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【獣医師が解説】猫の円形脱毛症はストレス?病気?原因と対策、予防法を徹底解説






愛猫に十円はげが出来てしまったら、飼い主さんとしてはとてもびっくりしてしまうと思います。
「ストレスがかかっているのではないか?」「何か大変な病気なのではないか?」と心配になってしまうかもしれません。

耳や顔、お腹や背中など様々な部位に見られる猫の抜け毛や円形脱毛症は、どのような原因で起こるのでしょうか。
また、治療が必要な病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は猫の円形脱毛症の原因から、考えられる病気、対処法・予防法まで徹底的に解説します。
愛猫をストレスや病気から守る方法が満載です。

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【目次】【獣医師が解説】猫の円形脱毛症はストレス?病気?原因と対策、予防法を徹底解説

 

体の部位別に見る、猫の抜け毛・脱毛の原因とは?

目の上など顔周り

頭部、目の周り

首、背中、お尻の周り、尻尾

下腹部、肢、内股

猫の抜け毛・脱毛を引き起こす病気、対処法

皮膚糸状菌症

耳ダニ(ミミヒゼンダニ)

ノミ(ノミアレルギー)

その他のアレルギー

ホルモンの分泌異常

ストレス

猫の抜け毛・脱毛の予防法

皮膚糸状菌症の予防

ノミの予防

ストレスがなるべくかからないような環境作り

さいごに

 

 


体の部位別に見る、猫の抜け毛・脱毛の原因とは?

 

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ひとくちに猫の抜け毛・脱毛と言っても、その原因は様々です。

体のどの部分に脱毛が見られるかによって原因がだいたい分かります。

 

考えられるものを1つずつ見ていきましょう。

 

目の上など顔周り

 

猫 すりすり 頭

 

顔周りの円形脱毛は、あまり気にしなくて良い場合と早めに治療した方が良い場合があります。

 

匂い付け

 

猫は頭を柱や壁に擦り付けて自分の匂いを付ける行動をすることがあります。

この匂い付けの行動によって毛が擦れて薄くなってしまうことがあるのです。

 

また、耳の横の毛は元々薄い猫も多く、個体差がありますが、成長するにつれて更に薄くなる傾向があります。

黒い猫だと特に地肌が目立つため気になるかもしれませんが、フケや赤み、痒がっている様子などがなければ病気ではない場合がほとんどです。

 

皮膚糸状菌症

 

皮膚糸状菌というカビの一種によって小さな円形脱毛が起こることがあります。

痒みはあまり強くないことが多く、フケが出たり、少し赤くなったりします。

 

部位が小さく、あまり痒がらないことも多いため放置されがちですが、人にも感染することがあり、一度かかると治るまでに時間がかかるため注意が必要です。

 

 

子猫 耳

 

耳の脱毛は仔猫に見られることが多く、痒みが強いことが多いので、早めに受診してあげましょう。

 

ミミヒゼンダニ

 

ミミヒゼンダニ(疥癬)というダニに寄生されている場合、とても痒いので、耳を掻きむしり毛が抜けます。

ミミヒゼンダニは0.3~0.5mmくらいの小さなダニで、耳垢などをルーペで観察すると動いているのが見えることがあります。

 

頭部、目の周り

 

hat_cat

 

アレルギーによる脱毛が見られる箇所です。

 

食物アレルギー

 

食物アレルギーの場合に脱毛が見られ、皮膚が赤くなります。

食物アレルギーでは、脱毛以外にも下痢が続いたり、よく吐くようになったりと消化器症状が見られることもあります。

 

虫刺され

 

蚊などの虫刺されでもアレルギー反応が起き、腫れが酷くなって毛が抜けてしまうことがあります。

 

首、背中、お尻の周り、尻尾

 

猫 尻尾

 

全身に脱毛が見られた場合、どんどん脱毛が広がってしまうことが多いので、早めに動物病院を受診してください。

 

ノミアレルギー

 

ノミが寄生すると首や背中、お尻、尻尾など全身に皮膚炎が見られます。

直接噛まれたところが赤くポツポツとした炎症になるのは勿論のこと、ノミアレルギーを起こし、全身に痒みや発疹が出ることもあります。

 

ノミがいるかどうかは、猫の背中を濡れたタオルで拭くと簡単に見分けることが出来ます。

 

猫の血液を吸ったノミは、猫の背中で糞をします。

濡れタオルで拭くことでノミの糞が溶けて血液が染み出し赤くなるため、ノミがいると分かります。

 

ノミは卵を産んでどんどん増えるので、早めの駆虫が必要です。

 

下腹部、肢、内股

 

猫 内股 下腹部

 

ホルモン分泌の異常で脱毛が見られることがあります。

 

また、ストレスがかかると脱毛が起こる場所でもあります。

下腹部や肢、内股は猫が自分で舐めることの出来る部位です。

 

痒いから舐めている場合もありますが、ストレスから過度に舐めたり、噛んで毛を抜いてしまうこともあります。

 

ホルモンの分泌異常

 

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)や甲状腺機能低下症などで脱毛が見られます。

どちらの病気も左右対称の脱毛が見られるのが特徴です。

 

ストレスによる過度なグルーミング

 

ストレスを感じて過剰に体を舐めるせいで脱毛している可能性があります。

舐めることによる脱毛なので、舌が届くところの毛が抜けます。

 

あまりその行動が続くと赤くなってしまうことがありますが、初めは炎症などが起きていない「きれいなハゲ」となっていることが一般的です。

 

 

猫の抜け毛・脱毛を引き起こす病気、対処法

 

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抜け毛・脱毛が起こる病気について解説します。

また、病気になってしまったときの対処法についてもご紹介します。

 

皮膚糸状菌症

 

皮膚糸状菌症は、免疫力の低下した高齢猫や栄養状態の悪い野良猫を保護したときなどによく見られます。

 

皮膚糸状菌症かどうかは、皮膚の病変を軽く削って顕微鏡で観察するだけで簡単に見分けることが出来ます。

また、ウッド灯と呼ばれる照明を当てると黄緑色に光るため、それで診断する方法もあります。

 

診断は簡単ですが、治療には時間がかかります。

胞子が病変部分に入り込んでいるため、抗真菌薬の軟膏を塗り続けることが必要です。

治療期間は、皮膚炎の程度や個々の免疫力によりますが、だいたい1ヶ月くらいはかかるでしょう。

 

局所的に脱毛している場合でも胞子が全身に付いていることが考えられるため、抗菌用シャンプーの使用を指示されることもあります。

 

もしシャンプーが難しい場合には、かかりつけの動物病院で相談しましょう。

毛刈りをしたり、動物病院でシャンプーしたりするなど対処方法を考えてもらえます。

 

真菌性皮膚炎の原因となる糸状菌は人に感染するため、免疫力が低いお年寄りや子ども、持病がある方など飼い主も注意する必要があります。

また、猫同士や犬などほかの動物にも感染するので、同居猫やほかのペットがいる場合には隔離する必要があります。

 

耳ダニ(ミミヒゼンダニ)

 

ミミヒゼンダニは強い痒みが特徴ですが、草むらなどに住む通常のダニを駆虫する薬で治療することが出来ます。

掻きむしって皮膚の炎症が酷くなっている場合には、抗炎症薬を一緒に使うことがあります。

 

掻いたところから細菌感染が起こり、治療が長引いてしまうこともあるので、早めに対処することが大切です。

 

ノミ(ノミアレルギー)

 

全身の皮膚炎が見られた場合、ノミによるアレルギーであることが多いです。

皮膚に垂らすタイプの薬でノミを駆除し、抗アレルギー薬などを使って炎症を鎮める治療をします。

 

その他のアレルギー

 

特定の食物を食べないようにすることで、どの食べ物がアレルギーを起こす原因になっているのかを調べる「除去試験」を行って、原因となる物質を特定することもあります。

 

しかし、アレルギーの原因物質全てを特定することは難しいことも多く、ステロイドなどを投薬する対症療法を行う場合がほとんどです。

 

ホルモンの分泌異常

 

ホルモンの分泌異常としては、副腎皮質機能亢進症や甲状腺機能低下症などが考えられます。

どちらの病気も脱毛以外の症状が見られます。

 

副腎皮質機能亢進症では、脱毛の他にも水を飲む量が増えたり、お腹が膨らんだりします。

また、皮膚が弱くなってガサガサしたり(石灰化)、細菌に感染しやすくなって膿の入ったニキビのようなものが出来たり(膿皮症)することもあります。

 

甲状腺機能低下症では、あまり活動しなくなったり、暑さや寒さに弱くなったりします。

 

治療としては、ホルモン製剤の投与を行います。

腫瘍など別の病気が原因でホルモンの分泌異常が起きている場合にはその病気に対する治療を行います。

 

ストレス

 

傷や発疹など皮膚にこれといった異常が見られないにもかかわらず、取りつかれたように舐める、辞めさせるのが難しいといった場合は、ストレスによって過剰にグルーミングしていることが考えられます。

 

グルーミングばかりしていて皮膚が剥けてしまったり、何か生活に支障が出たりしている場合には、治療が必要になることもあります。

 

皮膚病ではなかったけれど、体を舐める行動が気になる場合には、動物の心療内科である「行動治療」を行っている動物病院を受診することをおすすめします。

 

行動治療では「いつ頃から過剰なグルーミングが始まったのか?」そのとき引越しなど「何か環境に変化がなかったか?」などを検証します。

 

その猫にとって安心出来る環境を作っていくことで症状を改善していきます。

獣医師の判断で薬物治療を行うこともあります。

 

 


猫の抜け毛・脱毛の予防法

 

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愛猫の抜け毛や脱毛を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。

ご自宅で注意すべきポイントについて病気ごとにまとめました。

 

皮膚糸状菌症の予防

 

感染力は強くないものの、一度感染すると治療に時間がかかるため、既に猫を飼っていて、新しい猫を迎えるときには特に注意した方が良いでしょう。

 

もし感染した猫に触れた場合は手をよく洗い、ほかのペットや免疫力が低下している人が感染した猫に接触しないように心がけてください。

また、感染した猫のフケや毛に胞子が付着しているので、こまめに掃除をすることも大切です。

 

ノミの予防

 

市販のノミ除け首輪のみでは効き目が弱く、防ぎ切れないこともあります。

また、薬によってはノミの卵には効かないものもあります。

 

動物病院で販売されているスポットや飲み薬タイプの駆虫薬を定期的に使用しておくと安心です。

 

ストレスがなるべくかからないような環境作り

 

猫は高いところにいることで安心します。

 

家に落ち着いて休める高い場所はありますか?

キャットタワーやちょっと休める棚などを用意してあげると良いでしょう。

 

また、若い猫の場合は遊びが足りないこともストレスになるので、毎日遊ぶ時間を充分に作ってあげましょう。

 

飼い主が一緒に動いて遊ぶのが大変で、負担に感じるときは、レーザーポインターを使うのがおすすめです。

これなら飼い主さんは座ってレーザーポインターを動かすだけです。

猫はレーザーポインターの光を追いかけることで、かなりの運動になります。

 

多頭飼いの場合は、水や餌入れ、トイレの数に気を配りましょう。

頭数プラス1個が理想と言われています。

 

 

さいごに

 

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猫の円形脱毛症の原因や考えられる病気、対処法、予防などをご紹介しました。

 

皮膚の病気は、予防薬や掃除などちょっとしたことで防げるものも沢山あります。

また、ストレス性の脱毛に関しても猫の習性を理解して、快適な環境を作ってあげることでストレスを軽減することが出来ます。

 

日頃から愛猫の様子をよく見て、脱毛症の予防と早期発見・治療を心がけましょう。

 

 

執筆・監修:獣医師 近藤 菜津紀(こんどう なつき)

 

原因不明の難病に20年以上苦しみながらも、酪農学園大学獣医学科を卒業後、獣医師免許を取得。

小動物臨床や、動物の心理学である動物行動学を用いたカウンセリング、畜場での肉の検査(公務員)など様々な経験を経て、現在は書籍の執筆や講演活動などを行なっている。

 

車椅子生活をしながら活動する、日本で唯一の「寝ながら獣医師」。


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