デグーは、近年ペットとしての人気が急上昇しています。
それは、デグーは小動物の中でも知能が高く、人に懐きやすいからであると言われています。
本記事では、そんな愛らしいデグーについて詳しく解説していきます。
デグーの魅力は何と言っても、人懐っこさと多彩な鳴き声です。
知能が高く、コミュニケーション能力も高い小動物として知られています。
鳴き声を使って人や他のデグーとコミュニケーションをとるため、別名「アンデスの歌うネズミ」とも呼ばれています。
デグーの鳴き声はバリエーションが豊富で、なんと15種類もの音声を使い分けているのだとか!
また、鳴き声以外にも仕草による感情表現が豊かであると言われています。
こんなにわかりやすく感情表現をしてくれたら、飼い主さんもデグーに夢中になりますね!
デグーはしっぽ以外の体長が12~20㎝、しっぽは8~13㎝、体重は170~300g程度で、 ゴールデンハムスター よりもやや大きいです。
デグーの視覚は優れていて、紫外線領域まで見ることができると言われています。
そのため、おしっこでマーキングをした時に、嗅覚だけでなくおしっこに反射した紫外線を見ることで、マーキングした場所を捉えることができると言われています。
デグーは耳が大きく、視覚と同様に聴覚も優れています。
デグーに限らず、ネズミの仲間は人間よりも聞こえる音の周波数帯域が広く、人間に聞き取れない音も聞き取って危険を察知したり、仲間とコミュニケーションをとることができます。
デグーは人間よりも嗅覚が優れていますが、げっ歯類の中では飛びぬけて優れた嗅覚というわけではありません。
デグーの歯は健康な状態では色が黄褐色からオレンジ色で、白い歯は異常のサインです。
また、噛む力は非常に強いです。
デグーのしっぽは長いですが、ネズミと違い毛がフサフサしています。
何かに興味を示した時や怒った時に、しっぽを振って感情を表現する姿も可愛いです。
しっぽはデリケートなため、うっかり掴んだり踏むと切れてしまうことがあるので細心の注意を払いましょう。
寿命は4~10年程度と言われており、 ハムスター よりも長生きする傾向にあります。
「デグー」と呼ばれている動物は、野生のものも含めるとデグー科に属している動物全般を指します。
デグー科は更に、デグー属(デグー、チリデグー、ペルーデグー)と、フサオデグー属(フサオデグー)に分類されます。
ペットとして飼育されているデグーは、このフサオデグー属を指していることが多いです。
ペットとしてのデグーは、生物学的な分類とは別に、体色によって以下の様に分類されています。
茶色がかった野生のデグーの色で、ノーマルカラーとも呼ばれています。
ペットショップでも一番多く見かけることができるカラーです。
アグーチというのは、中央アメリカから南アメリカにかけて生息している齧歯類の動物のことです。
このアグーチに似た茶色の野生色を持つ動物は、デグーに限らず、他のネズミの仲間やウサギも「アグーチカラー」と呼ばれています。
野生の状態に最も近いので、身体が丈夫であることも魅力です。
値段は4000円~10000円程度で、他のカラーのデグーと比べると安く購入できます。
「ブルーカラー」という名前がついていますが、青色ではなくグレーに近いカラーを持つデグーであり、別名、「シャンパンアグーチ」と呼ばれています。
ブルーカラーは、最初は1990年代後半にドイツで発見されました。
突然変異によって生まれたカラーであると考えられています。
実はアグーチカラーも茶色の毛の内側にはグレーの毛が生えているのですが、ブルーカラーは内側のグレーの毛の色もアグーチカラーと比べて薄くなっています。
近年はブリーダーの手によってブルーカラーの個体数が増やされていますが、もともとは個体数が少ない中から繁殖させたデグーですので、アグーチカラーと比べると身体が弱くなることが懸念されています。
グレーの毛色には個体差があり、身体の大きさはアグーチカラーよりも小さくなる傾向があります。
性格は、大人しい子が多いです。
値段は7000円~20000円程度で、毛色が綺麗な個体ほど、高額になります。
まだら模様が入ったカラーのことであり、バイドとも呼ばれています。
パッチドの中でも、下記のようなカラーがあります。
アグーチカラーに白いまだら模様が入っており、アグーチカラーの割合が多いデグーです。
値段は10000円~15000円程度です。
アグーチカラーに白いまだら模様が入っており、白色の割合が多いデグーです。
値段は20000円~30000円程度です。
ブルーカラーに白いまだら模様が入っており、ブルーの割合が多いデグーです。
値段は15000円~20000円程度です。
ブルーカラーに白いまだら模様が入っており、白色の割合が多いデグーです。
値段は25000円~35000円程度です。
パッチド(パイド)はブルーと同様に希少な毛色であり、アグーチと比べて身体が弱い個体が生まれてくる可能性があるので注意が必要です。
上記は日本で購入できるデグーの毛色ですが、海外では更に幅広い毛色のデグーがペットとして飼育されています。
以下は、海外で飼育されている珍しい毛色のデグーです。
全身が真っ黒のデグーです。
日本では、完全に黒いデグーを見ることはできませんが、アグーチの色の濃い個体がブラックとして販売されていることがあります。
真っ白なデグーです。
耳と顔の部分には少しだけ色が入っており、ホワイトパッチドが更に白くなったものであると考えられています。
日本では完全なホワイトをほとんど見ることができませんが、ホワイトに近い白色のホワイトパッチドを購入することはできます。
キンクマハムスター の様な、美しい「砂漠の砂」の色を持つデグーです。
非常に珍しい毛色であり、世界に数匹しか生息していません。
この様に、デグーはペットとして飼育される様になってから、ブリーディングによって様々な毛色を見ることができる様になりました。
値段やデグーの健康面に配慮しながら、お気に入りの子を見つけましょう!
大切な家族となるデグーには長生きしてもらいたいですから、やっぱりお迎えする時点から元気な子を選びたいものです。
できればお店で直接デグーを見て、元気な子を選びましょう。
活発で、丈夫そうな体格で、髭や毛並みが綺麗なデグーが良いです。
歯は白い歯は異常であると言われていて、健康な状態なら黄褐色からオレンジ色をしていますので、デグーを選ぶ前に歯も確認しましょう。
また、近親交配で生まれた子は虚弱な身体である可能性が高いので、ブリーダーさんに確認できる様であれば、近親交配ではないデグーを選ぶようにしましょう。
デグーの餌は、主食をイネ科の牧草とし、不足しがちな栄養素を補うためにペレットを与えることが理想とされています。
チモシー、バミューダグラス、クレイングラス、オーチャードグラス等のイネ科の牧草は、カロリーが少なく、糖代謝能力が低いデグーには適した食事です。
元々、デグーは草食動物ですので、果実や種子等のカロリーが多い食事には身体が適していません。
日本ではまだデグーの飼育に関して情報が浸透していない部分があり、雑食の ハムスター と同じ様に餌をあげてしまう飼い主さんもいますが、糖分や炭水化物、脂質が多い食事はデグーの糖尿病を引き起こしますので、主食にするのはやめましょう。
また、牧草だけでは足りないビタミンやミネラル等の栄養素を補うために、牧草を固めたペレットを与えるのが一般的です。
ペレットは、デグー専用に開発されたものを購入して下さい。
デグー専用のフードの中でも、ペレットと一緒に乾燥野菜等が入ったバラエティに富んだフードも売っていますが、乾燥野菜が沢山入ったフードは糖質が多いので、オススメしません。
乾燥野菜はあまり入っていないもので、できればイネ科の低カロリーの牧草を固めたペレットが多く入っているものを選んだ方が、デグーの身体には良いです。
ペレットを一日に与える量は、デグーの体重の5%(子供のデグーであれば約5g、大人のデグーであれば約10g)が目安です。
デグーはペレットを好んで食べることが多いですが、あげ過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
以前は、デグーは自分でビタミンCを合成できないため、ビタミンCを補うサプリメントも必要であると言われてきました。
しかし、近年の研究結果から「デグーはビタミンCを合成できない」説が覆され、「デグーは自分でビタミンCを合成できる」可能性が示されました。
ビタミンCを合成するには体内でL-グロノラクトンオキシダーゼという酵素が必要なのですが、デグーの体内にはL-グロノラクトンオキシダーゼが存在することがわかったのです。
実際に、多くのデグーが、サプリメントでビタミンCを補給しなくても健康に天寿を全うできたと言われています。
このため、改めてサプリメントを与える必要はなく、ビタミンCの補給はペレットで十分であると言えるでしょう。
デグーは糖を代謝する能力がとても弱いので、カロリーの多い食事を主食として与えてはいけませんが、おやつとしてたまに与えても良いものがあります。
おやつは、デグーが食べ過ぎない程度に与える様にすれば、デグーは喜んで食べるので、飼い主と仲良くなるきっかけが作れます。
牧草では、アルファルファやオーツヘイがおやつとして良いでしょう。
野菜や種子では、タンポポの葉、オオバコ、セロリ、パパイヤの葉、ブロッコリー、パセリ、チンゲン菜、絹さや、カブの葉、桑の葉、にんじんの葉、白菜、サラダ菜、せり、水菜、しそ、カキドオシ、クレソン、レタス、クローバー、ビワの葉、柿の葉、大根の葉、インゲン、小松菜、えん麦、大麦(押し麦)などを、少量ずつ与える様にしましょう。
ペレットも、おやつになります。
果物などの甘いものは、デグーは好みますが、糖尿病のリスクが高いので、おやつとしても与えない様にしましょう。
また、実際におやつを与えてみた後のデグーの体調を注意深く観察して、自分のデグーに合ったおやつを考えたり、与える量を調節しましょう。
食べた後、おしっこの匂いが異様に強くなったり、おしっこの色がおかしくなったり、デグーの動きが鈍くなる様なことがあれば、そのおやつは与えない様にして下さい。
硫化アリルが含まれる食べ物 :ネギ、西洋ネギ、玉葱、ワケギ、ノビル、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アサツキ等のネギ属
ぺルシンが含まれる食べ物 :アボカド
ソラニンが含まれる食べ物 :ナス、ジャガイモ、トマト等
体内で分解できない量のデンプン :芋の生食
シュウ酸が含まれる食べ物 :ほうれん草、麦芽、さつまいも等
これらの食べ物は、人間は食べても問題ないものがほとんどですが、デグー等の人間以外の動物には有毒なので、与えてはいけません。
また、観葉植物や、人間が食べる加工食品やお菓子類なども与えない様にしましょう。
甘いものはデグーにとっても美味しいですが、糖代謝能力が低いデグーには糖尿病の原因になります。
更に、デグーは美味しい食べ物の味を覚えると偏食ぎみになり、食べなければならない牧草やペレットを食べなくなってしまうことがあるので、甘いものは最初から与えない様にしましょう。
デグーは ハムスター や モルモット よりも運動量が必要な動物です。
そのため、ケージは横と縦の広さがある程度は必要になります。
ただ、すごく運動神経が良い訳ではないので、デグーの転落の危険性がある様な高すぎる段差は作らない様にしましょう。
ケージは丈夫で通気性が良い金網ケージがオススメです。
金網ケージの場合、デグーが怪我をしない様に床材はたっぷり敷いてあげて下さい。
給水器 :新鮮な水を飲める様に、水は毎日替えてあげましょう。
巣箱 :野生のデグーは巣穴に潜る習性があることから、飼育環境でも隠れることができる巣箱を置くことは大切です。
登り木 :デグーの運動に必要な登り木です。でも、運動神経がすごく良い訳ではないので、高さをつけ過ぎると危ないです。
かじり木 :デグーは物をかじる習性があり、これがストレス解消にもなるので、かじり木を入れてあげましょう。
回し車 :デグーの運動に必要です。 ハムスター 用では小さいので、デグーが走れる様な大きいサイズの回し車を入れましょう。
食器 :デグーが餌を掻き出そうとしても、中身がこぼれにくい様な容器を選びましょう。
砂浴び道具 :デグーは砂浴びをすることで、身体の汚れを落とすので必要です。
デグーの飼育において、温度管理はとても重要になってきます。
野生のデグーはアンデス山脈に生息していることから、アンデス山脈の気温に近い20℃前後がデグーの生活に最も適していると考えられています。
そのため、極端に低い温度(10℃以下)や高い温度(28℃以上)にしないことが、デグーの生活環境の温度管理の目安とされています。
夏は冷房で、冬は動物用ヒーター等で適温を保つ様にしてください。
デグーは汗による体温調節ができないので、扇風機で風をあてても意味がそれほどありません。
電気代がかかってしまいますが、温度管理はデグーの命に関わる事なので徹底してください。
多頭飼いも可能です。
多頭飼いの場合は同じ性別のデグー同士よりもオスとメスの組み合わせの方が喧嘩が少ない傾向があり良いです。
ただ、同じ血縁の個体同士は交尾すると近親交配になってしまうので、一緒にしない方が良いです。
その他、オスとメスをずっと同じケージに入れておくと、何度も交尾をして繁殖しすぎる可能性があるので、メスが一度妊娠したらケージを別々にしてあげるなど工夫してあげましょう。
飼い主にベッタリ懐いてほしいのであれば、一匹で飼う方がオススメです。
デグーは日本ではまだペットとしての歴史が浅い動物なので、デグーが病気になった時に治療できる病院が非常に少ないのが現状です。
デグーを家族として迎え入れる前に、デグーを診療できる動物病院を探しておきましょう。
デグーは知能が高く、鳴き声や仕草がとても愛嬌があるので、きちんとお世話ができたらあなたの良いパートナーになってくれますよ!
可愛いデグーを是非ともまずはペットショップなどで見てみてはいかがでしょうか。