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まず、 野生のカブトムシ が普段何を食べているのかを知っておきましょう。
カブトムシの本来の食性を理解したうえで、適切なえさを与えることが重要です。
約10か月間にわたる幼虫時代は、主に以下のようなものを食べます。
約3週間のサナギ時代を経て成虫になったカブトムシは、樹液(じゅえき:木から出る蜜のような液体で、糖分やたんぱく質が含まれる)を食べます。
木は傷がついたとき、その傷を守るために樹液を出していると言われています。
それでは、野生ではない 人間が飼育するカブトムシ には、何をあげればよいのでしょうか。
幼虫編・成虫編 に分けてまとめましたので、参考にしてください。
野生では腐植土や腐葉土、朽木を食べますが、自分で用意するのはなかなか大変です。
そのため、 「マット(幼虫マット)」 という、人工的に作られた腐植土や腐葉土をえさとします。
飼育下の幼虫はこのマットに埋まりながら、マットを食べて成長します。
マットにも 成虫用 や 産卵用 があるので、必ず 幼虫用 を用意するように注意しましょう。
また、マットは必ず 「広葉樹」 を用いた 「発酵マット」 を選びましょう。
そうとはいえ、「幼虫用」として売られているメジャーなマットは、大体が広葉樹の発酵マットですので、それほど心配しなくても大丈夫です。
ちなみに「針葉樹」を用いたものは、成虫向けなので選んではいけません。
また「発酵マット」とは、クヌギやブナなどの樹木を砕いて、発酵(はっこう:微生物が分解すること)させたものです。
基本的には、 マットに幼虫を置いてあげたあと、様子を見ながら交換 してあげればよいです。
ただし、マットも買ってきたものをそのまま使うだけではいけません。
使う前に 「ガス抜き」 という、マットの中のガスを抜いておく作業が必要です。
もともと発酵マットの中には、発酵により発生したガスが含まれています。
マットは放置しているだけでどんどん発酵するため、そのままではさらにガスが充満してしまいます。
そうなると、 マットの温度が上がって幼虫が死んでしまいます。
そうならないために、 あらかじめ土の中に含まれるガスを抜いておく のです。
【ガス抜きの手順】
マットは、それほど頻繁に交換する必要なありません。ただし、状況により交換が必要になることがあります。
交換のタイミングは下記の通りです。
「1回も交換せずに済んだ」という人も居ますが、 必ず自分で様子を確認 し、必要であれば複数回交換しましょう。
幼虫が順調にマットを食べている証拠です。
表面だけなく浅く掘って確認するのが重要です。
再発酵してガスが発生している合図です。
コバエ自体は幼虫に害はありませんが、マットの養分がコバエに取られてしまう場合もあります。
コバエが多いようであれば交換しましょう。
ガス抜きの手順で水を混ぜた通り、幼虫育成には水分が必要です。
交換までしなくても良いですが、水を加えてちょうど良い湿り具合にしてあげましょう。
生後10か月ほども経っていないのに幼虫がマットを食べないときは、 別の種類のマットに変えてあげたり、温度や湿度を見直してあげたり しましょう。
生後10か月ほど経っていて、幼虫が黄色っぽくなって餌も食べず動かなくなった場合は、 サナギの準備段階 ですので問題ありません。
こうなった場合、基本的にはマットを交換しなくても構いません。
しかし、この段階でマットの状態が良くなかったり、幼虫が蛹室(ようしつ:サナギの部屋)をうまく作れていなかったりする場合、 「人工蛹室」 を作るという対処方法を取らなければなりません。
ここでは詳しく解説しませんが、園芸用スポンジをサナギより大きめ(ツノが入るように)にくりぬいて、水分を含ませ蓋をしておくというような対処方法です。
必要になった場合は対処してあげましょう。
次に、 幼虫におすすめの市販マット をご紹介します。
ポイントは、 「広葉樹使用」「発酵マット」 である点です。
※価格はAmazonでの「2019年4月現在」の価格となっておりますので、変動があった場合はご了承ください。
大手ペット用品メーカーSANKO(三晃商会)の商品です。
幼虫も 食いつきが良く、大きく育つ と非常に評価が高いマットです。
レビューには、「袋を開けたときのにおいが気になる」との声がちらほらありますが、ほとんどの方は「しばらくすると気にならなくなった」とのことです。
あまり気になるようであればガス抜きをしっかり目にしましょう。
マルカンもSANKOと並び、大手ペット用品メーカーとして有名です。
こちらのマットも幼虫がよく育つと評判です。
他と比べると 圧倒的に安価 で、気軽に購入しやすいことも魅力ですね!
「ちょっと大きめの木の破片が混ざっている」とのレビューがありますが、それでも問題なく育つことも多いようです。
ただ、大きい木の破片は幼虫は食べないので、 交換の頻度には注意 してあげた方が良いかもしれません。
少しにおいが気になるとの声もあるため、ガス抜きはしっかりしておくようにしましょう。
通常、マットはどうしてもにおいが気になりますが、こちらは 消臭炭入りでにおいが気にならない と評判です。
「発酵臭がしないと不安」「炭入りのぶんえさの量が少なく割高」という理由から避ける人が多いようなので、メジャーなマットではないようですが、レビューには「問題なくカブトムシが育った」という声も多くあります。
ですが、確かに幼虫は炭を食べないことを考えると、 実質的なえさの量は少なくなる ため、こちらも 交換のタイミングは多め に見ておいた方が良いかもしれません。
フォーテックはカブトムシ・クワガタムシの飼育用品専門メーカーです。
自然素材100%で、水分調整済み という点がウリです。
そうとはいえ、使うときは自分の手で水分量を確認しましょう。
ちょうど良い水分量であれば、加水する必要が無くとても楽ちんです。
幼虫と同様、野生のえさ(樹液)を自分で用意するのは難しいですね。
そこで、成虫には カブトムシ用のゼリー を与えます。
ゼリーにも種類があり、黒糖ゼリーや高たんぱくゼリーなどがあります。(産卵前のメスの場合は高たんぱくゼリーを与える方が良いとされます。)
各種タンパク質・糖質・ビタミン・ミネラルがバランス良く含まれている ものを選びましょう。
糖質のみの安価なゼリーは栄養不足になってしまいます。
リンゴやスイカなどの果物 を与えるのも悪くはありませんが、 水分が多すぎて飼育ケースの湿度が高くなり、不衛生になる 可能性があります。
できるだけ、市販のカブトムシ用ゼリーを与えましょう。
えさのゼリーは、 蓋を開けて飼育ケースの中に置いてあげればよいです。
ゼリーを食べきったら新しいゼリーと交換してあげましょう。
小食のカブトムシで、ゼリーがなかなか無くならない場合は、3日に1回は交換してあげましょう。
また、ゼリーの容器が傾いてしまうとゼリーの液がマットにしみ込んで不衛生になってしまいます。
しっかりとマットに埋め込んで固定 するか、 ゼリー用のお皿 で固定するのが良いです。
サナギから羽化した直後 の成虫は、しばらくえさを食べません。
しばらく経ってからえさを食べ始めることを後食(こうしょく)と言います。
この場合は心配せず、様子を見るようにしましょう。
羽化した直後ではないのにえさを食べない場合は、 えさが気に入らなかったり 、 衰弱している 可能性があります。
えさの種類を変えてみたり、温度や湿度などの環境を見直してみたりしましょう。
次に、成虫におすすめのゼリーをご紹介します。
ポイントは 「栄養」と「容器の形」 です。
栄養については前述の通りですが、「容器の形」というのは、 広くて浅い形の容器 のゼリーを選んであげましょう。
狭くて深い容器は、 大型のカブトムシは引っかかってえさが食べられない ことがあります。
小型のカブトムシと思われても、心配な場合は、広くて浅い形の容器だととりあえず安心ですね。
※価格はAmazonでの「2019年4月現在」の価格となっておりますので、変動があった場合はご了承ください。
カブトムシ・クワガタ成虫のゼリーの定番 といえば、KBファームのプロゼリーと言われているほど人気のゼリーです。
バナナ味の天然果汁をはじめ、 動物性タンパク質、各種糖質、ビタミン、ミネラルが効率よく配合 されています。
食いつきも良く、液だれもない と非常に高評価です。
デメリットとしては少し高価なことと、 保存料や防腐剤を使用していないので少々腐りやすい ことです。
こまめに交換してあげましょう。
グルコース、ガラクトース、トレハロースや各種ビタミン がバランス良く含まれた栄養価満点のゼリーです。
たんぱく質が強化されているため、 産卵前や弱っているときのカブトムシ に良いでしょう。
KBファーム プロゼリーほどのレビュー数はありませんが、概ね「食いつきが良く、液だれもしない」と評判です。
たまにゼリーのふたが固く開けづらいことがあるようです。
ゼリー用のふたカッター もあるため、開けにくい場合はカッターで開けてみましょう。
こちらは大型のカブトムシに与えやすいよう、 広口でさらに浅型のカップ になっています。
また カップを安定させるためのケース(土台) も付いています。
カブトムシはカップをひっくり返してしまうことが多いようなので、ケース付きは安心ですね。
黒糖風味で食いつきも抜群です。
ただし ビタミン類が含まれていない ため、栄養面では他商品に劣ります。
他のえさの食いつきが悪いときや、食欲がなさそうな時に与えてみると良いでしょう。
こちらは たんぱく質 が特に強化されたゼリーで、 交尾・産卵前のカブトムシ、または弱っているカブトムシ におすすめです。
繁殖を頻繁に行うブリーダーからも人気が高いようです。
モモンガ や ハリネズミ などの 小動物 にも良いようですので、それらを飼っている方は一石二鳥と言えます。
カブトムシ成虫には、 えさやりにあると便利なグッズ がいくつかありますのでご紹介します。
こちらは、昆虫用ゼリーの ふたに押し付けるだけで十字の切れ込みを入れる ことができる便利グッズです!
たかが蓋を開ける手間…を思うかもしれませんが、毎日えさをやっているとなかなか面倒なものです。
そこで、このカッターをゼリーのふたにプスっとやって、ゼリーをケース内に置いてあげれば、切れ込みからゼリーを食べてくれます。
刃物なので、ケガをしないよう(特にお子さん)注意をしてください。
こちらは「ゼリースプリッター」、つまり ゼリーをスプリット(分割)する便利グッズ です!
ゼリー容器が深型の場合や、カブトムシがまだ小さい場合、ゼリーを食べきれない(届かない)可能性がありますよね。
そんな時に、ゼリースプリッタ―でタテに分割してしまえば、浅型カップ(?)の完成です。
置いたときに不安定になりがちなので、土に固定するかお皿などに置いた方が良いでしょう。
少々高価ですが、切れ味には定評があります。
ゼリー皿とは、 ゼリー容器を固定するためのグッズ です。
カブトムシはゼリー容器をひっくり返してしまいがちです。
ゼリーが土や虫かごに付着すると、菌が増殖し不衛生になってしまいます。
そこで、このようなグッズで固定してあげると良いでしょう。
ただし、くぼみにゼリーがきちんとはまらなければ意味がありませんのでご注意ください。
こちらは樹脂製で洗えるので、衛生的で扱いやすいと思います。
カブトムシのえさ選びは、カブトムシの健康維持のために非常に重要です。
飼っている人間としても、大きくてツヤツヤの立派な姿に育ってほしいですよね。
カブトムシの生涯はとても短いです。
だからこそ、元気いっぱいの幸せな毎日を過ごさせてあげましょう!
※合わせて読みたい: カブトムシの飼い方
公開日 : 2019/04/22