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ベドリントン・テリアの特徴は、子羊のようにも見えるふわふわの被毛と優しい表情です。
頭部の毛を長めに、耳の先端にタッセル(房毛)を残す独特なカットも彼らならではの特徴といえます。
フワフワで手触りが良い縮れ毛をまとった羊のような姿を見ると、思わず抱きしめたくなる方も多いのではないでしょうか。
その体つきは筋肉質ながら優美で、背中はしなやかなアーチを描き、バランスがとれています。
彼らは テリア の仲間の中では一風変わったスマートな体型をしていて、非常に早く走ることができます。
このスマートな体つきは、祖先の グレイハウンド や ウィペット の血が影響していると考えられています。
日頃落ち着いた性格の彼らですが、敵には猛然と攻撃を仕掛ける気性の激しさも持っています。
その豹変ぶりと激しさから、別名 「子羊の皮を被ったオオカミ」 と呼ばれることもあります。
ベドリントン・テリアはイギリス生まれですが、その発祥については詳しくわかっていません。
ベドリントン・テリアはかつて、炭鉱の町・ベドリントンにて炭鉱で働く労働者に愛されていました。
そうというのも、実は貧しいことが多かった炭鉱夫の生活は、ある意味この犬に支えられていたのです。
彼らは時には密猟の片腕として食料用の小動物や毛皮用のカワウソを狩り、また時にはネズミ取りや闘犬で金銭を稼ぎ、日々飼い主と自分の食い扶持を確保しながら暮らしていたのだそうです。
そんな彼らは、1825年に「ベドリントン・テリア」という正式な名称が決まるまでは、ロスベリー・テリアまたはノーザンバーランド・フォックス・テリアと呼ばれていました。
1877年にベドリントン・テリア・クラブが作られ、以降彼らはショードッグやペットとして注目を浴びるようになりました。
日本には1963年に紹介され、その優雅な見た目や愛すべき性格から根強い人気を誇っています。
ベドリントン・テリアの大きさは性別を問わず体高41cmほど、体重8~10kgほどです。
小型犬に分類されますがやや大きめで、オスの方がわずかに大きくなる傾向にあります。
ベドリントン・テリアのカラーは、ブルー、レバー、サンディー(サンド・赤砂色)、ブルー&タン、レバー&タン、サンディー(サンド)&タンが認められています。
いずれのカラーにしても、色素が濃いほど良いとされています。
また、子犬はダークブルーかダークブラウンで生まれ、大人になるにつれて色素が薄くなっていきます。
ここまで色合いが変わる犬種は珍しく、将来どんなカラーになるのか想像がつきにくいのも彼らならではの魅力といえます。
ベドリントン・テリアは活発で勇ましく、自信に満ちあふれた性格をしています。
彼らは家族に対しては優しくて愛情深くて良く懐き、家族の中心になろうとする傾向があります。
また、日頃はおっとりしていますが、一度興奮すると猟犬時代を思わせる勇敢な姿を見せます。
自分より大きなものに勇猛に、情け容赦なく立ち向かうその性質は番犬にもぴったりです。
諸説ありますが、ベドリントン・テリアの寿命は11~16年ほどだといわれています。
一般的に犬の平均的な寿命は10~14歳程度です。
そこから考えると、ベドリントン・テリアはやや長生きする傾向にあるといえます。
英名:Bedlington Terrier
原産国:イギリス
サイズ:小型犬
グループ:3G・テリア
大きさ:
体高・41cmほど
体重・8~10kgほど
寿命:11~16年
次にベドリントン・テリアをおすすめしたい人、ベドリントン・テリアとの暮らしに向いている人について説明していきます。
ベドリントン・テリアは非常に活発で、エネルギッシュな犬種です。
彼らはエネルギーに満ち溢れているため、運動量が足りないと欲求不満になる可能性があります。
欲求不満によるいたずらやケンカを避けるためにも、日頃の散歩は絶対に欠かせません。
そんなベドリントン・テリアは、犬と一緒に運動を楽しみたい方におすすめの犬種といえます。
ベドリントン・テリアの被毛を維持するためには、定期的なブラッシングとトリミングが必要です。
トリミングはサロンに依頼する場合も自分でやる場合も、手間と費用がかかる点を覚悟しておきましょう。
そんなベドリントン・テリアは、被毛のケアを苦に思わない方に向く犬種といえます。
ベドリントン・テリアの被毛は厚くもこもこしていますが、ほとんど抜け毛がありません。
体臭も少ないことから、ベドリントン・テリアは抜け毛や臭いが気になる方にもおすすめの犬種といえます。
次の項目では、ベドリントン・テリアのお迎え方法や価格について見ていきましょう。
ベドリントン・テリアは、ブリーダーやペットショップから購入できます。
ただしベドリントン・テリアは国内ではやや希少な犬種のため、常に子犬がいるとは限りません。
ブリーダーやペットショップに問い合わせをする際は子犬がいるかどうか、またブリーディングの予定があるかどうか確認すると良いでしょう。
なお、国内におけるベドリントン・テリアのブリーダーの数は多くありません。
ベドリントン・テリアを飼いたい場合は、海外ブリーダーからの輸入を検討するのも1つの手です。
海外まで視野を広げると、より理想に近い個体を迎えられる可能性が高まることでしょう。
ベドリントン・テリアは 、1頭あたり20~30万円で販売されています。
ただし、扱うブリーダーが少ない貴重な犬であることから、この価格は概算となります。
カラーや性別、年齢や血統によって、価格が大幅に異なる可能性がある点に注意してください。
次の項目では、ベドリントン・テリアの飼い方とそのポイントについて説明していきます。
ベドリントン・テリアには、品質の良い総合栄養食のドッグフードを与えましょう。
ドッグフードは体が成長する子犬期は栄養豊富な子犬用、年齢を重ねた老犬期には消化吸収に配慮したシニア用など、年齢や状態に合わせた物を選ぶことが大切です。
与えるフードの種類や量について悩んだ時は、ブリーダーや動物病院に相談すると良いでしょう。
ベドリントン・テリアのブラッシングは、週に2~3回行いましょう。
彼らは皮膚が弱いため、毎日ブラッシングをしない方が良いといわれています。
そうとはいえ、被毛が毛玉やフェルト状になりやすいため、ブラッシングの時は丁寧にもつれを取り除いてください。
なお、ブラッシングをする際は、同時に耳と歯、爪の状態を確認すると良いでしょう。
早いうちから耳掃除や歯ブラシ、爪切りの習慣を付けておくことをおすすめします。
また、彼らの被毛は生涯伸び続けるため、1~2か月に1回はトリミングをする必要があります。
しかし、日本国内においてベドリントン・テリア独特のカットができるトリマーは多くありません。
トリミングサロンに行く時は、あらかじめベドリントン・テリアのトリミング経験があるトリマーがいるかどうか、確認しておいた方が良いかもしれません。
ベドリントン・テリアのシャンプーは、月に1回程度行えば十分です。
トリミングサロンに連れていく場合は、トリミングと同時にシャンプーをしてもらうと良いでしょう。
自宅でシャンプーをする時は、必ず毛のもつれを取り除いてからシャンプーをしてください。
毛がもつれたままシャンプーをすると、余計に毛がもつれてフェルト状に固まってしまう恐れがあるので注意しましょう。
部分的に汚れが気になる場合は、固く絞ったタオルやペット用のウェットティッシュを活用すると良いです。
ベドリントン・テリアは他のテリアの仲間と同じく、エネルギッシュで運動が好きな犬種です。
毎日の散歩は最低でも1回30分程度、1日2回行ってください。
この際ただ歩くだけでなく、駆け足やジャンプなどの負荷が強い動きも取り入れることが大切です。
自宅に広い敷地があれば、フェンスで囲んで好きに走り回れるような環境を整えてあげると良いでしょう。
ただし、これだけでは彼らが必要とする運動量は満たせません。
休日にはドッグランやアウトドア(キャンプやハイキングなど)に連れて行くと良いでしょう。
非常に高い運動能力を持っているため、アジリティなどのドッグスポーツに挑戦しても良いかもしれません。
ベドリントン・テリアはやや頑固な面があり、ややしつけがしにくい傾向にあります。
頑固な彼らのしつけをする際は絶対に大きな声で怒鳴ったり、手を出したりしてはいけません。
褒めたりおやつをあげたりと、ポジティブに良いところを伸ばしていくことが大切です。
どうしてもしつけが上手くいかない時は、プロの訓練士の力を借りると良いでしょう。
ベドリントン・テリアは一般に遺伝的な問題がなければ、健康的な犬種だといわれています。
ただし適切なブリーディングが行われていない場合、 銅起因性肝炎、フォンウィルブランド病(フォン・ヴィレブランド病)、甲状腺機能低下症、股関節形成不全 などの遺伝病が起きやすいことで知られています。
ベドリントン・テリアは国内におけるブリーダーの数が少なく、迎えること自体が難しい犬種です。
しかし、子犬を見つけたからといってすぐに購入することはおすすめしません。
相手が信頼できるブリーダーかどうか情報を集め、気になることがあれば全て質問しましょう。
良いブリーダーであれば、きちんと質問に答えてくれるはずです。
また、愛犬と1日でも長く一緒に過ごすためには遺伝病への配慮はもちろん、日頃の健康管理も大切です。
早めにかかりつけの動物病院を作り、定期的に健康診断を受ける習慣を付けることをおすすめします。
テリアの仲間は全体的に明るく勇敢な性格をしていますが、頑固で気が強い気質が強いとされています。
ベドリントン・テリアはテリアの仲間にしては頑固さや気の強さが抑えられているといわれていますが、これはあくまで “テリアの仲間にしては穏やかである” というだけの話です。
彼らは愛玩犬として作出された犬種と比べると、頑固で気が強いということを覚えておいてください。
彼らは一度他の犬とケンカを始めると見境が無くなり、飼い主でも制御が難しくなることがあります。
そういった事態を避けるためにも、早いうちから多くの人や犬と触れ合わせる、社会化トレーニングを行うことをおすすめします。
イギリス生まれの犬種、 「ベドリントン・テリア」 について説明してきました。
愛らしい見た目のベドリントン・テリアですが、やや頑固で気が強く、たくさんの運動と手入れを必要とする初心者向きとはいえない犬種であることが伝わったでしょうか。
ベドリントン・テリアは国内ではやや珍しく、知名度が高いとは言えない犬種です。
しかしその人気は根強く、純血犬種の登録や保護を行っている愛犬団体・ジャパンケネルクラブの犬種別犬籍登録頭数では2019年(1月~12月)に36頭の新規登録がされています。(142犬種中83位)
もしベドリントン・テリアを自宅に迎えたら、しっかりと信頼関係を築いてください。
飼い主と強い絆で結ばれたベドリントン・テリアは、家族を見守りつつ深い愛情を注いでくれる、素敵な家族の一員となってくれることでしょう。
最終更新日 : 2021/03/31
公開日 : 2020/08/07