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鳴き声から 犬 の気持ちを聞き分けるポイントは、大きく鳴き声の高さの高低と鳴き方、つまり短く鳴くのか、鳴き続けるのかに分けられます。
例えば、低い音で「ガウガウ」と鳴いている時と高い音で「キャンキャン」と鳴いている時では気持ちがずいぶん違います。
また、同じ音でも「ワンッ」と1回だけ鳴く時と、「ワンワンワン…」と立て続けに鳴く時ではまったく違う意味があります。
今回は音の高低をもとに、鳴き声を 2.ベーシックな鳴き声 3.低いうなり声 4.高い鳴き声 5.鼻を鳴らす声の4つのパターンに分けました。
そのパターンごとに、より詳しい鳴き方について解説していきます。
また、4つの基本パターンに振り分けられないイレギュラーな鳴き方についてもご紹介します。
ぜひ、最後までお付き合いください。
犬の鳴き声といえば、たいていの人が「ワンワン」を思い浮かべるのではないでしょうか。
「ワンッ」あるいは「ワンワン」と強く発される鳴き声は、多くの場合注意をひきたかったり、何かをアピールしたい気持ちの表れです。
気持ちの高まりによって「ワワワワンッ!」と、強く連続して鳴くようになります。
短い「ワンッ」は、あいさつ程度にかけている鳴き声だと思ってよいでしょう。
まだそれほど強い訴えがあるわけではなく、「ねえっ」「ちょっとこっち向いてよ」と、軽く飼い主の気をひこうとする時の声です。
「呼んでみただけだよ~」ということも多くあります。
犬同士で「ワンッ」と鳴く場合には、「遊ぼうよ!」と誘う合図である場合と、「何者だ!」と警戒心を高めている場合があります。
仲の良い相手であるか、険悪なムードであるかを合わせて判断してみてください。
また、フリスビーなどで駆け回って遊んでいる最中に発される「ワンッ」は「わーい!」という喜びの表れです。
犬が「ワンワンワン」と続けて鳴く時、特に「ワンワン…ワンワン」のように間をあけて繰り返し鳴く時は、おねだりや訴えなど強く注意をひきたい時です。
この時には「ごはんちょうだい!」や「散歩に行きたいよ~」などのように、飼い主に何かをしてほしくて鳴いています。
このため多くの場合、鳴きながら飼い主をじっと見つめますが、とてもわかりやすく空っぽのごはん皿の前で鳴いたりもします。
「もしかして散歩に連れて行ってくれる?」というように、「ワンワン…ウゥ」と甘えたうなり声を混ぜて鳴くこともあります。
また、「何かいるよ!早くきてー!」など、注意を喚起するために繰り返しの鳴き方をする場合もあります。
大きな虫など見たことのない生き物を見つけて、「こいつを何とかしてよ」と飼い主を呼ぶ場合などがこれにあたります。
この場合、見つけたものと飼い主を交互にチラチラ見ながら鳴くのが特徴です。
テンポの速い連続した声で「ワワワワンッ」と鳴くのは、あせったり警戒心が高まって、犬が興奮している時です。
警戒心が最高潮に高まって、「こっちへ来るな!」と威嚇しています。
番犬が知らない人に対して鳴く時などの声です。
また、家族の中で飼われている犬は家庭内の争いごとに敏感です。
このため、飼い主夫婦のけんかに「もうやめてよ~」と困っている場合にも、不安そうに「ワワワワンッ」と鳴くことがあります。
犬が低い音でうなっている場合には、警戒や攻撃の態勢にある時と、楽しくて興奮している時があります。
楽しそうに遊んでいたのに、急にうなり声をたてはじめた!どうして?という経験のある人もいるのではないでしょうか。
うなり声をあげている犬を見るとつい、怒っているのではと思いがちですが、楽しい時にもうなり声をあげることがあります。
おもちゃに集中している時など、一心不乱に遊んでいる最中に興奮のあまり「ウウゥゥウ~」とうなりが漏れてしまうのです。
飼い主に夢中でじゃれている時や、なでている最中に漏れる「グゥ~」といううなりにもこれと同様のことがいえます。
言葉にすると「えへへへへ~」といったところでしょうか。
興奮は相当高まっていますが、怒っているわけではありませんのでご安心ください。
一方、不満やストレスがたまっている時にも「ウウゥゥウ~」といううなりが漏れることがあります。
特に、食事中に怒ったようなうなり声をあげながらガツガツと荒く食べている場合には、どこかにストレスを感じていることが少なくありません。
普段の様子と合わせて、何に不満がたまっているのか観察してみてあげてください。
「ウウゥ~」を通り越して、ふるわせるような「ヴウゥ~、ヴー」といううなり声を発している時は警告のしるしです。
この場合、猫などはっきりした対象に対して「あっちへ行け」とにらみつけていることが多いです。
それでも相手が近づいてきたりすると、「あっちへ行けってば!」と激しく吠え始めます。
さらに強い音で「ガルルル…」とうなっている場合は、完全に攻撃的な態勢になっている時です。
牙を剝いていることも多いので、見た目にも臨戦態勢であることがわかります。
この状態の犬に出会った時には、むやみに近寄らないように気をつけましょう。
犬が「ワンワン」ではなく「キャンキャン」と、いつもより高い声で鳴く場合には、甘えたり興奮している場合と恐怖にかられている場合があります。
おねだりしたい時の「キュンキュン」は「ねぇ~、お願い」と、甘えてじっと目を見つめてくるのが特徴です。
甘え上手な犬の場合、「ワンワン」と激しく鳴くより確実なテクニックを使ってくるわけです。
人間と同じように、瞳をうるうるさせながら上目づかいで見つめてきます。
いつも遊んでくれる人が訪ねてきたり、飼い主が仕事から帰宅した時に、「キャンキャンキャン…」と高い声で鳴き続けることがあります。
この場合は「久しぶり!」や「おかえり!」のように、時間をおいて再会した相手に対する「大好き」の気持ちを伝えています。
「待ってました」といったところでしょうか。
この時にはじゃれて飛びついたり、思い切りしっぽを振っているなど、全身で喜びを表しています。
時に、興奮して「キャンキャンキャン…」と鳴いている間にいわば「スイッチが入ってしまう」ことがあります。
この場合、ランナーズハイのように鳴くことでハイな気分にひたってしまい、陶酔したように吠え続けてしまいます。
こうなってしまったら、鳴いている犬自身、どうにもとまらない状態です。
しばらく様子をみながら熱がおさまるのを待つより他ありません。
甲高く、悲痛な声で「キャインキャイン」と鳴いている場合は「怖いよ~」「嫌だよ~」といった恐怖を表しています。
自分より強そうな犬に出会った時や、病院の注射を前にした時などにこうした鳴き声をあげることがあります。
しっぽを強くお腹の下に巻き込んでいたり、四肢がこわばってぐっと力が入っているなど、体からも恐怖がにじみ出ています。
短い単発の「キャンッ」は何かにぶつかったり、うっかり足を踏んずけてしまった時などに発される「あうちっ」という悲鳴です。
この声が聞こえたら、アクシデントのしるしです。
ケガがないかどうか、みてあげてください。
犬が「フンフン…」と鼻を鳴らしているのは、多くの場合気持ちの高ぶりをおさえたり、何かをがまんしているサインです。
特に、あまり鳴かないようにしつけられている犬の場合、なんとか「ワンワン」と鳴かずに気持ちを伝えようとします。
「フンフン」と鼻を鳴らしている犬は、じれったい思いをしていることがよくあります。
例えばおもちゃやご飯を前にしてじらされていると「フンフン、…キュウン」と落ち着きなく鼻を鳴らして催促します。
「まだ~?早く~」と待ちかねている状態です。
また、ゆっくりした歩調で散歩している時など、犬が不完全燃焼状態にある場合に「もっとぐんぐん歩きたいなあ~」とじれて「フンフンフン…」と鼻を鳴らしている時もあります。
この時の犬はモジモジと落ち着かないそぶりをしていることが多いので、合わせて判断してみてください。
犬が不安や恐怖をがまんしている時にも、「ヒンヒン」と鼻を鳴らすことがあります。
病院などの見知らぬ場所に連れてこられた場合などが典型的です。
この場合には「ここどこ?」といった、不安の入り混じった高く悲しそうな音を出しているのが特徴です。
「こらっ!」と叱られた時の犬はとても表情豊かです。
見た目にもしょんぼりした様子でうなだれ、「ヒィーン…」と力ない音を出します。
「叱られちゃった…」としょんぼりしている状態です。
鳴き声と鼻を鳴らす音の中間くらいで、甘えた「クゥーン」という音を出すこともあります。
この音は意外にもバリエーションのある使い方がなされます。
わかりやすいところでは、少し寂しい気持ちの時に「かまってほしいな」というおねだりの声として使われます。
また、何かをおねだりして「ワンワンワン…」と鳴いていた犬が、途中で「ワンワン…クゥーン」という声を最後に大人しくなることがあります。
この場合は、「だめかあ。あきらめよう…」というあきらめの声であることがよくあります。
さらに、うずくまって不安げに「クゥーン」という声を出している時には、「痛いよ~」「寒いよ~」といった何らかの不調を訴えていることもあります。
いつもと違った様子が見えたら、動物病院での診断を受けるなどの処置をとってあげてください。
ここでは4つのパターンに当てはまらない鳴き声をご紹介します。
遠吠えは基本的に、仲間に向かって「ここにいるよー」とサインを送るときの声です。
野生で生きていたころの名残といえるでしょう。
どこかで他の犬が吠えだしたり、あるいは赤ちゃんの泣き声やサイレンの音に本能的に反応して遠吠えが始まることもよくあります。
ほんの小さな子犬でも一生懸命に吠えます。
その姿はとても愛らしいものです。
犬も寝言をいうことがあります。
「ワンッ」と吠えてみたり、「ハフンッ」と息が漏れたり様々な声が聞かれます。
また、眠っている間にも口をモグモグさせたり、四肢をパタパタ動かすこともあります。
人間と同じように、ご飯を食べたり走り回る夢を見ているのかもしれません。
愛犬が突然、人間のような言葉を発し始めた!という経験も、意外と珍しいものではありません。
「ごはーん」に近い音を出していたら食事がもらえたという記憶から自然にその音を覚えてしまったり、飼い主が繰り返し教えた言葉を真似するようになったりときっかけは様々です。
ご近所との距離が近い家やマンションなどでの室内飼いをする場合には、時に犬の鳴き声が悩みの種になります。
犬とのコミュニケーションをとりつつ、収集がつかなくなる「むだ吠え」をなくす注意が必要です。
犬は一生懸命に鳴き声でおねだりや訴えを伝えようとしますし、どんな行動をとった時に何をしてもらえたかをちゃんと覚えています。
ですから、「ちょっと吠えてみたらかまってもらえた!」「こんな風に鳴いたらご飯がもらえた!」という経験が重なると、同じことを期待して鳴くようになります。
時には要求が通るまで繰り返し鳴き続けてしまいます。
おねだりする姿は愛らしく、ついかなえてあげたくなるのですが、おねだり癖がついてしまわないように飼い主もほどほどにがまんすることが求められます。
また、外からの刺激に慣れていない犬は様々なことにおびえて鳴きやすくなります。
外に出れば見知らぬ人間や犬、車の大きな音など突然のアクシデントが多くふりかかります。
室内で飼う場合にも、あまり「箱入り犬」にせずに小さい頃から外の世界に慣らしておくと、物事に動じにくい犬に育ちます。
きちんと散歩に連れ出し、できるだけたくさんの人に出会わせたり、音や物を体験させておくようにしましょう。
今回は鳴き声だけをとりあげましたが、犬は全身で感情をめいっぱい表す生き物ですからボディランゲージも豊富です。
同じような音を発していても、そぶりや体の緊張状態が違うこともままあります。
そんな時にはじっと向き合って、何を訴えようとしているのかを汲みとってあげてください。
愛犬とのコミュニケーションのお役に立てれば幸いです。