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サザナミインコをお迎えする前に知っておきたいこと、飼う際の注意点
サザナミインコ(学名Bolborhynchus lineola)は、オウム目インコ科サザナミインコ属の 鳥類 です。
ノーマルカラーはグリーンですが、豊富なカラーバリエーションでコンパニオンバードとしての人気が高まっています。
美しいカラーに丸いシルエット、大きな瞳と、とても魅力のある中型インコです。
サザナミインコの全長は、約15㎝、体重はおよそ45g~70gです。
多少ではありますが、メスの方がオスより小型な個体が多い傾向にあります。
寿命は約10年と言われていますが、うまく飼育すれば15年以上生きる個体も存在します。
サザナミインコは、豊富なカラーバリエーションも魅力の一つです。
以下のようなカラーが存在します。
人気のカラーはグリーン系やブルー系です。
南アメリカ、西パナマ、ベネズエラなどの山岳部に生息しています。
涼しい森林地帯に群れを成して生活しています。
サザナミインコの性別判断は、見た目からは非常に困難です。
多少オスの方が大きいとされますが、比較してはっきり分かるほどではありません。
尾羽の中心に黒色が多く入っている個体にオスが多く、黒色が少ない(もしくはない)個体にメスが多いとされていますが、該当しない場合もあります。
ペアリングや繁殖をしたい場合には、動物病院で検査を受けると性別を判断することが可能です。
サザナミインコの繁殖は難しい方ではありません。
しかし、産卵をさせる場合には母鳥に負担がかかり、過度な繁殖は寿命を縮めてしまう可能性があるため、計画的に行いましょう。
通常であれば年に2〜3回の繁殖を行いますが、恵まれた飼育下であればそれ以上行う場合もあります。
インコ の交尾は、オスがメスの上に乗るような体制で行う場合が多いのですが、サザナミインコの場合は横に並ぶような体勢で行います。
繁殖の際は、巣箱にあらかじめ巣材を入れておくと、サザナミインコは好みの形の巣を作り上げます。
巣材には、親鳥や雛が絡まってしまわないものや、卵が沈んでしまわないようなものを使用しましょう。
卵は平均で6個ほど産卵します。
しかし、6個全てをお腹で温めるのは難しいため、無精卵と発覚したものは早めに取り除きましょう。
抱卵は基本的にメスが単体で行いますが、サザナミインコはオスも協力して行います。
卵は約21日で孵化します。
サザナミインコのヒナは致死率が多いことも特徴です。
なぜ死亡してしまうのか詳細は明らかになっていませんが、巣材にパインチップを使用することにより発生するカビが原因とも考えられています。
なお、約半数が死亡してしまうという例も報告もされています。
巣箱は大き目で、風通しの良いものを使用しましょう。
雛は生後50日程で巣箱から顔をのぞかせるようになります。
この頃になると、十分に羽が生えそろい、可愛い姿を披露してくれます。
生後60日程で親わけができるようになります。
個別に手乗りに育てたい場合には、この頃に親鳥と離すことをおすすめします。
親離れの時期は、早すぎても遅すぎても良くないため、様子を見ながら行いましょう。
巣箱をそのまま放置しておくと、連続で産卵に入ってしまいがちです。
整った環境があると発情しやすいため、雛が巣箱からでたら巣箱を撤去し、親鳥を十分に休ませる期間を設けることが必要です。
産卵期にはブリーダーや繁殖用といった高栄養食を与え、雛がかえった際には雛の分の餌の量も視野に入れ、十分に食事が摂れるようにしてください。
サザナミインコが野生下でどのような食事をしているのかは、詳しく明らかになっていません。
諸説ありますが、一説では木の芽を食べているとされています。
性格は大人しく温厚です。
動きもゆったりしており、攻撃性も少ない種類です。
噛みついたりすることも少ないため、小さな子供がいる家庭でも飼いやすいでしょう。
臆病な面もありますが、雛のうちからしっかりと愛情を込めて育てると、人間に懐く手乗りインコになることがあります。
サザナミインコの鳴き声は少し独特です。
基本的に響く声で鳴く種類が多いインコに比べ、サザナミインコはもごもごと籠った鳴き声を発します。
全体的にボリュームも小さく、鳴き響かないため、隣近所が近い方でも飼いやすいと言えるでしょう。
しかし、呼び鳴きの際はやや大き目な鳴き声を発します。
サザナミインコはおしゃべりも覚えることができます。
しかし、声そのものがもごもごしているため、あまり発音は良くありません。
単語も覚えますが、口笛で歌うことを得意としている子が多いようです。
サザナミインコは水浴びを好みます。
水浴びには、足が浸るくらいの容器か、蛇口、霧吹きをかけて行う方法があります。
いずれもしっかり体が乾く午前中から昼間に行いましょう。
どんなに寒い冬場でも、水浴びにお湯を使用してはいけません。
お湯を使用してしまうと、健康を保つために必要な脂分まで落ちてしまいます。
水浴びは必ず水で行ってください。
サザナミインコは鳥専門店か、鳥類を多く扱っているペットショップで見かけることができます。
まだそれほどポピュラーではないため、小さなペットショップにいることは少ないかもしれません。
サザナミインコの値段は15,000円程です。
珍しい配色になると30,000円以上する個体も存在します。
サザナミインコは ケージ 内をあまり飛び回ることはありません。
しかし、最低でも尾や羽を広げても窮屈しない広さが必要です。
また、野生化では樹木をよじ登ったり歩いたりして生活しています。
その習性を活かせるように、ケージ内にはよじ登れるタイプのおもちゃを入れてあげると喜びます。
参考価格:4,980円(税込)
メーカー名:G&G
サイズ(幅X奥行X高さ):47.5×36×91cm
サザナミインコの主食は、ペレットと混合シードの2種類が存在します。
サザナミインコにおすすめなのはペレットです。
混合シードは、ヒエ、キビ、アワなど数種類の種子類をブレンドした自然食です。
嗜好性が高く、比較的安価に購入することができます。
しかし、好きな種類ばかりを選り好みしてしまい、栄養バランスが乱れがちなことが欠点です。
また、嗜好性が特に高い種子は高カロリーなものが多く、肥満の原因に繋がります。
混合シードだけではインコに必要な栄養を補いきれないため、別途塩土や小松菜などでビタミン類やミネラル類を補う必要もあります。
参考価格:1,480円(税込)
メーカー名:BIRDMORE
内容量:1㎏
生産国:日本
ペレットとは、 ドッグフード や キャットフード のように、人工的に作られたコンパニオンバード用の総合栄養食です。
トウモロコシなどの穀物を主原料に使用しており、インコ類に必要なビタミン類やミネラル類などが添加されています。
これだけで必要な栄養をバランスよく補うことができるため、安心して与えることができます。
しかし、嗜好性が低く、食べてくれるようになるまで1週間から長くて1ヵ月と、時間がかかることが欠点です。
ペレットは選り好みの心配がなく、シードよりも消化に優れています。
また、繁殖期や換羽期用として高カロリー、高栄養食や腎臓食などの療法食もペレットには存在します。
動物病院でも療法食が必要な子にはペレットを処方することが多いため、普段からペレットに慣れさせておくと安心です。
着色されたペレットを与えていると、着色料の色が糞に混ざってしまいます。
糞は体調の異常を発見しにくいインコの大切なバロメータです。
糞に異常がないかを正しくチェックするためにも、なるべく無着色のペレットを与えることをおすすめします。
参考価格:2,188円(税込)
メーカー名:ZuPreem
内容量:907g
生産国:アメリカ合衆国
副食やおやつとして、小松菜やブロッコリー、トウモロコシなどの野菜類や、リンゴやぶどうなどの果物を与えると喜びます。
ペレット食の子には、混合シードもおやつとして与えると喜ぶようです。
ただし、シードは消化が悪く、未消化のまま排泄されてしまうという報告もされています。
参考価格:368円(税込)
メーカー名:黒瀬ペットフード
内容量:15g
生産国:日本
サザナミインコは群れで生活をしており、性格も温厚なため、複数飼育は可能です。
ただ、ほかの種類と同居する場合には、その種類が複数飼育に向いているか確かめる必要があります。
例えば、同じくらいの体つきであるコザクラインコは気が強く、ケンカやいじめをしてしまいがちなことから、複数飼育に向いていません。
このような種類と同居させると、サザナミインコはいじめられてしまう可能性が高いため注意が必要です。
また、サザナミインコ同士の同居であっても相性が悪い場合には、ケージや放鳥時間を分ける必要があります。
サザナミインコの飼育で最も注意が必要なのは、温度管理です。
野生下では高地に生息しているため、寒さに強く暑さに弱い個体です。
逆に他のコンパニオンバードは暑さに強く、寒さに弱いので、他の種類のコンパニオンバードの飼育環境で育てると、サザナミインコは体調を崩してしまいます。
夏場は成鳥であっても30度を下回るよう、空調管理を行いましょう。
暑い場合には体を細め、脇を広げる動作をします。
また、寒い場合には羽を膨らませてじっとしています(寝ている場合を除く)。
普通のインコとは真逆の温度管理が必要となるため注意してください。
多湿を苦手とすることも、熱帯雨林に生息しているインコとは異なる特徴です。
サザナミインコは涼しい場所を好みますので、直射日光を苦手とします。
しかし、直射日光を浴びることで鳥類はビタミンDを生成しています。
そのため、日光浴は鳥にとって欠かせません。
窓越しでは紫外線が大幅にカットされてしまうので、日光浴には向きません。
小さめのキャリーケージを使用するか、網戸にして、1日数分でも良いので日光浴をさせてあげましょう。
サザナミインコは、ほかのインコに比べ飲水量が多いことも特徴です。
そのため、正常な糞でも水っぽい軟便です。
下痢と勘違いしてしまいがちですが、正常な糞ですので、元気や食欲があれば問題はありません。
ただし、通常以上に水っぽい糞が続く場合には、なんらかの異常により下痢を起こしている場合もあります。
飼い主さんは普段の糞の状態を良く把握しておき、異常糞との区別を見極められるようにしておきましょう。
飲み水は常に新鮮なものを飲めるよう、毎日取り換えましょう。
サザナミインコは、飛ぶことよりも歩くことが好きな珍しいインコです。
そのため、放鳥中も歩いている姿をよく見かけます。
床を歩いていることももちろんあるため、踏んでしまわないように放鳥中は目を離さないことが大切です。
また、床にゴミが落ちていたり、テーブルなどの上にサザナミインコにとって毒性のあるものを置いてくと、好奇心から口に含んでしまい危険です。
放鳥前には放鳥部屋を片付け、掃除をしておく必要があります。
狭い隙間に潜り込まれないよう、室内は広々と保ちましょう。
サザナミインコは、コンパニオンバードとしてまだ歴史の浅いインコです。
そのため、飼い方や生態が明らかになっていない項目も多く存在します。
動物病院であっても、症状を把握しきれていない場合もありますので、毎日の健康チェックや、異常を早期発見できるよう、飼い主さんも知識を身に着ける必要があります。
書籍や経験を参考にし独学することや、飼育している人やサザナミインコに詳しい知人を作っておくことも大切です。
サザナミインコは一体どのような声を出すのか、シチュエーションによって違う鳴き声や、おしゃべりの様子を収めた動画をご紹介します。
あっと驚く一芸を見せてくれる動画もありますよ。
サザナミインコの鳴き声です。
やはりもごもご、ぶいぶいといった感じでこもっていますね。
耳に響くような声ではないため、とても可愛らしいです。
こちらは同じ鳴き声でも、飼い主さんや仲間を呼ぶ「呼び鳴き」です。
呼び鳴きの場合には響く声で、ボリュームも大きめです。
飼い主さんが部屋を退出する際に、呼び鳴きをすることがあります。
いつもぶいぶいと籠った鳴き声ではなく、このように大き目な声を出すことも頭に入れておきましょう。
サザナミインコは声自体がもごもごしているため、あまり発音がはっきりしません。
声は小さくとても可愛らしいので、おしゃべりがぎこちなくても、とても愛嬌があります。
おしゃべりが得意なセキセインコほど上手くは喋ることはできないようです。
単語をしゃべるよりも、口笛や音真似を得意とするサザナミインコですが、こちらは高難易度です。
なんと、歌詞付きで歌を歌っています。
何の歌かしっかり分かりますし、歌詞も聞き取れます。
若干ぎこちないところがとても愛らしいですね。
丸いボディと美しく豊富なカラーが魅力なサザナミインコ。
性格も温厚で大人しく、鳴き声も大きくないことから、コンパニオンバードとしてとても飼いやすい種類であると言えるでしょう。
しかし、その半面で独特の特徴の持ち主で、多くのコンパニオンバードとして飼われいるインコとは異なる一面もあります。
温度管理をはじめ普通のインコの感覚で飼育をしていると、致命的な結果にもなりかねないので知識が必要です。
サザナミインコをお迎えする際には、事前に生態をきちんと理解しておきましょう。
公開日 : 2017/11/19