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5. いつものように鳴かなくなった、元気が無い、寝てばかりいるなど
2. ビタミンB1欠乏症(脚気、脚弱症、チアミン欠乏症、多発性神経炎)
飼い主の前では気丈に振舞うとされているインコですが、そんな彼らだからこそ日頃からの健康に気を遣うのは大切なことです。
まずインコや小鳥の場合、犬や猫の様に定期的な伝染病の予防接種というものが無く、気が付いたときには病状が進行していることは珍しくありません。
そのため、インコの健康を守るためには治療よりも日々の予防が大切です。
それでは、インコの場合の病気の予防はどうすれば良いのでしょうか。
いざというときに慌てたりしないよう、前提知識として知っておきたいことをまとめました。
インコを含めた小鳥は本来体温が非常に高く、約42度前後もあるため、寒さに弱い動物です。
若くて元気一杯の時は、かなり寒い気温でも耐えられるようですが、少しでも体力が落ちたり、食欲が減ったりすると低体温に陥り弱ってしまいます。
冬は電球型の保温器等を用意した方が無難です。
「調子が悪そうだな?」と、思ったらまず保温が基本。
例え夏場でも保温器が必要になる場合があります。
ケージを置く場所は、冷房の風が直接当たらない場所に設置するなど、温度が極度に変化しないように気を遣いましょう。
もちろん高体温症にも注意が必要なので、保温器をセットしたケージの半分はタオル等をかけて暖かく、反対側は温度が逃げる様にしておくとインコが自由に選べるので、保温と高体温症、両方の予防に対応することができます。
飼育し始めて2週間ほどしたら、特に変わったことがなくても、病院に健康診断に行ってみましょう。
幼鳥では検便程度かも知れませんが、きちんとした鳥専門のかかりつけ病院を探す意味でもぜひ行ってください。
その後、半年サイクルで定期的な健康診断を行うことをおすすめします。
その際に、できるだけ普段の飼育環境で連れて行き、飼育環境についてのアドバイスをもらえるようにしてください。
ただし、野外の環境に慣れていないインコがほとんどなので、来院の際にはケージをバスタオル等で覆い、外が見えないようにしてあげると良いでしょう。
床面の糞掃除は毎日、あるいは2日おきには行いましょう。
また、餌入れや水入れもこまめにきれいにしてあげてください。
餌は減り具合を毎日チェックし、また床の清掃をする際には、糞便の状態と数を大まかに確認して、何か気になる事があれば病院に相談しましょう。
餌箱の中にある餌が毎日ちゃんと減っているかチェックしましょう。
インコは餌をくわえて鳥かご内にバラまく遊びをすることもあります。
そんなインコでも毎日どれくらい餌を食べているか確認できるように、鳥かご内に落ちている餌は定期的に綺麗に掃除するようにしてあげてください。
食欲が低下しているインコはかなり症状が進行している可能性があり、もし「餌をまったく食べようとしない」「食べているのに痩せていっている」等の症状が見られると大きな病気の可能性もあります。
インコなどの小鳥は栄養要求率や代謝率が非常に高いので、食餌管理は様々な病気の予防として大切です。
以下を参考に、愛鳥の健康を考慮した食事を選びましょう。
シードとは、その名の通り種のことです。
もっともポピュラーな餌であり、インコの重要な主食です。
ペットショップに行くと、いろいろな穀物の種子が配合された混合シードが売られていますが、ヒエ、アワ、キビがミックスされたものが多いようです。
また、小鳥といえばムキ餌、といった図式が一般的ですが、実際にはこれだけでは不十分です。
できれば、殻付き混合餌の方がより良いでしょう。
殻付き混合餌も完全とは言えませんが、ムキ餌よりは栄養的なバランスが良いようです。
逆に欠点は、殻が散らばって周囲を汚すことや、餌がまだ十分入ってると思っていたら実は殻だけだったと言う話を耳にします。
これを飼い主が見て、「まだ餌がある」と勘違いしてしまうと、餌の交換が遅れ、最悪の場合インコが餓死してしまいます。
そうならないためにも、餌の交換は特にこまめに行う必要があります。
1日1回はエサ入れの様子を見て、殻がたまっているようなら取り除きましょう。
ペレットとは、インコに必要な栄養を考えて作られた総合栄養食のことです。
犬にとってのドックフードのインコ版のようなもので、栄養的に大変優れた餌だと言えます。
しかし、インコにとってはシードの方が美味しいようで、なかなかペレットを食べてくれないことも多いです。
そうとはいえ、栄養素がバランス良く配合されているので、インコの健康を考えるなら、ぜひシードとセットで食べさせてあげたい餌です。
その際、シードとペレットは別の容器にいれるようにしましょう。
どうしても食べてくれないのであれば、ビタミン剤やサプリメントを別で与えるなどして栄養管理をしましょう。
主食の7割以上がペレットの場合、ビタミン剤などのサプリメントは必要ありません。
場合によっては特定の栄養素を過剰に摂取してしまうことになるので、野菜類を与える程度にしてください。
副食は常に主食を補足する形で与えるべきです。
その量や内容は個体や年齢、体調などによって異なることに留意しましょう。
また、味付きのものは、偏食になったり栄養バランスを崩す元になるので与えるべきではありません。
副食には新鮮な野菜を与えましょう 。
なお、以下が副食に適したものです。
<野菜類>
青菜(小松菜、チンゲン菜)、豆苗(豆の部分はダメ)、パセリ、人参、カボチャ、サツマイモ
<時々与えて良いもの>
ボレー粉、カトルボーン、卵の殻、ミルワーム、にぼし、ゆで卵黄身、果物類(種はダメ)
※合わせて読みたい: 何を食べさせたらいいの?インコの餌について知っておきたいコトまとめ!
放鳥とは、インコを籠から出し、運動不足やストレスを解消させることです。
また、放鳥を行うことで飼い主とのコミュニケーションなどを図ることができます。
この時に、飼い主はインコの身体の様子を観察するのが良いでしょう。
時間も決めずにダラダラと放鳥しているのは適切とは言えません。
思わぬ事故を避けるためにも、放鳥する時間は1日に1時間程度にしておきましょう。
以下が放鳥をする際の注意点です。
部屋のドアも閉じ、他の家族がドアを知らずに開けてしまわないよう、前もって放鳥することを知らせておきましょう。
また、誤って窓にぶつかってしまったときのために、レースのカーテンを引いておくと安心です。
鳥は体の中にフンをためておくことができず、食べたらすぐに排泄する動物です。
フンを出さないようにする方法はありませんが、ケージから出している間はインコをよく観察し、フンをしたらすぐに片付けましょう。
保護カバーをつけるほか、インコがかじって遊ぶおもちゃを用意し、そちらに興味を持っていかせるのも対策のひとつです。
また、家の中にはインコにとっては危険なものも沢山あります。
例えば、とがった鉛筆や冷えていないアイロン、炊飯の蒸気、観葉植物にもインコに有毒なものがあります。
こういったものは予め片付けてから放鳥を行うようにしましょう。
病気や怪我の早期発見のためには、飼い主が日頃からインコと触れ合い、健康状態を把握しておくことが重要です。
インコの身体に異常は無いか、健康な状態であるかを確認しましょう。
インコの体重は定期的(できるだけ毎日、同じタイミングで)にチェックしましょう。
成鳥になってからは基本的に体重が安定します。
あまりにも体重の増減が激し過ぎる場合は、 「ちゃんと餌を食べていない」「何か病気がある」等の可能性があります。
体重測定にはデジタル式のキッチンスケールがあれば便利です。
放鳥の際にコミュニケーションを取りながら、ご褒美を上げたり褒めたりしながら体重測定を行うと、喜んで乗ってくれるようになりますよ。
健康的な色と違ったり、下痢(オシッコが多い)が続いている、濃すぎる色のフンをしている、鮮やかすぎる色のフンをしている等 いつもと違う状態のフンが続いている場合は、病気の可能性があります。
おかしなフンが長く続いているようなら、それをティッシュなどに残しておき、獣医さんにも診てもらうようにしましょう。
インコの場合普段の呼吸音は人間にはなかなか聞き取りづらいですが、 ゼーゼーと人間にも聞き取れる程呼吸音がおかしくなっていたり、或いは全身で呼吸をしている場合 は、肺炎などの呼吸器等の異常の可能性があります。
口を開けて呼吸している時は、苦しいサインであることが多いです。
温度が高すぎないか、興奮させすぎたのか、これらを確認してみましょう。
食欲も活動性も低下して、開口呼吸をしているときは、重症であることが多いです。
インコは寒くなると羽毛を膨らませ体を温めようとします。
適温の部屋の中であまりにも寒がっているなら、何らかの問題で体温調整が上手くできていない可能性があります。
体調不良のサインでもあるので、じっと動かずに膨らんでいるのであれば、まずは室温を確かめましょう。
動かずじっとしている、寝てばかりいる、朝活動しだすのが遅いなど、弱っているインコは動きが大人しくなり元気に鳴く事が少なくなります。
ただ単純に眠いだけ、年齢を重ね少し活動が緩やかになってきたという可能性もありますが、あまりにも急に大人しくなってしまった場合は、病気や不調で衰弱している可能性があります。
インコも人間と同じように眠たいときにはあくびをします。
ただ、急に生あくびを繰り返すような時はそのう炎等の可能性があります。
あるいは、甲状腺に問題が出ている可能性もあるので、受診するようにしましょう。
目の周りがいつものようにぱっちり綺麗かチェックしてあげてください。
いつもより目の周りが腫れている時は結膜炎などの病気の可能性があります。
インコも人間と同じく風邪をひくとクシャミをします。
クシャミを繰り返し、鼻腔の周りが汚れているなら風邪等の病気の可能性があります。
簡単に鼻炎、副鼻腔炎でも命にかかることがあるので要注意です。
くちばしの色、形、状態などは常にチェックしましょう。
例えば、貧血状態のセキセイインコのくちばしは白っぽくなりますし、栄養不足になるとくちばしが軟化して、上下がかみ合わなくなることもあります。
肝臓が悪くても、嘴の一部が変色したり、変形することがあります。
また、嘴の根元の方がガサガサしていると、寄生虫も疑います。
いつも止まり木に止まっているインコがずっと床の上で過ごしていたら、体調不良を疑いましょう。
もしかしたら脚が痛くて止まり木をつかむことができないのかもしれません。
ダニなどが寄生している場合もありますが、ストレスにより自分を傷つける行動に出ている可能性もあります。
ケージの周囲の環境を確認してインコのストレスになるものがないかどうか確認しましょう。
いざという時のためにも、インコを飼い始めたら受診できる鳥専門の病院を探しておいてください。
受診したいときに休診しているケースを考え、できれば複数の病院を見つけておくのが理想です。
一般的な動物病院では、鳥の診療を行っていないことも多くあります。
また、犬猫が主な患者である動物病院では、鳥の診察が得意ではないことがほとんどでしょう。
鳥専門の動物病院であれば、そのう検査や血液検査やウイルス検査、レントゲン検査など、検査の幅が大きくなり、診断も可能です。
鳥もしっかりと見れる病院であるかどうかは、血液検査が可能かどうかで判断できるでしょう。
また、そういった病院は予約制であることも多いので、重症になる前に受診することが大切です。
日頃から愛鳥の健康に気を遣うことは飼い主の義務となります。
インコがかかりやすい病気をまとめましたので、病院に症状を説明する際にお役立てください。
胃炎になり食欲減退、元気消失し、時に吐き気や嘔吐、胃潰瘍、胃出血、血便、黒色便、貧血などの症状があります。
感染により胃腸の消化能力の低下が起こる為、食べた種子が消化されずにそのまま排泄され(全粒便)、食べても食べても痩せていってしまいます。
最悪の場合は突然死もありえます。
多くの鳥類の胃に生息している、棒状の微生物でカビの仲間である "メガバクテリア" によって起こる色々な疾病を メガバクテリア症(マクロラブダス症) といいます。
主な感染経路は母親から子への垂直感染といわれ、親から子へ与えられる吐き戻しのエサからの感染。
また、同居している鳥の糞を食べたり、オスの求愛時の吐物から移ることもあります。
感染したからといって全ての鳥が発症するわけではありませんが、もし発症し感染が進行し、慢性化するとなかなか治らない病気です。
発症する前に早期発見、早期治療すれば抗真菌剤を投与することで完治も可能です。
日頃から愛鳥の様子を観察し、何か異変を感じればすぐに病院に相談しましょう。
最初は脚のしびれや筋肉の痛み、跛行(びっこ)が始まり、片足から両足と進行します。
やがて、足先だけで体を支えられなくなると、かかとをついて歩くようになり、嘴や翼を使って移動するようになります。
さらに進行すると、呼吸困難や循環障害、脳神経障害によりケイレンを起こして死亡してしまいます。
たくさんの栄養素が必要な巣立ち後の幼若期に見られ、特にアワ玉のみの挿し餌で飼育されている幼鳥が最も発症しやすいです。
ビタミンB1は穀類に含まれ通常欠乏しませんが、アワ玉を作る過程でほとんどが減少してしまうので、アワ玉のみでは欠乏します。
また、巣立ちの時期には運動量も増えてビタミンB1消費量も増加してしまいます。
欠乏状態になると、神経の糖代謝の阻害が起き、多発性神経炎が起きます。
予防はビタミンB1豊富な食餌給与で、幼若鳥用のペレット、もしくはパウダーフードが適切です。
幼鳥や産卵期の鳥に見られ、なかでも骨軟化症はオカメインコで多く発生します。
腸管からのカルシウム吸収ができなくなるため、幼鳥は成鳥不良、成鳥では骨軟化症、骨折、骨粗鬆症などが起こります。
ビタミンD3不足の食餌をしている鳥は、日光 浴不足が引き金になり欠乏症となります。
冬場は特に発生率が高まるので、家では日光浴を一日最低15分は行うようにしましょう。
ガラス越しなら30分は行うのが理想です。
甚急性、急性、慢性の3型に分けられ、甚急性型は肺炎、腸炎、急激な体重減少、死亡など。
1ヶ月齢前後の幼鳥に見られる急性型は沈鬱、発育羽毛の異常、そ嚢食滞、下痢など。
若鳥~成鳥に見られる慢性型では羽鞘(うしょう)の残存、出血、折れ、くびれ、ねじれ、変色などの羽毛障害、進行性の脱羽、脂粉の減少、嘴や爪の過長や脆弱化など が見られます。
PBFDは、サーコウイルスの感染によって引き起こされ、重篤かつ致命的な感染症疾病です。
PBFDは主に3歳以下のあらゆるオウム・インコ類に感受性が高く、病鳥の糞便及び羽毛ダストまたは汚染環境を介しての水平感染の他、母子の垂直感染があるようです。
潜伏期間は早いもので2~4週、遅いもので数カ月~数年にわたります。
また、この病気ではリンパ系器官が障害され、免疫不全になることが知られています。
オーム病はクラミジア・シッタシの感染によって引き起こされる、人畜共通感染症です。
人ではインフルエンザ様症状を示し、治療が遅れると肺炎や気管支炎などの呼吸器疾患を起こします。
鳥類では一般に無症状ですが、 発症すると元気消失、食欲不振、体羽の租造化、体温低下、震え、昏睡、結膜炎、呼吸困難、鼻炎、副鼻腔炎、衰弱、脱水、黄色~緑色便、水様便があり、死亡することもあります。
あらゆる年齢の鳥類全般に感受性があり、世界中で発生が見られています。
病鳥の糞便、分泌液及び羽毛ダストまたは汚染環境を介しての水平感染のほか、垂直感染も知られています。
潜伏期間は数日~数週以上で、不顕性感染または持続感染することも珍しくありません。
日頃から愛鳥の様子を観察し、重篤化する前に病院に連れて行きましょう。
マイコプラズマ病は、マイコプラズマ菌の感染によって引き起こされる呼吸器疾患です。
鳥類のマイコプラズマ病は、慢性呼吸器病及び関節炎を引き起こし、結膜炎、鼻炎、副鼻腔炎、気管支炎、気嚢炎にまで進行することもあります。
セキセイやオカメインコでは結膜炎や副鼻腔炎が慢性化することが知られています。
病鳥との直接接触、病原体を含む飛沫物やほこりを介しての水平感染の他、介卵による垂直感染も知られています。
疥癬はダニ目、ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症です。
セキセイインコによく見られ、口角や脚の鱗(うろこ)が最初に侵されやすく、次第に嘴、ろう膜顔、脚全体に広がり、嘴や爪が徐々に変形し過長します。
多くは痒みを伴い、重度の場合衰弱死することもあります。
ヒゼンダニの仲間は鳥の体を離れると長く生きていられず、鳥同士が接触することで伝搬すると考えられます。
病変部を掻爬あるいはテープスタンプし、顕微鏡検査で成虫、卵を見つけることで診断します。
治療はマクロライド系駆虫薬の経口投与、あるいは経皮投与で通常良好に治癒します。
愛鳥が身体を痒がっていたり、上記のような症状が見られたら、すぐに病院に相談してください。
おもに腹部に多く見られ、結節状~扁平状に腹壁の皮膚が膨らみ黄色くなったものです。
原因は様々ですが、肥満、甲状腺腫、慢性肝不全、メスの持続発情に伴う高脂血症が続くことにより発生します。
過発情になると女性ホルモン(エストロジェン)過剰から高脂血症になり、加えて抱卵班(抱卵期になると腹部の皮膚が分厚くなる)や腹部ヘルニアで皮膚が進展してしまうことが関連するのではないかと考えられています。
発情がおさまると黄色腫も消えてしまうことも多いです。
原疾患を治療することが大切で、治療と同時に多くの症例では、高脂血症を改善するための投薬や食事療法が必要とされます。
また、内科的な治療による効果がなかった場合には、外科的に摘出する場合があります。
セキセイインコの場合、通常1年に1回の産卵周期があり、1回の周期に4~7個産卵します。
これを上回る産卵回数、産卵数になれば過剰産卵といえます。
栄養的に充足し、卵管に異常がなければ問題は起こりませんが、栄養不足や卵管異常を同時に生じていると、卵の変質や変形、卵塞などあらゆる繁殖関連疾患の原因となります。
変形性関節症などの骨と関節の異常を起こし、脚を引きずる、脚を挙げる、飛べない、羽の位置が変わる、貧血などの症状が出ることがあります。
発情ばかりしていると、骨へのカルシウムの沈着も進行すると全ての骨の骨髄が消失(カルシウムの沈着)していきます。
骨髄の消失が上腕骨の場合、本来空気が入る場所なので(上腕気嚢)、空気が入ることができなくなります。
多骨性骨化過剰症は骨が重くなるだけではなく、空洞な骨のようにしなやかさが無くなり、硬くなるので折れる(骨折)などの事故が起こりやすくなります。
セキセイインコによく起こり、過発情の時だけでなく、繁殖異常を持つメスや精巣腫瘍を持ったオスにも見られます。
精巣に発生する腫瘍です。
3歳以上のセキセイインコに特に多く見られます。
精巣は熱に弱く、高温に長期間さらされると腫瘍化しやすくなると考えられています。
発情期になると、精巣は著しく腫大し各臓器と密着します。
鳥の体温は42℃前後ですので、精巣は高温の中でさらされることになり、更に持続発情している状態では精巣が長期間高温下で存在することとなるのです。
精巣腫瘍の中にはエストロジェンを大量に分泌するタイプがあり、これがメス化を起こします。
例えば、ろう膜の変色(青色→茶褐色)、交尾の受け入れ姿勢や巣作り行動などのメスの行動、骨髄骨の形成などが起こります。
精巣が体内の中で肥大すると他の臓器や神経を圧迫するため、脚の麻痺や胃腸の通過障害、呼吸症状なども見られます。
卵が膣部あるいは子宮部から一定時間経過しても出てこない状態をいいます。
床でうずくまる、沈鬱、膨羽、食欲不振、長時間のイキミ、呼吸 促迫などですが、無症状の場合もあります。
卵塞の時間が長くなると、痛みによりショック症状を起こすことも多く、 突然死することもあります。
腹部に卵が触知されてから24時間以内に産卵されない場合は卵塞ということになります。
初産や過剰産卵の時によく起こりやすく、さらにビタミン、ミネラル不足の食餌を与えていたり、日光浴が不足している時にも発生率が高いです。
原因は様々ありますが、低カルシウム血症による神経的な子宮収縮不全、運動不足や栄養不足、疾病などによる産卵に必要な筋力の低下、変形卵や未成熟卵、巨大卵などの卵の形成異常による通過障害、ストレスによる産卵機構の急停止 、ホルモン失調、外傷などによる卵管口の閉鎖があります。
卵塞になった場合は、何らかの処置が必要なことが多い ので、卵を触知して24時間経っても出てこない場合は、必ず病院に相談してください
腺胃が様々な疾患から拡張している状態を言います。
種類によって発生の原因が異なり、コンゴウインコやヨウム、バタンなどでは、胃を支配する神経へのウイルス感染。
セキセイインコの場合は、慢性胃炎や胃癌、マクロラブダス症、胃閉塞など 様々な疾患から二次的に起こる可能性があります。
急性に発症した時には、食欲不振、食滞、嘔吐、緑便などの一般症状が見られます。
慢性化した場合は症状が見られないこともありますが、胃の機能が著しく低下しタンパク質の消化ができなくなるため、たくさん食べても痩せてしまう消耗性疾患となります。
原因の確認のため、糞便検査や ウイルス感染の遺伝子検査なども有効なので、体重の減少や病的症状が見られる場合は 病院での診察を受けましょう。
毛引き症は自分で羽毛を引き抜く症状をいいます。
皮膚を傷つけることによる出血し、毛引き症の場合には頭部の羽毛は正常に生えそろっていることが多く、頭部の羽毛にも脱毛が見られるときには毛引き症ではない可能性があります。
嘴の届かない顔周囲以外の体のあらゆる部位の羽毛を抜いてしまい、地肌が丸見えの状態までなることがあります。
多くのインコで見られますが、特にコザクラインコ、ボタンインコ、オカメインコ、ヨウム、バタンなどに多いようです。
これらの種類に特徴的なのは、知能が高くて愛情細やか、人に懐く内向的なタイプであることです。
環境の変化などのストレス、退屈で周囲の気をひこうとしたりするなどの心因的なものや、ワクモ等のダニなどの外部寄生虫、ヘキサミタなどの消化管内寄生虫、ウイルスの感染によるもの、栄養障害、皮下脂肪の過剰な沈着による血行障害、外傷など、多くの原因が考えられるといわれています。
痛風は、尿酸が体液中に飽和状態になり(高尿酸血症)、産生された尿酸結晶の刺激によって起きる病気です。
痛風は内臓痛風と関節痛風の2つに分類されます。
内臓痛風は、尿酸の結晶が臓器に沈着するため、虚弱、食欲不振などがあります。
関節痛風は主に脚の関節に尿酸がたまり、脚をあげる、止まり木に上手く止まれない、脚の関節の腫れ、関節部分に黄白色の隆起(尿酸節)が見られる、食欲不振、虚弱、羽を膨らます、などの全身症状が表れることもあります。
原因として腎不全が根底にあり尿酸が体外に排泄されないために生じます。
悪化要因として栄養過多、肥満、脱水、細菌・ウイルス感染症による毒血症、消化管出血、腎尿細管上皮障害をもたらす慢性ビタミンA欠乏などがあります。
特に慢性腎不全をもつ高齢のセキイセイインコで痛風が頻繁に見られ、、オカメインコやコザクラインコでも少数見られます。
そのう内のエサが腐敗、細菌が増殖すると炎症を引き起こします。
原因となる主な菌は、カビの一種であるカンジダやトリコモナスなどのなどです。
臭い嘔吐や口臭、生あくびなど。水をよく飲む、首の付け根の皮膚に充血が見られるなどの症状があります。
予防は、エサを清潔に保つこと、特に水分の多い挿しエサは傷みやすいので注意します。
成鳥は、体力が低下した時に菌が繁殖しやすいため、免疫力を高め体力をつけておくことが大切です。
皮膚にあらわれるイボ状のものの他、腫瘍は腎臓、卵巣、精巣などの内部に出来る事もあります。
体表のもの以外は発見しづらく、症状もしばらく現れません。
症状として、セキセイインコの場合はろう膜の色がおかしい、腹の膨らみ、元気がない、上手く飛べない、歩けない、フンの状態が悪い、呼吸が早い等があります。
早期の発見が重要になるので、日頃から愛鳥の様子は注意深く観察し、定期的に健康診断を受けるなどしましょう。
今回はインコの病気や予防について解説しました。
病気やケガを隠したがる彼らだからこそ、飼い主の日々の健康チェックが重要です。
異常が見られた時は、すぐに動物病院を受診しましょう。
毎日インコと触れ合いながら、ぜひ彼らの健康に気を遣ってあげてください。
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/08/12
公開日 : 2016/08/23