えてくるのですが、 カビに浸食された卵は孵化することはできないのでほかの卵にカビが移らないように、発見したらすぐに取り除いてください。
カビが繁殖すると健康な有精卵にまで菌が及んでしまい、全滅することもあります。
孵化が始まるまでは水は、カルキ抜きをしていない水道水を使ってください。
水道水に含まれる少量の塩素が、卵に悪影響を及ぼすカビや雑菌の繁殖を抑えてくれるからです。
水道水は蛇口から出たばかりは温度が低いことが多いので、必ず水温を確かめてから使用するようにしましょう。
卵の孵化には日照時間が大切です。
孵化を促すための適切な日照時間はおおよそ14時間とされており、春から夏の日照時間に近い長さが必要です。
光は太陽光がベストです。
LED電球などを利用した場合、太陽光に比べて孵化率が低く、生まれた後の生存率も低くなってしまうという研究結果もあります。
日照時間が足りないとなかなか孵化できずにそのまま卵が死んでしまったり、メダカが成長できなかったりするので水温とともに日照時間の確保にも気を付けましょう。
春から夏にかけての季節に日光の当たる場所に水槽を設置してあげれば良いですね。
水温により前後しますが、上手く卵の発育ができる環境を整えることができれば1~2週間ほどで卵が孵化します。
卵の孵化に適切な水温は24~25度と言われており、水温によって日数が変わってきます。
あまり水温が低いとなかなか生まれてこないばかりか、孵化できずにそのまま死んでしまうことも。
反対に水温が高すぎると、十分に卵の中で生育するまで育たずに生まれてきてしまうので、生育に支障をきたす場合もあります。
メダカの卵はとても小さいですが、よく見ると成長していく様子を確認することができます。
卵には毛のようなものが生えていて、これによって水草などに付着することができるのです。
産卵から3日目あたりには卵の中に油滴を見ることができるようになるでしょう。
これは孵化後にも稚魚のお腹に残って、稚魚が育つための養分として使われます。
メダカだけでなくサケの稚魚などにも同じような油滴が付いているので、テレビなどで見たとことがある人もいるかもしれません。
さらに、この頃には臓器が脈打つ様子をも確認できるようになり、生命を強く感じられる瞬間です。
4日~5日経過すると黒い色素や心臓が脈打つ様子も見ることができるようになってきます。
およそ7日~10日経過するあたりには卵の中で動くようにもなり、孵化が近くなってきます。
回転運動をすることによって、稚魚は孵化するために卵膜を破ることができるのです。
孵化が近づくにつれて卵膜は弱くなってきますので、絶対に触らないようにしましょう。
この頃の卵膜や生まれたばかりに稚魚はとても柔らかいために、触ると死んでしまったり背骨が曲がってしまうという障がいを負ってしまったりすることもあるからです。
孵化直後は卵膜をかぶったまま泳ぎまわりますが、卵膜はそのうちに自然にはずれますので様子を見守ってください。
採卵して孵化させるまでは、実はやることもそんなに多くはなく、案外簡単にできます。
しかし、稚魚を死なせずに育てるためには気を付けるべきことがあり、 メダカの飼育で最も難しいのが「稚魚を飼育すること」だと言われています。
卵の状態のときはカルキを抜いていない水道が適切でしたが、 孵化が始まったらカルキ抜きをした水道水か、親メダカの水槽の水に変えましょう。
カルキは水道からくんでから1日~2日経過すると自然に抜けてしまいますが、孵化が始まったときにカルキが抜けていないと稚魚の命にかかわります。
メダカの稚魚は大きさによって呼び名が違います。
孵化してからおよそ2週間までの稚魚は「針子」と呼ばれ、それ以降は「稚魚」と呼ばれます。
生存率が低く育てるのが最も大変な時期が「針子」と呼ばれる生まれたばかりの稚魚なのです。
生まれたばかりの稚魚はお腹に栄養が詰まった「栄養袋」を持っていて、孵化後約3日間はエサを食べません。
この3日間は持って生まれた栄養袋があるので、水槽の環境さえ整っていれば生き延びることはそんなに難しくはないでしょう。
しかし、栄養袋がなくなった後が大変なのです。
最初の3日間を過ぎると、自分でエサを摂取しなければ生きていけません。
そのときに、針子が食べることができるエサを与えられないと餓死してしまいます。
大人のメダカは丈夫なのですが、稚魚はとてもデリケートで、水温や水質の変化が命取りになることもあります。
水温は25℃を保ち、フンや食べカスなどによって水質が悪化しないようにすることも、稚魚が生き延びるためには大切なことです。
エアポンプやフィルターなどによって起こる水流も、稚魚にとっては命取りになってしまうことがあります。
吸い込まれたり、水流に流されたりすることによって弱って死んでしまうのです。
卵を親から隔離していないと、親にとっては卵や稚魚はエサにしか見えないので食べられてしまいます。
親の他に小型の エビ 類などが一緒に水槽にいた場合は、それらにも捕食される危険があるでしょう。
また、屋外で飼育していると、ボウフラによって捕食されることもあります。
まずは稚魚が食べることができるエサを用意しましょう。
針子はとても小さいので、その小さい口で食べられる大きさにしてあげないといけません。
メダカ用の餌をすり鉢ですり潰してあげてください。
すっかり粉状になり、水面に浮くくらいの細かさにする必要があります。
水面に浮いた細かい粉のエサであれば針子も食べることができますが、沈んでしまったものは大きすぎる証拠なので食べられません。
沈んでしまったものは放置すると水質が悪化しますので取り除いてください。
メダカの稚魚用の餌も売られているので、それを利用しても良いでしょう。
ただし、稚魚用でも必ずしも食べてくれるとは限りませんので、はじめは数種類用意してあげるのが無難です。
参考価格:518円(税込)
内容量:20g
生産国:日本
針子の主食は、本来は水中のプランクトンなのですが、プランクトンだけを購入して与えることはできません。
そのため、 「グリーンウォーター」で育てるとプランクトンを与えることができます。
グリーンウォーターとは名前のとおり緑色の水のことなのですが、緑なのは「植物プランクトン」が発生して緑に見えているのです。
水の中にたくさんのプランクトンがいる状態ですね。
植物プランクトンはメダカの稚魚にとってとても栄養価の高いエサになります。
植物プラクトンを与えるとメダカの稚魚の生存率が向上し、丈夫に育つと言われています。
市販の稚魚用の餌やすりつぶしたえさを与えなくても、グリーンウォーターの中でなら育つことができるのです。
まさに、稚魚にとってはベストな環境と言えるでしょう。
グリーンウォーターを作ることはそんなに難しいことではありません。
水を入れた容器を日光が十分に当たる場所に置いておきましょう。
2週間ほどで水中にプランクトンが繁殖し水が緑になってきます。
グリーンウォーターを作る際には水草や赤玉などの、水を浄化させる作用があるものは入れないでください。
水草や赤玉などによって水が浄化されると植物プランクトンが繁殖しづらくなってしまいます。
日当たりの良い場所に水を入れた容器を置くだけで基本的には大丈夫です。
稚魚が孵化する頃を見定めてグリーンウォーターをあらかじめ作っておくと良いですね。
出来上がったグリーンウォーターはそのまま使わず、カルキ抜きした水道水を足して使うようにしてください。
あまり濃すぎると、水中が酸素不足になってしまいます。
抹茶のような濃い色だと濃すぎるので緑茶程度に薄めるように濃度を調整しましょう。
メダカの稚魚は水質の変化にとても弱く、水質が悪化すると死んでしまいます。
しかし、通常の水の浄化作用があるもの、エアポンプなどの設備をはじめヌマエビやヤマトエビなどの他の生物は、メダカの稚魚にとって危険ですから使うことができません。
メダカの稚魚はとても小さいうえに透明なので、水替えのときに誤って流してしまったり、傷つけてしまうこともあります。
あまりひんぱんな水の交換もしない方が良いでしょう。
そのため、水質維持のためには水替えの回数を減らすために水の量を多めにして飼育しましょう。
稚魚が食べ残したえさやフンは水質悪化を招くのですぐに取り除くようにしてください。
水槽内のごみを吸い取ることができるスポイトなどを使用すると良いです。
生後3週間ほど経過すると、メダカの稚魚の体も大きくなり、エサも少し大きいものを食べられるようになってきます。
この頃になると体も丈夫になってくるので、死んでしまう確率もだいぶ減ります。
孵化してから最初の2週間を乗り切ることが大切なのです。
大人のメダカは比較的丈夫で飼いやすい魚ですが、稚魚はとてもデリケートです。
稚魚の飼育法のポイントに注意するだけでもかなり生存率をあげることができるでしょう。
メダカの稚魚が育っていく過程を見ることは楽しいものです。
生存率が低いとされる最初の2週間に注意して環境を整えてあげれば、たくさんの稚魚の成長の様を間近で見る素晴らしい経験ができますね。
※合わせて読みたい: めだかの種類、値段、病気、飼い方
公開日 : 2018/01/23