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猫は伸びをすると、通常の姿勢でいるときよりも体が長く見えます。
猫のように身近なペットである犬は、猫のように長くなったり縮んだりはしませんよね。
猫はどうしてあんなに伸びると体が長くなるのでしょうか。
猫の祖先はリビアヤマネコという、現在でも中東からエジプトにかけての砂漠地帯に生息している小型の肉食獣です。
外見や大きさは日本でもよく見かけるキジトラ猫にそっくりです。
リビアヤマネコは狩りをして暮らしているのですが、持久力は無いので、待ち伏せをして一気に飛びかかって仕留めるという方法で獲物をとらえます。
そのためには高い身体能力が必要で、隠れて待つときには体を小さくし、飛びかかるときにはしなやかに体を伸び縮みさせ、驚くような身体能力を駆使して狩りをするのです。
現在はペットとして人間と暮らしている猫たちですが、野生の猫であったときの本能や運動能力は受け継いでいます。
猫の体が伸びたり縮んだりする柔軟性に飛んでいるのは、本来は狩りをするためなのです。
リビアヤマネコは小型の動物なので、肉食動物でも自分が捕食される側になることも少なくありません。
自分の身を守るために猫は身を縮めて狭い場所に入ることができますし、身を縮めてから思いっきり体を伸ばすことで自分の身長よりも何倍も高い場所までジャンプして、木の上に身を隠すこともできます。
このように柔軟な伸び縮みする体は、猫の命を守ることにとても役立っているのです。
猫は人間や犬に比べると伸び縮みしやすい体の作りになっています。
猫の骨は人間よりも数が多く、体が伸び縮みすることに役に立っています。
腰椎(腰の骨)の数が猫は人間よりも2つ多く、このことによって体を伸び縮みさせたり、ひねったりすることが容易にできるのです。
猫は骨と骨を繋ぐじん帯も柔軟で伸縮性があり、元の長さより2倍も長く伸びることができるとされています。
これによって猫は体を伸ばすと、普段の長さよりも2~3割程度も長くなることができるのです。
体全体をすっかり伸ばして寝ている姿を見ると、足の長さも加わって、2~3割というよりも1.5倍ほども長くなっているように見えることもありますよね。
猫のお腹の部分は肌がだいぶ余裕があり、ときにはその部分が垂れ下がっているように見えることもあります。
これをルーズスキンと呼びます。
ルーズスキンの役割は、肌に余裕を持たせることによって内臓を守る、また体を伸び縮みしやすく柔軟性を保つためとされています。
お腹の部分だけではなく猫は首のあたりの皮膚もだいぶ余裕があります。
また、足の付け根のあたりの皮膚も余裕があり、足の可動域を大きくしています。
このように、猫は皮膚に余裕があるために体を伸ばすことが可能なのです。
猫が体を伸ばしているのはなぜなのでしょうか。
また、そのときの猫はどんな気持ちなのでしょうか。
背中を反らせるようにして前足の先の方まで体を伸ばしている姿をよく見かけますよね。
また、後ろ足を伸ばしている姿を見かけることがあるでしょう。
これは猫が体をほぐすためにいわば準備運動をしているのです。
人間も長い間じっとしていた後には体を伸ばすことがあります。
それと同じように、猫も体を動かすために筋肉を伸ばして刺激を与えたり、血液の流れを良くしたりするために体を伸ばしているのです。
特に昼寝の後や、長い間同じ姿勢を取った後にこのような行動が見られるでしょう。
猫の行動を観察していると、1日に何回も背中や足を伸ばす行動をよく見かけます。
これは筋肉や関節等の柔軟性を保つためにストレッチをしているのです。
人間も体を動かさないでいると、体が硬くなってしまいます。
猫の体が硬くなってしまうということは、猫の身に関わることです。
現在ペットとなった猫たちは、安全なお家の中で暮らすことが多いのですが、それでもかつて野生で暮らしていたときのDNAは受け継いでいるので、いつ何時でも俊敏な行動が取れるようにストレッチしているのです。
猫が体を伸ばしているときは、リラックスしている気持ちのときが多いです。
気持ちの良いお昼寝から目覚めて、水を飲みに行こうとかご飯を食べに行こうというときのちょっとした準備運動なので、気持ちが落ち着いているときにしているときに行うことが多いでしょう。
猫が長く伸びて寝ていたり、ストレッチのために体を伸ばしていたりするときには、安心できる環境にいるときです。
猫が緊張状態にあり、即座に行動しなければならないときには身を縮めて、瞬時に反応できるようにしています。
長く伸びて寝ているときはもちろんのこと、ストレッチで伸びているときにも、もし敵に襲われたらすぐに身を守ったり反撃したりするのは難しいでしょう。
猫が伸びたり、ストレッチをしたりしているときは、安心した気持ちでいるときなのです。
甘えたい気持ちをアピールするときに体を伸ばすことがあります。
前述した通り体を伸ばすという行為は自分が安心した気持ちでいるときなので、リラックスした気持ちで飼い主さんに甘えたくなったときに、飼い主さんの前に来て体を伸ばすこともあるでしょう。
筆者の愛猫は甘えたくなると足元に来てゴロンと体を転がし、背骨や手足を伸ばして甘えたいアピールをしてきます。
また、筆者が帰宅した際に、体を伸ばして「おかえり」という歓迎の意思表示をしてくれる子もいますよ。
敵意がないことを示して、仲良くなりたいというときも体を伸ばすことがあります。
体を伸ばしていると、即座に攻撃に移ることはできません。
相手に警戒心を解いて欲しいというときにも体を伸ばして、その気持ちをアピールします。
筆者の愛猫は、他の猫と小競り合いをして筆者に叱られたときに、体を伸ばしてみせることがあるのですが、きっと「そんなに怒らないでよ」という筆者をなだめたい気持ちを表しているのでしょう。
人間もそろそろ寝ようかなというときに伸びをすることがありますが、猫も同じように眠たいと感じたときに体を伸ばすことがあります。
体を伸ばしてストレッチをし、気持ち良い状態になったところでお昼寝に入る様子を見ることがあります。
猫は何かストレスを感じたときに代償行動をします。
よく知られているものは爪とぎやグルーミングなど。
猫は自分が落ち着ける、気分が良くなる行為をしてストレスを軽減しようとします。
猫にとって体を伸ばす頃は気持ちが良いことなので、何かストレスを感じたときに、体を伸ばすことで気をまぎらわそうとすることがあるようです。
猫が体を伸ばしているときやだらんと伸びた状態で寝ているときの注意点を解説します。
猫がストレッチのように体を伸ばしているときやすっかり体を伸ばして横になっているときは、リラックスしてゆったりした気分でいるときです。
そのような状態でいるときに、何の前触れもなく急に触られるとびっくりしてしまいます。
猫が伸びた状態でいるときには不用意に触らないようにしましょう。
猫は具合が悪いときに体を伸ばし、手足をダランとさせて横になってしまうときがあります。
猫が具合が悪いときは、身を縮めて薄暗い狭い場所にじっとしていることが多いのですが、これはまだ体力に余裕があるときの姿勢です。
病気が進み、いよいよ体に力が入らなくなってくると、通常の姿勢をとることができなくなってきます。
伏せの姿勢の姿勢をとることができなくなるので、体を伸ばした状態で横向きに寝そべります。
持病や病気がある猫ちゃんが、このような姿勢をとって元気がない様子のときにはかなり体調が悪く、末期に近いことを示している可能性があります。
お昼寝のときもこのような姿勢をとることがあるのですが、健康なときとは表情や目の輝きが異なります。
具合が悪くて体を伸ばしているときは、体をすぐに動かしたり、起き上がったりする気力もありません。
普段から猫ちゃんの様子をよく観察しておくと、リラックスしているのか、病気の悪化によるものかの区別がつくでしょうし、病気の早期発見にも繋がるでしょう。
猫にとって体を伸ばす行動はとても重要であることが分かりましたね。
背中をそらせて体を伸ばす姿は、猫の代表的な姿としてイラストなどにも描かれることが多く、可愛らしいものです。
ストレッチをしているときや、体を伸ばして寝ているときは無防備なので、不用意に触ったりせずに見守ってあげてください。
公開日 : 2020/03/09