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チンパンジーの力について説明する前に、まずはチンパンジーの生態を説明していきます。
チンパンジーとはどんな動物なのか、先に知っておくとよりその力の強さに驚くことでしょう。
チンパンジーは人間と同じ 「哺乳綱 霊長目 ヒト科」 に属する動物です。
最も人間に近い動物で、遺伝的には96%が人間と同じだといわれています。
そんなチンパンジーは、アフリカの熱帯雨林やサバンナに生息しています。
1日のほとんどを木の上で過ごす樹上性で、20~100頭にもなる大きな群れを作って暮らしています。
非常に知能が高く、簡単な言語やじゃんけんなどのルールも理解できるチンパンジー。
研究の結果、彼らには人間の4歳児並みの知能があると考えられています。
チンパンジーの体長はオスで約77~92cm、メスで約70〜85cmです。
体重はオスで約40~80kg、メスで約34~68kgとオスの方がやや大きくなる傾向にあります。
なお、立ち上がると身長が150cmほどと、人間とあまり変わらない大きさになります。
チンパンジーは 「キイキイ」「ホォ」 といったさまざまな声で鳴きます。
群れで熱帯雨林に生息しているチンパンジーの声は、非常に大きくバリエーションが豊かです。
彼らは時と場合によって、十数種類の声を使い分けているといわれています。
チンパンジーは人間と同じ、雑食性の動物です。
植物(果実や種子、葉など)を主食にしていますが、肉を食べることもあります。
狩りをする時は群のオスが協力し合い、小型の サル やイノシシを捕獲するそうです。
その他にもハチミツや昆虫(アリやシロアリ)など、あらゆるものを食べています。
なお、動物園でも野菜と果物を中心に、パンやゆで卵、乳製品などさまざまなものを与えています。
チンパンジーの特徴の1つは、顔や耳、指先を除く全身が黒い毛におおわれていることです。
皮膚は肌色もしくは黒色ですが、成長に伴って顔の色がだんだんと黒くなっていきます。
尻尾はありませんが、人間と同じくしっぽの骨(尾てい骨)は体の中に残っています。
もう1つの特徴は、意外と荒い性格をしていることです。
一見穏やかそうな顔をしていますが、特にオスは成獣になると気性が荒くなることで知られています。
現在は世界中で保護されているチンパンジーですが、かつてはペットとして人気の高い動物でした。
幼いチンパンジーは非常に愛らしく、気性も荒くないためペットにしたがる人が多かったそうです。
その結果、ペット向けの幼いチンパンジーを捕獲するために、多くの親チンパンジーが殺されました。
幼いうちはかわいらしくおとなしいチンパンジーですが、思春期を迎えると性格が一変します。
そして、チンパンジーが突然牙をむき、飼い主が怪我をするという事例が多発しました。
彼らは犬歯が鋭く、また非常に強い力を持っています。
大人のオスに噛みつかれたり殴られたりしたら、生身の人間はひとたまりもありません。
痛ましいことですが、海外にはチンパンジーに暴力を受けて命を落とした方も存在します。
チンパンジーは生後約7~9年で性成熟を迎え、繁殖できるようになります。
メスには人間と同じく毎月生理があり、32~35日ほどで発情期がやってきます。
そして、メスは発情期になると、群れにいる複数のオスと交尾を行います。
その後196~260日の妊娠期間を経て、1回に1頭の赤ちゃんを生みます。
分類:哺乳綱 サル目(霊長目) ヒト科
学名:Pan troglodytes
英名:Common Chimpanzee
分布:中央アフリカ、ザイール、 ウガンダ、タンザニア
大きさ:
体長 オス・77~92cm、メス・70~85cm
体重 オス・40~80Kg、メス・34~68Kg
鳴き声:「キイキイ」「ホォホォ」など
食性:雑食
繁殖:
性成熟・生後約7~9年
妊娠期間・196~260日
寿命:60年ほど
ここまでは、チンパンジーの生態について説明してきました。
「チンパンジーの特徴」 の項目でも触れましたが、チンパンジーは非常に力が強い動物です。
ここからはかわいらしく芸をする姿からは想像できない、その体に秘められた力を見ていきましょう。
なお、前提として1つ知っておいて欲しいことがあります。
それは動物の握力の強さを、正確に測ることは難しいということです。
なぜなら言葉が通じない動物に、測定器の正しい使い方を教えることが難しいからです。
そのため、ここで紹介する数字は、ほとんどが動物の暮らしぶりから推測したものとなります。
チンパンジーの握力は、なんと200~300kgもあるといわれています。
現在までに知られている最高記録は384kgという驚くべき数値です。
これは1924年に、体重74.8kgのオスのチンパンジーが出した記録です。
一方、日本人の成人男性の平均握力は46~48kg、成人女性の平均握力は28~29kgほど。
プロレスラーでも握力は80~90kgほどで、この握力があればリンゴを握りつぶせるそうです。
実際に数値を比較してみると、いかにチンパンジーの握力が強いかということが良くわかりますね。
なお、人間における握力の最高記録は、ギネスに認定されている192kgです。
この記録はスウェーデン人の農家であるマグナス・サミュエルソンさんが保持しています。
ゴリラはチンパンジーや人間と比較すると体が大きく、体重もヘビー級です。
体重はオスで135~180kg、メスで70~140kgほどとやはりオスの方が大きいのが特徴です。
そんなゴリラの握力は、400~500kgではないかと考えられています。
ゴリラは類人猿で最も大きな動物ですが、パワーにおいてもゴリラの右に出るものはいません。
彼らはこれだけの体重があっても、片手で木にぶら下がり、余裕で自分の体重を支えられます。
類人猿の中で2番目に大きな体を持つ、オランウータンの握力を見ていきましょう。
「森の人」 とも呼ばれるオランウータンには、どのような力が秘められているのでしょうか。
オランウータンの体重はオスで50~90kg、メスで30~50kgと人間と同じくらいです。
しかし、彼らは一日のほとんどを木の上で生活し、ほとんど地上に降りてこない樹上性の動物。
木から木へと移動する軽い身のこなしを見ると、人間より強い握力を持っていることが想像できます。
そんなオランウータンの握力は、400~500kg程度だと考えられています。
動物園ではいとも簡単に飼育設備やおもちゃを壊してしまい、スタッフを困らせることもあります。
日本に生息する唯一のサルの仲間、 ニホンザル について説明します。
私たち日本人にとっては身近な動物ですが、彼らはどのくらいの力を持っているのでしょうか。
ニホンザルの握力は、約30kgほどだと考えられています。
数字だけ見ると成人女性と同等の握力であり、それほど力が強いようには思えません。
しかし、ニホンザルの体重は軽くオスで10~14kg、メスで8~10kgしかありません。
体重の3倍以上の握力を持っていると考えると、非常に力がある動物であることがわかります。
余談ですが、筆者は飼育員時代にメスのニホンザルに手をつかまれたことがあります。
そのニホンザルは檻越しに手を握ったり、体を触らせてくれたりする人なれした動物でした。
しかし、ある日いつも通り握手をしていたところ、親指を中心に手をがっしりとつかまれてしまいました。
どうやらニホンザル側には悪意があったわけではなく、ただ構って欲しかっただけのようです。
ただ、こちらは素手なうえ、サルの力が想像以上に強かったので非常に痛かったです。
なかなか離してもらえず、やっと離してくれた時には手の甲にくっきりと指の痕がついていました。
ニホンザルに握られた部分は数日痛み続け、水ぶくれになってしまいました。
そして、残った指の痕は数か月の間消えることがありませんでした。
ここまではチンパンジーをはじめ、サルの仲間が持つ握力についてご紹介しました。
野生で暮らすサルたちは、自分の体重を軽々と支えられる力持ちだということが伝わったでしょうか。
サルについて少し詳しくなったついでに、動物園に行ってみてはいかがでしょうか。
本物のサルたちに会ってみると、今まで気づかなかった新たな気づきがあるかもしれません。
この項目では、チンパンジーやゴリラなどを飼育している動物園を紹介していきます。
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— one zoo (@onezoo_official) March 13, 2020
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よこはま動物園ズーラシアでは、チンパンジーの群れが飼育されています。
まるで森のような展示場では、チンパンジーたちが木に登ったり遊んだりする姿が観察できます。
園内の別エリアでは、ボルネオオランウータンとニホンザルも飼育されています。
住所:〒241-0001 横浜市旭区上白根町1175-1
マップ: Googleマップ
電話番号:045-959-1000
料金:
大人 800円
中人 300円
小人 200円
小学生未満 無料
開園時間:9:30~16:30(入園は16:00まで)
休園日:毎週火曜日(祝祭日の場合は営業、翌日休園)、12/29〜1/1
公式ホームページ: よこはま動物園ズーラシア
※合わせて読みたい: 【完全ガイド】よこはま動物園ズーラシアのアクセスやおすすめの動物を徹底取材
Happy Birthday(⋈◍>◡<◍)。✧♡
— 名古屋市東山動植物園 (@higashiyamapark) October 21, 2018
今日はチンパンジーの双子の赤ちゃんカラン・コエの1歳のお誕生日でした💛
お誕生日会では、フルーツたくさんのケーキがプレゼントされました。
かわいい姿をぜひ見に来てくださいね♪ pic.twitter.com/UFx1DHpAmT
東山動植物園では、当記事で紹介したサルの仲間がすべて飼育されています。
イケメンゴリラとして名高い、ニシゴリラの「シャバーニ」の姿も見られますよ。
なお、園内ではヨザルやワオキツネザルなどの原始的なサル類も飼育されています。
それぞれを見比べながら、体のつくりや動きを観察してみるとより楽しいかもしれません。
住所:〒464-0804 名古屋市千種区東山元町3-70
マップ: Googleマップ
電話番号:052-782-2111
入園料:
大人 1,800円
こども(4歳〜小学生) 900円
開園時間:9:00~16:30
休園日:毎週月曜日(祝祭日の場合は営業、翌日休園)、12/29〜1/1
公式ホームページ: 東山動植物園
※合わせて読みたい: 家族のおでかけやデートにも!東山動物園の魅力を徹底紹介
当記事ではチンパンジーをはじめとした、サルたちの握力を取り上げました。
野生で暮らすサルの仲間たちは、非常に力持ちであるということが伝わったでしょうか。
人間とサルは遺伝的に非常に近く、特に類人猿(※)とは数%の違いしかないといわれています。
しかし、そんなサルたちと力を比べた時、人間の力が弱くて驚いた方もいるのではないでしょうか。
※類人猿:ヒトに似た中型~大型の霊長類のこと。ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、オランウータン、テナガザルの仲間が該当する。
人間は進化の過程で、筋力よりも知能を優先して発達させたといわれています。
その結果、人間は頭脳を使い、どんなに重いものでも持ち上げられるようになりました。
そんな私たち人間とは異なり、野生動物たちは今も自分の体1つで厳しい環境を生き抜いています。
彼らのことを調べてみると、その能力の高さや暮らしぶりに驚くかもしれません。
公開日 : 2020/04/16