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オオルリは ウグイス 、 コマドリ と共に日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)の一つに数えられています。
鳴き声が美しい鳥の一種なのです。
分類はスズメ目ヒタキ科オオルリ属の野鳥になっていますね。
では、オオルリがどんな鳥なのかをみていくことにしましょう。
「オオルリ」の名前の由来でもある鮮やかな瑠璃色の体が特徴。
バードウォッチャーにも人気があります。
オオルリの体の特徴をみていくと全長は16〜17cmで翼開長は27cm程度になっています。
オスとメスで体の色が異なるのも面白いところ。
オスは背中部分が尾にかけて綺麗な青色になっていて、腹は白色、喉や顔が黒色。
メスは頭から尾にかけての背面が茶褐色、喉と腹が白色で胸と脇が褐色。
ちなみに、オスの体の色が鮮やかな青色になるには2、3年要します。
それまでのオスの羽色はメスと同様の褐色で背面や風切羽、尾羽に少しだけ青色があります。
メスはキビタキやコサメビタキに似ていますので観察の際は注意してみましょう。
オスはコルリ、 ルリビタキ と並び、青い鳥の御三家とされていますね。
ざっくりと言うと、オオルリのオスは瑠璃色、メスは淡褐色と覚えておくといいでしょう。
オオルリの寿命は短い事で有名です。
平均的な寿命は5年ほどとなっています。
もちろん、個体によっての個人差や外敵に襲われる事、事故による寿命もありますので例外もありますよ。
いずれにしても他の野鳥よりは短くなっています。
例えば、よく見かける スズメ の平均寿命は20年ほど。
ハト が30年、ツルは40年、白鳥にいたっては70年もの平均寿命となっています。
特にオスは美しい体の色から、ペットとして飼ってみたいと思うかもしれません。
ですが、鳥獣保護法によってオオルリをペットとしての飼育(飼う事)は禁止されています。
オオルリに限らず、ほぼ全ての 野鳥 は保護したり、飼育したりすることはできません。
実際、2016年6月に兵庫県で違法飼育した男性が逮捕されています。
間違っても野鳥の保護はやめてくださいね。
オオルリは現在、国際自然保護連合によるレッドリスト、軽度懸念の指定を受けています。
簡単に言えば、近い将来、絶滅の危惧がなされている事になります。
日本国内でも千葉県や山形県など都道府県単位でもレッドリストの指定を受けていますね。
しかし、毎年のように違法な飼育が確認されているのは残念なことです。
なぜ、オオルリをはじめとした野鳥の保護や飼育が禁じられているかと言うと、乱獲が増えるからです。
乱獲が増えると捕まえた野鳥をお金儲けの道具にする人も現れ兼ねません。
さらに、絶滅危惧に至る可能性もありますので禁じられ散るわけですね。
それでは次に、オオルリの食べ物、生息地域、繁殖の特徴をみていきたいと思います。
オオルリは、いわゆる、フライングキャッチで飛んでいる昆虫を捉えるたびに木の枝先に戻ります。
地上で獲物を探している事はほとんど見かけません。
稀に地上でエサを取ることがあっても動作が素早いので長時間にわたって留まっている事はありません。
地上にいるオオルリを観察する事は難しいと言えますね。
オオルリはクモなどを好む昆虫食が基本ですが、小さめの果物(木ノ実)を食べることもあります。
オオルリの生息範囲は南西諸島を除く北海道から九州まで広い地域で分布します。
ただ、日本にやってくるのは夏鳥として4月下旬から。
10月を過ぎるとインドシナ半島から大スンダ列島、フィリピンに渡り越冬します。
ちなみに、日本以外では中国東北部やウスリー、朝鮮半島にも分布。
オオルリはメスよりもオスが早く渡ってきて縄張り争いをしています。
そして、オスが選んだ場所にメスが巣作りを実施。
渓流沿いの岩壁や土壁のくぼみを巣の土台にし、コケ類を運んで巣を完成させていきます。
メスが巣作りをしている間、オスは縄張りを取られないように見張りをしています。
面白いのが、縄張りは直線上にあることが多く、巣作りの時期は一定の間隔でオスがさえずる姿を目撃することも。
ですから、オオルリの生息場所は山地や丘陵で渓流沿いの森林がベストでしょう。
その他、林の中の湖や牧場と林の境目もオオルリがいる可能性もありますね。
4月や10月の渡りの時期であれば市街地の公園などでも観察されています。
繁殖についてみてみると6〜8月となっています。
先ほど巣作りについて解説しましたが6〜8月が目安になると言うことです。
メスは一度に3〜5個の卵を出産し、14日程度の抱卵を経て孵化。
その後、オスとメスが共同でエサを運んだり食べさせたりして育てます。
孵化後12日ほどで巣立ちの時期を迎えますが、巣立ちから10日ほどは家族で生活します。
オオルリの魅力はオスの鮮やかな体の色と美しい鳴き声。
鳴き声は耳をすまして聞くと鳴き声はよく通り、「ピールーリー ポピーリ ピピ ギッギッ」と聞こえます。
さえずりは「チチン」や「ジェッ」とつまった音が入ることもあります。
メスはオスと違って大きい鳴き声ではありませんが若鳥の不完全なさえずり(ぐぜり)のような声で鳴きます。
オオルリの鳴き声は美しいですので観察の時には是非聞きたいものです。
姿も鳴き声も美しいオオルリですが山間部での観察が多くなります。
しかし、できるだけ都心に近いところで観察できるとこもあるようですね。
そこで、関東周辺でオオルリを観察しやすいスポットを紹介しておきます。
先にも少し触れましたが、オオルリは山地の渓流沿いでよく見かけます。
少し混乱しそうなのはオオルリがいる場所には鳴き声の似たキビタキも存在。
慣れないうちいは混同しがちですが、オスの体の色を目安に見分けましょう。
もう1つ注意して欲しいのはオオルリがいる場所です。
オオルリがさえずる時は比較的高い木のてっぺんにいることが多くなっています。
注意してオオルリの存在を確認してみましょう。
有名な温泉地、群馬県、伊香保温泉近くの伊香保森林公園がおすすめスポット。
夏にオオルリがきやすい場所になっています。
木々の下の方にはコマドリやコルリもいますが、木の上部に目をやってみましょう。
オンマ谷付近は階段が多く、体力や足腰に自信がない時には池にオオルリが水浴びしにくるのを待ってみてくださいね。
東京にもオオルリがやってくるスポットがあります。
しかも、23区の大田区にある東京港野鳥公園。
春先の渡りの季節にオオルリがよくやってくるスポットとなっています。
渡りの時期ですので少しだけ立ち寄るほどで観察できる期間は短め。
園内にはボランティアのスタッフもいますので居場所を聞いてみるのもいいでしょう。
また、公式ホームページでは野鳥情報が日々更新されていますのでチェックしてみてくださいね。
栃木県矢板市の栃木県民の森には夏にオオルリがやってきます。
管理事務所から渓谷を下ったポイントがオオルリの観察に適していますね。
また、付近には川もあり水浴びしに来ているオオルリがいる可能性も。
管理人もいますので出没エリアを聞いてみるのもいいでしょう。
公式ブログやツイッターで情報発信もしていますので確認してみるとオオルリ観察の役に立ちます。
オスの体の色やなきごが綺麗なオオルリ。
日本にいる期間は半年ほどです。
生息しやすい場所を頭に入れ、観察に出かけてみませんか。
公開日 : 2017/10/24