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鋭い目つきに大きな嘴、灰色に染まる全身を見ると、まるで古代の生き物のような見た目です。
動物園 で観察をしても、じーっとしていて全く動いてくれないので、置物と間違えてしまいそうです。
とあるテレビ番組の実験では、9時30分~16時30分までの7時間ハシビロコウをを観察したところ、動かなかった時間は5時間58分もあったそうです。
そこまで動かなかったら、置物に間違われてもおかしくないですよね。
なぜそんなに動かないのだろうかと疑問に思う人も多いと思いますが、それにはしっかりとした理由があるのです。
ハシビロコウが動かない理由ですが、それは餌を狩るためです。
ハシビロコウは獲物が近くに来るまでじっと待ち、獲物が近づいてきたら素早く動いて捕食します。
この動画は飼育下のハシビロコウなので動きが多いようにも見えますが、それにしてもゆっくりとした動きです。
野生下では湿地帯でハイギョ(肺で呼吸をする魚)を狩って食べています。
このハイギョですが、数時間ごとに呼吸をするために水面に上がってきます。
その一瞬を狙って捕食するので、何時間もじっとしているようになったのです。
餌を狩るために身につけた性質なのですね。
他にも、もっと詳しくハシビロコウについて調べていきましょう。
全長は約120cm、体重は5~6kgあります。
高さはありますが、体重は人の赤ちゃん程度しかありません。
また、ふ蹠(踵から趾まで)や趾が長く、ふ蹠は21.7-25.5cm、中趾は16.8-18.5cmあります。
世界最大で、同じようにふ蹠が長いダチョウ(全長2.5m、体重150kg)と比べてみると、全長はハシビロコウの約2倍なのに対し、体重は30倍になります。
なぜここまで違いがあるのかと言うと、ダチョウは飛べませんがハシビロコウは飛ぶことができる鳥だからです。
そのため翼も大きく、翼を広げた大きさは230-260cmもの大きさになります。
また、独特な嘴ですが、こちらは18.8-24cmあります。
実は、嘴が大きくなった理由もあるのですが、それは『食性』で紹介しましょう。
ハシビロコウはアフリカ東部から中部の湿地帯に住んでいます。
この湿地帯ですが、大型の肉食獣やワニなどの天敵となる生物が少ないため、ハシビロコウにとって住みやすい環境なのです。
実は、しっかりと解明されていません。
しかし、かなり長寿なようです。
現在日本で飼育されているハシビロコウで一番長生きをしている個体は、なんと50歳ごえ!
まだまだ長生きして欲しいですね。
また、ハシビロコウは歳をとると目の色が変わります。
若いハシビロコウは目の色が黄色く、大人のハシビロコウは青色に変化しています。
ちなみにですが、大人気アニメ『けものフレンズ』で登場するハシビロコウの目の色は黄色です。
目の色から判断すると、若い設定なのでしょう。
ハシビロコウは、ほぼ鳴きません。
なぜかというと、鳴管という 鳥類 が持つ発声期間が退化しているからなのです。
(動画では少しだけ「ムキュムキュ」というような鳴き声をしています。)
その代わりに、『クラッタリング』という行動をします。
『クラッタリング』とは、嘴を叩き合わせるように激しく開閉することで音を出す行動です。
これはディスプレイ(求愛行動や威嚇)や、仲間間の合図で使用されています。
ハシビロコウは魚食性です。
野生下では、ハイギョやティラピア、ナマズなどを食べます。
このような種類の魚を食べるのには、生息地が関係してきます。
ハシビロコウが住む湿地にいる餌となるものが、魚のハイギョだったのです。
そのため、ハイギョは縄張り意識が強くあまり移動をしない魚なので、この魚を捕えるためには気長に、動かずに待つしかなかったのです。
さらに、その魚を捕まえるための特徴がもう一つあります。
それが、独特な嘴です。
大きなハイギョを捕まえるために、大きな嘴になったのですね。
また、魚以外にも餌として食べることがあり、 カエル や水性の ヘビ なども食べることがあるようです。
掛川花鳥園のハシビロコウ「ふたば」さんが餌の魚を食べようとしてるけど上手に食べられない様子、何回も挑戦してるのを辛抱強く見てたら最後の最後でマジかよってなりました。 pic.twitter.com/ZsFPPWHuHd
— クロメット (@kurometG) June 20, 2017
飼育下ではコイを餌として与えていることが多いようです。
こちらは掛川花鳥園にて撮影された映像なのですが、餌を食べやすくするために嘴が大きくなったはずなのに、なぜか上手に食べることができないみたいです。
分類:鳥綱 コウノトリ目(ペリカン目と言われることもあり) ハシビロコウ科
和名:嘴広鸛(ハシビロコウ)
英語名:Shoebill
全長:約120cm
体重:5~6kg
翼開長:230-260cm
ふ蹠:21.7-25.5cm
中趾:16.8-18.5cm
嘴峰長:18.8-24cm
生息地:アフリカ東部から中部の湿地
寿命:解明されていない。現在(2017年)の日本最高齢のハシビロコウは50歳。
鳴き声:ほぼ鳴かないが、クラッタリングをする。
食性:魚。主にハイギョ。
こんなに人気があると、ハシビロコウを飼ってみたい!という人出てくるのではないでしょうか。
しかし、ハシビロコウは個人的に飼育することは可能なのでしょうか。
まず、入手方法ですが、ハシビロコウの飼育下での繁殖成功例は世界で2例しかなく、日本では繁殖できていません。
そのため、ハシビロコウを入手するには海外から輸入するしかありません。
しかし、ハシビロコウはワシントン条約付属書Ⅱに記載されている動物なので、輸出国の許可が必要となります。
相当な額のお金と人脈がなければ難しいでしょう。
万が一、ハシビロコウの入手ができたとします。
その場合には飼育環境を整えなければなりません。
まず飼育スペースですが、湿地帯に住んでいるので池は必須となります。
さらに飛ぶ可能性もあるので、飼育スペースを網か何かで囲った方がいいでしょう。
あとは、程よく草木を生やしてあげましょう。
野生下だとヨシやパピルスといった植物が生えている環境で休憩をとるので、そのような植物を植えてあげたいですね。
次に餌ですが、コイをたくさん用意しましょう。
量はハシビロコウがいる動物園のスタッフに相談し、自身でコイを繁殖するか、コイの専門店にて入手します。
最後に、多頭飼いはあまりおすすめできません。
なぜなら、ハシビロコウは単独行動を好むからです。
もし多頭飼いをする場合は、同じような敷地を2つ用意しましょう。
法律的に言えば飼育は可能です。
しかし、現実的に考えると、ハシビロコウを個人で飼育するのは限りなく不可能に近いです
本来ならば他にも準備しなければいけないことはありますが、上記内容だけで考えても飼育する前の時点でアウトです。
個人的に飼うことは諦めて、動物園でハシビロコウを観察しましょう!
秋を運ぶハシビロコウ #上野動物園 #ハシビロコウ pic.twitter.com/HXqocGytfp
— 三照竹代 (@miterudakeyo) September 30, 2017
5羽のハシビロコウがいます。
メスは「アサンテ」「サーナ」「ミリー」の3羽、オスは「ハトゥーウェ」「シュシュ・ルガンダ」の2羽です。
上野動物公園のハシビロコウですが、『意外と動く』ことで有名です。
動いただけで有名になるのですごいですね。
また、『けものフレンズ』ともコラボをしており、ハシビロコウの案内用のパネルが『けものフレンズ』仕様になっています。
住所:東京都台東区上野公園9-83
マップ: Googleマップ
電話番号:03-3828-5171
入園料:一般600円 中学生200円
営業時間:9:00~17:00
ハシビロコウの数:5羽(メス3羽、オス2羽)
みんな大好きハシビロコウさん! #神戸どうぶつ王国 #ハシビロコウ pic.twitter.com/xDNB1hliDY
— 雅 (@miyamofuu) September 23, 2017
4羽のハシビロコウがいます。
メスは「マリンバ」「カカシ」の2羽、オスは「ボンゴ」「アラサト」の2羽です。
園内の『アフリカンウェットランド』にて展示されています。
売店ではハシビロコウグッズがたくさん販売されており『ハシビロコウハンカチ』や『ハシビロコウのたまご』というお菓子、『ハシビロコウのパペット』や『ハシビロコウのぬいぐるみ』もあります。
住所:神戸市中央区港島南町7-1-9
マップ: Googleマップ
電話番号:078-302-8899
入園料:大人(中学生以上)1,500円
営業時間:平日100:00~17:00 土日祝日10:00~17:30
ハシビロコウの数:2羽(メス2羽、オス2羽)
以前ここで撮ったハシビロコウさん上げておくよ
— てっこりアゲ (@tekkori_age) September 24, 2017
先週も土砂降りのなか撮ったけどまだRAWデータのままです???? #千葉市動物公園 #ハシビロコウ pic.twitter.com/BwP1ZWZZen
2羽のハシビロコウがいます。
メスは「しずか」の1羽、オスは「じっと」の1羽です。
ハシビロコウの特徴をとらえている名前でかわいいですね。
あまりにも動かないせいで、上顎の内側に藻が生えてしまったそうです。
住所:千葉市若葉区源町280
マップ: Googleマップ
電話番号:043-252-1111
入園料:大人(高校生以上)700円 中学生以下無料
営業時間:9:30~16:30
ハシビロコウの数:1羽(メス1羽、オス1羽)
動かないようで動くような動かないふたばさん
— まろすけ (@su6u6zu) September 27, 2017
8/9 #ハシビロコウ #掛川花鳥園 pic.twitter.com/fvUEDZZgbo
1羽のハシビロコウがおり、展示の開始が2016年7月なので、展示されたのが一番新しいハシビロコウです。
性別不明で名前は「ふたば」です。
こちらの動画では、ハシビロコウが飼育員さんに近づき、クラッタリングをしながらお辞儀をしています。
これはハシビロコウの『挨拶』や『求愛』を示しています。
コウノトリなども行う行動で、鳥同士のコミュニケーション手段の一つです。
まだ展示されてから1年くらいしか経っていませんが、餌をくれる飼育員さんに対して愛情表現をしているのでしょうね。
住所:静岡県掛川市南西郷1517
マップ: Googleマップ
電話番号:0537-62-6363
入園料:大人(中学生以上)1,200円 小学生550円
営業時間:平日9:00~16:30 土日祝日:9:00~17:00
ハシビロコウの数:1羽(性別不明)
シャボテン公園来てます!
— あやさん (@ayachocosan0720) August 7, 2017
ハシビロコウさんに、やっと会えた❣️
伊東市、まだ雨降ってない???????? #シャボテン公園 #ハシビロコウ #台風 #伊東市 pic.twitter.com/KAVkJdNGDM
1羽のハシビロコウがいます。
オスの「ビル」というハシビロコウですが、日本最高齢のハシビロコウです。
年齢は約50歳と言われています。
園内の『バードパラダイス』内にいますが、高齢のためか室内にいることが多いです。
室内にいる場合は、モニターにて観察することが可能です。
住所:静岡県伊東市富戸1317-13
マップ: Googleマップ
電話番号:0557-51-1111
入園料:大人(中学生以上)2,300円 小学生1,100円
営業時間:9:00~17:00(3月~10月) 9:00~16:00(11月~2月)
ハシビロコウの数:1羽(オス1羽)
謎が多いハシビロコウですが、その生息数は年々減ってきています。
農地の開拓や水質汚染など、理不尽な理由で住処がなくなってしまっているのです。
もっとハシビロコウが住みやすい環境ができることを願いたいですね。
最終更新日 : 2020/11/09
公開日 : 2017/10/06