Top > 虫/昆虫 > カブトムシ/クワガタ
本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
ニジイロクワガタはオーストラリアやニューギニアなどの熱帯に生息する クワガタ です。
クワガタ科の中でも最も美しいクワガタと言われるほど、七色に輝くその姿は美しいの一言に尽きます。
捕獲禁止地域に生息していることから、現在は国外への持ち出しは禁止されており、そのため購入できるニジイロクワガタはそのほとんどがブリード(繁殖)によるものであるとされています。
勿論、その美しさは天然物と変わりがありません。
今回はそんなニジイロクワガタについて、生態や特徴、飼育方法についての解説をさせていただきます。
ニジイロクワガタは昼に活動するクワガタ。
熱帯のニュージーランドやオーストラリアで、ニジイロクワガタが昼間に活動できる理由はその体色にあります。
ミヤマクワガタ もそうなのですが、日中に活動する甲虫の特徴として「体の色が黒くない」という点が挙げられます。
夏に帽子を被らないと熱中症のリスクが高まってしまうように、甲虫達にとっても強い日差しは命に関わってしまうほどの危険があるのです。
しかし、ニジイロクワガタの体色は黒ではなく、緑を基調とした七色になっています。
このため熱を吸収することもなく、また緑色を強く出すことで天敵に見つからないような工夫にもなっています。
日本ではあまり色の強い草花がありませんが、熱帯では多種多様な色を持つ植物も多く、一見派手に見えてしまう体色ではあるもののニジイロクワガタは立派な保護色を持っているのです。
また、寿命は一年から一年半と比較的寿命が長いクワガタでもあります。
熱帯が原産なことから冬眠もしないため、冬場はヒーターなどをつけて温度管理をすることが大切です。
七色に輝く体のほかにも、ニジイロクワガタには立派な特徴があります。
日本に生息するクワガタ達とはまた違った、反り返るような大きな顎です。
横に突起がついていることが多いクワガタですが、ニジイロクワガタの顎は上の部分に突起がついています。
遠くから見るとまるで角が2本ある カブトムシ のようにも見えるのです。
そのため、ニジイロクワガタの角の使い方は挟むのではなくカブトムシのように「持ち上げる」という使い方になります。
日本に暮らすカブトムシは「持ち上げる」、クワガタムシは「挟む」という戦い方が一般的ですが、南アメリカに生息するヘラクレスオオカブトなどは上下にある角で挟む、クワガタのような使い方をすることで有名です。
外国産のカブトムシやクワガタをペットショップで見かけたら是非、どんな戦い方をするのかなと想像してみてください。
ニジイロクワガタの飼い方はほかのクワガタとあまり変わりがありません。
飼育場所の温度を20~24℃程度に保ってあげれば、ニジイロクワガタは元気に長生きをしてくれます。
敷いた土が乾き始めたら少し霧吹きをしてあげたり、転倒防止のための木などは必ずいれてあげましょう。
ニジイロクワガタはおっとりとした性格の個体が多く、多頭飼いも可能ではありますがケンカの可能性はゼロではありません。
多頭飼いやつがいにする場合は広々としたスペースをとっての飼育や、繁殖期を狙って飼育してください。
ニジイロクワガタを成虫で購入すると価格はペアで3,000円から4,000円ほどで売られていることが多いです。
一方、幼虫から育てた場合は3〜5匹で3,000円と、成虫に比べると随分と安く販売されています。
ニジイロクワガタは幼虫も成虫もとても丈夫なため、沢山ほしいけれど値段の面で迷っている方は幼虫を購入して育てるというのも一つの手です。
幼虫を育てる場合は、発酵マットや菌糸ビンと呼ばれる栄養価の高い餌を使います。
大きな成虫にしたい場合は菌糸ビンを使うと立派に育ってくれます。
きのこ類の胞子を繁殖させたオガクズである菌糸ビンは、クワガタムシの幼虫にとってとても質の良い餌になります。
カビが生えてきてしまったり、キノコが生えてきてしまったりした場合は幼虫を傷つけないようにそっと取り出して、また別のビンへと移してあげることをお勧めします。
菌糸ビンの取り換えは羽化するまでに1回は発生すると思うので、ビンのストックやどこで手に入れられるか、は必ず確認しておいたほうが良いでしょう。
ニジイロクワガタは柔らかな場所に産卵するという特性があるため、たっぷりと発酵マットを敷き詰めてあげればニジイロクワガタはそこに卵を産んでくれます。
産卵後に注意をしなくてはいけないのが、ニジイロクワガタは多産だという点です。
幼虫もかなり大きくなりますので、マットの中に孵化をした幼虫が見え始めたら傷つけないように取り出し、個別で管理をすることをお勧めします。
また、ニジイロクワガタの幼虫は一般的に売られている菌糸ビンよりも大きくなってしまうことが多いです。
菌糸ビンは栄養価や羽化時の大きさを求める場合につかう者なので、初めてクワガタの幼虫を飼育する場合は発酵マットのほうが楽に飼育できると思います。
餌と湿気があればニジイロクワガタの幼虫が死んでしまうことは滅多にありません。
発酵マットよりも糞が多くなっていないか、場所の温度は適切か、などを小まめにチェックして健康な幼虫を育ててみてください。
ここで今一度、ニジイロクワガタの基本情報をおさらいしていきましょう。
オールトラリアやニュージーランドなど、熱い場所に生息するクワガタです。
そのため冬眠はしないので、冬に飼育する場合はヒーターをつけたり、エアコンがある部屋などにおいて越冬させてあげてください。
寒いと弱ってしまい、最悪死んでしまいます。
ニジイロクワガタの顎は日本のカブトムシに似た形をしています。
使い方もカブトムシのように、下から相手の体をすくいあげて投げる、といった戦い方をします。
性格も温和で、喧嘩を好んでする個体は少ないと言われています。
沢山卵を産むニジイロクワガタは、しっかり幼虫を管理していないと飼育ケースが幼虫でいっぱいになってしまうことも。
つがいで飼育していた時は、ケースの中に幼虫がいないかどうかをチェックすることをお勧めします。
また、飼育が容易にできるニジイロクワガタですが、増えてしまったからといって外へ逃がすのは止めましょう。
越冬ができないニジイロクワガタが日本の環境に適応するのは極稀だと思いますが、生態系のバランスを崩すことを避ける、という意味でも最後まで責任を持って飼育をしてください。
手間なく安全に育てたいのなら発酵マット、大きく育てたいなら菌糸ビンがお勧めです。
しかし、ニジイロクワガタの幼虫は大きく、菌糸ビンのサイズの変更は必ず起こるといってもいいイベントです。
その際の手間や事故を防ぎたい場合は、ガス抜きをした発酵マットで飼育するのをお勧めします。
値段の面でも頑丈さの面でも、さらに視覚の面でも初心者にお勧めできるクワガタがニジイロクワガタです。
外国産のクワガタは飼育が難しい、と思う方も多いかもしれませんが、飼育方法は一般的なクワガタと変わりがありません。
安心して育てていただければと思います。
この記事がニジイロクワガタを飼育する方の参考になれば幸いです。
最終更新日 : 2020/12/23
公開日 : 2017/11/04