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ジョウビタキはペットとして飼育できない鳥、保護した場合はどうする?
ジョウビタキ(尉鶲、常鶲、学名:Phoenicurus auroreus)は、スズメ目、ツグミ科(ヒタキ化)に分類されます。
日本では冬に見ることのできる、小柄な渡り鳥です。
ジョウビタキの特徴は、おじぎをするような体制で、尾羽を上下に振りながら鳴く姿です。
このことから、ジョウビタキは「おじぎをしている」「なにかに謝っているようだ」と言われています。
クロジョウビタキ(オス)
シロジョウビタキ(オス)
クロジョウビタキのオスは、頭部白色が狭く、顔から胸、背中は黒色です。
メスに特徴的な模様はなく、全体的に褐色です。
中央アジアから南アジア、ヨーロッパに分布しており、日本にはまれに迷鳥としてまれに観測されることがあります。
シロジョウビタキのオスは、頭から背中、翼までが灰白色をしています。
メスも背中が白色なことが特徴です。
中央アジアからヨーロッパ、冬はアフリカ熱帯域に分布しています。
日本には迷鳥としてまれに観測されますが、観測記録はクロジョウビタキより少数です。
大きさは13㎝~15センチほどです。
この大きさは、スズメと同じくらいか、それよりもやや小さいくらいです。
体重は13g~20gと、とても軽量です。
ペットとして人気の高い小鳥である、セキセイインコの体重はおよそ30g~35gですので、ジョウビタキは セキセイインコ の半分ほどの軽さです。
ジョウビタキの鳴き声は、「チッチッ」「ヒッヒッ」「カッカッ」という比較的大きな響く声で鳴きます。
鳴き声が独特で良く響くことから、鳴き声からジョウビタキが近くにいることが分かります。
ジョウビタキ:オス
ジョウビタキ:メス
ジョウビタキのオスとメスは、見た目で簡単に見分けることができます。
オスの頭部は銀色をしており、胸から腹部は、鮮やかなオレンジ色、顔や背中、翼は光沢のある黒色をしています。
鮮やかな色彩のオスに比べ、メスは全体的に灰色がかった褐色で、翼はワントーン濃い色をしています。
オス、メスともに共通するのは、翼にある白い模様です。
写真などでよく見かける鮮やかな色がオス、全体的にスズメを薄くしたような色合いがメスです。
キジをはじめとする野鳥は、オスは鮮やかな色、メスは地味な色をしている種類が多いですね。
ジョウビタキはチベット、中国東北部、ロシアの極東部沿海地方、バイカル湖周辺で繁殖をしています。
非繁殖地には日本、中国南部、インドシナ半島北部に分布します。
渡り鳥は「夏鳥」、「冬鳥」、「留鳥」、「漂鳥」、「旅鳥」の5種類に区別されます。
ジョウビタキは、この中の「冬鳥」に該当します。
冬鳥であるジョウビタキは、秋から冬にかけ日本に渡来し、春に日本を離れます。
日本では基本的に繁殖は行わず、日本より北方で繁殖(子育て)を行います。
日本には冬越えのためにやってきます。
日本には非繁殖期に飛来するジョウビタキですが、北海道で何度か繁殖が記録されています。
また、2002年には豊橋総合動物公園が、日本で初めてジョウビタキの繁殖に成功しました。
この時は、6羽のヒナのなか、2羽が成育したとのことです。
「ジョウビタキ」という名前は、少し発音しにくい名前ですよね。
なぜこの 鳥 が「ジョウビタキ」と呼ばれているのか、その由来は少々ユニークなものです。
昔は、高齢の男性を「翁」や「尉」と呼んでいました。
ジョウビタキのオスの頭部は、銀色で、人間の白髪を連想させます。
このことから、ジョウビタキの「ジョウ」は、人間の「白髪」から来ているとされています。
後半の「ビタキ」ですが、この由来は「火焚」から来ているとされています。
理由は、火打石を叩くような音で鳴くことから、火焚に例え「ビタキ」と呼ばれるようになったそうです。
ジョウビタキの名前の由来は、白髪の「ジョウ」と火焚の「ビタキ」を合わせて「ジョウビタキ」となりました。
白髪と火打石の音を組み合わせた名前といのは、少々不思議な発想ですね。
ジョウビタキは別名を「モンツキドリ」とも呼ばれています。
これは、ジョウビタキの翼にある白い模様が、着物の「紋」に似ていることから、「紋付き鳥」と呼ばれるそうです。
この、モンツキドリ(ジョウビタキ)には、瀬戸内地方でスズメとの昔話が存在します。
スズメとモンツキドリは、姉妹です。
ある日、母親が重病を患ってしまいました。
この時、スズメはお歯黒(歯を黒く染める化粧のこと)を塗っていましたが、知らせを聞くとすぐさま行為を中断し、母の元に向かいました。
そのため、スズメは無事、母を看取ることができました。
一方のモンツキドリは、知らせを聞くと、化粧をしたり紋付きを着たりと、身支度に時間を費やし母のもへ向かいました。
身支度に時間をかけすぎたモンツキドリは、母の死に目に間に合うことができませんでした。
モンツキドリに激怒した父親は、モンツキドリに勘当を言い渡しました。
勘当されたモンツキドリは、今でも頭を下げ、父親に謝り続けているのです。
スズメのくちばしの一部が黒いのは、塗りかけたお歯黒が残っているとされています。
ジョウビタキを始めとする野鳥は、ペットとして飼育することは法律で禁止されています。
これは、「鳥獣保護法(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律)」という法律で定められています。
この法律は、自然環境や生態系の維持、絶滅防止のために、「野鳥は野に」という考えのもと定められた法律です。
しかし、野鳥は時折ガラスなどにぶつかり、ケガをしてしまう場合があります。
そんな野鳥を保護した場合は、どうしたらよいのでしょうか。
軽い脳しんとうの場合は、数分で意識を取り戻し、飛び去って行くこともあります。
しかし、骨折など日数を要する場合には、違法捕獲と誤解されないために、必ず担当機関に連絡するようにしましょう。
ジョウビタキを始め、野鳥を保護した際の連絡先は、各都道府県にある「野生鳥獣担当機関」です。
速やかに野生鳥獣担当機関に連絡し、指示を仰ぎましょう。
ジョウビタキは11月~3月に多く日本で見ることができます。
日本全国で観察されており、関東地方や関西地方で特に多く目撃されています。
根雪のない地方に飛来し、林や河川敷を始め市街地などの開けた場所に1羽で現れます。
民家の庭先を縄張りに選ぶこともあるため、家の中からでも気軽にバードウォッチングができる渡り鳥です。
「チッチッ」「カッカッ」という鳴き声が聞こえたら、ジョウビタキが近くにいる可能性があります。
ジョウビタキは早朝に見かけることが多いため、朝日と共に観察してみると、出会える確率が上がります。
ジョウビタキは人をあまり恐れることがありません。
そのため、庭先や公園など、人気のある場所でも見かけることができます。
また、人の近くに降りてきて、餌を食べる姿を見ることも珍しくはありません。
うまく餌をあげていると、手の上に止まってくれることもあるほどです。
人をあまり恐れないことから、「バカビタキ」などと呼ばれることもあるのだそうです。
日本には冬越えのためにやってくるため、基本的に繁殖は行いません。
非繁殖期のジョウビタキは、1羽で活動しています。
縄張り意識が非常に強く、自分の縄張りに入ってきたものは、オスメス問わずに追い払います。
車のサイドミラーに映った自分を縄張り内への侵入者だと思い込み、威嚇する姿を見かけることもあるほどです。
可愛らしい仕草ともいえるのですが、サイドミラー付近が糞まみれになってしまうので、車のことを考えると追い払ったほうが良いのかもしれません。
ジョウビタキは意外とすぐそばに居たりするのですが、残念ながら気づかれないことが多いようです。
それは、主にメスがスズメに似ているからです。
スズメと大きさや色は似ているのですが、ジョウビタキは単独で行動することや、鳴き声が独特であることから判別することができます。
ジョウビタキは普段、クモなどの昆虫を主食として食しています。
しかし、餌の少ない冬場には、ピラサンカやヒサカキの実も好物として食べています。
庭にジョウビタキを招きたい場合は、このような実を置いてみると良いでしょう。
また、落ち葉などをかき分けて、虫を探している姿を見かけることもあります。
ジョウビタキはスズメ目ツグミ科に分類される、渡り鳥です。
大きさは15㎝、体重は20gほどと、非常に小柄な冬鳥です。
おじぎをするような鳴き方や、白い頭、オレンジ色の腹部が特徴です。
日本には冬越えのために飛来し、春に去っていきます。
ジョウビタキは人間の住む環境に近い場所を縄張りにすることが多く、バードウォッチングがしやすい野鳥です。
冬場に「チッチッ」という鳴き声が聞こえてきたら、スズメのような小さな鳥を探してみてください。
鮮やかな色合いならばオス、灰色みを帯びた褐色であればメスのジョウビタキです。
冬場は、ジョウビタキを始め、様々な魅力あふれる渡り鳥が冬越えのため日本に飛来します。
この機会に、バードウォッチングを始めてみてはいかがでしょうか。
公開日 : 2017/09/21