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古くより日本の河川に住み着き人々との生活にかかわってきたヤマトヌマエビですが、ペットとして人気が出て定着するようになったのは戦後のことです。
熱帯魚飼育が一般的になった19700年代にタンクメイトとしての需要が深まり、ヤマトヌマエビもアクアリウムの代表格になりました。
それ以前は食用になることもなく、需要のないエビでしたが観賞用としての人気が高まったことで、国内でのブリードが始まりました。
現在は金魚やメダカ同様にペットして人気のある種類で、人々に親しまれています。
自宅での繁殖も可能ですが、幼体は汽水か海水域でしか成長しないため、繁殖にはコツが必要なエビです。
またヤマトヌマエビの飼育は農薬や殺虫剤などの薬品、タバコなどに弱い一面があるため注意が必要です。
野性の個体は川や海などの改修工事や水質悪化、熱帯魚業者の乱獲などによりその数は減少傾向にあります。
また、ダムの建設・川の堰き止めなどにより生息域が狭まった点も原因だと考えられていて、保護の動きが高まっています。
成長すると約35~45mmほどの大きさに成長し、ヌマエビ類としては大型に分類されます。
雌の方が大きいという特徴があり、最大50㎜になることもあります。
体色は黒色で、身体つきもずんぐりしていて立派です。
5対ある脚の2対は短く、小さな鋏を持っています。
尾の両端に楕円形の黒い斑点があり、身体側には線上に赤い斑点が並んでいます。
この赤い斑点は雄が点線状、雌が破線状になっているため、肉眼でも雄雌の区別をつけることが可能です。
通常エビ類を網ですくいあげると腹の筋肉を使い、ピチピチと跳ねるようなしぐさを見せますがヤマトヌマエビは歩行する特徴があります。
寿命は約3年前後で、大切に飼育すると5年近く生きる個体もいます。
雑食性であるため、藻類、小魚のエサカス、生物の死骸などを食べ、水槽内を片付けてくれます。
前2対の歩脚にあるハサミでエサをちぎり、忙しく口に運ぶ動作を繰り返しエサを捕食します。
ヤマトヌマエビは夜行性です。
日中はブロックや水草の陰に隠れてじっとしていることが多いですが、夜間に行動してエサを探します。
そのため、強い光に弱く飼育は風通しの良い日陰での飼育が推奨されます。
野性のヤマトヌマエビはアユと同じように幼少時に海に下り、成長すると川に遡上してくる両側回遊型と呼ばれる動物です。
生体の雌は繁殖期になると脱皮前にフェロモンで雄を誘発して交尾を行い、脱皮後に産卵します。
産卵された1000~4000個の卵は、腹脚に抱えて孵化するまで雌が保護をします。
そして、卵は徐々に緑色から褐色に変化していき、2週間~1か月ほどで孵化するのです。
幼体は1.5mmほどの大きさで生まれ、孵化した瞬間に親元を離れて海へ下ります。
幼体には塩分が必要不可欠で、少なくとも汽水状態の水質でないと生存することができません。
飼育下においては卵を抱えた雌を2週間目ぐらいから隔離して飼育し、さらには孵化した幼体を海水か汽水水槽に移して飼育します。
また、幼体を飼育する水槽には藻類を生やしておくとそれをエサに成長しますが、稚エビになるまでの約1か月はこまめな飼育が必要です。
ヤマトヌマエビを飼育するためのアイテムを紹介します。
飼育準備の参考にしてください。
ヤマトヌマエビのみの飼育でしたら、小型水槽での終生飼育が可能です。
こまめに水替えをすれば、そこまで水質にも気を使うことなく、気軽に飼育できる魅力があります。
しかし、他の魚との混泳を考えた場合には、その魚にあわせた飼育環境が必要です。
また、砂底を敷く場合には細かい目のものを選択すると良いです。
砂底を用意することで砂利に汚れが付着して水替えの頻度を抑えることができます。
最低でも1か月に1回は砂利も一緒に洗うようにし、清潔に保ってあげましょう。
温度管理もほとんど必要ないですが、30℃以上の高温には耐えられないので急激な水温の変化には注意してください。
参考価格:2,589円(税抜)
メーカー名:Tetra
サイズ(幅X奥行X高さ):52×27×30cm
重量:6.98㎏
生産国:中国
水槽内には 水草 を設置して、ヤマトヌマエビが隠れられる場所を作ってあげると良いでしょう。
野性の個体も水草や小石の陰に隠れて休息をとるので、水草があると落ち着いて生活することができます。
画像のような葉の細かいタイプの水草は、そのままヤマトヌマエビのエサとしても使用できるので、餓死するといった危険を回避する効果もあります。
他にもお好みの水草を入れていただくことで水草飼育を楽しみこともできるので、水槽内がぐっと鮮やかになりますよ。
参考価格:1,010円(税抜)
ヤマトヌマエビを掃除要因として飼育している場合でも、ヤマトヌマエビ用に給餌を行う必要があります。
上記のようなエビ用のエサも販売されておりますので、ヤマトヌマエビメインの飼育でしたら1日1~2回与えると良いでしょう。
混泳の場合には熱帯魚等のエサと併用で問題ありませんが、その際には沈下性の小粒のエサを与えるようにしましょう。
粒が大きすぎたり、浮遊性のものですとヤマトヌマエビがエサを食べることができずに餓死してしまう恐れがあります。
落ちてきたエサを起用に脚ではさみ、少量づつ口に運ぶ姿は愛嬌があり可愛らしいです。
しかし量はそんなに食べないので、残ったものは片付けるようにしましょう。
エサが残った状態のままですと消化不良による突然死、水質の悪化につながりますので与えすぎには注意が必要です。
参考価格:830円(税抜)
メーカー名:コメット
内容量:40g
照明器具を導入することにより、水槽内がグッと鮮やかになりまた水草の育成にも役立ちます。
光の種類を選ぶことができるものを選択すれば、好みやシュチュエーションによって照明の色を変えることができます。
しかし、水槽器具の中でもコストのかかる部分ではあるので、予算やヤマトヌマエビの状態を見ながら導入するのが良いでしょう。
参考価格:2,699円(税抜)
メーカー名:JOOCII
サイズ(幅X奥行X高さ):34.7×8×4cm
重量:372g
水温は23℃~28℃の間で設定し水質は弱酸性~弱アルカリ性の間に設定するとヤマトヌマエビが馴染みやすいです。
身体が白く濁ていたり、赤く爛れている個体は感染症にかかっている場合があるので隔離して様子を見てから混ぜるようにしてください。
ヤマトヌマエビはタンクメイトとして様々な魚との混泳が可能ですが、小型の魚との混泳がベストです。
ヤマトヌマエビより大型の魚との混泳はヤマトヌマエビが捕食されてしまう危険があります。
特に金魚との混泳はよく取り上げられる組み合わせではありますが、金魚は雑食性が強く口に入れば貪欲に捕食してしまいます。
メダカといった小型の魚で、ヤマトヌマエビの方が身体が大きい場合でも、ヤマトヌマエビから襲うことはほとんどないので混泳ができます。
しかし、衰弱して自力で泳げない個体に対しては脚で捕まえて捕食してしまうことがあるため、隔離して対応すると良いでしょう。
ヤマトヌマエビは丈夫な種類で初心者向きのエビですが、病気にかかることもあります。
その場合は、一度病気になったり衰弱してしまうと回復せずに死んでしまう可能性が高いです。
病気にならないように定期的な水替えをして、日々観察することがヤマトヌマエビが長生きできるコツだと言えます。
一般的に魚の病気として知られていますが、ヤマトヌマエビにも同様の症状がみられることがあります。
主に水質の悪化が原因で菌が繁殖してしまい、感染すると身体に白い綿のようなものがついているのが確認できます。
食欲不振や呼吸困難などの症状を引き起こして死に至ることがあります。
水が汚れていないか、チェックして水替えをして対応しましょう。
脱皮の際に完全に脱皮することができずに古い皮膚が残ってしまいそれが壊死して身体に菌が感染してしまう症状です。
栄養不足に陥ると完全に脱皮をすることができない場合があるので、十分にエサをあたえてヤマトヌマエビの免疫力を下げないようにしましょう。
もし、古い皮膚が残っているのが確認できた場合は無理に剥がさずに自力で剥がせるように隔離して様子を見ましょう。
水温が高温になってくると動きが鈍くなり脱皮に失敗する可能性があります。
ヤマトヌマエビの身体は本来青みが飼った黒い体色ですが、免疫が下がって弱ってくると内部が白濁してきたり、赤くなることがります。
この状態はヤマトヌマエビの不調のシグナルですので、水質や水温の確認をしてください。
必要ならば水替えをして様子を見ます。
このような症状がみられても急死することがありませんが、時間がたつといづれ死に至ることがあります。
食欲不振になっていないか、身体に傷はないかなどチェックしてみましょう。
分布 : 日本海の鳥取県以南、千葉県以南の太平洋側、マダがスカル、フィジー等
値段 : 300円前後
色 : 青みがかった黒色
寿命 : 3年前後
全長 :35~45mm
特徴 : アユと同様に両側回遊型であり、幼体は海で過ごすため塩分が必要不可欠です。多くの魚と混泳が可能で水草を足場に主に生活しています。
性格 : 穏やかで攻撃性はほぼないのでタンクメイトとしても重宝されています。
かかりやすい病気 : 水カビ病、脱皮不全等
注意点 : 繁殖には汽水・海水が必要なので難しいです。
ヤマトヌマエビの特徴や飼育方法をご紹介しました。
ペットとして気軽に始められるだけでなく、汎用性が高いことから水草水槽や熱帯魚水槽まで相性の良いエビです。
値段も安価に購入できるのでこの記事を参考に是非飼育を検討してみてください。
なお、ヤマトヌマエビは水替えの際に跳ねて落下することがあるので、水槽の蓋をしっかりとしめて飼育するようにしましょう。
本記事が皆さんの アクアリウム 生活を充実させる上で参考になれば幸いです。
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公開日 : 2017/10/19