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フィニッシュ・スピッツの特徴は、 キツネ や 柴犬 のようにも見える独特な外見です。
マズルや、小さな耳はピンと立って先がとがり、尻尾は柴犬のようにくるりと巻いています。
また、体高と体長が同じくらいで、がっしりしつつもバランスの取れた体つきをしています。
そして彼らの被毛は北欧の寒さに耐えるため、非常に密なダブルコートになっています。
オスよりもメスの方が被毛の量が多く、毛の質が柔らかい傾向にあります。
フィニッシュ・スピッツの祖先は今から3000年ほど前、ロシアからフィンランドに移動した移民たちが連れていた原始的なスピッツタイプの猟犬だと考えられています。
彼らはフィンランドにおいて、長く優秀で万能な猟犬として重宝されていたようです。
狩猟はもともと鳥や動物を捕らえ、食料を確保するために行われるものでした。
しかし、いつしか狩猟は食料確保のためではなく、娯楽のために行われるようになりました。
その流れの中で、フィニッシュ・スピッツたちも活躍の場を娯楽の狩り(スポーツ・ハンティング)に変えたようです。
フィニッシュ・スピッツたちは基本的には鳥を狩る、鳥猟犬として活躍してきました。
ただ、時には大きな動物(ヘラジカやクマ)を狙う際の猟犬として活動することもあったようです。
そんなフィニッシュ・スピッツたちの狩りは、独特なスタイルをとることで知られています。
彼らはまず獲物となる大型の鳥類(ヨーロッパオオライチョウやクロライチョウなど)を探し、鳥が木に留まるまで森の中をひたすら追いかけ続けます。
そして、鳥が木に留まるとゆっくりとしっぽを振り、1分間に160回ものペースで吠え続けます。
吠えたてられた鳥の注意が犬に向いている間に、ハンターが鳥を撃ち落とす…というのが、彼らのハンティングスタイルです。
そんな歴史を持つフィニッシュ・スピッツも、1800年代後半に絶滅の危機に瀕したことがありました。
さまざまな犬種と交配が進み、純粋なフィニッシュ・スピッツがほぼいなくなってしまったのです。
しかし、その後熱心な愛好家によってブリーディングが行われ、今では絶滅の恐れは無くなっています。
そんなフィニッシュ・スピッツたちは、今ではフィンランドの国犬として広く愛されています。
その性格や飼いやすさから世界中で飼育されているほか、今も猟犬として活躍している個体もいます。
フィニッシュ・スピッツと日本犬の1種である柴犬は、非常に見た目が良く似ています。
両者の違いは原産国だけではなく、大きさや性格にもあります。
柴犬の体高はオスで39.5cm、メスで36.5cmほどです。
体重はオスで8~10kg、メスで7~8kgほどで、フィニッシュ・スピッツの方が一回り大きめです。
また、2種とも飼い主に対しては従順ですが、性格も異なります。
フィニッシュ・スピッツはフレンドリーで寂しがり屋ですが、柴犬は頑固で警戒心が強いといわれています。
フィニッシュ・スピッツの体高はオスで44~50cmほど、メスで39~45cmほどです。
体重はオスで11~14kgほど、メスで9~12kgほどで、メスの方が若干大きくなります。
フィニッシュ・スピッツのカラーは1色のみです。
そのカラーは茶色がかった赤色、茶色がかった黄色、蜂蜜色、金色もいわれる独特な色合いです。
胸と足先に白色のマーキングが入ることがあるほか、全身同じ色ではなく、グラデーションになっていることもあります。
フィニッシュ・スピッツは人懐こく、遊び好きな性格をしています。
飼い主に対しては忠実でやや寂しがりな傾向があるため、家庭犬に向いています。
諸説ありますが、フィニッシュ・スピッツの寿命は12~15年ほどだといわれています。
一般的に犬の平均的な寿命は、13~14歳程度だといわれています。
そこから考えると、フィニッシュ・スピッツはやや長生きする傾向にあると考えられます。
英名:Finnish Spitz
別名:スウォメンピュスティコルヴァ(スオメンピュスティコルヴァ)
原産国:フィンランド
サイズ:中型犬
大きさ:
体高・オスで44~50cmほど、メスで30~45cmほど
体重・オスで11~14kgほど、メスで9~12kgほど
寿命:13~15年ほど
次にフィニッシュ・スピッツをおすすめしたい人、フィニッシュ・スピッツとの暮らしに向いている人について説明していきます。
フィニッシュ・スピッツは非常にフレンドリーで、寂しがり屋な性格をしています。
1匹で長時間過ごすことはあまり好まないうえ、もともと猟犬であることから多くの運動を必要とします。
そんなフィニッシュ・スピッツは、犬と一緒に過ごす時間が長い方に向く犬種だといえます。
フィニッシュ・スピッツは家庭犬に向いていますが、もともと猟犬なので良く吠える傾向があります。
その声は大きくて鋭くてよく響くうえ、無駄吠えをする癖がつきやすいといわれています。
そうとはいえ、適切なしつけを行えば、無駄吠えをやめさせることは可能です。
そんなフィニッシュ・スピッツは、きちんとしたしつけができる方に向く犬種だといえます。
フィニッシュ・スピッツは、日本国内ではほとんどその姿を見かけない犬種の1つです。
国内におけるフィニッシュ・スピッツの情報が非常に少ないことから、何かと海外の情報を参考にする必要に迫られる可能性があります。
そんなフィニッシュ・スピッツは、自分で情報収集ができる方に向く犬種ともいえます。
次の項目では、フィニッシュ・スピッツのお迎え方法や価格について見ていきましょう。
残念ながら、日本国内にフィニッシュ・スピッツのブリーダーは存在しません。
そのため、フィニッシュ・スピッツを迎えたい場合は、海外のブリーダーから購入・輸入する必要があります。
フィニッシュ・スピッツ の具体的な価格は不明です。
なお、海外においては1頭あたり1,000~2,000ドル程度で販売されています。
動物を日本に輸入する場合は、生体の価格に加えて輸入に関する各種費用が発生します。
また、手続きにはある程度の英語力も必要になるため、自分で輸入することが難しい場合は動物の輸入に強いブリーダーや動物商の力を借りると良いでしょう。
次の項目では、フィニッシュ・スピッツの飼い方とそのポイントについて説明していきます。
フィニッシュ・スピッツは少ない栄養を効率的に利用できる、やや原始的な特徴を残しています。
そのため、他の犬種と比べるとやや太りやすい傾向にあるといわれています。
そんな彼らには年齢や状態に合わせた、品質の良い総合栄養食のドッグフードを与えましょう。
おやつはしつけやトレーニングの際に役立ちますが、与えすぎないように注意してください。
フィニッシュ・スピッツの被毛や皮膚の健康を維持するために、2~3日に1回ブラッシングを行いましょう。
彼らの抜け毛の量は多くも少なくもありませんが、年2回の換毛期には抜け毛が増えます。
抜け毛が気になり始めたら、ブラッシングの回数も増やすと良いでしょう。
なおブラッシングをする際は、霧吹きなどで水を吹きかけてブラッシングをすると効率的に抜け毛を除去できます。
フィニッシュ・スピッツの被毛や皮膚を衛生に保つために、3~4週間に1回はシャンプーをしてください。
シャンプーをすると一気に抜け毛を取り除けるため、換毛期はもう少し頻度を上げても良いでしょう。
猟犬として1日中森の中を駆けまわっていたフィニッシュ・スピッツには、多くの運動が必要です。
1日に1~2時間程度の散歩を行うのはもちろん、ときおりドッグランなどで思いきり運動させてあげてください。
十分な運動量さえ確保できれば、アパートの一室で飼育することも可能です。
フィニッシュ・スピッツは飼い主に従順で賢いため、しつけがしやすいといわれています。
ただし、無駄吠えしやすい傾向が強いため、子犬の頃から無駄吠えをしないためのしつけをすることが大切です。
フィニッシュ・スピッツは比較的丈夫な犬種で、特有の遺伝病は知られていません。
ただ、他の犬にも見られる遺伝病、股関節異形成、膝蓋骨脱臼、てんかんなどは比較的発生しやすいといわれています。
そうとはいえ、ほとんどのブリーダーは遺伝病が発生しないように、細心の注意を払って繁殖を行います。
しかし、一部の心無いブリーダーが遺伝病を考慮せず、繁殖させている事例があるのも事実です。
フィニッシュ・スピッツを迎える際は、信頼のおけるブリーダーから迎えることを強くおすすめします。
フィニッシュ・スピッツを自宅に迎えたら、必ず定期的に健康診断に行きましょう。
また、日々犬の様子を良く観察し、“いつもと違う”と感じたらすぐに動物病院に相談することも大切です。
フィニッシュ・スピッツは北欧の国、フィンランド出身の犬です。
フィンランドは夏の最高気温が22℃程度、冬の最低気温が-1℃と気温がかなり低い国です。
また非常に降水量が少ないため、日本と違い1年を通して湿度が低く非常に乾燥しています。
そんなフィンランド生まれのフィニッシュ・スピッツは、寒さには強くて暑さに弱い傾向にあります。
特に日本の湿度が高く、じめじめとした夏の暑さは苦手です。
フィニッシュ・スピッツを迎えたら夏はエアコンを使う、日中の散歩は避けるなど十分な暑さ対策をしてあげてください。
フィンランド出身の中型犬、 「フィニッシュ・スピッツ」 について説明してきました。
キツネっぽい鋭さや野性味を感じる見た目をした彼らですが、実は人懐こく寂しがりな犬種であることが伝わったでしょうか。
フィニッシュ・スピッツは日本国内においてはほとんど見かけない、非常に希少な犬種です。
純血犬種の登録や保護を行っている愛犬団体・ジャパンケネルクラブにおいてもまだ犬種の登録がないことからも、その存在の希少さが良くわかります。
もし幸運にもフィニッシュ・スピッツを迎えることができたら、毎日たくさん運動をさせてください。
飼い主に従順で愛情深いフィニッシュ・スピッツは、素晴らしい家族の一員となってくれることでしょう。
最終更新日 : 2021/04/02
公開日 : 2020/07/30