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【獣医師監修】猫に歯磨きは必要?猫の歯磨き方法や頻度について






猫も人間と同じで、歯磨きをしなければ歯肉炎や歯周病を発症してしまいます。

しかし、猫の歯磨きの重要性やその方法について理解していない人は多いです。
そうなると、場合によっては歯肉炎や歯周病によって歯が抜け落ちたり、痛みによってエサを食べることさえできなくなる可能性もあるのです。

愛猫が健康的、そして過ごしやすい毎日を送るためにも、歯磨きの重要性や方法についての理解を深める必要があり、飼い主が愛猫の「歯」を管理していく必要があります。
今回は猫の歯磨きについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

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【目次】【獣医師監修】猫に歯磨きは必要?猫の歯磨き方法や頻度について

 

はじめに

猫には虫歯がない

猫に虫歯がない理由

猫が歯磨きしないと起こりうるリスク

歯肉炎

歯周病

猫の歯磨きの方法と頻度

歯磨きの方法

歯磨きの頻度

さいごに

 

 

はじめに

 

猫 ごはん 美味しい ペロリ

 

は人間よりも歯石になるまでのスピードが早いので、その分歯肉炎や歯周病になるリスクも高まります。

それに、ドライフードではなく生の缶詰食を与えている場合は、そうでない場合に比べて歯のトラブル率が高いと言われています。

 

猫は自分で歯磨きすることができないので、歯のトラブルとは無縁なイメージを抱きますが、このように猫にも歯のトラブルはあります。

飼い主が猫の歯磨きについての理解を深めて予防・対策することが、愛猫の健康的な毎日をサポートすることに繋がるのです。

 

 

猫には虫歯がない

 

猫 口 歯

 

猫の歯のトラブルは歯肉炎や歯周病が高い割合を占めており、人間のような「虫歯」が原因で発症するトラブルはありません。

なぜなら、猫には虫歯がないからです。

 

猫に虫歯がない理由

 

猫に虫歯がない理由としては、口の中がアルカリ性になっていることにあります。

人間の口の中は弱酸性となっており、pHは6.5~7.0。

それに対して猫の口の中はアルカリ性となっており、pHは8.0~9.0になっています。

 

虫歯の原因となる虫歯菌が繁殖するのは、このpH(ペーハー)の値が酸性に傾くことで活発になり、人間の場合は食事をした後に口の中が酸性に傾くので虫歯となってしまうのです。

 

それに、歯の形による違いもあります。

猫の歯は上下互いに鋭く尖り合わさって形成されていることから、菌が歯に溜まる場所が少ないのです。

このように、猫と人間では口の中のpHや歯の構造が異なるので、猫は虫歯にはならず人間だけが虫歯になるのです。

 

また、肉食動物である猫はデンプンを分解するアミラーゼが唾液に含まれていないことも大きな原因です。

アミラーゼによって虫歯菌の餌になる糖分が作られないので、虫歯菌が増えにくいのです。

 

 

猫が歯磨きしないと起こりうるリスク

 

猫 歯磨きしないリスク

 

猫が虫歯になることはありませんが、それが歯のトラブルと無関係になるわけではありません。

なぜなら、野生の猫であれば獲物の皮や肉を噛み切ることによって自然と歯がブラッシングされ、歯に溜まる歯石が取り除かれますが、人間に飼われている猫の場合は食べやすく加工された キャットフード やドライフードがエサの中心になるからです。

 

人よりもミネラルの多い唾液を出す猫は、歯石の付着によって歯肉炎と歯周病が重症になります。

猫の歯磨きを放置すると抜歯しなければいけないまでに悪化してしまう可能性もあるので、猫の歯磨きの重要性や起こりうるリスクについてぜひ理解を深めてください。

 

歯肉炎

 

歯肉炎は歯茎が炎症を起こしていることを指します。

その原因はプラーク(歯垢)とそれが固まった歯石によるもので、口の中で細菌が繁殖してしまうことで歯茎が炎症を起こしてしまうのです。

 

これは年齢を重ねることで発症されるケースが多くなりますが、子供や成猫でも歯肉炎を発症することもあります。

以下の特徴を発見したら歯肉炎の可能性があるため、病院での診断をおすすめします。

 

歯肉炎の特徴

 

  • 歯茎が炎症を起こして赤い
  • よだれが出る
  • 食欲があるもののエサを食べない
  • 口元を触ると威嚇する
  • ドライフードを食べない

 

歯周病

 

猫の歯のトラブルで一番多いのが歯周病です。

これは、歯肉炎が悪化することによるもので、歯茎に激しい痛みを伴います。

 

気付かずに放置したり、予防・対策を怠ることで症状が悪化してしまい、そうなると歯茎が歯を支えることができなくなったり歯が抜け落ちたりしてしまうのです。

それだけでなく、細菌が血液を伝って全身に回ることで臓器にダメージを与えることに繋がってしまうので、恐ろしい病気になるのです。

 

歯周病を患った場合の治療としては、全身麻酔をして歯と歯茎にできた歯周ポケットの歯垢を除去することや歯の表面の掃除になります。

しかし、状況によっては抜歯する可能性もあるので、治す為に通院が必要となることもあるのです。

 

このように歯肉炎や歯周病になると、抜歯や疾患を起こす原因に繋がるため、予防や早期発見が重要になってきます。

その予防として「歯磨き」や「歯垢と歯石を溜めないこと」が大切になるのです。

 

 

猫の歯磨きの方法と頻度

 

猫 歯磨き 頻度

 

猫も人間と同様に歯磨きを怠ると歯肉炎や歯周病を起こしてしまいます。

このような「歯のトラブル」はエサを食べることに影響を与えるので、最悪の場合は死に至る可能性もあります。

 

状況が悪化してから対応するのではなく、予防・対策が健康的な毎日に繋がるので、歯磨きの方法や頻度を理解してぜひ愛猫に取り入れてください。

 

歯磨きの方法

 

猫 歯磨き 撫でる コミュニケーション

 

初めのうちは歯磨きを嫌がる場合が多いですが、習慣化することで猫も少しずつ慣れてきます。

 

歯磨きの前にまずは猫の警戒心や不安感を払しょくする必要があるため、猫を撫でてリラックスさせてあげましょう。

猫がリラックスしたら口周りを触り、口を開いて歯磨きに移りますが、この時いきなり歯ブラシで歯を磨くのではなく、その前に指にガーゼや歯磨きシートを巻きつけて歯をこするように磨いてください。

 

これは、いきなり歯ブラシに対しての免疫がなく、歯ブラシを「恐いもの」として捉えていることがあるからです。

それに「歯を磨く」ことへの恐怖心を取り除く意味合いもあるのです。

 

 

その後に歯ブラシの出番になります。

口の外側から磨いて、内側、奥歯、と順に歯を磨いていきます。

 

優しく丁寧に歯を磨く事を意識して、強引に磨くのは控えてください。

これは、猫にとって歯磨きが「恐いもの」として認識されてしまうと次から歯磨きに対して強い抵抗をするようになってしまうからです。

 

したがって、優しく丁寧に磨く事を心がけて、猫が嫌がっていたらすぐに中止することを心掛けてください。

ただ、全ての猫が素直に歯磨きをさせてくれるわけではないので、歯磨きトイや歯磨きおやつを上手く活用して歯垢を取り除いてあげましょう。

 

歯磨きの頻度

 

嫌がる猫に対して無理やり歯磨きをしてしまうと、次から口を触ろうとしただけで噛みつく危険性があります。

そうならないためにも、子猫の段階から歯磨きをする習慣付けをすることで、歯磨きに対しての恐怖心を取り除くことができるようになります。

 

歯磨きの頻度としては毎食後に行うのが理想となりますが、不慣れな場合であれば手間も考慮して1日1回を目標にしてください。

この頻度も難しいようであれば、週に2~3回を目標にしてみましょう。

 

 

さいごに

 

猫 歯磨き 頻度 コミュニケーション

 

猫にとって「歯磨き」は人間と同じくらいに重要な意味を持ちます。

 

しかし、歯磨きに慣れないうちは逃げたり、嫌がる猫も多いので、小さい頃から歯磨きを習慣付けることが重要となってきます。

他にも歯磨きトイを使用したり、歯磨き用のおやつを与えたりして、歯垢を取り除く工夫が歯肉炎や歯周病の予防に繋がるのです。

 

そして、歯のトラブルによる痛みは猫だからといって軽減されることはありません。

猫も痛みを感じ、エサを食べることができなくなってしまうのです。

エサを食べることは生命維持に直結するため、改善できなければ死に至ることさえあります。

 

このように、愛猫が歯肉炎や歯周病によって苦しまないためにも、「歯磨き」や「歯垢、歯石を溜め込まないこと」を意識して普段の生活を過ごしてください。

 

これまで愛猫の歯磨きをしたことが無い人であれば、これらを取り入れることに加えて、愛猫の歯茎やその他の異常をチェックしてみてくださいね。

早期発見がその後の進行を抑えることに繋がります。

 

さっそく今日から愛猫の歯磨きを始めて、健康を手に入れませんか?

猫は自分で歯を磨くことが出来ないので、飼い主が猫の歯を管理してあげましょう。

 

 

監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)

 

日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。

ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。

その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。

 

今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。


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