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ピンポンパールはコロコロとした玉のような身体が愛らしい 金魚 です。
寸胴体型に愛着をもつ私たち日本人にとっては馴染み深く、非常に人気が高い金魚の種類となっています。
成長しても和金のように大きくならずに小型水槽で終生飼育できることからも人気があります。
こちらではピンポンパールの歴史や飼育に必要なアイテム、かかりやすい病気や色合いなど多岐にわたり、ピンポンパールの魅力をお伝えできればと思います。
ピンポンパールの原産国は中国で、別名珍珠鱗(ちんしゅりん)やパールスケールとも呼ばれています。
ピンポンパールは珍珠鱗を原種とした金魚であり、その中でも特に丸い個体のものを掛け合わせて作出されました。
その鱗は「真珠」を意味する珍珠(ちんしゅ)と呼ばれており、鱗の一枚一枚が真珠に見えることからそのような名前がつきました。
日本での呼び名はピンポン玉に見えることとパールスケールの呼び名が混ざり、ピンポンパールに固定されました。
日本に導入されたのは昭和30年代のことで、丸手で短尾のものを固定して作られました。
日本導入時はほとんどの個体が中国から輸入されたものでしたが、現在は東南アジアを中心に国内でもブリードが盛んになっています。
野性の個体はおらず、全てブリードして作出されたものです。
最大の特徴は上記にも記した通り、その身体つきと真珠のように一枚一枚隆起した鱗になります。
どんぶり金魚などとも呼ばれており、上からみた丸い姿が美しいとされ、鉢などの背の低い水槽で飼育するスタイルが人気です。
この鱗はピンポンパールのみに見られる特徴であり、鱗の主成分は燐酸カルシウムで形成されており、他の金魚と大きく異なります。
ピンポンパールの鱗は一度剥がれると再生できず、水質の悪化による細菌感染に大変弱い金魚になります。
鱗を傷つけないように水槽内を保護する必要があり、その点は他の金魚より気を使う部分になるでしょう。
うまく成長すると10センチ前後になり身体の膨らみも厚くなり、体色も濃くなるので美しい鱗の様子が観察できます。
人にも良くなれエサをねだる姿は愛嬌たっぷりで、性格も穏やかで争いはほとんどしません。
短い尾を身体全体をふって泳ぐため、泳ぐスピードは決して速くはなく、浮遊しているように泳ぎます。
強い水流は苦手でエアレーションなどでも身体が傷つく場合があるので注意が必要です。
ここではピンポンパールの中でも特に流通している色を紹介いたします。
基本的に個体によって配色は異なり、成長することで色の出方も変わってくるので、その点も飼育の楽しみの一つです。
最も多くで出回ている体色で、ほとんどのピンポンパールは赤白の2色(更紗)で形成されています。
それぞれ色の入り方には個人差があり、成長過程で模様が変化してくるのも特徴です。
国内のブリードのみにとどまらず海外での輸入ものでもこの赤白の取り扱い非常に多いです。
自分好みの模様をみつけて育てるとより一層愛情をかけて飼育することができるでしょう。
稀に赤の部分が多く赤一色で形成されている個体がいます。
和金より透明度の高い赤で鱗部分が広白く透明に見える特徴があります。
エラ部分は白が出やすく、成長すると尾の部分などは白に変化することがあります。
色あげフードなどを使用して飼育すると赤の色素が濃く残り、成長しても美しい赤一色のピンポンパールを楽しめる場合があります。
画像は赤白の個体になりますが、白一色のみの個体もおります。
真珠のように透き通った身体をしており、パールスケールの名にふさわしい色合いです。
透明度の高さから気品を兼ね備えた姿をしており、是非ライトなどを使用して楽しみたい体色になります。
白一色の身体は水槽内でも見栄えがするので飼育するならば加えたい色でしょう。
黒や墨のような黒っぽい色合いのピンポンパールもおり、また違った水槽を楽しみことができます。
特に虎色は人気色で渋めの色合いが水槽を引き締める役目を果たすので美しいピンポンパールの水槽ができあがります。
これらの色は数が少なく、確実に手に入れるためにはネット通販がおススメです。
ペットショップでの購入よりも200円前後割高になりますが、自らが望む個体が手に入りやすいので良いでしょう。
ピンポンパールは大きさにもよりますがペットショップで50円前後で入手可能です。
幼魚ですと身体がまだ完成されておらず、導入時のストレスに耐えられないことがあるので大きめの個体を選ぶようにしましょう。
出来れば購入するショップから国内産のものか外国産のものかを確認してから購入するのが良いです。
外国産の場合元々なにかしらの病気をもっていることもあるので、導入の際は慎重に食塩浴するのがおススメです。
寿命は5~8年前後ですがうまく育てることができれば10年以上生きる個体をおり、長期にわたって飼育者を楽しませてくれるでしょう。
飼育環境は温度変化の少ない室内の風通しの良い日陰での飼育がベストでしょう。
ピンポンパールは他の金魚よりも温度変化に弱く、非力な面があります。
そのため用意するアイテムもヒーターが必要だったりと和金の飼育よりはコストがかかる金魚です。
エサや混泳などについてもご紹介いたしますね。
ピンポンパールの姿は上から見ても美しく「上見」を楽しむのなら画像のような水槽もおすすめです。
しかし、ろ過装置の設置やヒーターの収まりなどの考慮すると45センチ以上の水槽が望ましいでしょう。
ろ過装置は消音で流れが発生しないタイプのものを選ぶようにして水槽内に水流を発生させないように考慮します。
砂利や水草は従来の金魚の飼育と同じ物を選んでいただければ問題なく、和金のように水草を引き抜いたりはしないので様々な種類の 水草 を楽しめます。
しかし、水槽内を水草で満たしてしまうと酸欠になりやすくなり、また水草が邪魔して泳げないなどの問題も出てくるので、浮き草等が良いでしょう。
ピンポンパールは穏やかな金魚ですので混泳も可能ですが、和金やコメットといった泳ぎの早い金魚との混泳は避けましょう。
和金等は気が強いため、ピンポンパールを攻撃してしまったり、追突する危険があります。
琉金や らんちゅう といった腹の深いタイプの金魚との混泳なら可能ですが、大きさが大きくなってくるとこちらも攻撃されてしまう可能性があります。
大きさをそろえて混泳するか、同種同士での混泳が一番安全でおすすめです。
ピンポンパールのみの水槽でも統一感があり、優雅に浮遊する姿は他の金魚では見ることのできない穏やかな時間を与えてくれます。
基本的に金魚用の人工飼料で問題ありませんが、ピンポンパールは口が小さく小食のため、極小粒の浮遊性のエサを与えると良いでしょう。
幼魚のうちはエサを認識しにくく食いつかないことがあるので、ピンセットなどで口元までもっていき与えるようにしましょう。
身体が成長してきたらミジンコ等をおやつ代わりに与えると頑丈な身体を作ることができます。
ピンポンパールはエサをあげすぎると消化不良を起こしやすいので、一日に複数回にわけて給餌すると良いでしょう。
残ったエサは水質の悪化につながるので、その都度取り除くようにしましょう。
ピンポンパールは強い水流が苦手ですが、ろ過装置を取り付けないと水質が悪化しやすくなるので画像のようなタイプのろ過装置を付けると良いです。
広い飼育スペースでの飼育ができない方でも、小型水槽で終生飼育が可能な点がピンポンパールの利点ともいえます。
上記のようにコンパクトなタイプのろ過装置も使用可能なので、飼育ははじめやすいのではないでしょうか?
小型水槽で飼育する場合は2~3匹での飼育がベストで、それ以上の数を飼育する場合は45センチ以上の水槽を用意して上部フィルターの使用が良いです。
①購入してきた水槽をよく洗い、天日干しして乾かします。
同時に水道水にカルキ抜きを入れてカルキを抜き、水が透明になるまで待ちます。
②洗った砂利や土管などのアクセサリーをレイアウトして静かに水を入れます。
この時水草を植える場合には水を3分の1入れてから水草をセットします。
③水槽に水を入れたらヒーターを25度前後に合わせて起動させ、同時にろ過装置も起動させます。
④2日ほど水槽内に酸素を循環させてフィルターにバクテリアを定着させて水を安定させます。
水質は弱酸性~弱アルカリ性の間で設定すると良いでしょう。
⑤水槽が立ち上がったら購入してきたピンポンパールを室温にならしてから水槽に袋ごと1時間浮かべておきます。
⑥水温を合わせたら袋の水を3分の1捨てて水槽の水を少量入れて40分置きます。
これを2~3回繰り返して水質を合わせてください。
⑦袋の水を捨てて、ピンポンパールのみを水槽に移して水合わせが完了です。
導入当日はエサを抜いて様子を観察して環境に慣れさせましょう。
ピンポンパールは他の種類の金魚に比べて身体が小さく、独特なところから病気にかかりやすい傾向にあります。
一度病気を発症してしまうと回復は難しく、回復後も抵抗力が落ちてうまく育たないことがあります。
一番の予防は水質を一定に保ち病気を発症させないように予防することです。
もし、飼育している個体に病気の症状があらわれた時は直ちに専門家の指示を仰ぎましょう。
ピンポンパールは腹がコロコロと丸いところから浮袋の調子を崩しやすい面があります。
消化不良や水質の悪化によって浮袋の調子が悪くなることがあり、症状が進行すると水面に浮かんで自ら泳ぐことができなくなります。
必用に応じて他の金魚に突っつかれないように隔離して様子をみましょう。
食塩浴や水温を少し上げることにより消火を促して身体にたまったガスが抜けるように補助してあげましょう。
エロモナス菌によって引き起こされる病気でその名の通り鱗が松ぼっくりのように荒れて衰弱してしまう病気です。
ピンポンパールの場合もともと鱗が一つ一つ独立していることから松かさ病に気づきにくく重症化する傾向にあります。
松かさ病を発症したピンポンパールは水ぶくれのような身体つきになるのが特徴です。
またこのエロモナス菌は表皮だけではなく、内臓にも感染する場合があり、内出血をおこして身体が赤黒くなることがあります。
初期の場合食塩浴などでの治療は有効ですが重症化してしまうと完治が難しい病気なので注意が必要です
原産国 : 中国
値段 : 500円前後
体色 : 赤、赤白、白
寿命 : 10年前後
体長 : 6センチ~10センチ
特徴 : パールスケールと呼ばれる真珠のように一つ一つが独立した鱗をもっています。ピンポン玉のように丸い身体で泳ぎはあまり得意ではありません。
性格 : 穏やかで攻撃性もほとんどないので他の魚に攻撃対象にされやすいです。
かかりやすい病気 : 転覆病、松かさ病等
注意点 : 鱗が特殊な形状をしており、水槽などにあたると剥がれて傷つき再生できなくなるので水槽の内側を保護するなどの工夫が必要です。
ピンポンパールについてご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
ピンポンパールの飼育は和金に比べれば気を遣うポイントの多い魚ですが決して難しくはありません。
大きく成長したピンポンパールはずんぐりとして貫禄もあり、丸いので愛嬌もあるなんとも魅力的に成長します。
大きく育て上げたピンポンパールは感動ものですよね。
こちらの記事を参考にしていただき少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
最終更新日 : 2021/05/04
公開日 : 2017/09/29