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そもそも、うさぎは抱っこは好きな生き物なのでしょうか?
結論から言いますと、抱っこを嫌う子も多い傾向はありますが、個体によって異なります。
抱っこの好き嫌いは、品種や性格、育ってきた環境、飼育者との相性・信頼関係など、さまざまな要因によって左右されると考えられます。
例えばですが、うさぎの品種の中でも特に人気の高い「 ネザーランドドワーフ 」は、警戒心が強く臆病な傾向があります。
逆に、垂れ耳種の代表格である「 ホーランドロップ 」の場合は、人に懐きやすく抱っこも嫌がらない子が比較的多いと言われています。
また品種を問わず、「親うさぎが、抱っこが好きな性格だったため遺伝した」「生まれ時に世話をしてくれたブリーダーさんの抱っこが上手だった」などの理由で、抱っこを好きになる個体もいます。
ちなみに、筆者は現在「ミニレッキス」という人懐こい品種のうさぎを飼育していますが、赤ちゃんの頃から抱っこが大好きです。
ただ、誰に抱っこされても喜ぶわけではありませんでした。
おそらく、筆者のことを「うさぎ好きな人間である」と見抜いてくれたからこそ、初対面の時から甘えてくれたのだと思います。
ただし、思春期(生後3〜6ヶ月頃)を迎え、大人になるに連れて、抱っこを嫌がる頻度も増えていきました。
人間と同じように、うさぎにもカッコつけたり大人ぶったりしたくなる時期が訪れます。
飼い主としては寂しく感じてしまいますが、うさぎの意志を尊重することも大切ですので、暴れる時には素直に受け入れてあげましょう。
どのような性格の子であっても、無理やり抱っこすることは禁物です。
無理に抱き上げてしまうと、過度なストレスを与えてしまいます。
また、うっかり落としてしまうと、最悪の場合は生死を左右するほどの大ケガ(骨折など)を負わせてしまいます。
そうとは言え、うさぎをペットとしてお迎えした際には、抱っこに慣れさせる必要があります。
うさぎは本能的に、外敵から身を守るために体調が悪くても隠そうとする性質があります。
そのため、飼い主がうさぎを抱っこして、体調をこまめにチェックしてあげることが非常に重要になってきます。
日々確認することとしては、目の充血・目ヤニ・涙などの症状がないか、お尻周りは汚れていないか、爪が伸び過ぎていないか、といった項目が挙げられます。
去勢していない高齢のオスウサギの場合、睾丸の大きさが左右で異なることに気付けば「精巣腫瘍」の早期発見につながります。
このような症状も、抱っこをする習慣がないと、見つけることが難しいのです。
体調不良・健康診断・爪切りなどで動物病院へ連れて行く際にも、一度抱っこをしてキャリーへ移動させなくてはいけないため、やはり抱っこにある程度は慣れておくことは大事だと言えます。
また、うさぎは電源コードをかじろうとするなど危険な行動をしやすいため、やはり即座に抱き上げられるようにしておくと安心でしょう。
では、うさぎを家族としてお迎えした時、どのくらいのタイミングで抱っこの練習をするとよいのでしょうか?
自分から抱っこをせがむような甘えん坊の子でなければ、以下に記す手順で徐々に距離を縮めていってあげましょう。
まず、最初の1〜2日は、ストレスを与えないことに専念することが肝心と言えます。
まだ人見知りしている可能性が高いため、触る/ケージの外に出すといった行為は控えましょう。
嫌がっている時に無理に抱っこしようとすると、懐いてはくれません。
また、うさぎは基本的に大変デリケートな生き物ですから、慣れていない人に触れられるとショックで死に至ってしまうリスクさえあります。
新しい家の匂い・音などの環境に慣れてくるまでは、なるべく構わないようにしてあげましょう。
お迎えしてから3〜6日経った頃には、少なくともケージ内の環境には慣れてきていると思います。
ケージ越しで至近距離に近付いてみたり、頭を撫でてあげたり、といったコミュニケーションを取り始めてみましょう。
抱っこまでは、あと一歩といったところです。
1週間目以降には、ケージの外に出し始めてもOKと考えて良いです。
ただし、慣れない空間に緊張してしまうため、部屋の中のお散歩時間は10~20分程度にしておきましょう。
この場合も、不用意にうさぎを抱っこするのは避けてください。
うさぎはケージの外に出ると、まずは色々な箇所の匂いを嗅いだり鼻先で物に触れたりしながら、危険な場所ではないかを確認します。
飼い主に対して好奇心を持ったり、あるいは外敵ではないと判断できたりした場合には、自分から近寄ってくれます。
うさぎの方から、鼻やアゴをくっつけて飼い主に触れてくるようになったら、まずはそっと頭を撫でてみて、抵抗しないようであれば徐々に抱っこの練習を始めると良いでしょう。
うさぎの体は、外敵から素早く逃げられるよう、骨を細くすることで身軽になっていると言われています。
そのため、先述の通りうさぎは骨折や脱臼をしやすいのです。
暴れたり、高い場所から落下したりした場合に、背骨などが簡単に折れてしまいます。
骨折箇所によっては、二度と運動できない体になってしまいます。
もちろん個体にもよりますが、うさぎは抱っこされると「捕まる=肉食動物に捕食される」と本能的に連想してしまうと考えられています。
嫌がる時は全力で暴れて逃げようとするので、大変危険です。
飼い主に懐くまでは、抱っこを強要することは控えてください。
少しでも嫌がったら抱っこはせず、うさぎの好きにさせてあげること。
それが、事故を防ぐためにも、うさぎにストレスを与えないためにも大事なことです。
抱っこの練習をする際は、いきなり床から抱き上げてしまうと、捕まると勘違いして暴れてしまうかもしれません。
できれば自分から飼い主の膝の上に遊びに来た時に、頭などを撫でてあげながら、そっと抱きかかえてみることをおすすめします。
飼い主がしゃがんでいる状態であれば、万一うさぎが手から離れてしまっても落下距離が短くなるので、ケガのリスクも軽減されるでしょう。
抱え上げる時には、片手をうさぎの両前足の下(うさぎのお腹の辺り)へ、もう片方の手でうさぎのお尻をすくうようにします。
臆病な子の場合は、正面からではなく背面から抱っこしてあげた方が効果的です。
また、安全に抱っこするためには、うさぎの下半身(特にお尻の辺り)をしっかりと固定した上で、うさぎの全身を飼い主の上半身に密着させてあげることが重要です。
下半身を固定することで、暴れ・落下による骨折事故を防止できます。
後ろ足のキック力がかなり強いため、足や背中〜お尻にかけた手を離さないよう注意しましょう。
基本的には、抱っこの前にうさぎの頭を撫でて気持ちを落ち着かせ、抱き上げた後にも再び撫でてあげるとよいですよ。
「抱っこは苦手でも、撫でられるのは好き」という子も多いので、まずは「抱っこされる時=撫でてもらえる」と認識させてあげるとよいですね。
うさぎは想像以上に表情豊かな動物なので、嫌がっている時と安心している時の区別はつきやすいはずです。
目がトローンと垂れている時は、リラックスしている証拠なので、最終的にうさぎが最も落ち着く抱き方を定番化してあげるとよいでしょう。
なかなか抱っこに慣れてくれない場合は、抱っこの後に少量のおやつをあげて、褒めてあげる工夫をしてみるのもOKです。
どうしても家でのトレーニングができない場合には、健康診断も兼ねて、動物病院やうさぎ専門店に相談してみましょう。
先述した通り、うさぎの体調管理のためにも抱っこはできるようにしておくべきです。
最低限、どのように抱き上げたら日々の健康チェックをしてあげられるかは把握しておきましょう。
抱っこからおろす時は、うさぎも飼い主も油断しがちです。
やはり骨折させてしまわないよう、最後まで気を抜かないようにしてください。
うさぎは、高い位置から自分で飛び降りようとすることも、しばしばあります。
急な落下事故を防ぐためにも、しっかりとうさぎの下半身を固定していてください。
床に近い位置までしゃがんでから、そっとおろしてあげましょう。
なお、どんなに抱っこに慣れてきたうさぎでも、突然抱っこを嫌がり暴れ出すことがあります。
思春期であればシンプルな親離れ、夏であれば暑さが原因で抱っこを拒否するケースもありますが、実はお尻周りに痛みがあるという可能性も否定できません。
繰り返しになりますが、うさぎは体の不調を隠してしまう動物です。
毎日のように異常なほど抱っこを拒む場合には、うさぎに詳しい獣医さんに問い合わせて、念のため診察をお願いしましょう。
早い段階で、予想外の病気を発見できるかもしれません。
一緒に楽しく遊ぶためだけではなく、日々の些細な変化に気付いてあげるためにも、うさぎの抱っこは欠かせないコミュニケーション手段の一つです。
その時々のうさぎの気持ちも優先しつつ、適度に上手に抱っこしながら、伸び伸びと健やかに育ててあげてくださいね。
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最終更新日 : 2021/05/19
公開日 : 2020/01/28