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キビタキとはスズメ目ヒタキ科ヒタキ亜科に分類される 鳥 の一種。
オスの体の色が鮮やかな黄色であることが特徴の鳥になります。
日本では夏鳥として全国各地の山間部でよく見かけます。
詳しく特徴をみていくことにしましょう。
キビタキの体長は13cm〜14cmほどの大きさになります。
翼を目一杯開いた時の翼開長は22cmくらい。
イメージとしてはスズメよりも少し小さい鳥と考えてください。
オスの体の色は先にも紹介しましたが眉のあたりとお腹、腰のあたりにかけて黄色になっています。
メスは頭、体の上側はオリーブ褐色と表現する色で喉から体の下側は白。
喉元が少し黄色になっています。
オスもメスも非常に細い足で体を支えながら立っています。
細い足のせいか、指と爪は体に対して比較的長くなっていることも特徴的です。
キビタキは学名では「ナルシシナ」といいます。
英語では「ナルシッサス・フライキャッチャー」。
学名、英語、共に意味は「水仙」(すいせん)を意味します。
水仙の花のように鮮やかに移る様子をうまく表現しています。
美少女ナルシスをギリシャ神話で聞いたことがある方もいるかもしれません。
キビタキはまさにそれを連想させます。
自分の姿に見とれて泉の近くで水仙になった…。
少しロマンチックな話です。
いわゆるナルシストな性格が学名、英語名でも語源になっているのでしょうか。
キビタキには見た目が似ている鳥も存在します。
ただ、オスは先にも特徴を紹介しましたが黄色が目立つ体の特徴ですので見分けは容易。
ですが、メスは「オオルリ」という鳥のメスとの見分けが難しいと言われています。
メスのキビタキとオオルリの見分け方は大きさと鳴き声。
オオルリはキビタキよりも体が大きい鳥です。
体の色で見分ける時には体の上側(背中)をしっかりとみてください。
キビタキはオリーブ色、オオルリは茶褐色になっています。
それから、お腹の部分の色はキビタキは濃淡がみられますがオオルリは濃淡がなく一色。
よく見ると違いがわかってくるでしょう。
では次に、キビタキはどんな生活をしているのかをみていきましょう。
食べているものや生息している地域など参考にしてみてくださいね。
キビタキは動物食の強い鳥です。
昆虫や節足動物さえも食べてしまいます。
キビタキは木の枝にとどまって木の葉っぱの裏や周辺を飛んでいる虫をキャッチします。
成功すると自分が元いた場所(木の枝)に戻って食べるフライングキャッチで採餌。
昆虫などを食べることが多いようですが秋には木の実も食べます。
キビタキは日本の全国各地に生息しています。
5月ごろに渡り鳥として日本に渡ってきますが10月ごろになると東南アジアなど温暖な地域で越冬。
ですから、キビタキを観察したい時には夏か秋になるわけですね。
近くの田んぼや公園、林の中で羽休めをしていることでしょう。
世界でみてみると中国などの東アジアで繁殖して夏に日本やサハリンに渡って来るキビタキ。
越冬する場所はフィリピンやボルネオ島。
時々、アラスカやオーストラリアでも放浪している姿が目撃されたこともあるようです。
ちなみに、キビタキは繁殖期になると直径で100mから150mの縄張りを持ちます。
オスは自分の縄張りの境界に他のキビタキが来るとブンブンと鳴いて威嚇。
時には激しいく追いかけ回す時も。
キビタキの繁殖期は5月から7月で樹木の裂け目や樹洞に営巣。
巣は枯れ葉や枯れ草、コケ類をうまく使ってメスがつくります。
4個から5個の卵をメスが12日ほどの抱卵から孵化。
その後はオスが餌を運んできてメスが食べさせる期間の12日ほどを経て巣立ちを迎えます。
キビタキの寿命は断定することは難しいですが、基本的に数年程度であると言われています。
キビタキは「森のピッコロ奏者」と言われています。
理由は明るくリズミカルにさえずることから名付けられました。
鳴き方は「ピッピッピ」や「ピリリ」と聴き心地のいい鳴き声。
聞いた事のある方は、きっと癒されたに違いありません。
キビタキは賢い鳥なのか「ツクツクホーシ」、「チッチリリ」など他の鳥の鳴き声を真似ることもあるようです。
様々な鳴き声を出すかもしれませんのでしばらくみているのもいいですね。
オスのキビタキは繁殖期の5月から7月は縄張りの強調とメスの関心を引くためにさえずりはいつもより高い声になります。
先にも紹介したように、メスの体の色は地味になります。
これは卵を温める時やヒナにエサを与える時に外敵から守るために周辺とどうかさせる意味合いもあります。
バードウォッチングでメスを探すのは困難かもしれません。
しかし、木々を注意して観察しましょう。
地味な体の色ながら暖かさを感じる羽毛に魅力を感じるベテランのバードウォッチャーもいるとのこと。
キビタキは田んぼや林、公園に出没すると言いました。
一番のオススメはやはり、林です。
もう少し具体的に言うとスギやヒノキが混在する林。
なぜかといえば、「どんぐり」のなる木だからです。
昆虫などをよく食べるのがキビタキですが秋には木の実も食します。
ですから、秋頃にスギやヒノキが混在するような林に行ってみるとキビタキに出会える可能性が高まりますよ。
スギやヒノキの木が混在する林と言っても都市部に住んでいる方は近場にないかもしれませんね。
その場合、郊外の広い公園で里山と名称がついている場所がオススメです。
雑木林のエリアがあれば、キビタキがいる可能性があります。
都市部に住んでいる方は里山に出かけてみましょう。
高原にもキビタキがきている可能性があります。
別荘地になっているところと言うと分かりやすいでしょうか。
これも森林があることからキビタキのエサになる昆虫や木の実が豊富と考えられているからですね。
キビタキをうまく見つけるにはオススメのスポットに出向くこと。
そして、実際にどうやったらうまく見つけられるかです。
キビタキは小さい体ですので外敵から狙われやすくなります。
ですから、見つけにくいところに潜んでいたりします。
林に入ったらできるだけ広く見渡せる場所を見つけていきます。
次のポイントは鳴き声のする方を見つめます。
林の中で枝にとまって鳴いていますので、注意して鳴き声を聴きましょう。
鳴き声のする所に視線を起きつつ、その左右にも注意を払います。
そうすると飛び立つキビタキを発見しやすくなります。
一点を集中してみていると探せないことが多くなりますので広い視野が必要。
ぜひ、トライしてみてくださいね。
最後にキビタキを含めた野鳥についての法律について紹介します。
頭に入れておきましょう。
キビタキをはじめ鳥好きの人にとっては「飼ってみたい」と思うかもしれません。
戦前、野鳥をペットとして飼うことが広く行われていました。
しかし、戦後からは野鳥についての法律が徐々に整備されてきます。
決まった種類の野鳥のみペットとして飼うことを許可。
2007年からは メジロ 1種、1世帯1羽のみ認められるまでに縮小されました。
そして、2012年4月1日には全ての野鳥を捕獲して飼うことが禁止に。
当然、キビタキも例外ではないために捕獲して飼うことはやめてくださいね。
オスの体が黄色で鮮やかなキビタキ。
林にいることが多く、リズミカルな鳴き声も特徴的。
夏や秋にキビタキを探しに出かけてみましょう。
最終更新日 : 2021/04/28
公開日 : 2017/09/16