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猫ちゃんの大好きなこたつですが、なぜこたつは猫にそんなに愛されるのでしょうか。
今では世界中で人間と一緒に暮らしている猫たちですが、猫の祖先はリビアヤマネコという野生の猫種です。
リビアヤマネコは現在でも中東からエジプトにかけての砂漠地帯に住んでいる小型の肉食獣で、見かけや大きさは日本でもよく見かける キジトラ猫 にそっくりです。
寒い地方にも暮らす猫たちですが、もともとは砂漠地帯の比較的暖かい場所で暮らしていたので、寒さに弱いという特性を持っています。
そのため、猫ちゃん達は暖かい場所が大好きなのです。
日本は南北に長い国なので、冬の寒さにもかなりの違いがありますが、日本の冬は猫にとっては過ごしにくい季節であることは確かでしょう。
そのような猫ちゃんたちにとって、暖かい空気で充満しているこたつは天国のようなものなのです。
前述した通り、猫の祖先はリビアヤマネコという野生の猫で、狩りをして暮らしています。
人間のペットとして暮らすようになったイエネコたちは、狩りをして暮らす必要はありませんが、狩猟本能は色濃く受け継いでいます。
野生時代の猫は、待ち伏せ型の狩りをしていました。
猫は体が大きくなく、体力もないために、長時間獲物を追いかけたり、力で捻じ伏せたりすることが困難です。
そのため、身を隠して獲物が来るのを待つというスタイルの狩りをするのです。
また、猫は肉食獣ではありますが、小さな動物であるために捕食される側になってしまうこともあります。
猫は自分の身を守るために、狭くて暗い場所に身を潜めます。
これらの習性によって、猫は狭くて暗い場所にいることで安心できるので、そういう場所があればつい入りたくなってしまいます。
こたつは猫が安心できる要素である暗くて狭いというだけではなく、暖かいという要素も満たしているので、猫がこもりたくなってしまう場所なのです。
猫は「寝る子」からきていると言われるほど1日中寝ている動物です。
1日に12~16時間ほど寝るとされており、寝るのが好きな子だとそれよりももっと長い時間寝ていることもあるでしょう。
これは狩りやいざというときのために体力を温存するためと、毎日変わらず同じように過ごすことが好きなためです。
寝て過ごすのが好きな猫ちゃんたちにとって、こたつはうってつけの場所と言えるでしょう。
猫は自分で居心地が良い場所を見つけるのが上手です。
ですから、お留守番の際には猫が自分で居心地の良い場所に移動できるように、できるだけケージや一室に閉じ込めない方が良いです。
猫は鼻から吸った空気の温度を感知することによって、暖かい場所を見つけ出します。
離れた場所からでも暖かさを追って猫が集まってくるので、その精度はかなりなものです。
鼻の温度の感知機能は、一度以下の差でもわかるほどであるとされています。
こたつを出すと猫がわらわらと集まってくるのは、暖かい温度を感知しているからという理由もあるのです。
猫が大好きなこたつですが、本来は猫のためのものではありません。
それゆえ、猫が使用する際には注意してあげるべきことがあります。
こたつの温度は即座に火傷をしてしまうようなものではありませんが、長い時間熱源に接することによって低温火傷を発症することがあります。
特に猫は暖かさが大好きなので、暖かい場所にくっついていってしまいます。
人間は被毛がないため熱さを感じやすいのですが、猫は被毛があるために温度への感覚が人間より鈍い傾向があります。
人間だったら熱いと感じるようなヒーターの噴き出し口に猫がくっついているのはそのためです。
ヒーターの噴き出し口にくっつくのと同じような行動を、猫がこたつの中でもとってしまい、長時間熱源にくっついたままでいると低温火傷の可能性は低くはありません。
こたつの温度が上がりすぎないようにする、こたつをつけっぱなしにしないなど猫が低温火傷にならないように注意する必要があります。
猫はもともとあまり水を飲まない傾向があります。
砂漠出身であり、狩りをして暮らしていたために、水を飲むというよりも獲物を食べることによって水分補給をしていました。
水を積極的に飲まないという傾向があるために、飼い主さんが気を付けてあげないと、猫は水分補給が充分では無いことが珍しくありません。
こたつのような暖かい場所にいれば十分な水分補給が必要になるのですが、猫はあまり水を飲まないうえに、暖かい場所から出たくないがために、水を飲みに行かないということもあります。
猫は水を飲むということよりも、暖かい場所で寝る方を優先してしまいがちです。
長時間、愛猫がこたつにこもっているようなときには、飼い主さんが水を飲ませるようにしてあげる必要があります。
また、脱水によって他の病気が引き起こされる可能性もあります。
脱水がひどい際には輸液などの処置が必要になりますので、脱水の症状が改善しない、食欲がない、元気がない、おしっこの量が少ない、おしっこをしないなどの症状が見られた場合は早急に獣医に診察してもらいましょう。
比較的暑さに強い猫ですが、猫も熱中症になります。
こたつは健康な大人の猫は大抵の場合、熱中症を発症する可能性は低いでしょう。
しかし、体力がなく体温調整がうまくできない子猫、また病気の猫は、こたつに入り浸ることで熱中症を発症してしまう可能性があります。
こたつの温度はあまり高くならないようにするとともに、ときどき猫の様子をチェックするようにしましょう。
こたつの中は暖かいので乾燥しがちです。
ずっとこたつの中に入ることによってドライアイを発症することがあります。
こたつにこもりがちな猫ちゃんをこたつから連れ出して遊んだり、ブラッシングしてあげたりするなどして、こたつから出て過ごす時間を作ってあげるようにすると良いですね。
現在では少なくなったかと思われますが、練炭のこたつを使っている場合には一酸化炭素中毒に注意が必要です。
猫も一酸化炭素中毒になってしまいますので、できれば練炭のこたつは使用しない方が良いでしょう。
一酸化炭素中毒で意識不明になってしまった場合には、命が助からないことが多いです。
電気こたつの場合、コードが付いていますね。
猫ちゃんの中には電気コードをかじってしまう癖がある子もいます。
電気コードに傷がつくと、そこから感電する可能性があるので危険です。
猫がこたつに入る場合は、必ずしも真ん中の部分に居るというわけではありません。
こたつ布団の下でまったりしている場合も多いです。
こたつの布団はモコモコしているため、下に猫がいてもわからないことがあります。
万が一猫ちゃんをふとんの上から踏んでしまった場合には怪我をするかもしれませんし、子猫の場合は命を落とす危険もあるため注意が必要です。
老猫や子猫、病気の猫は体力がなく、健康な大人の猫よりも熱中症や脱水症になりやすいです。
そのような子たちがこたつに入っている場合には、ときどき飼い主さんが様子を見てあげたり、こたつの外に連れ出してあげたりしましょう。
こたつの温度が上がりすぎないように気を使ってあげてください。
猫がこたつを使用するためには色々な注意点がありますが、だからといって猫からこたつを取り上げてしまってはかわいそうですね。
ここでは、猫にこたつを安全に使ってもらう方法をご紹介します。
もし練炭や豆炭のこたつを使用している場合には、電気こたつを使用するようにしましょう。
豆炭のこたつは電気こたつよりも経済的に安価である、じんわりと暖かいなどの理由によりを好む人もいるようです。
豆炭のこたつにも良いところはありますが、安全面で考えた場合、ペットを飼っている人にはおすすめできません。
特に猫の場合はこたつに入りたくなるという習性があるため一酸化炭素中毒になる危険性が高いためです。
猫を飼っている場合には、猫の安全のために電気こたつを使用するようにしてください。
猫は被毛があるため多少高温であっても肌が熱さを感じづらく、ずっとその場にいてしまいますし、暖かい場所を好むために少々暑くても気にしない傾向があります。
しかし、こたつの中が高温だと、熱中症や脱水症状、低温火傷などを発症する恐れがありますので、温度設定は弱にしておきましょう。
猫の感電を避けるためにコードにカバーを付けて対策しましょう。
温度が上がり過ぎないように、また乾燥しすぎないようにするために、こたつ布団をめくって一部を開けておくと良いでしょう。
お部屋が乾燥しすぎないように、加湿器を使用するとより乾燥を防ぐことができます。
こたつでの事故を避けるため、つけっぱなしにせずに、飼い主さんがいるときだけ電気を入れるようにしてください。
飼い主さんが留守のときはこたつの電源はオフにして、エアコンで温度管理をしましょう。
お部屋の温度が低すぎなければ、こたつが付いていなくても大丈夫です。
こたつが大好きな子は何時間でもこたつにこもってしまいます。
知人の猫が朝からこたつにこもっていて、数時間後に気が付いたときには 亡くなっていたということがありました。
おそらく、その猫はどこか体調が悪かったと思われますし、稀な事例ではありますが、飼い主さんが猫の死に何時間も気が付かないでいたということにでもなればあとで後悔してもしきれません。
ときどき猫の様子を確認し、必要であればこたつから連れだして遊ばせたり、おやつをあげたりすると良いでしょう。
猫は温かい場所に居ることを優先して水を飲まないことがあります。
脱水症状を発症するまで至らなくても、水を飲まないことによって結石ができたり、腎臓に影響したりなど体に悪影響が出ることが懸念されます。
こたつの中に水を差し入れてみたり、お湯を用意してみたりして猫が水を飲むようにしましょう。
猫は38~40℃程度のぬるま湯が好きです。
冷たい水はなかなか飲まなくても、ぬるま湯を差し出すと飲んでくれることもあります。
また、食事の内容を水分が摂れるウエットフードを多くすることも水分摂取に役立ちます。
ふわふわの厚手のこたつ布団は心地が良いですが、下に猫が隠れていても分かりづらいですね。
誤って踏んでしまっては大変です。
猫の怪我の防止のためには、薄手のこたつ布団を使用すると良いでしょう。
また、広く裾が広がらないタイプであれば、猫が布団の下に隠れることができません。
最近ではこたつが大好きな猫ちゃんたちのために「猫用のこたつ」も発売されています。
人間用よりも温度設定が低くされており、30~35度程度となっているので安全性が高いです。
また、コードカバーが付いている商品もあり、猫の安全を考えて作られています。
大きさも猫が1~2匹程度上に乗ったり中に入ったりできる程度の大きさで見た目もかわいらしく、お部屋にあっても邪魔になりません。
猫の安全に配慮されているものの、床暖房の上で使用すれば高温になってしまうので、置き場所には注意しましょう。
また、低温の設計なのですが、念のため飼い主さんが留守のときには電源を切っておくと良いでしょう。
こたつは猫の天国です。
こたつの中で猫がまったりしている様子は癒されますが、人間用のこたつに猫がこもっている際には注意が必要です。
本記事を参考に猫の安全に配慮していただけると幸いです。
また、より安全に使用できる猫用こたつを利用しても良いですね。
公開日 : 2020/04/27