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オカヤドカリは幼生からずっと海で暮らす一般的な ヤドカリ と違い、成体が陸の上で暮らす生き物です。
そのため販売されているオカヤドカリはどんなに小さな個体でも、分類としてはすべて成体となります。
また、オカヤドカリは飼育だけではなく、水槽のレイアウトでも楽しめる生き物です。
今回はそんなオカヤドカリの生態から飼い方までをご紹介します。
オカヤドカリは熱帯に住む生き物です。
台湾から南にかけて、インドや太平洋の島々の海岸付近に分布しています。
日本では主に小笠原諸島と南西諸島でその姿を見ることができます。
現在日本で確認されているオカヤドカリは
の七種になります。
昼間は岩の影や草花の下に隠れているのをよく見かけられるので、小笠原諸島や南西諸島に出かけた時には是非オカヤドカリの姿を探してみてください。
オカヤドカリは夜行性なので、昼間に出会えなかったときには夜に海岸や海に近い林の中などを歩き回ってみるとその姿を確認できると思います。
しかし、 日本のオカヤドカリはすべて天然記念物になっている ので捕獲はしないようにしてください。
一部の業者さんのみが、決められた個体数だけ、日本に生息するオカヤドカリを捕獲しても良いことになっています。
では、オカヤドカリは一体どんな特徴を持っているのでしょうか。
重力のある陸上で生活するからでしょうか。
オカヤドカリは力持ちです。
軽いものなら分厚いハサミで楽々持ち上げてしまいます。
そのため、水槽のレイアウトには軽い素材を使うことはお勧めしません。
重しを下につけてあげるか、もしくはある程度重量のある素材を使いましょう。
海で暮らすヤドカリは水質が変わってしまったときや体が大きくなってきたときに脱皮をします。
しかし、オカヤドカリは海のヤドカリに比べると良く脱皮を繰り返します。
小さな個体は特に脱皮の回数が多いようですが、大きくなって成長が落ち着いてくると多くても年に3,4回程度になるようです。
脱皮をするときは天敵に見つからないように砂に潜ることが多いです。
足を欠損してしまった個体はこの時に欠損部分を再生します。
再生につながる脱皮は長く時間がかかるため、なかなかヤドカリがでてこない、と思っても砂を掘り返すのはやめてあげましょう。
脱皮不全や、ヤドカリの体に傷がついてしまう原因になってしまいます。
また、脱皮をした後の殻はオカヤドカリにとって大事なカルシウム源です。
次の外殻の栄養として使われるので、取り除くことはしないでください。
他のヤドカリと同じように、オカヤドカリも貝殻から貝殻に引っ越しをします。
ヤドカリ(宿借り)という名前の通り、主がいなくなった貝殻を住処にするのです。
貝殻に入った体が大きくなってしまったらヤドカリは好みの貝殻を探して住処を移します。
オカヤドカリを飼育するときには、必ずそのヤドカリが被っている貝殻と同じぐらいか、少し大きめのサイズの貝殻をいくつか用意してあげましょう。
一般的に、オカヤドカリは10年から30年ほど生きると言われています。
一度ペットにすると長く付き合っていける生き物です。
オカヤドカリの飼育はそう難しいものではありません。
オカヤドカリの飼育に必要なものは
の5つです。
オカヤドカリの運動のために、水槽はどれぐらい大きくても良いです。
最低でも30cmは幅がある水槽を買いましょう。
複数飼育する場合は固体が小さくても、最初から大きな水槽を選ぶことをお勧めします。
サンゴ砂はたくさん敷いてください。
脱皮の時や隠れる時につかうので、少なくともオカヤドカリの全長がすっぽり埋まるぐらいには敷くのがベストです。
糞や餌の食べ残しなどで砂が汚れてきたら洗ってあげてください。
雑菌が繁殖してしまうこともあるので、2週間から1か月を目安に、砂を丸洗いして天日に干すと良いでしょう。
糞や食べ残しなどをこまめに箸やピンセットで取り除くと、あまり砂が汚れなくなるので こまめにメンテナンスをする ことをお勧めします。
砂をこまめに換えることはオカヤドカリの脱皮を邪魔してしまう要因にもなりますから、気づいたときに少しでも掃除をしてあげると良いでしょう。
冬はヒーターで水槽内を温めることが必要です。
乾燥してしまう冬は、オカヤドカリにとって気温も湿度も適していません。
また、湿度がないと弱ってしまうので霧吹きなどで湿気を与えてあげてください。
ヒーターは水槽全部を温めなくても良いですが、水槽内の温度が15℃を切る前に絶対に使用してください。
15度以下まで気温が低くなると弱ってしまいます。最悪死んでしまうこともあるので注意です。
オカヤドカリには水場が必要です。
何故オカヤドカリが陸で暮らしていけるのかというと、殻の中に秘密があるからです。
オカヤドカリは殻の中に水を貯めて水分を補給します。
なので、オカヤドカリが溺れてしまわない程度の深さの水を入れた水入れを水槽の中においてあげましょう。
ヤドカリは綺麗好きなので、水が汚れてくると水を飲まなくなってしまいます。
水に糞が混じってしまっているようでしたら、すぐに換えてあげてください。
また、オカヤドカリの成体は陸で暮らしますが、陸といってもオカヤドカリが生息する場所は海岸に近い場所です。
そのため人工海水を与えることも必要とされています。
人工海水を与えることによって脱皮不全を少なくすることができるので、初めは真水と人工海水の2つの水場を作ると良いでしょう。
オカヤドカリの遊び場でお勧めなのは流木です。
様々な形の流木を好きに組み合わせてレイアウトができますし、重量もオカヤドカリが動かせない程度の重さのものが多いです。
ヤドカリのための遊び場も販売されていますが、流木はその隙間が隠れ家にもなるためそういった点でもお勧めです。
オカヤドカリは雑食の生き物です。
基本的にはニンジンなどの野菜や肉、果物の切れ端を与えると良いでしょう。
塩分や添加物がさほど多いものでなければ人の食べ物も食べますし、海の近くに住んでいるので海藻や魚の切り身なども食べます。
汚れの原因になるので、与えた餌は毎日、とは言わずとも小まめに取り換えてあげてください。
また、オカヤドカリの好きな食べ物の一つにポップコーンがあります。
固体差があるのですべてのヤドカリがポップコーンを好きなわけではないのですが、与えてみると抱え込んで可愛らしく食べる姿を見ることができます。
オカヤドカリを飼育した際には是非与えてみてください。
つぶらな瞳のオカヤドカリは、夏が近くなるとペットショップでよく見かけることができます。
強い力を持つハサミで手を挟まれてしまうこともあるため、常に触れ合うことができるペットというわけではありませんが、そこまで手間もかからないため思い立って飼育し始めることも可能です。
ヒーターなどの専用の設備も、今は爬虫類や両生類を扱っているペットショップも多いですから購入も簡単です。
その可愛らしさに一目惚れしてしまったら是非、一度飼育してみてください。
オカヤドカリを飼育したいと考えている方や現在飼育している方に、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
最終更新日 : 2021/04/01
公開日 : 2017/10/06