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はじめに、冒頭でもあげました「シジュウカラはペットとして飼育可能なのか?」という疑問ですが、答えはNOです。
シジュウカラはあくまでも野鳥であり、鳥獣保護法によって守られている 鳥類 です。
従って、無断で飼育をしたり捕獲して販売したりすれば、この保護法に違反し刑罰が科せられてしまいます。
シジュウカラは、野鳥観察という楽しみ方で関わっていくことが前提の鳥類になります。
それでは全くペットとして飼育ができないのか?と言われれば例外があります。
それはシジュウカラを保護した際には、自治体に許可をもらい、ある程度回復するまで「保護」という形で育てることが可能です。
また、稀に外国産の「ヨーロッパシジュウカラ」という種類の、とてもシジュウカラに似た鳥類がペット用に輸入されている場合があります。
こちらはペットとしての飼育が可能であり、個人で育てることができます。
しかし、その場合絶対に終生飼育をするという決意のもと、飼育しなくてはいけません。
外国産の鳥類の放鳥は日本の鳥類の生態系に影響を与えて、その環境を壊してしまう恐れがあるからです。
いずれにしても生き物を飼う以上、終生飼育の責任をもって飼育しなくてはいけませんよね。
それでは、本記事ではシジュウカラについての特徴・生態について紹介させていただきます。
シジュウカラは日本や韓国を含む東アジア、ロシア極東に分布しています。
全長は15センチ前後で、羽を伸ばすと22センチほどの大きさになり、体重は11~20g前後です。
体色について、上部は青みがかった灰色をしており、黒色のものも存在します。
喉から胸部にかけて黒い斑紋に分断されて、くちばしの色は黒色なのが特徴です。
雄は雌に比べると身体の模様がはっきりとしており、サイズもやや大きめになります。
寿命は1年半ほどで、一部の亜種を除いて留鳥のため渡り鳥のようには移動しません。
食性は他の鳥類同様雑食性であり、木の実や果実・種類、ミミズ、小型昆虫などを捕食します。
人工エサでは配合飼料の他にひまわりの種やミルワームなども好んで食べます。
日本では市街地の公園や、山地の林に至るまでいろいろな場所でその姿を見ることができます。
通常は渡りを行わない鳥ですが、寒冷地に住む個体は、食物の少ない時期に温暖な土地に移動することもあります。
渡りを行う際にはシジュウカラ科の他の種類も混同して、小規模の群れとなって行動します。
日本での繁殖期は4月~7月にかけての暖かい時期であり、樹洞類に藻や獣の毛を敷き詰めて巣を作った上で、およそ10個前後の卵を産みます。
子育ては基本的に雌のみで行われ、巣作りも雌が行います。
そして雌のみが抱卵して、14日前後に孵化し、雛は20日前後で巣立ちます。
人にも良く慣れるため、民家の軒先に巣を作り、人工的に設置した巣箱を利用するので身近に観察できる野鳥です。
各自治体では保護鳥としての指定がされており、上記で紹介した通り、鳥獣保護法で規定されている鳥です。
シジュウカラは日本人にとっては身近な野鳥であり、野鳥観察を始めたい方にもうってつけの鳥類です。
比較的人家の周りなどに生息しているので、見つけやすい種類の野鳥でもあります。
シジュウカラを庭先に呼んで、声を聴きその生態を観察してみるのも楽しいですよね。
繁殖期になるとシジュウカラは、人工の巣箱を利用して子育てを行うことがあります。
庭先の樹木の高い位置や軒先に巣箱を設置すると、シジュウカラが卵を産み付けることがあります。
もし、設置した巣箱にシジュウカラが入り、産卵して子育てを開始した場合には、手を加えずに見守ってあげましょう。
繁殖期のシジュウカラは少々神経質になっていますので、遠巻きにシジュウカラを刺激しないように配慮して観察しましょう。
シジュウカラは他の野鳥が使用した形跡のある巣箱は使用しませんので、使用済みのものはきれいに掃除してから設置しましょう。
ひまわりの種はシジュウカラの好物であり、普段の野鳥観察においても庭先に設置してあげると喜んで食べます。
殻を脚を使って上手に剥く様は器用で可愛らしいです。
しかし、中身の実を綺麗に食べた後は、殻はポイ捨てしていきますので、近所トラブルを避けるためにも定期的な掃除が必要です。
ひまわりの種の他、人工の配合飼料なども食べてくれます。
シジュウカラは雑食性のため、動物性たんぱく質としてミルワームなども良く食べます。
人に慣れてきた個体は、手からもエサを食べることもありますので、指先にのせてあげてみるのも楽しいでしょう。
手のひらにのせて給餌しようとすると、捕まれると警戒して寄ってきにくくなるので、指先であげるのがおススメです。
ミルワームは乾燥しているものも食べますが、生きた個体の方が喜んで食べてくれます。
虫類が苦手な方は大きめの木の実などで挑戦してみてくださいね。
新鮮なエサを設置しておくことも野鳥観察の上では重要ですが、常に新鮮な水が飲めるように水飲み場を作っておくことも良いです。
水場があることにより、よりシジュウカラなどの野鳥が寄り付きやすくなり、給水場所として利用するようになります。
また、水浴びなどもする様子が観察できます。
水は毎日新しいものに交換して清潔に保つようにすると野鳥が寄ってきやすくなります。
シジュウカラをもし保護し、衰弱などの理由で一定期間飼育する場合には各自治体への届けが必要になります。
また、シジュウカラのヒナが巣から落ちているのを目撃した場合には、初めに巣を探しそっと戻してあげましょう。
毛の生えたヒナが地上に落下していた場合には、止まり木より落下したことが予想されますので、近くの木の上に戻してすぐにその場を離れましょう。
親鳥が近くにいることがありますので、あとは自然の流れに任せることが適切です。
人の手の中に長くいてしまうと、人のにおいがついてしまい、親鳥が飼育放棄をおこして中にはヒナが死んでしまうケースもあります。
また、ガラス戸などに追突したりと、事故により気絶している場合には箱などで一時的に保護し、意識が戻り次第外に放してあげると良いです。
人と野鳥とのより良い距離間で接することで、昔からの日本の生態系を守ることにもつながります。
美しいシジュウカラの生態を崩さないためにも、適度な距離を保ってシジュウカラとのふれあいを楽しみたいです。
原産国 : 日本、朝鮮半島、東南アジア等
毛色 : 上部は青みがかった灰褐色で、腹部は白く、黒い縦線が一本入っている特徴があります。
寿命 : 2年前後
体重 : 20g前後
体長 : 羽の先までで約22センチ
特徴 : 日本では古くから親しまれている野鳥であり、青みがかった羽が美しくくちばしは黒色です。
性格 : 人に慣れやすく、物怖じしませんが、慣れるまでは慎重であり、シジュウカラ同士で鳴き声をつなげてコミュニケーションをとることができる知能があります。
注意点 : 鳥獣保護法で飼育を規制されている野鳥であり、一般家庭でのペットとしての飼育はできません。外国産の「ヨーロッパシジュウカラ」という類似の鳥類の飼育は可能ですが、日本の種類と交雑させないためにも終生飼育する覚悟が必要になります。また、外国産のシジュウカラの数は少数であり希少な存在です。
野生のシジュウカラは民家の周辺に生息していますので、野鳥観察では見つけやすい種類の野鳥であり、初心者にもおすすめです。
日本の身近な野鳥、シジュウカラについて紹介させていただきました。美しい体毛と見つけやすい点から親しみのある野鳥です。
餌もえり好みしないで食べますので、野鳥観察には最適な鳥になり、近くで観察できる魅力があります。
野鳥観察に興味のある方や、小鳥の飼育を始めようか検討している方の参考にしていただければ幸いです。
公開日 : 2017/12/04