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クイナとはツル目クイナ科クイナ属の 鳥 で、漢字では水鶏、秧鶏と書きます。
クイナ科の鳥類は世界に130種類ほど生息しており、日本では沖縄本島に生息している「ヤンバルクイナ」が有名ですね。
生息地域は、日本、アメリカ大陸、アフリカ大陸、ユーラシア大陸、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、マダガスカル、ソロモン諸島など広く分布しています。
なお、クイナ科の鳥は飛翔力を失いやすい傾向があり、飛ばない種類が多数存在しています。
ヤンバルクイナも飛べませんね。
そのためか、特に島に生息していたクイナ科の鳥たちに絶滅した種が多くあります。
現存しているクイナ科の鳥も、人間による生息地の破壊や乱獲、特に島しょ部では人間により持ち込まれた動物による捕食で生息数が減少している種類もいます。
飛べないクイナは人間からの影響を受けやすいようです。
クイナ科の鳥の中には飛べない種類もいるのですが、日本にいるクイナは飛ぶことができる野鳥です。
しかし、あまり飛ぶことが得意ではないので、逃げるときはまず走って茂みの中に隠れます。
体長は23㎝~30㎝ほどで、羽を広げた状態では38㎝~45㎝になるため、 鳩 くらいの大きさです。
そんなに小さな鳥ではありませんね。
ずんぐりした丸みを帯びた体形で、足はがっしりしています。
がっしりした脚は素早く移動するために発達したと考えられています。
上のくちばしは黒く、下のくちばしは赤い色をしているのが特徴的。
長いくちばしは小魚をとらえることもできます。
この長くて赤い色のくちばしは、 ツル 科であることをまさに示しているようですね。
くちばしの色は繁殖期になると鮮やかな赤色になります。
羽毛はオスもメスも同じ色で、顔の周りから上半身、腹部にかけては青みを帯びた灰色。
額から尾羽まで茶褐色をしており、黒い斑点が入っています。
尾羽の付け根の部分の下側(下尾筒 かびとう)部分には白い斑点も入っており、よく観察するとカラフルな羽を持っているのが分かります。
歩くときはピンと尾羽を立てて歩き、警戒したり驚くと尾羽を上下に揺らしたりする様子が見られます。
「夏は来ぬ」(佐佐木信綱作詞、小山作之助作曲)という唱歌をご存知の方は多いのではないでしょうか。
小学校の音楽の授業などで歌った記憶がある方もいると思います。
その「夏は来ぬ」の歌詞にクイナが出て来るのです。
「楝(おうち)ちる 川べの宿の門(かど)遠く 水鶏(くいな)声して 夕月すずしき 夏は来ぬ」
クイナの鳴き声で夏が来たなと思うということです。
クイナは夏を知らせる鳥でとして広く知られている鳥だったのですね。
クイナは、スウェーデンなどの北欧地域からからイラン、中国などユーラシア大陸、そして日本まで広い地域に生息しています。
スウェーデンで繁殖したのち、冬季には南のアフリカ大陸に移動するなど、冬には温暖な地域に渡りをすることが分かっています。
日本では、北海道および東北北部で繁殖し、冬季には本州の関東以南でよくみられることから「冬鳥」ともされています。
クイナは水鳥で、住む場所は沼や湖の葦(あし)が生える湿地帯。
その他に水田や水辺の竹やぶなど、すぐに隠れることができる場所で生活をしています。
水辺の葦の間や草むらにいることが多いですが、水中に潜ることもできます。
クイナは半夜行性で警戒心が強いため、直射日光がさんさんとあたるような明るい場所や、人の目につきやすい場所には滅多にでてきません。
少しの物音にも驚き身を隠します。
したがって、広く分布していてもなかなか人間が見る機会は少ない鳥です。
沖縄で「ヤンバルクイナ」が発見されて大きな話題となりましたが、1981年になるまで存在が知られていなかったのは、夜行性で警戒心が強いという特徴からであると言われています。
あまり飛ぶことが得意ではないので、危険を察知すると草むらや葦の繁みに逃げ込んで身を隠します。
もしクイナに出会う機会があったら、驚かさず遠くからそっと見守ってあげましょう。
クイナは雑食で、湿地帯にいる昆虫、小魚、 両生類 、植物の実や柔らかい芽、根などのほかに小型鳥類などを食べて暮らしています。
繁殖するのは北の地方。
繁殖期にはくちばしが鮮やかな赤い色になり、オスとメスがお互いにくちばしをすり付けたり、羽づくろいをしたりする求愛行動が見られます。
草むらや葦の間に巣を作り6~11個ほどの卵を産み、生まれた卵はオスとメスで交互に抱卵します。
ヒナがかえるのは19日~22日後。
生まれたヒナは20日~30日で飛ぶことができるようになり、生後1年で成長となります。
クイナは臆病な鳥のせいかあまり鳴き声を発しません。
発情期には求愛行動として鳴き声をあげることもあるようです。
鳴き声は「クッ、クッ、クッ」、「グッ、グッ、グッ」という声を発します。
1981年に沖縄本島の山原(やんばる)で発見された新種のクイナ科の鳥がヤンバルクイナ。
日本で唯一の飛べない鳥です。
羽根はありますが小さく、翼を動かす筋肉もあまり発達していません。
世界で唯一、沖縄の山原(やんばる)と呼ばれるごく限られた地域に住む非常に珍しい固有種。
そのため、発見時は大ニュースでしたし、日本で一番有名なクイナの仲間ですね。
全長30㎝~35cmほどで長いくちばしやしっかりした足はクイナと似ていますが、頭から尾羽にかけては暗いオリーブ色で、胸から腹にかけての白と黒の縞模様の羽毛が特徴的です。
クイナとくらべると全体的に少し地味な色ですね。
ヤンバルクイナは飛ぶことができず地上を走る鳥なので、クイナよりさらに足の筋肉は発達しているようです。
クイナが水辺で暮らすの対して、ヤンバルクイナは森林や草地に巣を作って住んでおり、昆虫や果実、ミミズなどを食べる雑食の鳥。
この貴重な鳥は平成26年現在、約1500羽しか生息していないとされています。
飛べない鳥なので外来種であるマングースに捕食されたり、交通事故により数を減らしました。
その後の保護活動により現在の数まで増えましたが、絶滅危惧種であることは変わりありません。
生息地 : クイナは、スウェーデンなどの北欧地域からからイラン、中国などユーラシア大陸、そして日本まで広い地域に生息しています。日本では、北海道および東北北部で繁殖し、冬季には本州の関東以南でよくみられます。
体調 : 23㎝~30㎝
特徴 : ずんぐりした丸みを帯びた体形で、足はがっしりしています。あまり飛ぶのが得意ではなく、素早く移動するために足の筋肉が発達しています。顔の周りから上半身、腹部にかけては青みを帯びた灰色で額から尾羽まで茶褐色をしており、黒い斑点が入っています。
性格 : 非常に警戒心が強く、半夜行性のため、めったに姿を見ることはできません。
食べ物 : 雑食で、湿地帯にいる昆虫、小魚、両生類、植物の実や柔らかい芽、根などのほかに小型鳥類などを食べます。
クイナは警戒心が強く、見つかりにくい葦原や草むらに生息し、さらに夜行性なので観察はしにくい鳥ですね。
とても美しい鳥なので見かけることができたら大変ラッキーですが、驚かさないように静かに見守りましょう。
湿地の減少などクイナの生活環境は近年では狭められています。
このようにひっそりと生きている鳥がいることを知ることが、私達の生活やほかの生き物との共存について考える機会になっていただければ幸いです。
最終更新日 : 2021/11/02
公開日 : 2018/04/02