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大きなアゴを持つことが特徴のクワガタ。
カブトムシ 同様、ファンが多い昆虫です。
本記事ではそんなクワガタについて解説していきます。
日本でクワガタは、昔から子どもたちの間でクワガタ同士や カブトムシ と相撲をさせたりして親しまれていました。
1980年代にはクワガタの採取方法や飼育方法が、雑誌に掲載されるようになり、クワガタブームのきっかけとなりました。
確立していなかった飼育方法がマニュアル化されたことで、クワガタをッ飼育目的で採取する人が増えペット用の商品としても流通するようになりました。
商業目的で繁殖させるブリーダーも増えました。
それらが相まって、1990年代にはクワガタブームが巻き起こりました。
中でもオオクワガタはサイズが大きく、見栄えが良いことや、希少性の高さから大人気となりました。
数十万円で取引されることもあり、「黒いダイヤモンド」とも呼ばれていた程です。
近年では、クワガタの飼育グッズや流通が発展したことや、ブリーダーによる繁殖で、外国のクワガタも含め、様々なクワガタをペットショップで見かけるようになりました。
また、以前に比べてクワガタの価格も下がってきているので、気軽に様々なクワガタを飼育できるようになりました。
クワガタは寿命が長い種類では成虫になってから3~4年生きる種類もいます。
逆に寿命が短い種類は成虫になってから1ヵ月もしないうちに亡くなってしまいます。
また、幼虫期間が1年の種類もいれば2年の種類もいます。
気温など、適応の幅が広い種類が長生きしやすいです。
野生より飼育環境課の方が理想の温度をキープできるため、長生きしやすいと言われています。
クワガタの価格は幅が広いです。
数百円で購入できる個体もいれば数十万円する個体もいます。
クワガタの種類によって価格は変わりますが、同種内でも差が広がることがあります。
体に欠陥があるかどうかということも価格を大きく変動させますが、一般的にはクワガタのサイズが価格に影響を与えます。
血統もクワガタの価格に影響を与えますが、良質な血統というのは、家系がサイズの大きい個体ばかりということです。
つまりクワガタのサイズが価格に1番大きな影響を与えます。
クワガタのサイズも大きく幅があります。
最大クラスのクワガタでは120mmを超えます。
一方、最小クラスのクワガタは4mm程しかありません。
同種内のでも幅が広く、オオクワガタのオスでも20mm~90mmのサイズの個体が確認されています。
価格の幅が広いのはサイズの幅が広いことも要因の1つと言えます。
クワガタ本体の価格は別として、何も持ってない状態からクワガタ用のグッズで揃えても、4000円弱程で飼育環境は整えられます。
飼育に必要な物についてはこの後紹介していきます。
ここでは、クワガタを飼うのに必要なものを解説していきます。
クワガタを飼育するときには一般的な市販の飼育ケースで問題ありません。
大きさは飼育するクワガタの大きさに合わせて選びましょう。
基本的にクワガタは1つの飼育ケースに1匹ずつ飼育することが望ましいです。
マットはクワガタが潜って休憩したり産卵をするために必要です。
普通に飼育するだけならクワガタが潜ることができる程度の深さがあれば問題ありません。
また飼育だけであれば、クワガタ専用マットでなくても代わりになるものでも構いません。
繁殖目的であれば、マットを食べさせて育てるため、クワガタ専用マットにしましょう。
クワガタは本来、土の上より木の上を歩くことがほとんどなので、登り木はクワガタの足場として必要です。
飼育ケース内での転倒を防いだり、転倒した際に起き上がるための足場となります。
クワガタは転倒してしまうと、足場がない限り、なかなか起き上がれないので登り木は必須です。
登り木にエサ入れがついたタイプもあるので、それを使うことをおすすめします。
エサを直接マットに置くと、マットを汚してしまい、コバエが湧く原因になるからです。
また、枯葉やハスクチップなども転倒防止には効果的です。
マットの乾燥を防ぐためにこまめに霧吹きをする必要があります。
マットが少し湿っている状態が理想的です。
乾燥しすぎているとクワガタが弱ってしまいます。
しかし、湿りすぎているとダニが湧いてしまうので気をつけましょう。
エサも市販のクワガタ用のゼリーで構いません。
というよりクワガタ用のゼリーが一番望ましいです。
人間の食べ物でスイカなどの果物も食べたりしますが、ゼリーが一番栄養バランスが良いです。
ゼリーは特にどれを与えなければいけないということはありません。
ただ、交尾前など、繁殖させるときは高タンパクゼリーを与えましょう。
常にマットは清潔に保つことが理想ではありますが、コバエが湧くこともあります。
コバエは繁殖力が強いので放置しておくとどんどん増えてしまいます。
エサや尿などでマットは不衛生になりがちです。
コバエ対策はしっかりしておくことをおすすめします。
クワガタの繁殖方法を紹介していきます。
クワガタは比較的繁殖させやすいのでブリーダーでなくても挑戦しやすい昆虫です。
成熟したペアを用意しましょう。
羽化してしばらくは成熟しきっていないため、繁殖させることができません。
どうやって成熟しているか見極めるのかと言うと、後食をしているかどうかです。
カブトムシやクワガタは羽化して成虫になってしばらくはエサをほとんど食べません。
個体差はありますが、だいたい1ヵ月程でエサの減り具合がはっきり分かるぐらいエサを食べるようになります。
これを後食と言います。
後食をして成熟しているペアを用意できたら、ペアリングの準備をします。
準備としては栄養、特にタンパク質の補給です。
交尾、産卵は体力を大きく消費するので、充分にタンパク質を取らせてあげましょう。
ペットショップなどで高タンパクゼリーを売っているので、それを産卵する1週間ぐらい前から与えてあげれば大丈夫です。
成熟したペアにタンパク質を充分に与えたらいよいよ交尾です。
交尾はペアを同じ飼育ケースで同居させれば自然にしてくれます。
1週間ほど同居させるとたいてい交尾は完了しています。
クワガタの産卵には材産みとマット産みの2種類があります。
朽木に産卵するか、マットに産卵するかの違いです。
材産みの方が野生の産卵にも近く、一般的な方法ですので材産みを紹介します。
材産みは朽木に産卵させるので産卵用の朽木を用意します。
このように産卵用の朽木は販売しているので入手は簡単です。
産卵木は2、3本用意しておきましょう。
購入したばかりの産卵木は乾燥しきっているので、しばらく水につけてしっかり加水させます。
それから日陰で半日程乾かし、湿気が少しある状態にします。
次に、樹皮を剥がします。
樹皮を剥がしたら、産卵木に適当に傷をつけたり穴を空けてください。
こうすることでメスが産卵しやすくなります。
産卵には飼育ケースでも構いませんが、たくさん産卵させたいなどであれば、ホームセンターなどで販売している衣装ケースを使うのも手です。
加水したマットをケースに固めながら敷き詰めていきます。
飼育ケースであれば5cm程、衣装ケースであれば2/3程敷き詰めます。
敷き詰めたら、その上に産卵木をセットし、産卵木が2/3程埋まるように、またマットを固めながら敷きます。
その後、産卵木が少しマットから顔を出す程度にマットを固めずにふんわり敷きます。
最後に止まり木とエサをセットしたら準備完了です。
交尾が終わったメスをそこへ入れてあげると、半月から1ヵ月程かけて産卵をします。
エサ切れとマットの乾燥だけ注意して静かなところへ置いておきましょう。
産卵後は定期的にマットを取り換えさえすれば、そのまま放置していても成虫になります。
しかし、確実に1匹ずつ育てたい場合、メスを産卵セットへ入れてから2ヵ月程で幼虫を菌糸ビンへ移して飼育すると、より良質な個体を育てることができます。
菌糸ビンとは、キノコ菌が培養されたオガ粉(クヌギ・ブナ・コナラなど)を専用のボトルに入れた物です。
キノコ菌により分解されたオガ粉を食べ、幼虫が栄養を吸収しやすく大きく成長します。
菌糸ビンはペットショップでも販売しています。
菌糸ビンは1匹ずつしか育てることができませんが、成虫になるまで、ビンを数回取り換えるだけで良いので飼育しやすいです。
菌糸ビンを取り換える目安としては全体の7~8割を食べたらです。
外からはあまり食べていないように見えても中はスカスカということもあるのでよく観察しましょう。
あまり食べていなくても菌糸ビンは劣化していくので2、3ヵ月に1回は取り換えましょう。
蛹になる準備を始めたら菌糸ビンを取り換えるのを止めましょう。
蛹になるときには蛹室という部屋をつくって羽化の準備をします。
蛹室を壊してしまうと羽化できなくなります。
そのため蛹になる準備を始めた段階で菌糸ビンの取り換えを止めます。
また、菌糸ビンを動かしたりせずに、静かなところへ置いておきましょう。
蛹になったら1カ月程で羽化して成虫になります。
成虫になってもしばらくは体が充分に固まっていないため、じっとしています。
自分から外へ出てくるので待ちましょう。
その後も後食するまではじっとしていますが、後食をすれば成熟完了です。
クワガタは世界に 約1500種類 いると言われています。
本記事ではその中から人気の高いメジャーな種からマイナーな種まで紹介していきたいと思います。
まずは、日本で1番有名と言っても過言ではないオオクワガタです。
日本ではほぼ全国に生息しています。
内側に湾曲した大アゴを持っています。
日本では最大級のサイズを誇るクワガタで、90mm近くのサイズになった個体も記録されています。
近年では、ペットショップでもよく見かけるようになり、価格も下がってきています。
飼育も比較的しやすく、人気です。
オオクワガタについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
全身が黄金色ということが大きな特徴です。
アゴが弧を描き、内側へ曲がった後、外側へ向かう形をしています。
体長は35~85mm程です。
インドネシアの標高が1000m以上の地域に生息しています。
標高の高い地域に生息しているため、他のクワガタに比べて高温に弱いです。
ペット用として日本にも輸入されています。
フタマタクワガタの中では最大のクワガタです。
大きな体と長い大アゴが特徴でそのバランスの美しさも人気の1つです。
野生で110mmを超える個体が確認されています。
スマトラ島、ボルネオ島に生息しています。
ペット用として日本に輸入されています。
とても気性が荒く好戦的です。
大アゴがシカの角のように見えるため、名前に「elaphus(シカ)」がついています。
ホソアカクワガタの中では最大種です。
体長は110mm近くにまで達します。
一般的に体が緑色で大アゴが青みを帯びています。
稀に赤褐色の個体や全身が青い個体もいます。
大アゴが体長の半分を占めます。
この見た目の美しさが人気です。
スマトラ島に生息しています。
エラフスホソアカクワガタも標高の高い地域に生息しているため、飼育する際には高温になりすぎないように注意しなければなりません。
また、大きくさせることが難しいことや、成虫になってからの寿命が2~4ヵ月しかないことから飼育難易度は高めです。
安い個体はペアで5000円程で入手できます。
がっちりとした体格が重量感を出しています。
また強い艶が大きな特徴です。
角の形から、名前に「tarandus(トナカイ)」とついています。
体長は90mmを超える個体もおり、アフリカ最大のクワガタです。
アフリカ大陸のコンゴ民主共和国に生息しています。
七色に輝く体色から、世界1美しいクワガタとして有名です。
大アゴが上向きに湾曲しています。
闘うときは一般的なクワガタのように挟むのではなく、カブトムシのように下からすくい上げます。
大きい個体では体長が60mmを超えます。
オセアニア地域に生息しており、特にニューギニア南部とオーストラリア北部のクイーンズランド州が有名な生息地です。
シカクワガタの中では最大のクワガタです。
胸の部分が淡褐色の個体が多く、足のつけ根や前羽がオレンジ色や赤褐色になる事が多いです。
大アゴは、サイズが大きくなればなるほど湾曲が大きくなります。
マレー半島に生息しています。
飼育方法がまだ確立されておらず、流通も少ない種です。
ミヤマクワガタの中では大型の種です。
クワガタにしては細身です。
大アゴも他のクワガタに比べて長いので、とても細身に見えます。
オスには頭部に突起があることが特徴です。
体長は約30~90mm程です。
中国南部の福建省、雲南省、広東省等の1000m級の高地に生息しています。
暑さに弱く寿命も羽化してから3ヵ月と短いため、生体輸入はあまりされていません。
グラデーションの体色が美しい種です。
体長は20~60mm程です。
名前の「savage」は「獰猛な、残酷な、残忍な」などの意味を持っています。
繁殖のときにメスと同居させるとメスを殺してしまう程だそうです。
そのため繁殖は容易ではありません。
その名の通り気性がとても荒いです。
アフリカ中東部のギニアからコンゴ共和国にかけて生息しています。
世界最大の体長を誇るクワガタで、クワガタの中で圧倒的な人気を誇ります。
120mmを超える体長の個体が記録されています。
名前の「giraffa」は「キリン」を意味しています。
ネパール、ブータン、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア、マレー半島、インド、インドネシア、ティモール島、フィリピンに生息しています。
ペットとしても人気で流通も多く、多くのペットショップで見かけることができる程の人気種です。
クワガタの飼育グッズは良質な物が増えています。
そのためクワガタの飼育難易度は年々下がり続けています。
また海外のクワガタもペットショップで多く取り扱うようになりました。
ぜひお気に入りの個体を飼育してみてください。
最終更新日 : 2020/11/16
公開日 : 2017/01/20