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にわとりの歴史は古く、最初は東南アジアから中国南部において家畜化がすすめられたと考えられています。
少なくとも紀元前4000年頃までには、家畜として飼育が確立されたとされています。
当初にわとりの飼育目的は食用としてではなく、その美しい声や朝に鳴く声を求めての祭儀用に使用されていました。
そして闘鶏用などに飼育されていたものが、年月を経て牛や豚同様、食用として飼育が開始されたのです。
その後にわとりは世界各地に伝来し、紀元前のうちにはエジプトやギリシアに持ち込まれました。
日本ににわとりが伝来したのは、弥生時代ごろとされており、中国大陸から渡ってきました。
日本での主なにわとりの利用方法は、朝方に鳴く習性から「時告げ鳥」としての利用が主体であったと考えらています。
長らく肉類を食べることが日本では禁じられており、にわとりは神聖な鳥として扱われてきました。
そのため日本のにわとりは、愛玩動物としての歴史の方が長く、初めに鶏卵が食されるようになりました。
鶏卵が食されるようになったのは、江戸時代以降のこと。
同時代に朱印船によって チャボ や 烏骨鶏 などが日本に伝わりました。
さらにはその後の鎖国により、海外からの新品種の移入が途絶えた代わりに、日本独自の品種が数多く作られました。
明治以降には急速に家畜化が進み、現在のように鶏卵と鶏肉を食すことをメインとした養鶏スタイルが確立しました。
にわとりは頭部に「鶏冠(とさか)」と顎部分に「肉ぜん」と呼ばれる皮膚の一部が発達した装飾器官を持っています。
一般的には雌よりも雄の方が大型に成長することが多く、丈夫で知地上生活に適した足を持っています。
キジ 科であるにわとりは雉と姿が類似しており、同じように地上を歩き回るのに長けた身体のつくりをしています。
また、まばたきの仕方が独特で、下から上にかぶせるようにまばたきを行います。
眼球運動をすることができないため、常に首を前後左右に振って歩いています。
翼は小さく短いため、長時間の飛行能力はなく、飛ぶことは得意ではありません。
しかし、野生化したにわとりは個体によっては筋力が強化されており、数十メートル飛ぶことも可能です。
なお、「コケコッコー」の鳴き声で知られている独特の声は雄鶏特有のもので、昔は「東天紅」と表現されていました。
雌鶏は雄のように朝方に大きい声で鳴くことはありませんが「コッコー、コッコー」と小刻みに鳴きます。
鶏の便には2種類の種類があり、尿のまじった白っぽい通常の便と茶色い盲腸便に分かれます。
この盲腸便の臭いが強力で、衣服につくとなかなか取れないので注意が必要です。
室内で飼育する場合には、抜け毛やにおいの対策にも気を遣う必要があります。
種類によって多少異なりますが、にわとりの一般的な寿命は10年前後です。
ペット用として販売されているにわとりは、ひよこであれば300~500前後と安価に購入ができます。
烏骨鶏などの種類があるにわとりは5,000円前後~で販売されていることが多いです。
こちらの項目では、主にペットショップで購入できるにわとりの種類についてご紹介します。
お好みのにわとりをペットとして迎える際の参考にしてください。
一般的に知られているスタンダードタイプのにわとりです。
白色の他には茶系の色も存在します。
家畜として採卵用に飼育されているにわとりは、このタイプのものを指します。
特徴は赤いトサカで、白色のレグホンやコーチンといった種類が家畜としてもペットとしても飼育されています。
ペットショップでも安価で入手することが可能で、価格は1,000円前後です。
白色のにわとりは、警戒心が強く神経質な面があり、人に慣れるまでに時間がかかる場合があります。
初心者はひよこの時期から飼育するか、茶系のにわとりを選択すると良いでしょう。
茶系のにわとりは白色のにわとりに比べて、性格が穏やかですのでペットとしても懐きやすいです。
寿命は10年前後で、にわとりの中でも丈夫な種類です。
にわとりの中でも小型の種類の物を指し、体重も成鳥で雄が約730g、雌が約610g程度にしか成長しません。
脚が他の種類のにわとりに比べて短く、尾羽が直立しているという特徴があります。
小型な身体つきと尾羽の美しさより、古くから観賞用として親しまれてきたにわとりで、ペットとしても人気です。
日本ではチャボは天然記念物に指定されており、種類によっては絶滅の危機がある貴重なにわとりです。
ペットショップで販売されているものはブリードされたもので、雄の方が鮮やかな尾羽を所持しています。
逆に雌の個体は雄ほどの派手さはなく、性格も雄よりも雌の方が穏やかな個体が多いです。
価格はチャボの種類により異なりますが、3,000円前後になります。
寿命は他の種類よりも小型なこともあり7~8年前後です。
※合わせて読みたい: チャボ(矮鶏)ってどんな鳥?ニワトリとの違いや生態、飼い方など
文字通り尾羽が極端に長い種類のにわとりで、高級感と見た目のインパクトからマニアに人気の種類です。
観賞用として品評会があり、美しい尾羽を競って楽しむことができる種類のにわとりとなっています。
高知県原産のにわとりで、日本の特別天然記念物に指定されています。
にわとりは一年に一回羽が生え変わりますが、尾長鶏の尾羽は生え変わらずに伸び続けるため、非常に長くなります。
その長さは伸び続けると10m以上になることもあり、飼育下では3m前後で止まることが多いです。
尾長鶏をペットとして飼育するうえでの注意点はこの尾羽の管理。
美しい尾羽を保つことが出来るよう、常に手入れする必要があります。
また羽が散りやすく、屋内での飼育には十分な飼育スペースと換気システムが必要なため、経済的負担がかかります。
住宅街や市街地での飼育には不向きであり、広大な野外飼育スペースと運動できる環境が必要です。
性格はやや神経質で縄張り意識が強く好戦的ですので、雄同士を同じ小屋内で飼育することは避けましょう。
ストレスによる突然死や喧嘩により美しい尾羽を損傷してしまう可能性が高いです。
美しい見た目から販売価格もにわとりの中では高額であり、5,000円から数万円と開きがあります。
にわとりの飼育経験がある方が、飼育するのに向いている品種です。
その独特の風貌と他のにわとりにはない黒色の皮膚が特徴的なにわとりです。
鳥骨(黒い骨)という名前が示すとおりに、皮膚や骨に至るまでが黒色で、成鳥になっても綿毛を維持します。
通常のにわとりとは異なり、脚の指の数が5~6本あるのが最大の特徴です。
またその見た目から、古代の中国では霊鳥として貴重な存在で、現在も人気のある種類です。
さらに烏骨鶏の肉や鶏卵はその貴重さから高値で取引されており、家畜とペット両方で人気がある種類です。
ペットショップなどでも取り扱われる数が少なく、販売価格は変動しますがおよそ8,000円前後から入手可能です。
他のにわとりとは異なり、綿毛のような羽毛を持っていることから手入れ次第では美しい毛並みに成長します。
烏骨鶏の美しさを競うコンテストも開催されており、熱狂的なファンも存在するほど希少価値が高い種類です。
飼育は美しい綿毛を維持するために特別に配合した飼料などを用意する必要があり、コツがいります。
外部からのストレスに弱い面もありますので、飼育経験者向けの品種です。
※合わせて読みたい: 烏骨鶏はどんな鳥?烏骨鶏の生態や飼い方、卵の栄養価まで解説
一般家庭でにわとりを飼育するときに必要な飼育アイテムをご紹介します。
住宅街でのにわとりの飼育は課題がいくつかありますので、検討した後にお迎えしてください。
にわとりが落ち着いて休めるスペースを確保するためには、ケージの設置は必須です。
また、にわとりは成長すると体高50~70cm前後、体重800g~2kgほどになります。
しっかりとした大きさがある鳥類ですので、ケージも広いものが必要になります。
にわとりは飛ぶことには長けていませんが、止まり木を使用して身体を休めます。
そのため、最低でも高さが1~1.5mあるケージを選ぶようにしましょう。
屋外での飼育をする場合には、猫やイタチなどに襲われる危険があるため、頑丈な金属製のケージが必要です。
ペットショップなどでは、にわとり用の広さのあるケージは入手しにくいので専門店での購入が推奨されます。
しかし飼育する頭数・種類によっては、ケージのサイズが合わないこともありますので、自作も検討しましょう。
自作の場合も既存のケージを購入する場合も大型のケージになりますので、費用がかかります。
にわとりへの給餌方法は基本的には置きエサです。
常に新鮮な水とエサが食べられるようにケージ内にセットしておきましょう。
エサは配合飼料で問題ありませんが、種類や個体によってはカルシウムの粉末やトウモロコシなどを与えます。
また、野菜を刻んだものを併用して与えてあげると、栄養バランスが良くなり抵抗力の強い個体になります。
残ったエサは腐敗すると病気の原因にもなりますので2~3日で交換するようにしましょう。
飲み水は、毎日交換することが望ましいです。
にわとりは臆病な面があり、食事中に下手にかまわれると、ストレスから拒食になってしまうことがあります。
必要以上にかまわないようにして、適切な距離を保ちながら可愛がってあげましょう。
エサ場所は特に汚しやすいので、定期的に掃除を行い清潔に保つようにしてください。
参考価格:654円(税抜)
メーカー名:ナチュラルペットフーズ
内容量:3.2㎏
生産国:日本
にわとりはエサを消化する際や体の手入れの時に、砂を摂取することで消化を助けています。
また、砂浴びは身体に付着した汚れや虫類を落とすためにも有効ですので、砂浴びができるようにしてあげると良いでしょう。
小屋内に砂場を作ってあげると、好んで身体をこすり付けて自ら手入れをしますので、粒子の細かい砂を用意してあげてください。
参考価格:2,000円(税抜)
メーカー名:ウズラ大学
内容量:2kg×5袋
生産国:日本
冒頭でも紹介しましたが、にわとりは「時告げ鳥」と呼ばれており、朝方に大きな声で鳴く習性のある鳥です。
特に雄鶏の鳴き声は大きくよく響きますが、雌も全く鳴かないわけではないので工夫が必要です。
ペットとして飼育するためには、防音対策と周囲の理解が必要になります。
さらににわとりは、基本的にはトイレを覚えないので、自由に動ける範囲にはどこでも用を足してしまいます。
室内で飼育する場合には、飼育スペースと居住スペースを完全に分けるようにして、掃除をこまめに行いましょう。
にわとりがかかりやすい病気についてご紹介します。
近所ににわとりなどの鳥類を見てくれる獣医さんがいるかどうか事前にチェックしておくと安心です。
もし、なにか異常があった場合にはすぐ専門家に相談しましょう。
TV等でもたびたび取り上げられている病気ですが、A型インフルエンザウィルスがにわとりに感染することにより起こります。
主な症状は下痢や嘔吐、食用不振、急激な衰弱などがあげられます。
非常に感染力の高い病気で、鳥インフルエンザに感染すると、ほとんどの個体が死に至る恐ろしい病気です。
多頭飼いしている場合にはすみやかに隔離して、経過観察をします。
一匹が感染すると瞬く間に広がってしまいます。
マレック病ウィルスの感染が原因でおこる疾患で、鳥類独特の感染症です。
若いにわとりに感染しやすく、4~10か月がピークになります。
日本では家畜伝染予防法において、届け出伝染病に指定されており、人には感染しないという特徴があります。
感染すると発育不全やリンパ球に感染したことによるリンパ腫を作りだし、神経症状の異常を起こします。
重篤化すると体中に腫瘍が転移してしまい、死に至ります。
主な予防法として、ワクチン接種が有効です。
代謝異常の一つで特定の栄養素が過不足になることによりあらわれる症状です。
症状が進行すると脂肪肝や骨の異常など、身体の至る所に問題が出るようになります。
特に若い時期に発症すると、発育不全に陥りうまく成長できずに短命になることがあります。
栄養バランスよくエサを与えて、適度に運動させることにより予防することが可能です。
原産国 : 世界各国
値段 : 300円~数万円
毛色 : 白色、茶褐色、黒色等
寿命 : 10年前後
体重 : 800g~2kg
体高 : 50~70cm前後
特徴 : 皮膚の一部が発達したトサカを持っており、古くから家畜として親しまれてきました。地上生活に長けた脚をしており、飛ぶことは苦手ですが、個体によっては数十メートル飛べるものもいます。
性格 : 警戒心が強く神経質な面があります。人に慣れやすいですが、臆病な面もあるので、必要以上にかまわないようにしましょう。
かかりやすい病気 : 鳥インフルエンザ等
注意点 : 特に雄のにわとりは「コケコッコー」と朝方に大声で鳴く習性があるので、住宅街での飼育は騒音対策が必要です。
にわとりをペットとして飼育するための方法を中心にご紹介しました。
丈夫でペットとして飼育しやすいにわとりは、種類によって力を入れる要素がたくさんあり、充実した飼育ライフを送ることのできる鳥類です。
また、雌のにわとりは採卵する楽しみもあり、様々な面で活躍してくれます。
ひよこから育てれば刷り込みにより、親のように慕ってくれますのでとても愛らしいですよ。
飼育スペースやトイレの掃除など室内での飼育には準備が必要ですが、是非とも本記事を参考にしてくださると幸いです。
公開日 : 2018/01/10