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【獣医師監修】オカメインコの平均寿命は何年?長生きしてもらうための飼育のコツも解説






オカメインコは、チークのような頬の模様を特徴とする、オーストラリア原産の中型オウムです。
彼らは見た目が可愛らしいのはもちろん、人懐っこい性格で賢いことからペットとして人気があります。

もしかわいいオカメインコを家族として迎え入れたなら、1日でも長く一緒にいたいですよね。
オカメインコに長生きしてもらうためには、どのような点に気を付けて飼育すれば良いのでしょうか。

本記事ではオカメインコの平均寿命やなりやすい病気や、長生きしてもらうための飼育のコツなどをご紹介します。

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【目次】【獣医師監修】オカメインコの平均寿命は何年?長生きしてもらうための飼育のコツも解説

 

オカメインコの平均的な寿命は15~25年

オカメインコの年齢は人間に換算するとどのくらい?

オカメインコの寿命を延ばすために飼い主ができること

1. オカメインコを信頼できるブリーダーやペットショップから迎える

2. 鳥類の診察ができる動物病院を探しておく

3. ケージや飼育用品を常に清潔にする

4. 若いうちから食べる物に注意する

オカメインコに多い病気やケガ

1. 肺炎

2. アスペルギルス症

3. メガバクテリア症(メガバクテリア感染症、AYG、マクロラブダス症)

4. 骨折

さいごに

 

 

オカメインコの平均的な寿命は15~25年

 

 

諸説ありますが、オカメインコの寿命は15~25年だと言われています。

 

オカメインコは体の大きさの割には寿命が長く、長生きする傾向にあります。

そんなオカメインコの寿命のギネス記録を持っているのは、アメリカで飼育されていた  「Sunshine」  という名前のオカメインコで、この個体はなんと32歳まで生きたそうです。

 

ちなみに、動物の寿命がギネス記録として正式に登録されるためには、出生証明書等の書類が必要です。

そのため、32歳より長生きしたものの、書類が無いという理由で記録が残っていないオカメインコがいても不思議ではありません。

 

非公式の記録ですが、日本でも38歳まで生きたオカメインコがいるようです。

 

 

オカメインコの年齢は人間に換算するとどのくらい?

 

ボールで遊ぶオカメインコ

 

オカメインコの寿命について考えるにあたり、まずオカメインコと人間の年齢を比較してみましょう。

諸説はありますが、オカメインコの年齢を人間の年齢に換算すると、おおよそ下記の通りになると言われています。

 

オカメインコの年齢→人間の年齢

 

  • 1歳→約10歳
  • 2歳→約18歳
  • 3歳→約23歳
  • 4歳→約26歳
  • 5歳→約29歳
  • 6歳→約32歳
  • 7歳→約35歳
  • 8歳→約38歳
  • 9歳→約41歳
  • 10歳→約44歳
  • 11歳→約47歳
  • 12歳→約50歳
  • 13歳→約53歳
  • 14歳→約56歳
  • 15歳→約59歳
  • 16歳→約62歳
  • 17歳→約65歳
  • 18歳→約68歳
  • 19歳→約71歳
  • 20歳→約74歳
  • 21歳→約77歳
  • 22歳→約80歳
  • 23歳→約83歳
  • 24歳→約86歳
  • 25歳→約89歳

 

オカメインコは性別を問わず、生後2年頃まで急激に成長します。

それ以降は1年経過するごとに、人間に換算すると3歳ずつ年齢を重ねていきます。

 

 

オカメインコの寿命を延ばすために飼い主ができること

 

おもちゃに乗るオカメインコ

 

かわいいオカメインコの寿命を伸ばすために、どんなことができるのでしょうか。

この項目では、オカメインコを長生きさせるために私たちができることを説明していきます。

 

1.  オカメインコを信頼できるブリーダーやペットショップから迎える

 

木箱の前にいる白とグレーのオカメインコ

 

オカメインコと1日でも長く一緒に過ごすためには、お迎えする場所をきちんと選ぶことが大切です。

 

ブリーダーから迎えるにしてもペットショップから迎えるにしても

 

  • 店内やケージなどの飼育用品が清潔か、悪臭がしないか
  • オカメインコを含む動物たちが元気かどうか

 

という点だけは必ずチェックしてください。

 

そして、できればオカメインコを直接触らせてもらい、

 

  • 目がぱっちりしているか、目やにが付いていないか
  • おしりの周りが汚れていないか
  • 羽をふくらませていないか

 

など体調をチェックし、疑問に思うことがあれば遠慮なく質問や確認をすると良いでしょう。

 

長い時間を共に過ごす家族を迎える際に最も重視すべき点は、個体の健康状態です。

 

 

オカメインコをはじめとしたオウムやインコは様々な寄生虫やウイルスを原因とする感染症にかかりやすく、特に若いうちは  「ヘキサミタ」、「回虫」、「オウム病」、「メガバクテリア症」  などの感染症にかかりやすいことが知られています。

 

そのため、良いブリーダーやペットショップであれば、これらの病気に関する知識を必ず持っています。

これらの病気について聞いた時に何も答えられない、検査に関する情報がない場所からのお迎えは避けましょう。

 

また当然のことですが、オカメインコは生き物なので “迎え入れて終わり”  という性質のものではありません。

飼育にあたって何か困ったことが起きた時に相談を受けてくれる、アフターフォローをしてくれるところからお迎えするのがベストだと言えます。

 

2.  鳥類の診察ができる動物病院を探しておく

 

左向きの白っぽいオカメインコ胸から上アップ

 

オカメインコに長生きしてもらうためには、鳥類の診察ができる動物病院を探しておくことも大切です。

 

動物病院は全国に数多くありますが、イヌとネコしか診察しないという動物病院も少なくありません。

また、一応診察はするものの鳥に関する知識が無い、あるいは知識が薄い獣医師が多いのも事実です。

 

できればお迎えしたショップやブリーダーから、おすすめの動物病院を教えてもらうと良いでしょう。

身近にインコやオウムを飼っている人がいれば、かかりつけの動物病院を聞いてみるのも良い手段です。

 

しかし、信頼できる人におすすめされた病院でも、飼い主やオカメインコ、獣医師の相性が悪いということもあり得ます。

いざオカメインコがケガや病気をした時に慌てることがないように、オカメインコをお迎えした際の健康診断や定期健診などの機会に実際に足を運んでおくことをおすすめします。

 

3.  ケージや飼育用品を常に清潔にする

 

ケージの中にいる白いオカメインコ

 

オカメインコを長生きさせるためには、ケージや飼育用品(餌入れ、水入れなど)を清潔にすることも欠かせません。

なぜならこれらの飼育用品は一見汚れていないように見えても、目に見えない汚れや細菌などが付着している可能性があるからです。

 

日頃からオカメインコが使うものは定期的に洗い、消毒をするように心がけましょう。

価格的に高い物でなければ複数個用意し、1つ使っている間に1つ洗えるようにしておくと手軽に清潔を維持できます。

 

4.  若いうちから食べる物に注意する

 

ガラス皿にのるオカメインコ

 

食べ物はあらゆる動物の生命を維持し、身体を作る大切な物です。

オカメインコに長生きしてもらうためには、食べ物の栄養バランスや量に気を付けることも大切です。

 

人間もオカメインコも若い頃は多少栄養バランスが悪くても、健康上の問題が起きるリスクは低いものです。

しかし、栄養バランスが悪い食事を続けていると老鳥になってから問題が起きてしまい、結果的に寿命を縮めてしまうことになる可能性があります。

 

オカメインコの主食には、大まかに分けて  「ペレット」  と  「シード」  という種類があります。

 

シードを好むオカメインコも多いのですが、できればペレットを主食にしてください。

なぜならペレットには、オカメインコが必要とする栄養素が過不足なく配合されているからです。

 

一方のシードはし好性が高くて食いつきが良いものの栄養バランスを調整することが難しく、カビが生えやすいということを覚えておくと良いでしょう。

 

 

ペレットを選ぶ際は  「オカメインコ用」  、  「中型インコ用」  と書かれているものから選びましょう。

そして原材料を確認し、余計な添加物(着色料や香料など)が少ないもの、あるいは入っていない物を選ぶと良いでしょう。

 

なお、ペレットはメーカーの都合により、突然終売やリニューアルをされてしまうことがあります。

そして、こだわりが強いオカメインコは新しいペレットを食べない、もしくは慣れるまで時間がかかることもあります。

 

オカメインコの寿命が長いことを考え、予め2種類以上のペレットを混ぜる・日替わりで与えるといった工夫をして、いろいろなペレットを食べられる状態にしておくことをおすすめします。

 

また、おやつは常に与えるのではなく、特別な時に与えるだけにしておきましょう。

人間と同じくオカメインコもおやつを食べすぎると太ってしまい、あらゆる健康上の問題を引き起こす可能性があります。

 

オカメインコと人間が食べられるものは全く異なるため、人間の食べ物を与えないことも大切です。

 

 

オカメインコに多い病気やケガ

 

冠羽を広げるオカメインコ全身

 

オカメインコを長生きさせるコツを知った後は、オカメインコに多い病気やケガを見ていきましょう。

 

ただし、ここで取り上げる病気やケガの症状はあくまで一例であるということを覚えておいてください。

そして日頃お世話をする中でオカメインコの様子を観察して、「おかしいな」「いつもと違うな」と思ったら、すぐに動物病院に行くクセを付けてください。

 

オカメインコはどれだけ体調が悪くても辛い、苦しいと言えず、自分で病院にも行けません。

オカメインコを病気やケガから守ってあげられるのは、飼い主であるあなただけです。

 

1.  肺炎

 

 

肺炎はあらゆる細菌やウイルスを原因とする、肺が炎症を起こす病気の総称です。

肺炎にかかるとまず風邪のような症状が現れて少しずつ悪化していき、最終的に呼吸困難を起こして死に至ることもあります。

 

肺炎を避けるためには、日頃から栄養のあるものを食べさせて、体力をつけさせておくことが大切です。

冬場はケージにペットヒーターを取り付ける、毛布などで覆うなど適度な保温をすることも欠かせません。

 

症状

 

  • 元気、食欲がなくなる
  • くしゃみや目やに、鼻水が出る
  • ハァハァと苦しそうに呼吸をする

 

対策

 

  • 寒い時期はしっかりと保温する
  • 季節の変わり目は特に体調管理に気を付ける

 

2.  アスペルギルス症

 

 

アスペルギルス症は、真菌(カビ)の1種であるアスペルギルスによって引き起こされる病気です。

アスペルギルスは普通に空気中に存在する真菌ですが、免疫や体力が落ちている時に胞子を吸い込むと感染、発症する可能性があります。

 

肺炎と症状が似ているため、なかなか原因が判明しないことも少なくありません。

治療としては抗真菌剤の経口投与や注射、ネブライザー療法などがあり、呼吸が苦しい状態が続く場合はペット用の酸素ハウスを使用することもあります。

 

症状

 

  • 元気、食欲がなくなる
  • 口を開けて呼吸するようになる(開口呼吸)
  • 咳が出る
  • 呼吸困難を起こす

 

対策

 

  • ケージや飼育用品の消毒を行う
  • カビ対策ができる空気清浄機を使う

 

3. メガバクテリア症(メガバクテリア感染症、AYG、マクロラブダス症)

 

 

メガバクテリア症は、マクロラブダスと呼ばれる真菌(カビ)を原因とする、あらゆる症状を引き起こす病気です。

慢性型と急性型があり、急性型の場合は突然死することもある恐ろしい病気です。

 

この病気の原因となる真菌はあらゆる鳥類の体内に存在し、鳥と鳥の間で感染していく性質があります。

オカメインコをお迎えする際はメガバクテリア症の検査を行い、発症前に投薬・駆除を行うことを強くおすすめします。

 

症状

 

  • 嘔吐や下痢をする
  • 血便が出る
  • 食欲や元気が無くなる
  • 羽を膨らませる など

 

対策

 

  • こまめに体重を量る
  • ストレスがかかりにくい環境づくりを心掛ける
  • ケージや飼育用品は常に清潔にする

 

4. 骨折

 

 

オカメインコは、俗に  「オカメパニック」  と呼ばれるパニックを起こしやすいことが知られています。

 

パニックを起こす原因は雷や地震、急に差し込む強い光(車のライトなど)など様々なものがあります。

オカメインコは驚くとケージの中で暴れたり飛び上がったりして、時には骨折をすることもあります。

 

朝起きたらケージの中でオカメインコが大ケガをしていた…という事例も決して少なくありません。

また、放鳥中に飼い主がドアや引き出しにオカメインコの羽や脚を挟み、骨折させてしまったという事例もあります。

 

治療は全身麻酔をかけて手術を行うか、ギプスや添え木を当てて自然治癒を待つことが多いです。

 

症状

 

  • 歩き方や羽の動きがおかしくなる
  • 片足だけで止まり木に留まり続ける
  • 飛べなくなる など

 

対策

 

  • ケージの中にケガの原因になりそうなものを入れない
  • 放鳥時は常に目を離さない
  • ケージは静かで落ち着ける場所に置く

 

 

さいごに

 

ノーマルグレーのオカメインコ顔アップ

 

本記事ではオカメインコの寿命や、寿命を伸ばすためのコツを説明してきました。

 

オカメインコは一般的に飼われているコンパニオンバードの中でも非常に人気が高く、甘えん坊な性格で懐きやすいことから、一緒に生活しているだけで癒されるという方が多い鳥です。

 

体の大きさの割に寿命が長く、15~25年とイヌやネコと同じくらい生きます。

そうとはいえ、私たち人間と比べてしまうと、どうしてもその一生は短いと言わざるを得ません。

 

もしオカメインコを家族として迎えたら、1日でも長く一緒に生活できるようにできる限りのことをしてあげてください。

オカメインコは愛情を注げば注ぐほど、素晴らしいパートナーになってくれることでしょう。

 

 

監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)

 

日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。

ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。

その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。

 

今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。


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