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3.イソギンチャクと共生させるべき?カクレクマノミが好むイソギンチャクは?
カクレクマノミが好むイソギンチャクと初心者にお勧めのイソギンチャク
4.カクレクマノミの飼育方法と必要なもの イソギンチャクの有無も含めて
2003年に映画『ファインディング・ニモ』が公開されてからカクレクマノミは一躍有名になりました。
そんな影響もあり、カクレクマノミを飼育してみたいと思われた方も多いのではないでしょうか。
オレンジと白のコントラストが美しく、何よりイソギンチャクと共生している姿が本当に愛くるしいですよね。
今回は実際に飼育する前に知ってほしいカクレクマノミの特徴や、飼育設備・方法、共生するイソギンチャクの特徴、販売されている生体の選び方など、できるだけ分かりやすく説明していきます。
カクレクマノミってどれも同じじゃないの?いいえ。違うのです。
カクレクマノミの種類は同じでも飼育難易度や見た目(色合い・模様)がタイプによって変わります。
今回は一般的に販売されているカクレクマノミについて、3タイプに分けてご紹介します。
販売名が『カクレクマノミ ブリード』などの表記になっていることが多いです。
ブリード個体とは、簡単に言うと人が繁殖させた養殖個体のことを指します。
<メリット>
飼育が容易。人の手で飼育されているため、人工餌に餌付いている個体が多い。
人工海水で飼育されていることが多いので、市販の人工海水で問題が起こりにくい。
価格が安い。白いバンド模様が途切れているなどのイレギュラーな模様をしている個体が多い。
<デメリット>
イソギンチャクに入りにくい。
イソギンチャクのない環境で育つため、思ったようにイソギンチャクに入らない可能性があります。
販売名が『カクレクマノミ ワイルド』または『カクレクマノミ ○○産』などの表記になっていることが多いです。
ワイルド個体とは、簡単に言うと海で実際に捕まえた野生個体のことを指します。
<メリット>
イソギンチャクに入りやすい。
大きい個体が多い。大きい個体は丈夫で飼いやすく、また他魚との混泳の際にも虐められる心配が少ない。
色鮮やかな個体が多い。例えば沖縄産のカクレクマノミはオレンジが強く発色している個体が多く見られ、観賞性が高く人気があります。
<デメリット>
ブリード個体に比べて餌付かせる必要がある。
ただし、カクレクマノミ自体人工飼料に餌付きやすい種類ですので、お店で餌付いている個体が多いです。
買う前に店員さんに餌付いているかの確認をしてみましょう。
『カクレクマノミ ペア』と表記され販売されています。
ペア個体とは、オスとメスが夫婦になっていてセットで販売していることを指します。
タイプ2のワイルド個体の中でさらに、ペアで生息している生体を捕まえて販売していることが多いです。
<メリット>
カクレクマノミは複数飼いをすると縄張り争いなどで喧嘩をすることがありますが、ペア個体はその心配がありません。
仲が良く寄り添っている姿を見ることができ、繁殖にもチャレンジできます。
<デメリット>
3匹以上の複数飼いをする際にはペア以外の個体が攻撃されることが多くお勧めしません。
価格が高めに設定されています。
ペアと表記されているからと言って必ずしもペアではないことがあります。
輸送中にペアが解消されて不仲になることがありますので、じっくり観察して見極めましょう。
カクレクマノミの性別は我々人間とは異なり、生まれた時点では全てオスなのです。
集団の中で一番大きな個体がメスへ性転換します。
そのメスが死んでしまったり、集団からいなくなると、次に大きな個体がまたメスへと性転換をするのです。
したがって、お店で販売されているカクレクマノミの性別を見分けるのは困難ですので、繁殖を目的にペアで飼育したい場合はペア売りを買いましょう。
カクレクマノミのワイルド個体には深場タイプと浅場タイプがあります。
水深の深い所で生息している個体が深場タイプ。浅い所で生息している個体が浅場タイプと呼ばれます。
深場タイプの特徴は黒ぶち模様が少なくオレンジ色が鮮やかで綺麗であるということ。
これは光が少ない場所で生息しているためです。
一般的な浅場タイプは太陽光から皮膚を守るためにオレンジ部分に黒色が入るのです。
しかし、深場タイプは簡単に捕獲できないため流通量が少なく価格も高いです。
それでも深場タイプのカクレクマノミを飼育してみたい方は照明を弱く設定することをお勧めします。
こうすることによって、鮮やかなオレンジ色が長期的に保たれます。
カクレクマノミを飼育するならイソギンチャクも一緒に飼いたいと思われる方が多いでしょう。
しかし、 アクアリウム 初心者の方にお勧めすることは 『まずはカクレクマノミだけで飼育しましょう。イソギンチャクはいれないこと』 です。
理由はカクレクマノミに比べると、イソギンチャクの飼育は圧倒的に難しいからです。
イソギンチャクが死んでしまうと、飼育水をかなり汚します。
その影響でカクレクマノミも死んでしまうことがよくあります。
したがって、まずは飼育が容易なカクレクマノミだけで飼育し、飼育のコツを掴んできたら、イソギンチャクにチャレンジするようにしましょう。
カクレクマノミが好んで入るイソギンチャクはハタゴイソギンチャクとセンジュイソギンチャクです。
ワイルド個体ならほぼ間違いなく共生します。
しかし、飼育難易度が高く初心者には難しい種類です。
また価格も高価で約5000~10000円ほどで販売されています。
初心者にお勧めするイソギンチャクはサンゴイソギンチャクとタマイタダキイソギンチャクです。
カクレクマノミの入りやすさでいうと、上記のハタゴイソギンチャクやセンジュイソギンチャクには及ばないですが、入る可能性はあります。
この2種をお勧めする最大の理由は飼育難易度がイソギンチャクの中では易しいことです。
そして価格も安価で約1500~3500円ほどで販売されています。
しかし、カクレクマノミが入らないのは嫌だと思う方もいらっしゃいますよね。
確実に入るサンゴイソギンチャクやタマイタダキイソギンチャクが欲しいという方にお勧めする購入方法があります。
それは、販売水槽でカクレクマノミとイソギンチャクが一緒に売られているお店に行き、その中で共生している個体を選ぶことです。
この方法が最も簡単でお勧めの購入方法です。
上記にも書きましたが、カクレクマノミ単独で飼育する場合とイソギンチャクと一緒に飼育する場合では飼育難易度が違います。
したがって、飼育に必要な用品も違ってきます。
今回はカクレクマノミ単独での飼育パターンとイソギンチャクと一緒に飼育するパターンで説明します。
30cm以上の水槽を用意しましょう。
30cm水槽での目安飼育数は2匹です。
60cm水槽では混泳できる魚種含め、目安飼育数は5~10匹ほどです。
※水を綺麗に保つろ過フィルターの種類や水換え頻度によって上記の限りではありません。
水槽の大きさに合ったフィルターで十分に飼育可能です。
飼育を容易にしたい、水換え頻度を少なくしたい方は水槽の大きさに対して、ろ過フィルターの大きさをワンランク大きいものにすることをお勧めします。
基本的には何でも大丈夫です。
お勧めはブルー球とホワイト球がある商品です。
カクレクマノミがより美しく観賞できます。
最適水温は24~26度前後です。
それに合わせて、必要なヒーターとクーラーを用意しましょう。
海水の最適比重は1.023前後です。
市販されているもので大丈夫です。
ライブロックはただの飾りではなく、水の浄化に欠かせないものです。
30cm水槽で約2kg、60cm水槽で約5kgを目安として購入しましょう。
水槽底面に敷きます。
約3cmほどの厚さで敷きましょう。
60cm以上の水槽を用意しましょう。
60cm水槽では混泳できる魚種含め、目安飼育数は魚5匹ほど、イソギンチャクは1匹にしましょう。
※水を綺麗に保つろ過フィルターの種類や水換え頻度によって上記の限りではありません。
水槽の大きさよりワンランク上のろ過装置を使いましょう。
外部式フィルター、上部フィルター、オーバフロー式ろ過フィルターなどです。
また、吸水パイプにはイソギンチャクが吸い込まれないようにスポンジを被せましょう。
イソギンチャクを飼育する上で照明は欠かせません。
サンゴイソギンチャクは他のイソギンチャクに比べると低光量で飼育可能ですが、最低でも水槽規格に合う照明を使用しましょう。
水中のタンパク質汚れを取り除く装置です。
水を綺麗に保つために、水槽の規格に合うものを使用しましょう。
水中の病原菌を殺菌するための装置です。
水槽の規格に合うものを使用しましょう。
最適水温は24~26度前後です。
それに合わせて、必要なヒーターとクーラーを用意しましょう。
ヒーターはイソギンチャクが直接触れないようにヒーターカバーを使用しましょう。
海水の最適比重は1.023前後です。
サンゴ用として販売されている人工海水をお勧めします。
ライブロックはただの飾りではなく、水の浄化に欠かせないものです。
30cm水槽で約2kg、60cm水槽で約5kgを目安として購入しましょう。
水槽底面に敷きます。
約3cmほどの厚さで敷きましょう。
本記事内に登場したカクレクマノミやイソギンチャクの情報を掲載していきます。
英名:Ocellaris clownfish
別名:クラウンアネモネフィッシュ
生息地:西部太平洋やインド洋、日本では沖縄周辺に生息している。
販売価格:1000~2000円
大きさ:8~11cm
水温:22~26度前後
餌:人工飼料、冷凍または活きエサ(イサザアミやホワイトシュリンプなど)
好むイソギンチャク:ハタゴイソギンチャク、センジュイソギンチャク
性格・混泳:温和な性格で、他魚との混泳は成功しやすい。しかし、同種、近縁種の混泳は縄張り争いが起こりやすく注意が必要。
生息地:西部太平洋、日本では沖縄周辺に生息している。
販売価格:10,000円ほど
大きさ:最大約50cm
水温:20~26度前後
餌:基本的に不要 与える場合はエビや貝など
特徴:短い触手を持ち大型になります。刺胞毒は強く、直接素手で触ると炎症を起こすことがあります。
生息地:西部太平洋、日本沿岸や沖縄周辺に生息している。
販売価格:5,000~10,000円ほど
大きさ:最大約50cm
水温:20~26度前後
餌:基本的に不要 与える場合はエビや貝など
特徴:細長い触手を持ち大型になります。刺胞毒は強く、直接素手で触ると炎症を起こすことがあります。
生息地:西部太平洋、日本では沖縄周辺に生息している。
販売価格:2,000~4,000円ほど
大きさ:最大約30cm
水温:20~26度前後
餌:基本的に不要 与える場合はエビや貝など
特徴:イソギンチャクの中では最も飼育が容易な種類です。初心者にも飼育しやすい種類です。
生息地:西部太平洋、日本では沖縄周辺に生息している。
販売価格:2,000~4,000円ほど
大きさ:最大約30cm
水温:20~26度前後
餌:基本的に不要 与える場合はエビや貝など
特徴:触手の先端が丸く膨らんでいるのが特徴です。飼育が容易な種類です。初心者にも飼育しやすい種類です。
以上が クマノミ の一種であるカクレクマノミの特徴と飼育方法でした。
カクレクマノミは海水魚の中でも最も有名であり、しかも飼育しやすい入門魚的存在です。
この記事を最後まで読んで下さった皆さまがカクレクマノミの飼育を通して、海水魚やサンゴの世界にハマっていただけると嬉しいです。
公開日 : 2017/09/01